旭山記念公園野鳥情報、2023(令和5)年9月22日金曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
2023年10月の野鳥観察会は、14日(土曜日)と22日(日曜日)開催予定です。
参加お申込み受付は、9月30日(土曜日)朝10時より、電話もしくは窓口直接にてお受けいたします。
今週のトピックス
ヤマガラ
イチイ(オンコ)の実が赤くなり、ヤマガラも本格的に種子を食べに来るようになりました。
「ピクニックテラストイレ」横のイチイに実がたくさんなっており、午前中はその近くで待っていると頻繁に飛んで来ては種子を取っています。
種子を取ると嘴でくわえたまま飛んで行きますが、ヤマガラはイチイの木で種子を食べることはほぼなく、どこか近くの木に運んで食べます。
ゴジュウカラも来ています。
どちらも人間には甘い外側の赤い部分は食べずに、有毒である種子を食べますが、鳥にはその毒は効かないようです。
写真上から3枚目、種子を取り出す際に、ヤマガラやゴジュウカラは外側の赤い部分を枝などに擦りつけてそぎ落とし、種子だけを食べますが、このように赤い実だけ残っていることがあります。
ヤマガラがイチイの種子を食べるのは秋の風物詩といっていいもので、実がなくなるまでは観察できます。
エゾビタキ
9月22日、本日、園内「学びの森」付近でエゾビタキの観察情報がありました。
インスタグラムで本州の人が撮影したエゾビタキの写真を見、こちらにも来ているのかなと思っていたところ、ほんとうに来ていました。
エゾビタキは旅鳥で、春と秋にそれぞれ1日から数日間だけ見られ、旭山では秋の方が見られることが多く、1週間ほど滞在していた年もありました。
明日以降も見られるかどうかは分かりません。
サメビタキ
9月16日、園内でサメビタキの観察情報がありました。
サメビタキはコサメビタキよりも胸の色が濃いもしくは薄い縦斑が入っているのが特徴です。
サメビタキは北海道では夏鳥、旭山では春と秋にそれぞれ1日から数日間だけ見られ、春は情報がほとんどないですが、秋はほぼ毎年見られています。
ノビタキ
同じく9月16日、園内でノビタキの観察情報があり、翌17日にも見られました。
ノビタキは北海道では夏鳥、旭山では春と秋にそれぞれ1日から数日間だけ見られますが、たいてい「展望台」周辺の開けた場所で観察されており、今回も「展望台」北側の低木がある辺りにいました。
モズ
ここ1週間毎日のように、朝8時頃「ミュンヘンの森」周辺の高い木のてっぺん付近で「キチッ」と鳴いています。
「モズの高鳴き」もまた秋の風物詩ですが、旭山では以前は夏に繁殖が終わるといなくなっていたのが、4、5年ほど前から「高鳴き」が聞かれるようになっています。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週もほぼ毎日園内のどこかで観察されており、[森の家」の周りに来たり、「遊具広場」だったり、「つり橋」周辺だったりと場所はまちまちです。
近くで見られることもありますが、今後もしばらくはこのような感じで見られるものと思われます。
夏鳥情報
キビタキ
まだ観察情報は比較的多く、「学びの森」での観察情報が多いです。
キビタキは例年10月に入ると見られなくなりますが、今年はいつまで見られるでしょうか。
次の写真の上は「学びの森」で撮影した♀、下は♂ですが、「森の家」の裏に来たものを館内からガラス越しに撮影しました。
コサメビタキ
「学びの森」で見られる機会ががくっと減り、園内他の場所でもあまり見られなくなっています。
今日は「学びの森」でエゾビタキとコサメビタキが見られましたが、明日以降どうなるでしょうか。
コサメビタキも10月に入って見られなくなります、もう少しです。
オオルリ
今週は幼鳥成鳥ともに観察情報があり、そろそろ南に渡っていなくなる頃ですが、今年は例年より遅くまで見られています。
クロツグミ
「風の丘」あずまや付近で数羽が地面にいたとの観察情報がありました。
その辺りから「笹刈りした道」「エゾリスの森」辺りで時々「キュロキュロ」という地鳴きが聞こえてきますが、警戒心が強く、姿を見るのはなかなか難しいです。
クロツグミは例年10月中旬までに南に渡って見られなくなります。
アカハラ
今秋も旭山都市環境林で観察情報がありましたが、クロツグミの項で触れた「風の丘」辺りでクロツグミと一緒に群れを作っていることもあります。
トラツグミ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
イカル
このところ日に一度は観察されており、今日は「つり橋」周辺で比較的低い位置に来たところを撮れました。
時々、不完全ですが「ホヒリホヒ」と囀りしていることがあり、また「キッキッ」と鳴きながら上空を飛んでいることもあります。
アオジ
今日は「ちびっこ広場」付近にいましたが、「チッ」という声を聞く機会はあまり多くはないです。
ホオジロ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、もう少し様子をみてゆきます。
ウグイス
今週は園内での確かな観察情報はありませんでしたが、秋が本格化するとまた観察機会が増えるのが例年の動きです。
ヤブサメ
9月18日に「笹刈りした道」で確認しましたが、それ以降確かな観察情報はありません。
ヤブサメはそろそろ南に渡って見られなくなる頃ですが、もう少し様子をみます。
センダイムシクイ
9月20日に「学びの森」で1羽が観察されましたが、センダイムシクイは大半が南に渡った後(今年でいえば8月25日)、少数が少しずつ渡って行っているのかもしれません。
メジロ
園内一円でよく見られており、囀りもときどき聞かれています。
キセキレイ
今週はつり橋周辺や森の家周辺での観察情報がありました。
モズ
(前述)
ヤマシギ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
アオバト
今週は声も姿も観察情報はありませんでしたが、もう少し様子をみます。
キジバト
時々声が聞かれ、飛ぶ姿も見られています。
ツツドリ
今週は園内での観察情報がありましたが、そろそろ南に渡っていなくなる頃、こちらももう少し様子をみます。
チゴハヤブサ
上空から時々「キッキッキッキッ」という鳴き声が聞こえてきますが頻繁に来ているというわけでもなさそうです。
冬の鳥情報
シメ
園内での観察情報はほとんどないですが、円山南麓では毎日のように見られており、旭山でもそのうち観察頻度が高くなるものと思われます。
キクイタダキ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
カケス(亜種ミヤマカケス)
9月20日に「遊具広場と噴水広場の間の道」辺りで見られ、他にも散発的な観察情報があります。
コガラ
そろそろ出るようになるかもしれません。
留鳥情報
クマゲラ
今週も園内での観察情報があり、この秋はちょくちょく来ているようです。
オオアカゲラ
今週も園内での観察情報がありましたが、「遊具広場」から「学びの森」にかけての辺りで雄がよく見られています。
アカゲラ
園内各所で見られる機会は多いです。
コゲラ
園内各所で観察機会は多く、「ギー キーッキッキ」という声はきわめてよく聞かれています。
ヤマゲラ
今週も「巨木の谷」や「学びの森」周辺での♀の観察情報がありましたが、8時台より前の早い時間の情報が多いです。
フクロウ
今週も園内での観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
ハイタカ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
ノスリ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
トビ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週も園内での観察情報はありませんでした。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内各所で観察機会は多く、「テュッ テュッテュッ」という地鳴きを聞くことも多いです。
写真はイチイの実をくわえて飛んだところです。
シジュウカラ
園内各所で観察機会は多いですが、見た目がいかにも幼鳥らしい幼鳥を見ることは少なくなり、かなり育ってきたようです。
ハシブトガラ
園内各所で観察機会は多いです。
ヤマガラ
森の家の周りをはじめ園内一円でよく見られています。
ヒガラ
「噴水広場」付近の「トドマツ林」や「学びの森」「カラマツ林」などでよく見られており、ときどき囀りもしています。
カワラヒワ
今週も園内での観察情報はありませんでしたが、この先どうなるのか要注目です。
ハクセキレイ
本日展望台周辺を飛んでいましたが、秋になり「噴水広場」周辺での観察情報が増えてきました。
スズメ
道路沿いや第2駐車場付近で見られることがあります。
ヒヨドリ
今週も園内各所でよく見られており、10羽以上が集まっていた日もあったとの情報もありました。
(閲覧注意) 写真はスズメバチを捕まえ、食べようとしているところです。
ハシボソガラス
展望台から「噴水広場」そして「学びの森」付近に常に数羽います。
ハシブトガラス
園内でよく見られていますが、レストハウス周辺や展望台では人が持っている食べ物を奪おうとする個体がいるので、くれぐれもご注意ください。
今週の野鳥以外の生き物情報
植物
ヌスビトハギ
花はもうほとんど終わりかけており、代わりに2つ1セットでサングラスのように見える種子が目立ってきました(何に見えますか!?)。
この種子はいわゆる「ひっつき」で、写真撮影や観察で道から外れると衣服にたくさんついてくることがあります。
昆虫
カンタン
草や木の枝で「リリリリー」と鳴く虫の正体、カンタンの過去の写真が見つけて引っ張り出してきたので紹介します。
写真は♀で、後ろ脚のさらに後ろに産卵管が伸びています。
カンタンの鳴き声は9月上旬に賑やかでしたが、このところ落ち着いてきていて、その季節もそろそろ終わろうとしています。
ヒメウラナミジャノメ
旭山では本来6月から7月に出る蝶ですが、先日園内で見つけました。
今年は夏の猛暑が長く続き、生物時計もいろいろなところでイレギュラーに作動しているのかもしれません。
爬虫類
ニホンカナヘビ幼体
今年は園内で見かけることが多いように感じていますが、園内広くに住んでいるようです。
哺乳類
エゾリス
今週も元気に胡桃(オニグルミの実)を食べまくっています。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
次回は2023年9月29日金曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。