旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林「旭山の森」では、2024年5月15日現在、120種の野鳥が記録されています。
ここではその全種を紹介します。
一部は写真がない種があります、ご了承ください。
なお、写真について、断りがないもので外見で識別できる種は雄の写真を使用しています。
大きさ、見られる時期、見られる頻度のほか、旭山で見られる頻度について、その鳥がいる時期に旭山に2時間いて見られる可能性を★の数で表しています。
| ★★★★ | ほぼ必ず見られる |
| ★★★ | 見られることがよくある |
| ★★ | 見られることは少ない |
| ★ | 珍しい、年に1~数回見られる程度 |
| ☆☆ | 旭山では少ないが普通種であり市内で他によく見られる場所がある |
| ☆ | 過去に記録があるが今はほとんど見られない、もしくは迷鳥 |
(写真上=雄、中=雌、下=幼鳥)
(シジュウカラ科)
★★★★ スズメくらい
囀り=ツーピーツーピー (2月~5月)
地鳴き=ジュクジュク、チーチーチー
●全国的に最も身近に見られる野鳥
●雄は胸から腹の黒帯「ネクタイ」の幅が広い
●幼鳥の特徴
・白色部が黄色っぽい(だんだん薄くなる)
・「ネクタイ」が不完全
・顔の黒色部が頬の下でつながっていない
●旭山では5月と7月の2回幼鳥が見られる
(シジュウカラ科)
★★★★ スズメくらい
囀り=ピィピィピィ (12月~5月)
地鳴き=チチョピー
●最も見る機会が多い野鳥のひとつ
●日本では北海道にのみ生息
●警戒心が薄く人に慣れやすい
●植物特に草本の種子が好物
●季節による移動はしない
(写真上=成鳥、下=幼鳥)
(シジュウカラ科)
★★★★ スズメくらい
囀り=チーリーツー(1)、ツツピーツツピー (12月~5月)
地鳴き=ニィニィ
●道北や道東では少ないが道央は普通。しかし道内での観察地点が増えてきている
●囀り(1)はワルツ=3拍子
●幼鳥は最初橙色の羽がなくだんだんと橙色が出て来る
●秋にイチイ(オンコ)の種子を食べるが赤い部分は食べずに捨てる
●その昔神社でおみくじを引く芸をしていた
(写真上=成鳥、下=幼鳥)
(シジュウカラ科)
★★★★ スズメより小
囀り=ツピツー (12月~6月)
地=チュキッ、ヒッ
●基本的に針葉樹にいる
●木のてっぺんで囀る
●頭頂部に小さな冠羽があるが幼鳥にはまだない
●春と秋に20羽前後で集まることがある
●他のカラ類より長い期間囀り、秋に囀ることもある
(ゴジュウカラ科)
★★★★ スズメくらい
囀り=フィフィフィ、フィーッ (12月~5月)
地鳴き=ヒュイッ、テュッテュッテュッ
●木の幹を下向きに歩ける唯一の鳥
●囀り声は笑い声のようで遠くまで聞こえる
●警戒心が薄い
●繁殖期の初夏はあまり見られなくなる
●秋に木の種子を樹皮の裏に隠し冬に探して食べる

(写真上=成鳥、下=幼鳥)
(エナガ科)
11月~3月★★★★ 4月~6月★★★ 7月~9月★★ 10月★★★
スズメくらい
囀り=あまり聞かれない
地鳴き=ジュルッ、ツーツーツー、チャッ、
●冬には数家族が集まって群れを形成しよく見られる
●2月にイタヤカエデの樹液を飲みに来る
●囀りは決まったフレーズがなくなんとなく長く鳴いている
●幼鳥の巣立ちは6月上旬
●夏は山地に避暑に移動する
●本州以南の亜種は目に太い黒帯があるが、シマエナガも幼鳥は巣立ち後短期間それがある
(写真上=雄、下=雌)
(セキレイ科)
★★(☆☆) スズメくらい
囀り=チーチュリー
地鳴き=ピピッ
●旭山ではときどき見られる
●札幌の街中には普通にいる
●尾を上下に振りながら小走りで歩く
●夏羽の雄は背中が黒く、雌は灰色。どちらも冬羽では胸以外の黒い部分が灰色になる
●かつて日本では北海道のみに繁殖していたが今では繁殖域が本州西部まで南下した
(カラス科)
「ブト」
★★★★ カラスくらい
鳴き声=カァーカァー
●旭山には多い
●近くに塒の森があるため夕方に多く集まってくる
●猛禽類を見ると数羽で追いかける
●展望台で人の食べ物を取りに来るので注意が必要
●6月に幼鳥が巣立つと近づいた人を襲うので要注意
(カラス科)
「ボソ」
★★★★
鳴き声=ガァーガァー
●旭山には数個体しかいないがいつも駐車場や展望台付近にいるためよく見られる
●札幌の街中では普通
●地面をよく歩く
●胡桃を道路に落とし車に踏ませて割る行動が見られる(ブトはこれをしない)
※ハシブトガラスとハシボソガラスの主な違い
◆頭部
ブト=おでこが大きく盛り上がる
ボソ=おでこはなだらかに嘴につながる
◆嘴
ブト=根本から太くまっすぐに伸び、先で急にカギ状にとがる
ボソ=先に向かって少しずつ細くなる
◆鳴き声
ブト=「カァカァ」と済んだ声
ボソ=「ガァガァ」と濁った声
(カラス科)
★ カラスより小さい
鳴き声=ギージャギージャ
●元々北海道に生息していなかったが近年苫小牧周辺に定着し、札幌でも観察情報が増えできた
●今後札幌圏でも定着する可能性がある
●外国からの渡来の経緯は不明
●2017年4月初記録
(スズメ科)
★★★★(冬期★★)
鳴き声=チュン
●旭山では道路沿いと駐車場でよく見るが森にはいない
(ムクドリ科)
☆☆
鳴き声=ギュリリーッ
●市内ではよく見られるが旭山では稀
(写真上=雄、下=雌)
(アトリ科)
3月~10月★★★★ 11月~2月★★(☆☆) スズメくらい
囀り=ギュイーンチィチィチィー (3月~6月)
地鳴き=キリコロキリ(飛びながら鳴く)
●雄は全身緑褐色だが雌は緑みが淡い
●尾羽がM字型に切れ込んでいて飛ぶと目立つ(アトリ科の特徴)
●飛翔時翼が黄色くすけて見えるが、これらの特徴により飛翔時に識別しやすい
●旭山では冬に見られなくなる年もあるが中島公園などでは冬でも見られる
●秋に大陸から渡って来る体が一回り大きい亜種オオカワラヒワの記録もある
(写真上=雄、下=雌)
(アトリ科)
10月~5月前半★★★★ 5月後半~8月★(☆☆) 9月★★
ムクドリよりやや小さい
囀り=ほとんどしない
地鳴き=チェッ、シッ、シーッ
●北海道には夏鳥と冬鳥と留鳥の個体がいて、結果1年中見られている
●ただし旭山では夏期はめったに見られない
●冬はだいたいいつも園内のどこかにいる
●警戒心がとても強い
●囀りはめったにしない
●旭山では見られないが幼鳥は全体的に緑褐色で頭部は濃い緑色
●イタヤカエデなど樹木の種子が好物
●雄は目と嘴の間に黒い部分があるが雌は黒くない
(ヒヨドリ科)
★★★★ ムクドリよりやや大きい
鳴き声=ピー、ヒーヨーッ
●市街地でもおなじみだが元々は森林性の鳥で1960年代に都市に進出し定着した
●世界でも日本周辺にしか生息していない
●樹木の果実・種子が大好物
●特定の囀りらしき鳴き声を持たず長く鳴くことがある
●秋に南に渡るものもいる
(写真上=雄、下=雌)
(キツツキ科)
11月~7月★★★ 8月~10月★★ カラスくらい
鳴き声=キュイーン、プルプル(飛びながら鳴く声)
●冬の間はほぼ毎日声が聞こえ週に1~2回近くで見られる
●夏は夕方に声を聞くことが多く時々園内で見られる
●1羽が餌をとるのに2~5km四方の森が必要とされる
●雄は頭頂部が額の前まで赤く、雌は後頭部のみ赤い
●特別天然記念物、環境省RDB絶滅危惧II類(VU)
(写真上=雄、下=雌)
(キツツキ科)
10月~4月★★★★ 5月~9月★★★ ハトくらい
鳴き声=キッ
●雄は頭頂部に赤い羽根が広がるが雌は頭部に赤い部分がない
●かつては冬の間だけ見られたが近年は夏でもよう見られるようになった
●山林性の野鳥で市街地にはほぼ出てこない
●アカゲラより警戒心が薄い
(写真上=雄、中=雌、下=幼鳥)
(キツツキ科)
★★★★ ムクドリよりやや大きい
鳴き声=キョッ、キョッキョッ
●雄は後頭部に赤い羽があるが雌にはない
●毎年夏に見られる幼鳥は雌雄問わず頭頂部全体が赤い
●育雛期に人が巣に近づくと人が遠ざかるまでずっと「キョッ キョッ」と警戒して鳴き続ける
●旭山では接する機会が多い鳥のひとつ
アカゲラとオオアカゲラの違い
◆雄の頭部
アカゲラ=後頭部のみ赤い
※ただし巣立ち後の幼鳥は雌雄関係なくオオアカゲラ雄のように頭頂部全体が赤いので注意が必要
オオアカゲラ=頭頂部全体が赤い
◆胸部から腹部
アカゲラ=白またはクリーム色で斑はない
オオアカゲラ=黒い縦縞がある
◆翼の逆「八」の字型の白い大きな部分
アカゲラ=それがある
オオアカゲラ=それがなく一様に格子模様
◆下腹部の色
アカゲラ=赤みが強い
オオアカゲラ=赤みがやや薄くピンク色がかっている
※「キョッ」という地鳴きはほぼ同じで声だけでの識別は難しい
(写真上=雄、下=雌)
(キツツキ科)
★ スズメよりやや大きい
鳴き声=キョッ、キョッキョッ
●雄は頭部に赤い羽があるが雌にはない
●旭山ではかつて何度か記録がある
●十勝地方では割合普通だがそれ以外の道内では少ない
(写真下は雄後頭部拡大)
(キツツキ科)
★★★★(5月中旬〜6月中旬★★) スズメくらい
鳴き声=キュイーッ、キーキッキッキ
●繁殖期の初夏はあまり見ない
●繁殖期以外はカラ類と一緒に行動しよく見られる
●雄の後頭部の赤い羽は野外での目視観察は難しく、写真で分かることが多い
●日本でいちばん小さなキツツキの仲間
(写真上=雄、下=雌)
(キツツキ科)
11月~5月★★★ 6月~10月★★ ハトくらい
鳴き声=キョッキョッキョッ(大きな声)、キュリッ
●冬から春にかけて声がよく聞かれ見られるがそれ以外の時期はあまり鳴き声も発せず観察機会は少ない
●クマゲラの巣を乗っ取ることがある
●キュリッという鳴き声はか弱い感じ
(ハヤブサ科)
★★ ハトよりやや大
鳴き声=キッ
●南区の山の岩崖で繁殖する個体がある
●旭山は年に数回飛んで来るのが見られる
●ドバトをよく襲い食料とする
(タカ科)
★★★ カラスより小さい(雄)、カラスくらい(雌)
鳴き声=キッキッ
●四季を通して時々見られ、秋から冬は観察機会が多い
●よくカラスに追いかけられている
(タカ科)
★★(10月~1月★★★) ハトよりやや小さい(雄)、ハトくらい(雌)
鳴き声=キッキッ
●四季を通して時々見られる
●秋は巣立ち個体を見る機会が多い
●ツグミなどの群れをよく襲う
●雄は少し小さく体の羽に橙色の部分がある
(写真左の個体=雌、右=雄)
(タカ科)
★ カラスより大
鳴き声=ケッ
●南区の山で繁殖、旭山では四季を通して散発的に記録がある
●日本最大のタカだが海外ではワシの仲間に入れられることもある
(タカ科)
★★〜★★★ カラスより大
鳴き声=ケッケッ
●旭山ではかつて春と秋に時々見られる程度だったが近年一年中見られるようになった
●秋に数羽の「鷹柱」が見られることがある
●ネズミや小動物を捕食し鳥はめったに襲わない
●トビの次に多く見られる猛禽類
(タカ科)
★★(☆☆) カラスより大
鳴き声=ピーッヒョロローッ
●四季を通して時々見られる
●秋は見る機会が増える
●飛翔時尾羽がM字型に切れ込むのは他のタカ科にない特徴
(フクロウ科)
★ カラスよりやや小
鳴き声=フォーッホホーッ
●四季を通して時々見られ、冬は見る機会が増える

(サギ科)
☆☆ カラスよりかなり大きい
鳴=クワーツ
●2020年12月旭山で初記録、116種目、上空通過
●北海道では数少ない冬鳥とされているが夏にも見られる
●近年中島公園や月寒公園など市内近郊で観察機会が増えている
(カモメ科)
★(☆☆) カラスよりやや大
鳴き声=クワーッ
●市内中心部で繁殖し街の鳥として定着
●旭山では四季を通してごくたまに飛んで来る程度
(写真上=雄、下=雌)
(カモ科)
4月★★ その他☆☆(旭山では春以外は稀) カラスよりやや大
鳴き声=クワーッ
●市内の水辺で四季を通してよく見られる
●旭山では春先に飛んだり地面に降りる姿を見ることがあるがそれ以外の時期はたまに上空通過を見るだけ
(キジ科)
☆(☆☆) カラスより大
鳴き声=ケェーン
●北海道では明治時代に放鳥され小雪地に定着した外来種
●本来は林に隣接する農耕地に生息
●旭山ではもう20年以上目撃がないが、かつてはげ山で生息に適した環境だったが木が育ち森になり環境が変わっていなくなったと考えられる
(キジ科)
★ ハトくらい
鳴き声=ピッピッピッピッ
●道内山地に生息し、藻岩山でもときおり見られるが、2018年に旭山都市環境林で観察情報がありリストに追加した