旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年3月17日月曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてくだい。
●野鳥の巣を探さないでください!
野鳥は、春の繁殖シーズンには非常にデリケートになります。
巣を作っているようすを見られたり、巣をのぞかれたりすると、巣を放棄したり、巣を他の鳥などに壊されて、繁殖しなくなってしまう可能性が高くなります。
人間も自分の家をのぞかれると嫌ですよね・・・
野鳥のために、次のことをお願いします!
①巣を探さない
②巣に気づいたら目をそらしてすぐに、しかし動きはゆっくりとその場を離れる
③巣を見ない/巣がある場所が分かったら近づかない
④巣の場所を人に話したり、ネットに情報を上げたりしない
●3月23日(日)の定例野鳥観察会は、募集定員に達しましたため、受付終了とさせていただきました。
あしからずご了承ください。
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のトピックス
マヒワ
100羽前後の群れがまだ見られており、一斉に飛び回る姿は圧巻ですらあります。
しかしいつもそれほど大きな群れで見られるわけではなく、20~30羽の群れで見られることが多く、数羽ということもあります。
写真は「ポートランドの森」に生えるシラカンバに50羽前後の群れで来て採餌していた時のもので、高さ7、8mの低い枝にとまっていましたが、園内のシラカンバの種子を食べ進めてゆくと、このように低い位置で見られることもあるかと思います。
また、これから雪解けが進むと土が出た地面に降りて採餌することもあります。
マヒワは例年5月中旬まで見られますが、今年はどうなのか要注目です。
ウソ
園内での観察情報があり、見られる機会は増えつつあります。
3月12日水曜日に撮影された方に写真を見せていただいたところ、亜種ウソで雄1雌2の3羽でした。
3月14日金曜日にも観察情報があり、それも亜種ウソ雄1雌2の3羽だったとのことですが、同一個体かどうかは不明です。
亜種アカウソは今週は観察情報がありませんでした。
ウソは午前8時前後に「西側エリア」から「フィッ、フィッ」という鳴き声がほぼ毎朝聞こえてきており、今後もしばしば見られると思われます。
トラツグミ
3月16日、園内での観察情報がありました(撮影者様に写真を見せていただき確認しました)。
トラツグミは通常夏鳥で4月10日頃に鳴き声が聞かれ時々姿が見られるようになりますが、過去に何度か冬の観察記録があります。
今冬は市内でもトラツグミが出ている場所があり、旭山記念公園はどうかと思っていましたが、情報がありました。
今後も見られるか要注目です。
キクイタダキ
「作業員詰所」周辺のトドマツで見られる頻度が高くなってきました。
3月16日は午後に「作業員詰所」横のトドマツ林に数羽で現れ、雄が頭頂部の羽根を広げている姿も見られたとの情報がありました。
今週も主に「作業員詰所」横のトドマツでの観察情報があり、「風の丘」付近での観察情報もありました。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も園内でほぼ毎日観察されていますが、午後は先月はほぼ毎日見られていたものの、先月ほどは出なくなっており、日によっていたりいなかったりです。
「遊具広場の森」でも以前ほどには出なくなっており、たまたま出くわすことが多いです。
今日は11時頃に「ミュンヘンの森」から「ポートランドの森」に移動する4、5羽の群れが見られましたが、午後は見られなかったです。
巣作り作業が始まる時期となりましたが、シマエナガを執拗に追いかけないようお願いいたします。
夏鳥情報
イカル
3月17日「ピクニックテラス」付近でヤマモミジの種子を食べる姿が観察され、3羽いました。
高さ3mほどの低い位置にいて、黄色くて大きな嘴がとても印象的でした。
昨日以前も何度か園内で観察されており、昨日は囀りも聞かれました。
どうやらこのまま春を迎えそうですと先週書きましたが、ほんとうにそうなりそうです。
旅鳥情報
シロハラ
今週も毎日園内で観察されており、「作業員詰所」付近と「展望台松林」で見ることが多かったです。
「西側エリア」でも見られていますが以前ほどの頻度ではなくなってきています。
写真は「遊具広場」入口の雪が解けて水たまりになっている場所で撮影したものです。
今後いつまで見られるのか要注目です。
冬の鳥情報
ツグミ
今週もよく見られていますが、数は若干減ったように感じられます。
ただし20羽前後で飛んでいる姿が見られることもあります。
旭山記念公園から2kmほど離れた「旭山地区センター」周辺に30羽前後が来て、地面に落ちたナナカマドの実を食べる様子も観察されたとの情報もありました。
今後の動きにも注目です。
ハチジョウツグミ
今週は確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
ウソ
(前述)
シメ
しばしば見られており、今週も「ミュンヘンの森」付近で朝に見られることが多く、他「作業員詰所」から「遊具広場」にかけての辺りでしばしば見られているのも同じです。
タイミングが合えば近くで見られる機会もありそうです。
マヒワ
(前述)
アトリ
今週もしばしば見られていますが、「西側エリア」での観察情報は少ないです。
写真はシロハラ同様「遊具広場」入口付近の雪が解けて水たまりになっている場所で撮影したものですが、この先しばらくはここに野鳥が寄って来ることが多くなるかもしれません。
キクイタダキ
(前述)
キバシリ(亜種キタキバシリ)
今週は確かな観察情報はなかったですが、まだ見られる可能性はあります。
ミソサザイ
「吊り橋」付近と「遊具広場の森の散策路」付近そして「ちびっこ広場」での観察情報があり、本日3月17日は「風の丘」付近で低く飛ぶ姿が見られました。
ミソサザイはまだこの先見られると思われます。
コガラ
今週も確かな観察情報はなかったですが、見落としているだけの可能性は低からずありそうです。
ヒレンジャク
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
キレンジャク
今冬は今のところ園内での確かな観察情報はありません。
留鳥情報
クマゲラ
今週も毎日のように園内に飛んで来ており、雄と雌両方の観察情報がありました。
今後もこのような感じで見られる可能性があります。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
園内でときどき見られています。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
園内一円で「キョッ」という声が聞かれることが多く、観察機会は多いです。
「キキョキョキョ」と激しく鳴いて雄同士もしくは雄が雌を追いかける光景は今週もまだ見られていませんが、そろそろです。
写真は上が雄(後頭部が赤い)、下が雌(赤くない)です。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多く、「ギー」という声が同じ辺りで複数聞こえることもよくあります。
近くで見られる機会もあります。
ヤマゲラ
今週も園内での観察情報がありましたが、まだ観察機会が増えてきてはいません。
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
今週も園内での観察情報があり、前述のマヒワの群れの上空を様子をうかがいに飛んで来たこともありました。
ノスリ
今週は園内での観察情報がありました。
トビ
本日、ハシブトガラス1羽に追われながら飛んでいる1羽が「ピクニックテラス」付近で見られましたが、この先観察機会が増えるかもしれません。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
カケス(亜種ミヤマカケス)
今週も園内での確かな観察情報はありませんでしたが、まだ様子をみてゆきます。
カワラヒワ
園内でしばしば見られ、「キリコロキリー」という鳴き声も聞かれ、「ギュイーン」という囀りを聞くこともあります。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、「テュッテュッ」という声はよく聞かれ、近くで見られる機会もあります。
「フィー」「フィッフィッフィッ」という囀りもよく聞かれています。
シジュウカラ
園内一円でよく見られており、「ツーピーツーピー」という囀りを聞く機会がさらに増えてきました。
写真は「双子沢川」で水浴びをした直後のようすです。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
「ピィピィピィ」という囀りを聞く機会がこちらも増えてきました。
ヤマガラ
園内一円でよく見られています。
「チーリーツー」という3拍子の囀りも聞かれています。
ヒガラ
今週も「ツピツーツピツー」という囀りがよく聞かれており、園内一円の針葉樹で観察機会が多いです。
ハクセキレイ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
今週もほぼいつでもどこかから複数の鳴き声が聞こえてくるような感じで、見る機会は多いです。
今日も「巨木の谷」で8羽が列を成して飛ぶすがたが見られ、園内一円どこにいてもヒヨドリの声が聞こえてくるように感じられます。
ハシボソガラス
園内で時々見られており、首を大きく上下に揺らしながら「ガアー ガアー」と鳴く姿も観察されています。
ハシブトガラス
園内でよく見られています。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
バッコヤナギ
バッコヤナギの芽が膨らんできました。
低木から高木、細い木から太い木まで園内一円でよく見られる木です。
早い年であれば3月下旬に花が咲きますが、今年はこのところの寒さで停滞気味かもしれません。
あっ、シマエナガだ!
いや、これは木の枝にのっていた雪の塊でした!
次回は、2025年3月23日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。