旭山記念公園野鳥情報、2022(令和4)年7月15日金曜日
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
◎今週のトピックス
コサメビタキ
園内でも幼鳥が観察されるようになりました。
コサメビタキの動きは毎年不思議で、5月の渡来直後に見られ、5月下旬から7月上旬まではほとんど(めったに)見られず、7月中旬に幼鳥が巣立つと一転して比較的よく見られる鳥になります。
この先ひと月ほどの間は「ごま塩」模様の幼鳥が見られますが、昨年はちょうどその頃に熊出没で公園が閉鎖になって観察できなくなってしまったので、今年はそうはならないよう願っています。
コサメビタキは例年9月いっぱいくらいまで旭山で見られます。
鳥のようちえん
今週も「鳥のようちえん」は見られています。
今回は写真上から、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒガラの幼鳥です。
◎今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週は観察情報がほとんどありませんでした。
シマエナガは例年夏になると少し高い山に移動していると思われますが、旭山でもそろそろ一時的に見られなくなりそうです。
◎夏鳥情報
オオルリ
先週までは双子沢川沿いで2,3時間に一度は声を聞いたり姿を見たりでしたが、今週は頻度が落ち、まる1日確認できない日もありました。
幼鳥が巣立ったのかもしれません。
オオルリは例年9月上旬までいますが、囀りをやめるとほとんど気づかなくなり観察が難しくなります。
幼鳥も時々見られます。
キビタキ
先週、ミュンヘンの森から道路につながる斜面でキビタキが盛んに「ヒッヒッヒッヒッ ピリピリピリ」と鳴いていて、雄と雌の姿が見られたのですが、水曜日くらいからその声が聞こえなくなりました。
と同時に、巣立ち幼鳥と思われる個体の観察情報も入るようになってきました。
写真は雌ですが、この先幼鳥も見られることがあるのではないかと思われます。
コサメビタキ
(上述)
コルリ
水曜日、久しぶりに園内で囀りを聞きましたが、今週の観察情報はそれくらいでした。
クロツグミ
今週もまだ囀りが聞かれていますが、幼鳥の観察情報はまだなく、しかしそろそろだと思われます。
アカハラ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
トラツグミ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
ウグイス
今週も園内でごくたまに囀りを聞くことがあるくらいでした。
ヤブサメ
囀りを聞く機会は少なくなりましたが、「チュッ」という地鳴きを聞く機会は少なくないです。
センダイムシクイ
囀りを聞く機会は少なくなりましたが、「鳥のようちえん」に入っていることもあり、観察機会はそれなりにあります。
ホオジロ
今週はほとんど囀りは聞かれず、観察機会も少なくなりました。
幼鳥の観察情報も今のところありません。
ただ、ホオジロは例年9月にまた少し観察機会が増えますが、今年はどうでしょうか。
アオジ
9日土曜日の観察会では久しぶりに登山道入口掲示板付近で囀りを聞くことができましたが、幼鳥が巣立てば観察機会も増えるかもしれません。
イカル
今週は園内での確かな観察情報はありませでした。
メジロ
観察機会は比較的多いですが、園内のヤマグワの実はカラス(ハシブトガラス、ハシボソガラス両方)にほとんど食べ尽くされた感があり、メジロもヤマグワにはあまり来ていないようです。
ニュウナイスズメ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
コムクドリ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでしたが、例年であれば幼鳥が巣立つ頃で、そうなると行動パターンも変わって旭山ではあまり(ほとんど)見られなくなるかもしれません。
キセキレイ
13日水曜日、遊具広場に1羽が飛んで来ましたが、キセキレイは例年幼鳥が巣立つとそれまであまり見られなかった西側エリアなどに来るようになり、要注目です。
モズ
今週もちびっこ広場で周辺で時々見られていますが、写真は幼鳥を含む家族と思われるものです。
ハリオアマツバメ
13日水曜日に今年初めて10羽以上が旭山記念公園上空を飛び交う姿が観察され、翼が風を切る音が聞こえるほど低空を飛んでいる個体もいました。
アオバト
今週は園内で鳴き声が聞かれる頻度も落ち、近くで見たという観察情報もありませんでした。
キジバト
今週も展望台周辺からつり橋にかけての辺りで頻繁に見られ、鳴き声を聞く機会も多かったです。
ツツドリ
藻岩山方面からの鳴き声もあまり聞こえてこなくなりました。
ヤマシギ
今週も観察情報はありませんでした。
チゴハヤブサ
今週もちびっこ広場付近で時々見られていましたが、ハシブトガラスを追い払うように飛んで追いかける姿も見られました。
◎留鳥その他情報
クマゲラ
今週は園内で近くで見られたとの観察情報はありませんでしたが、例年夏は来たり来なかったりです。
オオアカゲラ
今週は園内での観察情報がありましたが、夏でも普通に見られるようになってきた感があります。
アカゲラ
今週も幼鳥が園内で観察されており(写真)、成鳥の観察情報もまた増えてきましたが、アカゲラは近くに人がいない場合は鳴き声を出さないことが多く、双眼鏡で森の中を見るといた、ということがよくあります。
コゲラ
今週も観察機会は多かったです。
ヤマゲラ
今週も近くで観察できたという情報がありました。
フクロウ
今週も声も姿も観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
ノスリ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
トビ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
まだ冬並みとまではいかないですが観察機会は多くなってきました。
シジュウカラ
「鳥のようちえん」のところでも触れましたが、シジュウカラだけの群れ(家族)を見る機会も多いです。
ハシブトガラ
観察機会は少なくないですが、旭山記念公園でこの時期普通に見られるシジュウカラ科の中で、ハシブトガラだけは成鳥と幼鳥の違いがはっきりとは分からず、幼鳥がいたとしても見逃している可能性があります。
ヤマガラ
成鳥の観察機会は多く、幼鳥も少なくはありません。
ヒガラ
囀りを聞く機会は少なくなってきました。
コガラ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
カワラヒワ
噴水広場周辺で見られていますが観察頻度は落ちてきました。
ハクセキレイ
今週は園内での観察情報がありました。
スズメ
先週話題に上げた森の家の前のスズメは10日までは毎日来ていましたが、ここ数日で来なくなりました。
写真は遊具広場で撮影した幼鳥で、頬の黒い斑が少し大きくなってきています。
ヒヨドリ
観察機会は多いです。
ハシボソガラス
巨木の谷や森の家の前で、ひと家族なのか4羽前後で見られることが多いのですが、遊具広場から駐車場にいつもいるものが遠征してきているのか、別の家族かは分かりません。
ハシブトガラス
先週ほどの数ではないですが、ブト、ボソ合わせてまだ園内西側エリアや噴水広場周辺に集まっています。
◎7月24日(日曜日)の野鳥観察会はまだ参加受付しています。
◎若い雄のエゾシカ
7月9日(土曜日)の野鳥観察会では、学びの森にエゾシカがいました。
森の中で草を食んでいましたが、50mほど離れた場所に20人以上で近づいても逃げず、じっくりと見ることができました。
見ると短い角がはえかかっていて、若い雄の個体でした。
観察しているうちにエゾシカは「異変」に気づき、学びの森の中で人から離れる方向に移動しましたが、それでも最後まで逃げることなく草を食み続けていました。
一昨日7月13日水曜日、それと同じと思われる若いエゾシカの雄が森の家の裏に現れました。
写真がそれですが、建物に隠れながら20mほどまで近寄って撮ったものです。
この時はじっとこちらを見ていましたが、さすがにそれ以上近づくと、こちらに白いお尻を向け、ホップするように旭山都市環境林の方に逃げました。
この個体のみならず、旭山もエゾシカがいるのが常態化しているようです。
今のところ植物などに大きな被害は確認されていませんが、お車でお越しの際は、特に早朝と夜、エゾシカが道路に出て来ている場合、車との衝突にはじゅうぶんお気をつけください。
余談。
昨日7月14日は満月、スーパームーンでしたが、アメリカ先住民は7月の満月を「バックムーン」”Buck Moon”と呼びならわしており、これは「雄の鹿の月」という意味。
タイムリーな雄のエゾシカでした。
次回は2022年7月22日金曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多く見られることを願っております。