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旭山記念公園野鳥情報2021年11月19日(金曜日)

旭山記念公園野鳥情報、2021(令和3)年11月19日 金曜日

ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。

この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。

 

 

◆旭山記念公園全面開放
旭山記念公園は本日11月19日(金曜日)より全面開放となり、それまで立入禁止となっていた、西側エリアと学びの森周辺にも入ることができるようになります。

なお、トイレと栗の木デッキ付近の間のユニバーサル園路は現在擁壁工事中のため、トイレ側のとりつき部分に工事の柵を設置しており、一部通りにくくなっておりますので、通行にはご注意ください。

また、旭山都市環境林も本日すべて開放となりました。

 

 

 

◎今週のトピックス
オジロワシ
このところ週に1度はオジロワシが観察されています。
そのほとんどが北から飛んで来て公園上空を南に飛び抜け、藻岩山の尾根筋まで達したところで気流に乗って上昇し見えなくなるという動きを見せています。
写真は11月17日水曜日に撮影したものですが、以前にも少なくとも一度、同一個体の可能性があるこの成鳥が飛んで来ていました。
この先どれくらいの頻度で見られるのか、空の上にも少し注目してみてください。

オジロワシ2021年11月19日

 

 

ハチジョウツグミ
先週、追加情報として11月14日にハチジョウツグミを確認したと上げましたが、その後園内での確実な観察情報はありません。
ハチジョウツグミはしかしこの先まだ1月まで見られる可能性があります。

 

ツグミ
昨日11月18日、ツグミ20羽前後の群れが旭山で観察され、その後1羽から数羽の観察頻度がそれまでより少し高くなってきました。
そろそろ園内に居ついていつでも見られるようになるかもしれません。
ただ、今のところ撮影可能な低い位置での観察情報はありません。

 

ウソ
本日11月19日、園内でウソの鳴き声を3回聞き、そのすべてがミュンヘンの森から道路にかけての辺りから聞こえてきましたが、姿はまだ近くでは確認していません。
今後要注目ですが、ようやく冬の鳥が動き始めたといったところでしょうか(そうであるといいのですが)。

 

コガラ
本日、旭山都市環境林お寺跡広場で(ハシブトガラではなく)コガラと思われる鳥が観察されました。
写真がそれですが、嘴の会合部が太く白くなってはいないのと、次列風切羽が白っぽいことがコガラの特徴を示しています。
コガラは旭山では冬の間に時々見られますが、ハシブトガラと混同することが多く、実際にはもっと多く来ているかもしれません。

コガラ2021年11月19日

 

 

 

◎今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週もほぼ毎日森の家の周りで観察されています。
昨日11月18日は、7時50分森の家とカラマツ林の間、11時10分森の家南側から西側へ抜けるそれぞれ数羽の群れが見られました。
一昨日も今日も午前中に一度は観察されていますが、低い位置に来ることは少なく、まだ通過の速度が早くて撮影には難儀することばかりです。
また今日は15羽前後の群れも観察されましたが、観察された方によればその群れは二手に分かれたとのことです。
シマエナガの動きを(すべてではないですが)半月ごとにマップにまとめて掲示板に貼り出しており、本日最新版2021年11月1日から15日のものに更新しました、ご参考までに。

 

 

 

◎夏の鳥情報
イカル
先週一度だけ囀りが聞こえてきましたが、過去にも11月に囀りが聞かれたことがあり、まだもう少し様子を見ます。

 

ウグイス
本日11月14日に園内で見られたとの追加情報を上げましたが、それ以降は確かな観察情報はありません。
ウグイスはもう少し様子を見ます。

 

モズ
今週は確かな観察情報はありませんでしたが、このところほぼ毎年12月1月にも観察情報があるため、まだ様子を見てゆきます。

 

 

 

 

◎旅鳥、冬の鳥情報(記載されていない種については観察情報があり次第順次載せていきます)
キクイタダキ
今週はミュンヘンの森での観察情報が少なくなりましたが、例年秋口に一度よく見られた後積雪期になるまであまり見られなくなる傾向があるので、この動きは想定内ではあります。
ただ、公園が全面開放になり、キクイタダキがよく出る風の丘下の松やつり橋周辺にも行くことができるようになったので、この先観察情報が増えるかもしれません。

 

ベニヒワ
この1週間も確かな観察情報はありませんでした。
ベニヒワも昨冬は12月上旬までは散発的に見られるだけでしたが、1月に入って100を超える数が居ついてよく見られるようになったので、この先要注目です。

 

マヒワ
やはり数は少ないですが、日に何度か上空を飛びながら鳴く声が聞こえてきています。
マヒワもベニヒワ同様昨冬は1月に入って多く見られるようになったので、この先要注目です。

 

シメ
今週もちらほらと園内での観察情報があった程度でまだ少ないです。

 

カケス
今週は観察情報はごく少なかったです。
過去に何度かありましたが、もしかして今冬はこのままほとんど見られずに春を迎えるのか・・・見られるようになるといいのですが。

 

キバシリ
森の家の周りで午前中によく声が聞かれるようになりましたが、小さい上に高い位置にいると探すのがなかなか大変です。
写真は本日撮影したものです。

キバシリ2021年11月19日

 

 

 

 

◎留鳥その他情報
クマゲラ
今週も藻岩山から都市環境林にかけての辺りで声を聞くことはあり、ときどき園内にも来ていますが、今週も近くで観察・撮影できたという情報はありませんでした。

 

オオアカゲラ
都市環境林から森の家にかけての辺りで見られる機会は少なくありません。

 

アカゲラ
森の家の周りでよく見られていますが、鳴き声を出さないでいると気づかないことが多いため、アカゲラを観察・撮影したい場合はとにかくよく探すことが必要です。

 

コゲラ
園内でよく見られ、「ギーィキッキッキッ」という声を聞くことも多いです。
下の写真上は雄の個体で、後頭部に赤い羽が見えるのが分かります。

コゲラ雄2021年11月19日

コゲラ2021年11月19日

 

 

ヤマゲラ
森の家から西側の都市環境林から時々「ピョッピョッピョッ」という声が聞こえてきますが、近くで見たという情報は今のところ入っていません。

 

フクロウ
今週も声も姿も観察情報はありませんでした。

 

オオタカ
観察情報は毎日のようにあり、ときどき近くで見られることもあります。
昨日は森の家上空に現れハシブトカラスにモビングされていました。

 

ハイタカ
今週は園内での観察情報はありませんでしたが、例年11月12月はよく見られており、来ていないとは限りません。

 

ノスリ
今週も何度か観察されていましたが、本日、3羽が森の家上空に現れ、西に流れて見えなくなりました。
渡りだったかどうかは不明です。

 

トビ
今週は園内で観察されました。

 

ハヤブサ
今週も観察情報はありませんでした。

 

ゴジュウカラ
森の家の周りによく来ています。

ゴジュウカラ2021年11月19日

 

シジュウカラ
観察機会は多く、地面の近くに降りていることもよくあります。

 

ハシブトガラ
園内でよく見られています。

 

ヤマガラ
今週も噴水広場下のトイレの横にあるイチイによく種子を食べに来ており、待っていると撮影できます。

ヤマガラ2021年11月19日

 

ヒガラ
カラマツ林によく来ており、ときどき森の家のそばの木にも来ます。

 

カワラヒワ
今日もまだ園内で確認できました。

 

ハクセキレイ
噴水広場周辺でときどき見られていますが少ないです。

 

ヒヨドリ
数羽が園内で見られていますが、下の写真、本日、サルナシ(コクワ)の実を食べている姿が見られました。

ヒヨドリ2021年11月19日

 

スズメ
道路沿いや第2駐車場付近で時々見られますが、それ以外の場所ではめったに見ることはありません。

 

ハシボソガラス
数羽が開放エリアで見られています。

 

ハシブトガラス
園内で多く見られています。

 

 

 

◎旭山の木の実2021-2022

園内及び都市環境林の冬の木の実の状況を短くお伝えします。

ナナカマド
園内では今年はほとんどなっておらず、少なくともこの1年でいちばんの凶作といえる状況です。

アズキナシ
昨年はツグミやヒヨドリが食べに来る姿がよく見られましたが、こちらも今年はほとんど実がなっていない凶作です。

ハリギリ
昨年はシマエナガが来ることで(人が)賑わったハリギリですが、今年はほぼまったく実がなっておらず、こちらも凶作です。

ヌルデ
こちらは多くはないですが少なくもなく並みといったところです。
先週、シマエナガがヌルデの実を食べていましたが、今後もヌルデの実の場所をチェックしておくと食べに来るのが見られるかもしれません。

イチイ(オンコ)
作業員詰所付近トイレ横のイチイにはまだヤマガラがたくさん来て盛んに実を食べています。
場所によってはエゾリスが食べに来ることもあります。
ちなみに、ヤマガラは中の種子を食べて外側の甘い赤い部分は食べず、反対にエゾリスは赤い部分を食べます。

サルナシ(コクワ)
ヒヨドリがサルナシ(コクワ)の実を食べていたと上述しましたが、園内では実がなるサルナシは珍しく(雄花しかつかない株には実がならない)、今日はまだそこには実がたくさんついていたので、今後もヒヨドリや別の鳥が食べに来ることが予想されます。
なお、旭山には実がなるつるは今のところこれしか分かっていないので、サルナシ全体の豊凶については何とも言えません。

ヨーロッパトウヒ(ドイツトウヒ)
鳥はほとんど食べないですが、エゾリスの大好物であるヨーロッパトウヒ(ドイツトウヒ)の実(松ぼっくり)は今年は並くらいになっています。
写真は通称「エビフライ」、エゾリスがヨーロッパトウヒの松ぼっくりを食べた食痕で、松の実を食べた断片も周りに見られますが、新しいものがミュンヘンの森にたくさん落ちています。

エゾリスのエビフライ(ヨーロッパトウヒ松ぼっくり食痕)2021年11月19日

 

樹木には実の豊凶のサイクルがあって、凶作になる年があるのも当たり前のことではありますが、今年は凶作が重なっていて一部の鳥たちには厳しい冬になるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

次回は2021年は11月28日(日曜日)に上げる予定です。

 

 

旭山でのバードウォッチング、皆様が多く見られることを願っております。