旭山記念公園野鳥情報、2023(令和5)年9月8日金曜日、二十四節気「白露」。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
9月の「旭山野鳥観察会」は、9日、23日ともに募集定員に達しましたため、受付締め切りとさせていただきました。
「バードウォッチャーのための樹木観察会」「自然観察会」は以下の日程にて参加受付中です。
【バードウォッチャーのための樹木観察会】
日時:9月18日(月曜・祝日)
9時00分から11時00分頃まで
【自然観察会】
日時:2023年10月1日(日曜日)
9時00分から11時00分頃まで
※日程等は変更になる場合があります。
またヒグマ出没等の状況により急きょ中止する場合がございますのでご了承ください。
皆様のご参加をお待ちしております。
今週のトピックス
カケス(亜種ミヤマカケス)
本日9月8日、カケス(亜種ミヤマカケス)をこの秋初めて園内、遊具広場と噴水広場の間の道」で確認しました。
昨年は9月21日が初認日、昨年より13日早い記録です。
カケスは元々、概ね9月中に初認で年によりばらつきがあり、9月1日だった年もあれば10月に入ってからの年もありましたが、9月8日というのは早い方です。
早くに見られるということは、夏の間にいる山にカケスの食糧が少ないのかもしれません。
また、この後安定して見られるようになるかどうかもまだ分かりません。
なお、今日は写真は撮れませんでした。
キクイタダキ
9月6日、キクイタダキが園内「学びの森」から「噴水広場」にかけての辺りで観察されました。
キクイタダキは7月下旬にも観察されており、旭山では例年10月中旬から下旬になってから見られるようになりますが、今年は夏の間にも何度か見られています。
この後も安定的に見られるのか、10月までは散発的なのか、注目してゆきます。
ヤマガラ
「ピクニックテラス」近くのトイレの横にあるイチイの木、実はまだ緑色で周りの赤い部分がついていませんが、早くもヤマガラがその実を食べに来ています。
ヤマガラは外側の赤い部分は食べないので、その状態でもう食べているのでしょう。
アカゲラ幼鳥
頭部が赤かった幼鳥がだんだんと赤い部分が減ってきている様子が、この写真で分かるかと思います。
また、この写真では、アカゲラの特徴でありオオアカゲラとの識別ポイントのひとつである「翼の逆八の字型の白い斑」がよく分かります。
センダイムシクイ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
旭山での2023年の「終見日」は8月25日ということにさせていただきます。
センダイムシクイは来週以降ここでは取り上げないことにしますが(また来年)、突発的に見られた場合はもちろん話題にします(2018年になぜか11月に1日だけ見られたことがありました)。
【2023年9月9日 追加情報】
9月7日に園内でセンダイムシクイを見たとの情報がありましたので付記し、もう少し様子を見てゆきます。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も毎日のように園内で見られていましたが、ただ昨日今日、7日8日と観察情報はなく、少し落ち着いたかもしれないし、たんなる巡り合わせでまた明日からよく見られるかもしれません。
出る場所はでつり橋周辺、学びの森周辺、森の家西側などで、みな数羽で見られたとのことです。
タイミングがよければ撮影できる状況で見られることもあります。
お得意の「ジュルッ」とは鳴かないこともあり(結構ある)、その場合気づきにくいかもしれないですが、他のカラ類と一緒にいて「チャッ」と鳴いていることもあります。
夏鳥情報
キビタキ
観察情報は比較的多く、成鳥♂、♀、幼鳥ともに見られています。
コサメビタキ
「学びの森」ではまだ見られていますが、観察頻度はやや低くなってきました。
「遊具広場の森の散策路」や森の家周辺でも時々見られますが、確実に見たいのであればやはり「学びの森」に行くといいでしょう。
オオルリ
今週も幼鳥が「学びの森」から「遊具広場」にかけての辺りで散発的に見られています。
成鳥は♂♀ともに確かな観察情報はありませんでした。
クロツグミ
旭山都市環境林で今年初めて幼鳥が観察されました。
例年つり橋周辺で夏に見られるのですが、今年は見られておらず、ここにきてやっと見られました。
その時は近くに♀成鳥もいたとの情報です。
クロツグミは例年10月上旬に南に渡って行きますが、まだひと月ほど見られることがあると思われます。
アカハラ
今週は旭山都市環境林での観察情報がありました。
アカハラも例年クロツグミ同様10月上旬まで見られますが、最後の頃は両種混じって同じ場所で見られることもあります。
トラツグミ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
イカル
今週は確かな観察情報はありませんでした。
アオジ
「チッ」という声を聞く頻度はさらに落ち、園内一円で時々声を聞く程度です。
ホオジロ
今週は確かな観察情報はありませんでしたが、例年通りであれば9月いっぱいはまだ見られるとは思います。
ウグイス
稀に笹薮から「ヂッ ヂッ」という地鳴きが聞こえてくるくらいです。
ヤブサメ
笹薮で「キュッ」という声を聞く機会も少なくなってきましたが、まだいます。
センダイムシクイ
(前述)
メジロ
園内一円でよく見られていますが、囀りはあまり聞かれていません。
キセキレイ
森の家近くの「西の坂」で見られた他(写真)、「双子沢川」での観察情報もありました。
モズ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
ハリオアマツバメ
今週も上空を飛ぶ姿が見たとの情報はありませんでしたが、例年通りであればそろそろ見られなくなる頃です。
ヤマシギ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
アオバト
声を聞く機会もますます少なくなり、運よく飛んでいる姿が見られることがあるくらいになりました。
アオバトは例年旭山では9月中旬まで見られますが、もうそろそろ見られなくなる頃です。
キジバト
鳴き声も時々聞かれ、飛ぶ姿もちょくちょく見られています。
【2023年9月9日 追加情報】
ツツドリ
今週は園内で観察情報がありました。
ツツドリは9月中旬頃まで林内の低い位置で見られることがありますが、この時期はもう「ボボッ」とは鳴きません。
チゴハヤブサ
上空から時々「キッキッキッキッ」という鳴き声が聞こえ、探すと姿が見られることがあります。
冬の鳥情報
シメ
今週も「ピクニックテラス」周辺で見られましたが、観察頻度は低いです。
カケス(亜種ミヤマカケス)
(前述) 9月8日初認。
留鳥情報
クマゲラ
今週は園内での観察情報が複数の日にありましたが、今日は飛んでいる姿は見られたものの、園内には降りずに飛んで行ったとのことでした。
オオアカゲラ
今週も園内での観察情報がありました。
アカゲラ
園内各所でよく見られています。
コゲラ
園内各所で観察機会は多く、「ギー キーッキッキ」という声はきわめてよく聞かれています。
カラ類混群に入っているか近くで一緒にいることもよくあります。
ヤマゲラ
今週も「巨木の谷」や「学びの森」周辺での♀の観察情報がありました。
キクイタダキ
(前述)
フクロウ
今週も園内での観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
ハイタカ
9月5日の森の家の前に現れましたが、近くにいたカラ類を狙っていたようで、先にカラ類が警戒する甲高い鳴き声が聞こえ、その後に木のてっぺんより低い位置で飛んで来るハイタカが見られました。
ノスリ
今週は園内での観察情報があり、「ピヨーッ」と鳴きながら飛んでいてそのうちハシブトガラスにモビング(追い回すこと)されていました。
トビ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週も園内での観察情報はありませんでした。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内各所で観察機会は多く、「テュッ テュッテュッ」という地鳴きを聞くことも多いです。
シジュウカラ
園内各所で観察機会は多く、幼鳥もまだ見られています。
ハシブトガラ
園内各所で観察機会は多く、5、6mくらいに寄れることもあります。
ヤマガラ
イチイの話はしましたが、実がなるイチイは第1駐車場入口付近にもあり、そこにも時々来るようになっています。
森の家の周りをはじめ園内一円でよく見られる野鳥のひとつです。
ヒガラ
囀りは聞かれなくなりましたが、「噴水広場」付近の「トドマツ林」や「学びの森」「カラマツ林」などでよく見られています。
カワラヒワ
観察頻度はますます低くなってきており、春先から初夏の頃のようにいつでも見られるということもなくなってきました。
ハクセキレイ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いや第2駐車場付近で見られることがあります。
ヒヨドリ
今週も園内各所でよく見られており、幼鳥の観察情報もありました。
ヒヨドリは他の野鳥よりも幼鳥が出るのが遅く、今の時期まだ頭の羽が生えそろっていない幼鳥が見られます。
ハシボソガラス
展望台から「噴水広場」そして「学びの森」付近に常に数羽いますが、「巨木の谷」と森の家周辺では少し前までのように頻繁には見られなくなってきました。
クルミをくわえて飛び上がり上空から落として割って食べる「クルミ割り行動」も、そろそろ見られるようになるかと思います。
ハシブトガラス
園内でよく見られていますが、レストハウス周辺や展望台では人が持っている食べ物を奪おうとする個体がいるので、くれぐれもご注意ください。
今日は1羽がガラス戸が開いていた森の家の中に入って来ました・・・
今週の野鳥以外の生き物情報
花(植物)
エゾゴマナ
先週も紹介しましたが、今の時期には他の花が少ないので、また取り上げます。
キクニガナ(チコリ)
「舗装道路」沿い、展望台北西側の斜面のキクニガナ(チコリ)、7月上旬に咲き始めてまだ咲いています。
しかも8月下旬からまた花が増えた感じがします。
ホオノキの「実」
写真、赤いこの状態で落ちていました。
殻の中に赤い種子がなりますが、通常は外側が茶色くなって木から落ちるもので、この状態だとまだ種子はなっていないかもしれません。
ホオノキの種子はハシブトガラス、アカゲラ、ヒヨドリが食べるのを見たことがありますが、大きいのでそれらより小さな野鳥は食べないと思われます。
その他生物
サッポロマイマイ
またコゲラ、ではなくここで注目はその向かって右にいる「かたつむり」、サッポロマイマイ。
今の時期、昼間に木の枝や幹にいるサッポロマイマイが多く見られ(休んでいることも多い)、鳥や虫や木の実を双眼鏡で探していると視界に入るということがよくあります。
昆虫
アゲハ(ナミアゲハ、アゲハチョウ)
キアゲハではないアゲハがいました。
アゲハは普通種でおなじみですが、旭山ではやや少なく、見られるのはほとんどがキアゲハです。
アゲハは前翅表の前縁部に黒い筋が入っていますが、キアゲハはそこが一面黒です。
色もキアゲハの方が黄色みが強いですが、あまり黄色みが強くないキアゲハもいるのでそこは要注意です。
ベニシジミ
夏の前と秋の2回出て来る蝶で、今の時期また見られるようになっています。
ナツアカネ
9月5日、森の家の前でとんぼを探すと、半分以上がナツアカネといった感じでした。
しかし今日はナツアカネは見つけられず、アキアカネが増えていました。
その名の通り、ナツアカネは夏が終わってそろそろ見られなくなり、代わってアキアカネが大量に飛ぶようになります。
アキアカネ
アキアカネは大まかにいって「顔一面が真っ赤にはならない」「胸の横が真っ赤にはならない」のがナツアカネとの違いです。
ノシメトンボ
ノシメトンボも今は多いですが、9月中旬以降はあまり見られなくなります。
爬虫類
ニホンカナヘビ
小さな幼体を見かけることが多くなり、今朝は森の家の中にも入って来ていました。
哺乳類
エゾリス
今週もますますオニグルミに夢中、土に埋めようとしている写真です。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
次回は2023年9月15日金曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。