旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年9月15日月曜日、敬老の日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてください。
■9月開催の各観察会、日程は以下の通りです。
野鳥観察会
9月28日(日曜日)
8時開始、10時頃まで
参加費200円
自然観察会
9月21日(日曜日)
9時開始、11時頃まで
参加費200円
バードウォッチャーのための樹木観察会
9月23日(火曜日祝日)
9時開始、11時頃まで
参加費300円(資料つき)
電話および窓口直接にて受付しております。
みなさまのご参加をお待ちしております。
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、基亜種とは別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のトピックス
イカル
9月8日月曜日からイカルが毎日見られています。
9月に入ってからそれ以前よりはイカルの声を聞く機会が増えていましたが、9月8日、「作業員詰所」付近のヌルデの木の果実を食べる姿が観察され、翌日から20~40羽の群れで見られるようになり、今日まで毎日見られ続けています。
当初は「作業員詰所」横のヌルデの果実を食べていましたが、そこの果実が少なくなったのか、ここ3日ほどはそこにはあまり来ておらず、「展望台北西斜面」の「展望台ユニバーサル園路」沿いにまとまって生えているヌルデに来ています。
「リバティベル」横の石垣の辺りからだと目線の高さかそれより下に見ることができ、そこにいればこちらの動きに対しては逃げずに観察・撮影を続けられ、9月13日土曜日の野鳥観察会でもじっくりと見られました。
ただ、木の下の園路を人が歩いて近寄って来ると一斉に飛んで逃げますが、(その人が鳥を見る人かそうでないかに関係なく)、逃げても数分で戻って来ることもあれば、しばらく来ないこともあります。
イカルも慣れたのか、今日は幼鳥1羽だけ園路を人が歩いて来ても逃げずに食べているといったこともありました(写真3枚目、9月15日撮影がその個体)。
ヌルデは果実に塩分が含まれていて、冬に茶色くなると野鳥の貴重な食糧となるのですが、今年はまだ緑で果実がなり始めた頃から早々に食べ始めています(写真4枚目と5枚目)。
旭山記念公園で野鳥観察を続けて25年以上になりますが、このような事象は初めてで、しかもイカルはあまり低い位置に降りて来ず警戒心も強いので、近くでこれだけじっくり見られる機会もほとんどなかったです。
また、イカルは基本夏鳥ですが、過去に2回だけ、2008-09年と昨冬2024-25の冬は越冬しており、どちらもヌルデの果実が豊作の年でした(ただし昨冬は他の果実も豊作でした)。
考えられるのは、山の植物の果実のなりが悪くて早々に低地に降りて来ていることで、これはカケス、キクイタダキ、キバシリも例年より早く降りてきていることからも同様に推察できます。
また、ヌルデは開けた明るい場所に出る先駆植物のひとつで、イカルが主に暮らしている藻岩山の森林にはほとんどないと思われ(あってもスキー場周りと観光道路沿いの開けた場所くらい)、近場でヌルデがまとまって生える開けた場所である旭山記念公園に食べに降りて来ている可能性もあります。
今後いつまで見られるのか、園内他の場所のヌルデも食べに来るのか(まとまって生えている「四季の散歩道」には今でも来ている)、ヌルデを食べ尽くすまで来るのか、また、今は人目につきにくい場所で食べていますが、それが尽きると人目に付きやすい場所の果実も食べに来るのか、興味はつきないです。
ノビタキ
9月8日月曜日にも園内での観察情報がありました。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週は観察情報がなかった日もあり、見られた日もありました。
9月9日火曜日は、「展望台」から「中央トイレ」の辺りそして「友愛の小径」から「学びの森」の辺りで合計30分以上見られたという情報もありました。
今後しばらくはこのような感じで見られたり見られなかったりが続くと思われます。
夏鳥情報
イカル
(前述)。
クロツグミ
今週は幼鳥成鳥とも観察情報があり、まだ見られる可能性があります。
アカハラ
今週は園内での確かな観察情報はなかったですが、西岡公園で見られたとの情報がありました。
トラツグミ
今週は声も姿も確かな観察情報はなかったです。
オオルリ
今週は幼鳥と雄成鳥の観察情報がありましたが、オオルリは、例年通りであれば、そろそろ南に渡って見られなくなる頃です。
キビタキ
今週も成鳥雄、雌、幼鳥ともに観察情報がありました。
やはり囀り地鳴きともに鳴いていたという情報はなく、カラ類を追っていてたまたま見つけたという情報がほとんどで、しかし、林内で動く野鳥に気づいたらそれを追ってゆけばキビタキだった、ということはままあります。
写真は上が雄、下が幼鳥と思われる個体です。
コサメビタキ
この1週間も、「学びの森」から「新桜並木」の辺りで見られていますがひところより観察頻度が落ちています。
今日は「学びの森」で15分以上見られ、写真がその時のものです。
ウグイス
「ジッ ジッ」と地鳴きがときどき聞かれていますが少ないです。
ウグイスは10月に入ってから地鳴きを聞いて姿が見られる機会が増える傾向にあります。
ヤブサメ
笹薮から「シュッ」という地鳴きが聞かれることがあり、その声を頼りに笹薮の中を見ていると姿が見られることもあります。
ヤブサメは例年9月下旬には見られなくなります。
センダイムシクイ
今週も確かな観察情報はなく、どうやら南に渡って行ったようで、この先観察情報がなければ来週からここでは取り上げません(また来年)。
ホオジロ
本日9月15日、久しぶりに園内で雄1羽が見られ、「展望台北西斜面」から飛び上がって「展望台の松」のてっぺんにとまって地鳴きしていました(写真がそれです)。
アオジ
「遊具広場」周辺でときどき鳴き声が聞かれ、散発的に園内での観察情報があります。
写真は「展望台北西斜面」の「舗装道路」側から撮った雌の個体です(草に紛れて見にくいですが)。
メジロ
「チュルチュルチリ」という囀りはあまり聞かれなくなりましたが、鳴き声を聞く機会は多いです。
高い位置にいることが多いですが、低い位置にも降りて来ることがあるので、囀りもしくは「ツー」「キュピキュピ」という地鳴きが聞こえたら探すと見られることがあります。
キセキレイ
園内でときどき見られており、「第2駐車場」から森の家の間での情報がいくつかあり、今日は「学びの森」から「展望台」にかけての辺りを高く飛ぶ1羽が見られました。
キセキレイは旭山記念公園では例年10月中旬頃まで見られます。
モズ
今週は確かな観察情報はなかったですが、まだこの先しばしば見られるものと思われます。
ハリオアマツバメ
今週は確かな観察情報はなく、池の水を飲みに来ることで知られる西岡公園でも今月に入ってから出ていないとの情報があり、やはり先々週お伝えしたように、8月29日に集まって南に渡って行った可能性が高そうです。
この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また来年)。
ヤマシギ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
ヤマシギは道内の別の場所のセンサーカメラでは10月中旬まで写っているので、まだ見られる可能性はありますが、どのみち夜行性なので観察はきわめて難しそうです。
ツツドリ
今週は園内での観察情報がなかったですが、もう少し様子をみます。
キジバト
「デデーポーポー」という鳴き声は今週も毎日園内でも聞かれており、今日は3羽が「展望台」上空やや低くを飛ぶ姿が見られました。
キジバトは例年11月上旬まで見られます。
アオバト
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
アオバトは例年9月下旬には旭山では見られなくなりますが、もう少し様子をみます。
チゴハヤブサ
今週も園内での確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
秋から春に見られる野鳥
シメ
今日も見られましたが、「第1駐車場」上空で見ることが多く、数はまだ1羽から3羽です。
カケス(亜種ミヤマカケス)
今日は4羽が連なって飛ぶ姿が見られ、ほぼ毎日見られていますが、やはり警戒心が強くて低い位置にはなかなか降りてきません。
この写真は「作業員詰所」横のトドマツに来てたまたま低く降りたところです。
留鳥情報
クマゲラ
9月12日金曜日、「双子沢川」で2羽が見られ、1羽は性齢不明ですが、雄幼鳥が川で水浴びをした後でハルニレの木にとまって羽づくろいする姿が見られました。
今日は「旭山都市環境林」から声が聞こえてきましたが近くには来ておらず、園内に来るかどうかはやはりその日その時次第でしょう。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
今週も園内や旭山都市環境林で見られています。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
観察機会は多いです。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多いです。
ヤマゲラ
8月に見られていたのはほぼすべて雌でしたが、今週は雄の観察情報がありました。
写真がそれですが、これは幼鳥と思われ、成鳥ともどもこの先もときどき見られる可能性があります。
オオタカ
本日朝8時15分頃、「第1駐車場」上空でカラスを追いかけるタカ1羽が見られました。
通常はタカがカラスに追いかけられる(モビングされる)ものですが、今日はタカの方がカラスを執拗に追いかけていました(写真はカラスが追いかけているように見えますがたまたまそういう瞬間でした)。
追いかける様子(ピンボケ&ブレですが)とそのタカ(同じく)の写真が撮れましたが、調べたところオオタカであることが分かり、大きさから雄ではないかと考えられます。
このところハイタカ情報が多かったのですが、オオタカも混じっている可能性もあり、今後は注意してゆきたいと思います。
ちなみに、タカは、たくさんやって来るようになったイカルを狙っている可能性もあり、今日のオオタカもイカルがよく来る「展望台北西斜面」上空を偵察飛行に来ていたように見えました。
ハイタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったですが、オオタカのところで書いたとおり、今後は要注意です。
ノスリ
9月13日「野鳥観察会」開始前の7時30分頃、森の家の上空を南西に向かって飛ぶ1羽が見られました。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハヤブサ
9月11日木曜日16時頃、園内上空を低く飛ぶハヤブサ1羽が観察されました(チゴハヤブサでなかったです)。
オオセグロカモメ
今週も園内および近隣上空での確かな観察情報はなかったです。
カワラヒワ
今週も観察情報がなかったのですが、いったいどうしたことか、心配になってきました。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、「テュッテュッテュッ」という地鳴きもよく聞かれています。
シジュウカラ
園内一円でよく見られています。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
ヤマガラ
園内一円でよく見られています。
「作業員詰所」前のトイレ横にあるイチイの木の実、赤くなっていないのですが、それを食べに来る姿が頻繁に見られるようになってきました。
ヒガラ
園内の針葉樹で観察機会は多く、「学びの森」から「作業員詰所」の付近で特によく見られています。
囀りはときどき聞かれています。
ハクセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
スズメ
道路沿いで見る機会がありますが今週は園内でも観察情報がありました。
スズメは夏から秋にかけて行動範囲を広げる個体がいるのか、今までも秋に園内で見られた年がありました。
ヒヨドリ
園内一円でよく見られており、幼鳥もいますが、8月中旬頃から見ると出会う機会が少なくなっているように感じられます。
ハシボソガラス
「展望台芝生斜面」や「テラス状階段」そして「第1駐車場」でよく見られています。
写真は噴水の水を飲みに来たところです。
ハシブトガラス
園内で多く見られています。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
ニホンカナヘビ
今週も森の家の中に入って来ていました。
アキアカネ
アキアカネが増えてきましたが、並行するようにナツアカネが少なくなってきており、来週にはナツアカネは見られなくなるかもしれません。
ノシメトンボはまだ多く見られています。
ルリボシヤンマ
「旭山都市環境林」の「お寺跡地」で毎年ホバリングしているルリボシヤンマ、今年も撮れました。
ルリボシヤンマはしかし、そろそろ見られなくなると思われます。
トノサマバッタ
森の家の周りは「新桜並木」周辺など、開けた場所で「パタパタパタ」と大きめの音を出して低く飛ぶのがトノサマバッタ、今年も現れました。
ベニシジミ
きれいだけど存在が地味な蝶ベニシジミ、今見られています。
エゾノコンギク
秋の花の代表格、キク科エゾノコンギクが園内随所で咲いています。
この花は薄紫ですが(これが標準的な色合い)、濃い紫から白花まで色の変化が多い植物です。
ホオノキ果実
モクレン科ホオノキの大きな果実が見られるようになってきました。
「吊り橋」上流側で毎年見られますが、この写真は「はたちのつどい記念碑」付近にあるまだ若い木で、初めて実をつけたのか、たくさんついていました。
ツリバナ果実
ニシキギ科ツリバナの赤い果実(種子)は、毎年楽しみにしている方も多いのでは?
種子は有毒ですが、メジロやシジュウカラそしてハシブトガラスなどの野鳥がそれを食べます(解毒作用については詳しくは分かっていないそうです)。
次回は、2025年9月21日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。