旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年3月23日日曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてくだい。
●野鳥の巣を探さないでください!
野鳥は、春の繁殖シーズンには非常にデリケートになります。
巣を作っているようすを見られたり、巣をのぞかれたりすると、巣を放棄したり、巣を他の鳥などに壊されて、繁殖しなくなってしまう可能性が高くなります。
人間も自分の家をのぞかれると嫌ですよね・・・
野鳥のために、次のことをお願いします!
①巣を探さない
②巣に気づいたら目をそらしてすぐに、しかし動きはゆっくりとその場を離れる
③巣を見ない/巣がある場所が分かったら近づかない
④巣の場所を人に話したり、ネットに情報を上げたりしない
●4月の野鳥観察会は、以下の日程で3回行います。
4月12日(土) ※いずれも8時開始
4月27日(日)
4月29日(火祝)
募集受付開始は、3月29日土曜日10時、電話および窓口直接にて受付します。
4月も、おひとり様につきその3回のうち1回でのご参加でお願いします。
みなさまのご参加をお待ちしております!
●ネイチャーカフェ「野鳥の鳴き声に強くなろう」のご案内
旭山記念公園で見られる野鳥の鳴き声を音声で聞きながら、聞き方のコツなどを解説します。
野鳥を探しているとき、姿だけでなく鳴き声で存在に気づくことが多いです。
肉眼では見えない遠い場所や茂みにいても、どんな種類の野鳥かわかれば、バードウォッチングがより楽しめますよ!
受付は野鳥観察会同様3月29日(土曜日)10時より、電話および窓口直接にて開始となります。
みなさまのご参加をお待ちしております!
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
夏鳥新着情報
今年も夏鳥がやって来る季節になりました。
ここでも確認され次第取り上げてゆきます。
ただし、冬の間継続的に見られていたイカルと、2月以降見られているトラツグミは、居ついていたものか南から渡って来たものか判断ができないので、今年はここでは取り上げないことにします。
01 ヤマシギ
2025年3月23日、ヤマシギ今年初認です。
2024年は3月30日初認、今年は昨年より7日、1週間早い初認となりました。
野鳥観察会の際に「ピクニックテラス」付近で飛び上がって低空飛行で前を横切った大きめの鳥がヤマシギでした。
ヤマシギは雪が解けた場所で採餌していたものと思われますが、今年は去年より早く来た上に雪が多く残っていて少々戸惑っているかもしれません。
ヤマシギは、笹薮がある散策路を歩いていると突然間近から大きな羽音で勢いよく飛び上がって逃げますが、これは相手を驚かせひるませている隙に逃げるという行動をとっているものと考えられます。
この「ヤマシギ飛ばし」は春先の風物詩ともいえ、4月下旬まではしばしば見られ(体験でき)ますが、その後は昼間ぱたりと見なくなります。
しかし夜になると「チキッ ブブー」と鳴きながら樹上を旋回飛行する「ディスプレイフライト」が見られるようになり、ヤマシギの存在を確認することができます。
この先しばらくは「ヤマシギ飛ばし」、注意して歩いてみてください(ただし笹はまだ大部分雪に埋まっていますが)。
夏鳥到着済みリスト(カッコ内は昨年比)
01 ヤマシギ 2025年3月23日(7日早)
この先1週間は、モズ、キジバト、早ければホオジロの初認となる可能性があります。
今週のトピックス
イカル
今週も毎日のようにイカルの観察情報がありました。
3月19日水曜日は午後に「記念樹の森」のポプラに1羽が飛んで来てとまり、3分ほど観察できました(写真はその時のものです)。
3月21日金曜日は朝と午後にいずれも「記念樹の森」を東から西に「キッ キッ」という鳴き声が移動するのが聞こえ、朝のときは3羽を目視確認、午後の時は「ホヒリホヒー」と短い囀り声が聞こえてきました。
昨日3月22日は「西側エリア」で上空から鳴き声が聞こえてきました。
本日は観察情報はなかったですが、この先も継続して見られるか、夏鳥個体が渡って来るまで一度途切れるのか、要注目です。
ウソ
本日の野鳥観察会の際に、「四季の散歩道」付近のシラカンバで採餌する4羽が観察されました。
雄の個体は亜種アカウソでしたが(写真)、雌の個体は亜種アカウソであるかどうかは確認できませんでした。
2週前に園内で観察されたのは亜種ウソ3羽でしたが、それとは別の群れということになると思われます。
ウソはなかなか近くでは見られないですが、この先も両方の亜種がしばしば見られる可能性があります。
トラツグミ
昨日3月22日「ミュンヘンの森」の雪が解けた地面で採餌する1羽が観察され、今日も同じ場所での観察情報がありました。
こちらも今後まだ見られるか要注目です。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も園内でほぼ毎日観察されていますが、見られる場所も散り散りで、同じ場所に長い時間いることもあまりなく、その上鳴き声を出さない瞬間もあって、見つけにくくなっています。
写真は本日「四季の散歩道」で午前に撮影されたものですが、その少し前に野鳥観察会でそこを通った時にはいなかった(見つけられなかった)です。
また、日の入り時刻が遅くなっており、シマエナガも16時以降に見られることが増えてきました。
巣作り作業が始まる時期となりましたが、シマエナガを執拗に追いかけないようお願いいたします。
夏鳥情報
イカル
(前述)
トラツグミ
(前述)
ヤマシギ
(前述)
旅鳥情報
シロハラ
今週も毎日園内で観察されており、今日は「作業員詰所」付近でちょっとだけ見られましたが、今週はその辺りでの観察情報が多かったです。
また、トラツグミがいた「ミュンヘンの森」の土が出ている地面で採餌する姿もよく見られています(写真がそれです)。
シロハラは多くの方の情報により、今冬は市内近郊で広く見られており、今冬に限っては旅鳥ではなく冬鳥だったといえそうで、今年の秋以降どうなるか要注目です。
冬の鳥情報
ツグミ
今週も数は少ないものの声を聞く機会は多く、姿も見られています。
ツグミも市内他の場所で今よく見られているとの情報があり、餌を求めて拡散したものと思われます。
ヌルデの実もほぼ食べ尽くしたのですが、写真は残ったヌルデに採餌に来た時のものです。
ハチジョウツグミ
今週は確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
ウソ
(前述)
シメ
観察頻度はまだ比較的多く、「ミュンヘンの森」周辺、「作業員詰所」から「遊具広場」にかけての辺りでしばしば見られています。
タイミングが合えば近くで見られる機会もありそうですと書きましたが、なかなか低い位置には来ないし、人を見るとすぐに逃げるので難しいです。
マヒワ
若干数が減ったように感じ、30~40羽の群れは見るものの100羽まではいかない、といったところでしょうか。
園内のシラカンバの種子も、まだ食べ尽くされたとまではいっていませんが、だいぶ食べられて減りました。
この先いつまでどれくらいの数が見られるのか、要注目です。
アトリ
今週もしばしば見られていますが、期待していると見られない、期待しないでいるとひょっこりと現れる、そんな感じがします。
キクイタダキ
本日の野鳥観察会の際に「吊り橋」右岸のトドマツで10分ほどじっくりと観察でき、5mくらいの近くで見られた瞬間もありました。
今週も「作業員詰所」付近のトドマツでの観察情報が比較的多かったですが、だいぶ見られるようにはなってきました。
キバシリ(亜種キタキバシリ)
本日の野鳥観察会の際に「風の丘」付近で鳴き声が聞こえましたが、観察情報は少なくなっています。
ミソサザイ
「吊り橋」付近と「ちびっこ広場」での観察情報がありましたが、こちらも期待しないで歩いているといた、みたいな感じではあります。
ミソサザイはまだこの先見られると思われます。
コガラ
今週も確かな観察情報はなかったですが、見落としているだけの可能性は低からずありそうです。
ヒレンジャク
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
キレンジャク
今冬は今のところ園内での確かな観察情報はありません。
留鳥情報
クマゲラ
本日の野鳥観察会では「ピクニックテラス」付近で雄の個体がいて5分ほど観察できましたが、その個体は円山に向けて飛び去りました。
夕方は塒に帰る途中で園内に寄ることがよくあります。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
園内でときどき見られており、本日の野鳥観察会では「吊り橋」近くの枯れたオノエヤナギに雄が1羽いて、少しずつ移動して「巨木の谷」までの間10分ほど観察できました。
雌を見ることが多いのですが、今日は雄だけでした。
また一昨日3月21日16時過ぎ、「森の家坂」の高いポプラのてっぺん付近にとまっていた雌が、一気に藻岩山まで飛んで行く姿が観察されました。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
園内一円で「キョッ」という声が聞かれることが多く、観察機会は多いです。
「キキョキョキョ」と激しく鳴いて雄同士もしくは雄が雌を追いかける行動も見られ(聞かれ)るようになってきました。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多く、「ギー」という声が同じ辺りで複数聞こえることもよくあります。
ヤマゲラ
今週も園内での観察情報がありましたが、まだ観察機会が増えてきてはいません。
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
今週も園内での観察情報がありました。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報がありませんでした。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
本日、園内上空を飛んでいたとの観察情報がありました。
カケス(亜種ミヤマカケス)
今週も園内での確かな観察情報はありませんでしたが、もう来ないかな・・・
カワラヒワ
園内でしばしば見られ、「キリコロキリー」という鳴き声も聞かれ、「ギュイーン」という囀りを聞くこともあります。
本日の野鳥観察会の際にも「作業員詰所」付近で遠めですが見られました。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、「テュッテュッ」という声はよく聞かれ、近くで見られる機会もあります。
「フィー」「フィッフィッフィッ」という囀りもよく聞かれています。
シジュウカラ
園内一円でよく見られており、「ツーピーツーピー」という囀りを聞く機会も多いです。
本日の野鳥観察会では、「寺田京子句碑」付近で間近に飛んで来て見ることができました。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
「ピィピィピィ」という囀りもよく聞かれています。
ヤマガラ
園内一円でよく見られています。
「チーリーツー」という3拍子の囀りも聞かれています。
ヒガラ
今週も「ツピツーツピツー」という囀りがよく聞かれており、園内一円の針葉樹で観察機会が多いですが、本日の野鳥観察会の際には桜の木に来ている姿も見られました。
ハクセキレイ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
今週もほぼいつでもどこかから複数の鳴き声が聞こえてくるような感じで、見る機会は多いです。
写真はヌルデの実を食べに来たところですが、先に上げたツグミを後から飛んで来て追い払うようにして食べ始めました。
ハシボソガラス
園内で時々見られており、首を大きく上下に揺らしながら「ガアー ガアー」と鳴く姿も観察されています。
ハシブトガラス
園内でよく見られています。
写真は雪を食べていたところですが、雪の中でシルエットのようにただ真っ黒なだけに写ってしまいました・・・
雪解けの時期は、先に雪が解けて土が出ている場所に野鳥が採餌に降りて来ます。
野鳥観察の際には(旭山に限らず)、そのような場所をチェックしてゆくと良いかと思います。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
エゾリス
本日「カラマツ街道」付近に2頭(匹)のエゾリスがいました。
雌雄の区別はつかなかったですが、下の写真1枚目、片方の個体がオニグルミの実を食べている間、2枚目もう片方が近くでじっと様子を見ていました。
食べ終わるともう片方が追いかけ始めたのが3枚目(右が食べていた方)、その後雪面に降り走って追いかけっこして、どちらか確認できないですが写真4枚目だけが近くに残っていました。
エゾリス何頭(匹)もが追いかけっこする光景、そろそろ見られそうです。
次回は、2025年4月6日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。