旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年9月7日日曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてください。
■9月開催の各観察会、日程は以下の通りです。
野鳥観察会
9月13日(土曜日)
9月28日(日曜日)
8時開始、10時頃まで
参加費200円
自然観察会
9月21日(日曜日)
9時開始、11時頃まで
参加費200円
バードウォッチャーのための樹木観察会
9月23日(火曜日祝日)
9時開始、11時頃まで
参加費300円(資料つき)
電話および窓口直接にて受付しております。
みなさまのご参加をお待ちしております。
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、基亜種とは別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のトピックス
カケス(亜種ミヤマカケス)
9月2日午前8時頃、カケスをこの秋初めて旭山記念公園で確認しました。
過去の最早記録は9月1日だったので、今年はその年なみのかなり早い記録となりました。
写真はその時のもので、藻岩山方面から飛んで来ていちど森の家南西側のシラカンバにとまり、すぐに「カラマツ林」方向に移動し、林内で数分間「ジェイジェイ」鳴いていました。
翌9月3日水曜日、5日金曜日そして6日土曜日にも声を聞きましたが、3回とも同じ「カラマツ林」奥から鳴き声が聞こえ、5日には何か分からないスズメ目の囀りの真似もしていました。
カケスは秋になると山から降りて来て4月まで滞在しますが、年によっては来ないこともあり、2024-25年の冬は確かな観察記録はありませんでした。
2024年は山の植物の実が豊作で食糧がたくさんあって平地に降りて来る必要がなかったものと推測され、そのような年は過去にもありましたが、一転して今年は山の植物の実が不作で早々に降りて来た、という可能性も考えられます。
今のところまだ1羽ですが、この先様子を追ってゆきます。
クロジ
9月2日、園内でクロジ雄が観察されました。
「ポートランドの森」周辺で「チッ チッ」と鳴きながら移動し、何度か姿が見え、アオジではなくクロジであることが確認できました。
その時に撮影した、不鮮明で顔も写っていないけれどクロジ雄であることは分かる写真が一応撮れたので載せます。
翌9月3日もその辺りで同一個体の可能性が高い雄1羽が見られましたが、4日以降の観察情報はなく、移動したか、山に食糧が少なくて短期間山から降りて来たのかもしれません。
クロジは旭山記念公園では春と秋の移動の時期にほぼ毎年一度は見られ、春の記録が多いですが、秋も見られる年があります。
キクイタダキ
9月6日、「作業員詰所」付近の「トドマツ林」でキクイタダキの観察情報がありました。
キクイタダキは例年10月に山から降りて来て5月まで越冬しますが、9月上旬の観察記録は今回が初めてで、過去には6月に1回記録があっただけです。
こちらもカケス同様で、8月4日には通常旭山記念公園では夏には見られないキバシリも見られたので、今年は山の食糧が少なくて降りて来た可能性があります。
今年は早く降りて来るのか、今回はたまたまか、今後要注目です、キバシリともども。
ノビタキ
9月5日9時ごろ、ノビタキ2羽が「展望台北西斜面」に現れ、「テラス状階段」の植木と手すりにとまりました。
写真はそのうちの1羽ですが、ノビタキは春と秋の移動の際にほぼ毎年1、2日見られ、だいたい「展望台」から「噴水広場」にかけての辺りで見られています。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
9月5日金曜朝9時頃「ちびっこ広場北の森」から鳴き声が聞こえてきましたが、声から判断する限りでは10羽以上、もしかしてもう少し多い群れでした。
その辺りに10分以上いましたが撮影には少々遠かったです。
その前日9月4日にもその辺りに出たとの情報もありました。
9月6日土曜日11時半過ぎ、「森の家南斜面」で10羽前後くらいの群れと思われるシマエナガの声が聞こえ、「藻岩山登山口」方面に移動したように聞こえました。
そして本日9月7日11時45分ごろ、昨日と同じ「森の家南斜面」で数羽の鳴き声が聞こえ、東から西に移動しましたが、森の家の前から見える場所には来ませんでした。
これで4日連続見られたことになり、見られる機会が増えてきています。
夏鳥情報
イカル
今週は園内でときどき鳴き声が聞かれ、9月6日には「ミュンヘンの森」で姿も見られました。
写真がそれですが、イカルは9月以降は夏場よりは見られる機会が増えるのも毎年の傾向で、今年もそうなるか要注目です。
クロツグミ
今週は幼鳥成鳥とも確かな観察情報はなかったですが、9月はまだ見られる可能性があり、注意深く追ってゆきます。
アカハラ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
トラツグミ
今週は声も姿も確かな観察情報はなかったです。
オオルリ
9月3日「カラマツ林」付近で雄幼鳥が観察されましたが、羽の青が前よりもきれいになっているように見えました。
幼鳥の観察情報は他にもありました。
また9月5日には「遊具広場の森」の先「旭山グランドキャニオン」付近から囀りが聞こえてきましたが、姿を目視することはできず、同じ短いフレーズを繰り返しているだけで、雌の囀りの可能性もありそうです。
オオルリは例年9月中旬まで見られることがありますが、今年はどうなるでしょうか。
キビタキ
今週も成鳥雄、雌、幼鳥ともに観察情報がありました。
今の時期はほとんど鳴かないですが、ときどき「ヒッヒッヒッ キュピキュピ」と森の中から声が聞こえ、一度動く姿が見えるとそこから追って観察できるということもしばしばあります。
コサメビタキ
この1週間も、「学びの森」から「新桜並木」の辺りで見られていますがひところより観察頻度が落ちています。
ウグイス
「ジッ ジッ」と地鳴きがときどき聞かれていますが少ないです。
ウグイスは10月に入ってから地鳴きを聞いて姿が見られる機会が増える傾向にあります。
ヤブサメ
笹薮から「シュッ」という地鳴きが聞かれることがあり、その声を頼りに笹薮の中を見ていると姿が見られることもあります。
ヤブサメは例年9月下旬には見られなくなります。
センダイムシクイ
8月28日を最後に観察情報がなく、南に渡っていなくなった可能性があります。
もう少し様子をみます。
ホオジロ
この1週間も園内での確かな観察情報はなかったですが、この先もまだ見られることがあるかと思われます。
アオジ
「遊具広場」周辺でときどき鳴き声が聞かれ、散発的に園内での観察情報があります。
メジロ
「チュルチュルチリ」という囀りはあまり聞かれなくなりましたが、鳴き声を聞く機会は多いです。
高い位置にいることが多いですが、低い位置にも降りて来ることがあるので、囀りもしくは「ツー」「キュピキュピ」という地鳴きが聞こえたら探すと見られることがあります。
キセキレイ
園内でときどき見られており、「第2駐車場」から森の家の間での情報がいくつかあり、「学びの森」周辺でも観察情報がありました。
モズ
9月4日、「巨木の谷」で雄1羽が観察されました。
写真がそれですが、今後もしばしば見られるものと思われます。
ハリオアマツバメ
先週お伝えしたように、南に渡っていなくなった可能性がありますが、もう少し様子をみます。
ヤマシギ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
ツツドリ
今週は園内での観察情報がありましたが、まだ来週くらいまでは見られる機会があると思われます。
キジバト
「デデーポーポー」という鳴き声は今週も毎日園内でも聞かれていますが、やはり低い位置にはなかなか降りて来ません。
アオバト
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
アオバトは例年9月下旬には旭山では見られなくなりますが、今年はどうでしょうか。
チゴハヤブサ
今週も園内での確かな観察情報はなかったですが、チゴハヤブサは9月下旬まで見られる可能性があるので、もう少し様子をみます。
秋から春に見られる野鳥
シメ
今週もときどき声が聞かれ飛ぶ姿も見られましたが、9月2日には「作業員詰所」横の道沿いのカラマツに3羽が飛んで来て意外とすぐに逃げず、低い位置で見ることができました。
観察情報は増えつつあるといったところです。
カケス(亜種ミヤマカケス)
(前述)
留鳥情報
クマゲラ
園内で近くで見られたとの観察情報はありましたが、今週は情報は少なかったです。
この先も見られるかどうかはその時次第でしょう。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
今週も園内や旭山都市環境林で見られています。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
観察機会は多いです。
幼鳥はそろそろ頭部が成鳥と同じ模様になっているものと思われます。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多く、幼鳥も成鳥も近くで見られる機会があります。
ヤマゲラ
今週も確かな観察情報はなく、8月27日までの3週間ほど近くに滞在していただけでいなくなった可能性があります。
ただ、ヤマゲラは声をほとんど出さず見つけにくいので、この先まだ見られる可能性はあります。
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハイタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
オオセグロカモメ
今週は園内および近隣上空での確かな観察情報はなかったですが、よく来ていたのは7月から8月にかけてのひと月だけだったようです。
カワラヒワ
9月1日に「噴水広場」上空を飛ぶ姿が観察され鳴き声も出していましたが、それ以外の確かな観察情報はなく、やはり今年は少ないです。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、「テュッテュッテュッ」という地鳴きもよく聞かれています。
シジュウカラ
園内一円でよく見られています。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
ヤマガラ
園内一円でよく見られています。
幼鳥も成鳥と同じ色になっている頃と思われます。
ヒガラ
園内の針葉樹で観察機会は多く、「学びの森」から「作業員詰所」の付近で特によく見られています。
囀りはほぼ聞かれなくなりました。
ハクセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
スズメ
道路沿いで見る機会がありますが今週は園内でも観察情報がありました。
スズメは夏から秋にかけて行動範囲を広げる個体がいるのか、今までも秋に園内で見られた年がありました。
ヒヨドリ
園内一円でよく見られており、幼鳥もいます。
ハシボソガラス
「展望台芝生斜面」や「テラス状階段」そして「第1駐車場」でよく見られています。
ハシブトガラス
園内で多く見られています。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
エゾシカ
8月に入ってからほぼ毎日園内での観察情報があり、「遊具広場」「ちびっこ広場」周辺によく出ています。
写真は「展望台北西斜面」にいた若い雄で、他に雌と子ども1頭ずつが近くにいました。
エゾリス
園内で見る機会は多く、夕方に見られることもあります。
「学びの森」「遊具広場」「山紅葉坂」など、よく見られる場所もいくつかあります。
ニホンカナヘビ
今週もよく見かけましたが、写真は森の家の中を歩いていた子ども=幼体です。
ジムグリ
旭山記念公園で見られる3種のヘビの中では最も小さいジムグリがいました。
他の2種、アオダイショウとシマヘビよりは動きが遅く、またおとなしいヘビであるらしく、見ているとじきに落ち葉の下や地面の穴に潜って見えなくなります。
ナツアカネ
ナツアカネは9月に入って急に増えた印象ですが(もちろん気づくようになっただけの可能性もあります)、例年8月中旬には見られるようになるので、今年はナツアカネはいないかごく少ないかもしれないと思っていたところでした。
雄は写真のように顔も体の横も真っ赤であるのが特徴で、アキアカネは体の横は赤くはなりません。
ナツアカネは例年9月中旬には見られなくなりますが、出て来るのが遅かった今年はどうなるでしょうか。
アキアカネもそろそろ見られるようになってきましたが、今はまだノシメトンボが多いです。
ピンク色のクサキリ
先週クサキリを上げましたが、今週はピンク色のクサキリがいました。
森の家の壁にいたもので、バッタ目の昆虫には環境と色素との兼ね合いでピンク色に見える個体も出るとのことですが、初めて見ました。
ヒトリガ
牛のような翅の模様のやや大型の蛾ヒトリガ科のヒトリガがいました。
街路灯や時には火にも寄って来ることから「火取蛾」の名前がついており、有毒とのことです。
カラスシジミ
シジミチョウ科のカラスシジミ、夏から秋にかけて見られます。
オオイタドリ雌花
タデ科オオイタドリ、先週は雄花ばかりが目立つと書きましたが、今週になって雌花も見られるようになってきました。
雌雄異株で、立っているのが雄花、このように垂れ下がっているのが雌花です。
アメリカセンダングサ
キク科のアメリカセンダングサが森の家横の薪置き場に出ていて、高さ1m以上に育っています。
外来種で10年ほど前までは森の家の周りでよく見られていましたが、ここ数年は見られておらず、久しぶりです。
ノブドウ
ブドウ科ノブドウのカラフルな実がなっていました。
キャンディみたいでおいしそうな色ですが、この実は食べられません。
タマゴタケ
毎年秋に「ミュンヘンの森」周辺で見られるきのこです。
次回は、2025年9月15日月曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。