旭山記念公園野鳥情報、2024(令和6)年8月3日土曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
●8月10日(土曜日)、25日(日曜日)の「定例野鳥観察会」および18日(日曜日)の「自然観察会」は、いずれも募集定員に達しましたため、受付終了とさせていただきます。
あしからずご了承ください。
なお、旭山野鳥観察会では、野鳥の他に植物も見てゆきますので、野鳥に少しでもご興味がある方は、野鳥が主目的ではなくても、これから野鳥も見たいという方でも、お気軽にご参加ください。
今週のトピックス
カワラヒワ
このところ「学びの森」で2羽から5羽くらいが地面に降りたり低い木にとまったりしながら採餌しているところをよく見ます。
何を食べているかまでは確認できませんでした(カワラヒワは警戒心が強く、人が10mにまで近づくとたいていはすぐに逃げてしまいます)。
何を食べているのか突き止めたいところです。
オオセグロカモメ
先週この記事を上げた7月27日午前10時頃にオオセグロカモメの鳴き声が聞こえたと書きましたが、その翌々日7月29日午前にも円山南麓の住宅街の上を1羽が飛んでいるのが観察されました。
今日も昼頃に園内上空を飛んでいたとの観察情報がありましたが、何かがあって来ているのか、何もないけどたまたま来ているのかなど(それにしてはよく来ていますが)、分かりません。
ただ、オオセグロカモメは円山公園駅辺りからプリンスホテルの辺りまででは比較的よく見られるので、今後も注意して見てゆきます。
ミサゴ
7月31日午前、「ちびっこ広場」上空で北東方向=街の方に飛んで行くミサゴが見られましたが、たまにそうして旭山上空を飛んでいるのかもしれません。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
先週この記事を上げた後、7月28日、31日、8月2日そして今日3日と「学びの森」周辺から「つり橋」にかけての辺りで午前に出ていました。
この夏は真夏日になってはいますがひどく暑いというほどでもなく、シマエナガもいわゆる避暑で少し高い所には行っていないようで、この先まだ見られ続けるかもしれません。
一方で一時的に見られなくなる可能性もあり、今後引き続き注目してゆきます。
夏鳥情報
オオルリ
幼鳥の観察情報はありますが少なく、不意に出会って撮れなかったりよく見られなかったりという情報が多いです。
囀りもたまに聞かれ、昨日は17時20分頃一度だけ「藻岩山登山口下周回路」辺りから聞こえてきました。
例年のことですが、旭山でもなかなか見かけない時期になってきました。
キビタキ
囀りはほぼ聞かれなくなり、「ヒッヒッヒッ ピリピリ」という地鳴きも聞く頻度が落ち、雄成鳥を見る機会も減りましたが、雌成鳥と幼鳥を見る機会が今年はやや多いように感じています。
写真は幼鳥です。
コサメビタキ
観察機会は少なくはなく、「学びの森」「遊具広場の森」および森の家の周りで見られます。
幼鳥はまだ「ごま塩頭」です(写真)。
クロツグミ
囀りは聞かれなくなり、観察情報もごく少なくなってきており、幼鳥の情報もいまのところありません。
ただ、年により夏に幼鳥が見られる機会が多くなることがあり、今年もこの先見られるかもしれません。
アカハラ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
トラツグミ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
ホオジロ
「展望台北西斜面」から「学びの森」にかけての辺りで時々見られ、木の上から囀りが聞こえてくることもありますが、観察機会は少ないです。
アオジ
今週は成鳥幼鳥とも園内での確かな観察情報はありませんでした。
ウグイス
囀りも聞かれなくなり、「ジッ ジッ」という地鳴きもあまり聞かれず、さらに見つけるのが難しくなっています。
ヤブサメ
こちらも囀りはほぼ聞かれなくなり、地鳴きも今週は聞く機会が少なく、なかなか観察できなくなってきました。
センダイムシクイ
ときどき囀りが聞かれ、目視観察情報も増えてきていますが、カラ類混群の中に混じっていることもあります。
センダイムシクイは例年お盆過ぎの8月下旬に南に渡っていなくなりますが、その前の10日間程は囀りを聞く機会が多くなることがあり、今年もそうなるか注目しています。
メジロ
囀りはほとんど聞かれなくなりましたが、「キュキュキュロ」という地鳴きはよく聞かれています。
ミズキの実によく来るといつも書いていますが、その他の木の実にもよく寄って来ており、この時期見る機会が多い野鳥です。
イカル
今週も確かな観察情報がなかったですが、ひょっこりと現れる可能性はあります。
キセキレイ
「学びの森」や「西側エリア」でも見られることがありますが、旭山記念公園の南側の住宅街を流れる界川(川の名前)の周りでよく見られており、家族と思われる5羽がいたとの情報もあります。
モズ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハリオアマツバメ
主に天気が下り坂の時にときどき上空を飛んでいる姿を見たり「ピッ」という声が聞こえてくることがあります。
ヤマシギ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
ツツドリ
今週は確かな観察情報はなかったですが、9月上旬くらいまでは林内の散策路脇の木にとまっているところにひょっこり出会うことがあります。
キジバト
今週も朝9時くらいまでは森の家の周りをはじめ園内で鳴き声がほぼ毎日聞かれ、姿もしばしば見られています。
アオバト
今週もたまに鳴き声が聞こえてきただけで、近くで見たという情報はありませんでした。
チゴハヤブサ
今週も園内や近隣での観察情報はありませんでした。
オシドリ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
留鳥情報
クマゲラ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでしたが、いつ現れるか、近いうちにまたよく見られるようになるのか、まるで読めません。
ただ、傾向として、8月9月は以前から観察頻度は低いです。
オオアカゲラ
園内でときどき見られており、幼鳥の観察情報もありました。
アカゲラ
園内で見られており、幼鳥も見る機会が多くなってきました。
コゲラ
観察機会は多く、近くで見られる機会も多くなってきました。
ヤマゲラ
今週も確かな観察情報はなかったですが、ヤマゲラは11月くらいまで例の「ピョッピョッピョッピョッ」という鳴き方をほとんどしなくなり、見つけるのが難しくなります。
ただ、年によっては森の家の周りなどによく出てくることもあり、注意してゆきたいと思います。
フクロウ
今週も鳴き声が聞こえてくることはなく、観察情報もありませんでした。
オオタカ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
ノスリ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
トビ
今週も園内での観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
カケス(亜種ミヤマカケス)
今週は園内や旭山都市環境林での観察情報はありませんでした。
カワラヒワ
「学びの森」周辺で見られることが多く、「遊具広場」や「西側エリア」でもときどき見られています。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内で見られる機会は少なくなく、カラ類混群でいることもあれば、コゲラと一緒のこともあり、もちろんゴジュウカラだけということもあります。
シジュウカラ
囀りは聞かれなくなりましたが、幼鳥も含め園内でよく見られています。
旭山では2回繁殖する年もあると考えられていますが、2回目の幼鳥はまだ出て来ていません。
ハシブトガラ
園内で観察機会は多いですが、餌を探しながら木の枝から枝に素早く移動し、じっくりと見られる機会はなかなかありません。
ヤマガラ
園内一円でよく見られており、幼鳥はだいぶ色がついてきました。
ヒガラ
囀りあまり聞かれなくなりましたが、主に針葉樹にいるときに姿を見る機会は多いです。
ハクセキレイ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
今週も園内各所で見られていますが、幼鳥はまだ見られていません。
ハシボソガラス
「噴水広場」から「テラス状階段」の辺りと第1駐車場だいたいいつも見られ、全部で数羽から10羽くらいいます。
ハシブトガラス
園内でよく見られていますが、今週に入って数が少し増えたように感じられます。
写真は口の中が赤い今年生まれの幼鳥です。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
今週の旭山その他自然情報
今週は昆虫の話題がたくさん。
アキアカネ(写真なし)
先週お伝えするのを忘れておりました、7月26日、アキアカネを今年初めて園内で確認しました。
アキアカネは7月に羽化した後一度高標高地に上って過ごし、平地の気温が低くなったらまた降りて来る生き物で、8月前半はまだあまり見られないかもしれません。
ツクツクボウシ(写真なし)
7月31日、園内で今年初めてツクツクボウシの声を聞き、昨日8月2日にもいましたが、今日は確認できていないです。
ツクツクボウシは10年ほど前から南区真駒内・川沿・北ノ沢地区で局地的に定着し発生しており、そのエリアでは毎年夏になると普通に声が聞かれています。
今年は7月18日頃に初めてそのエリアで声を聞いたとの情報が寄せられました。
旭山ではまだ定着しておらず、今年のようにひと夏に数日鳴き声を聞くだけですが、この先定着するかもしれません。
なお、今年の旭山は、エゾゼミ、コエゾゼミ、アブラゼミの夏のセミが例年より多いと感じています。
写真で紹介したいのですが、なかなか撮れません、また後日に。
ルリボシカミキリ
ルリボシカミキリ、今年は見られる機会が多いように感じています。
先々週もここで取り上げましたが、まだ見られる時期なので再び取り上げます。
コバネカミキリ
今年はこのカミキリムシを見る機会が例年より多いです。
上翅=上側の硬い翅が短く、これで飛べるのかと思いましたがこの写真を撮った後普通に飛んで行きました。
枯れ木や丸太にいます。
オオスジコガネ
このところよく道路に転がっているコガネムシの仲間(生きていることもありそうではないことも)。
元々それなりによく見る昆虫ですが、今年はこちらも多いと感じています。
次に紹介するシオヤアブの餌食になることがよくあります(体液を吸われます)。
シオヤアブ
細身で、腹部の先(しっぽのような部分)が白いのが特徴で(この写真では見えないですが)、7月以降きわめてよく見る昆虫です。
前述のように、昆虫を捕まえて体液を吸いますが、オオスジコガネがよく狙われているようで、くっついで飛んでいたり、地面で上にのっかっていたりします。
人に寄って来ることはあまりなく、寄って来るのは主に体が太いヤマトアブです。
ルリボシヤンマ
今年も夏の風物詩、ルリボシヤンマが出てきました。
ルリボシヤンマは同じ場所に1~3秒ホバリングしながらとまっていることがあり、その時には空中で写真が撮れます。
シャッター速度だいたい1/2000以上であれば翅が止まって写ります(この写真は1/640で止まっていません)。
テリトリーを主張しているらしく、他の大きめの昆虫が寄って来ると追い払い、人間でも近くに寄って来ます。
ぜひ空中写真に挑戦してみてください!
花
ダイコンソウ
園内のやや暗い林縁、散策路脇にたくさん咲いている黄色い花。
ダイコンソウとはいってもバラ科です
10月まで花が見られることもあります。
木の実特集
本日園内で撮影した木の実の写真を集めてみました。
ツリバナ
「レストハウス下木段」の途中、道の脇にあるツリバナの木ではたわわに実っています。
この後赤くなり、ヒトデのように5つに裂け、中に赤い種子がぶら下がります。
種子は有毒といわれていますが、シジュウカラ、メジロ、ハシブトガラスが食べているのを見たことがあります。
ニガキ
旭山では少ないですが林内に点在しています。
この木は「学びの森」の斜面にある植樹ですが、黒く熟すとメジロやカラ類、ヒヨドリなどが食べに来ます。
ハシドイ
これも「記念樹の森」にある植樹ですが、今年は園内でもたくさん花が咲きました。
「ジャパニーズライラック」といわれるだけあって、種子はライラックに似ていますが、野鳥が食べるかどうかは不明。
ただライラックはハシブトガラが食べているのを見たことがあり、ハシドイも食べる可能性はあります。
サルナシ(コクワ)
キウイフルーツの仲間で大人気のサルナシ=コクワ、ツル性木本。
旭山では実がならない雄花しか咲かない株が多く、実がなる株はなかなか見られません。
でも今年は見つけました。
木の実が大好きなヒヨドリやメジロが食べているのを見たことがありますが、ヒグマの大好物でもあるそうです。
ツノハシバミ
野生の「ヘーゼルナッツ」、この仲間の栽培品種から「ヘーゼルナッツ」が採取され、売られています。
昨年は実が3つだけなりましたが、今年は豊作です。
野鳥が食べるのは見たことがないですが、エゾリスが(おいしそうに)食べているのは見たことがあります。
ハイイヌガヤ
林内に点在する針葉樹の低木。
これ自体は旭山でもまあまあ見かけますが、雌雄異株で、実がなる雌の株はこれまで見つけられていませんでした。
しかし今年はこちらもついに発見、ただその木には実が3つしかついていませんでした。
野鳥が食べるかどうかは不明です。
ミズナラ
最後はこれ、木の実といえばどんぐり=ミズナラ。
昨年は園内で1、2本の木にだけごくわずかにどんぐりがなっていましたが、今年は豊作のようで、まだ緑色ですがたくさん見かけます。
実が大きいので、野鳥はカケスが食べているのを見たくらい、他オシドリやマガモが食べるということで、エゾリスの好物ではあります。
次回は、2024年8月11日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。