旭山記念公園野鳥情報、2024(令和6)年5月4日土曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
●5月の野鳥観察会は、以下のものがまだ定員に達しておらず、現在ご参加受付中です。
日程は以下の通りです。
5月26日(日) 定例野鳥観察会 8時~10時
5月14日(火) 平日野鳥観察会 9時~11時
5月15日(水) 平日野鳥観察会 9時~11時
皆様のご参加をお待ちしております。
■旭山記念公園では、シマエナガの巣の情報についてのご質問にはお答えしておりません。
スタッフ等が巣を探すこともしていません。
巣を探さないよう、そしてもし偶然シマエナガの巣を見つけてしまった場合、すぐにその場を立ち去り、以降そこには近寄らないようお願いします。
他の野鳥も巣の情報は公開していません(人に影響をおよぼす可能性のあるハシブトガラスは除く)
夏鳥到来情報2024年5月12日
24.イカル
2024年5月5日、イカルが今年初めて園内で確認されました。
昨年の旭山での初認日は4月4日、昨年よりひと月以上、31日遅く確認されました。
しかしイカルは、その前2022年は3月23日初認、さらに前の2021年は1羽が冬の間時折見られていたというように、年により行動が大きく変わる鳥です。
今年5月7日初認時には10羽以上の群れが見られ、5月9日にも10羽以上で見られましたが、昨日から2~4羽で見られるようになり、渡来直後に集まっていたのが分散してきているようです。
木の高い位置で「ホヒリホヒー」と囀り、「キッキッ」とアカゲラに似た地鳴きで鳴きながら飛んでいて、声で気づくことが多いですが、低い位置にはあまり降りて来ません。
25.コサメビタキ
2024年5月9日、コサメビタキが今年初めて園内で確認されました。
昨年の旭山での初認日は5月2日、昨年より7日遅く確認されました。
春先のコサメビタキはあまり声を出さずに行動し、囀りもめったに聞かれず、気づかないことも多いと思われますが、高木の梢でひらひらふわふわと飛んでいるのに気づくことがままあります。
ヒタキ科であり、ホバリングしながら虫を捕まえる「フライキャッチ」をする姿もよく見られます。
コサメビタキは色合いは地味ですが、目がくりくりしてかわいいということでインスタグラムなどで人気が高まってきた野鳥です。
2024年夏鳥到来情報まとめ(カッコ内は2023年との比較)
1.ヤマシギ 3月30日(7日遅)
2.ホオジロ 3月31日(4日遅)
3.キジバト 3月31日(同日)
4.モズ 3月31日(同日)
5.ウグイス 4月7日(4日早)
6.アオジ 4月10日(4日早)
7.ルリビタキ 4月10日(3日早)
8.ベニマシコ 4月11日(19日遅)
9.ビンズイ 4月11日(16日早)
10.クロツグミ 4月11日(3日早)
11.クロジ 4月12日
12.キセキレイ 4月13日(1日早)
13.メジロ 4月13日(8日早)
14.ヤブサメ 4月14日(10日早)
15.ノビタキ 4月17日(3日早)
16.アカハラ 4月17日(2日早)
17.オオルリ 4月25日(4日早)
18.センダイムシクイ 4月26日(1日早)
19.キビタキ 4月27日(3日早)
20.コマドリ 5月1日(3日遅)
21.エゾムシクイ 5月2日(6日遅)
22.コルリ 5月2日(4日遅)
23.ツツドリ 5月4日(1日早)
24.イカル 5月5日(31日遅)
25.コサメビタキ 5月9日(7日遅)
これで、旭山周辺で繁殖していると思われる夏鳥はほぼすべて揃いました。
残るはムギマキ(見られない年もある)、アオバト(繁殖している可能性はある)、ハリオアマツバメ、オオムシクイといったところです。
なお、コムクドリは月寒公園などで既に確認されていますが、旭山では今年はまだ見られていません。
チゴハヤブサもまだ確認していませんが、今年は近くで繁殖しないことも考えられ、まだ様子をみてゆきます。
今週のトピックス
マヒワ
5月3日に群れで現れてから旭山周辺に居ついており、今日の野鳥観察会でも20羽前後の群れが見られました。
今の時期は写真のようにハルニレの種子を食べによく集まって来ており「チュリーン」「チュン」といった声が聞こえてきたらハルニレを探すと見つかることがよくあります。
そろそろ北に渡る頃だと思われますが、まだようすをみてゆきます。
マミチャジナイ
5月5日、マミチャジナイの観察情報がありましたが、これがこの春旭山で初めての確かな観察情報でした。
その語は観察情報がなく、その時は一瞬だけ立ち寄って通り過ぎたものと思われますが、今後もまだ見られる可能性はあるのでもう少しようすをみます。
カケス(亜種ミヤマカケス)
5月9日、旭山都市環境林「ホオノキ散策路」の上の方から「ジェーイジェーーイ」と鳴き声が聞こえてきましたが、5月に入って旭山で観察できたことは今までなく 初めてのことでした。
ただ、その辺りで標高200m以上あるので、そのままその辺りですごし、今後夏の間の見られる可能性はあるかもしれません。
ひとまずまだ様子をみてゆきます。
ハシブトガラス
昨日5月10日、ハシブトガラスがクマイザサの新芽=笹の子を嘴で器用にもぎ取って食べていました。
写真がそれで、この個体とその周りにいた4羽だけが食べていましたが、ブトが笹の子を食べるのは初めて見たのでトピックスとして取り上げました。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週はあまり見られませんでした。
前述の通りシマエナガに限らず野鳥の巣についての情報は発信しておりません。
夏鳥情報
ホオジロ
展望台から「学びの森」、「噴水広場」にかけてのあたりでちょくちょく見られていますが、人がまだあまりいない朝方に見られることが多く、時間が進むとあまり見られなくなる傾向にあります。
アオジ
囀りが聞かれるようになってきましたがまだあまり盛んではなく、一方で「チッ」という地鳴きは園内各所で比較的よく聞かれ、姿が見られることもあります。
ウグイス
森の家の裏でいつも囀りしている個体は今週も姿を見られる機会が比較的多く、今日の野鳥観察会でも見られました。
「ホーホケキョ」もしくは「ケキョケキョケキョケキョ」と近くで聞こえてきたら、粘っていると動く姿が見え、それを追ってゆくとしばらく観察できます。
今回の写真もまさに森の家の裏で撮ったものです。
ヤブサメ
今日の野鳥観察会でも、少し遠目でしたが、笹薮の切れたところで地面を歩く姿が観察できました。
ヤブサメの囀りを聞く機会は多く、姿をまだみられますが、「シリシリシリ」という囀りが近くで聞こえたらしゃがんで笹薮の中をのぞくと見られることがあります。
センダイムシクイ
森の家の周りから「藻岩山登山口」にかけてのあたりで囀りを聞くことが多いですが、広葉樹の葉がますます茂ってきて、姿を見つけるのも少々難しくなってきました。
ただ、見られる場所は多く、時々葉っぱがない場所に来たりもするので、粘っていれば見ることができます。
エゾムシクイ
今日はまだ「ヒーツーチー」という甲高い囀りを園内で聞きましたが、そろそろ移動していなくなる頃です。
オオルリ
今日は園内では第2駐車場付近で囀りが聞かれただけで、旭山都市環境林でも声が聞こえたことは聞こえましたが遠めで、姿を見ることはできませんでした。
ただ、昨日、一昨日と「遊具広場」「つり橋」付近など園内数か所での観察情報があり、まだこの先もう少し観察機会はあると思われます。
キビタキ
今日の野鳥観察会では、「木の橋」付近のミズナラの木で高いですが10分近く動きを追いながら観察でき、終了間際に「森の家南側斜面」の木立で比較的近くで長い間見られました。
囀りは盛んで、今は園内どこにいても囀りが常に聞こえてきている感じです(鳴き声の発生源までの遠い近いはありますが)。
キビタキは「フィーピピ」と勢いよくひと声鳴いてから一瞬の間があって「ピッポピー」と次のフレーズが始まるのが囀りの特徴で、鳴き声が聞こえたらその辺りを見ていると動くので、そこでどこにいるか把握して動きを追うとその後少しの間じっくりと観察できます。
写真は雌です。
コサメビタキ
(前述)
ルリビタキ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)。
コルリ
「森の家西の沢」や旭山都市環境林で囀りを聞く機会が比較的多いですが、日の出から2時間くらいの間は盛んに囀り、その後は時々囀るくらいになります。
先日、「森の家西の沢」でいつものウグイスが「ホーホケキョ」と鳴いているところに、コルリが近く(50mくらい)に寄って来て囀り、1分ほど激しく「囀り合戦」し、両者がまた離れていくのが声から分かりました。
コルリは他に「遊具広場の森の散策路」辺りでも囀りを聞くことがありますが、姿を見たり撮れたりという情報はあまり入ってきていません。
コマドリ
5月1日今年初認の後、確かな観察情報は入ってきていません。
その時の個体はもう抜けたとして、今後もう来ないのか、おそらく来ないだろうと思いつつもう少しようすをみます。
クロツグミ
藻岩山登山道に入った先から毎日囀りが聞こえてきますが、未明から鳴き始め、8時頃には囀りをやめ、昼の間はほとんど声が聞かれなくなってきました。
クロツグミはそもそも例年のこととして、渡来後ひと月ほどは盛んに囀りその後少し落ち着くので、そろそろ落ち着いてきたのかもしれません。
アカハラ
5月5日以降ちらほらと観察情報がありましたが、今日の野鳥観察会の際に少し遠いおそらく旭山都市環境林の方から囀りが聞こえてきました。
アカハラは旭山では4月の渡来後ひと月ほどしばしば見られ、その後ほとんど見られたり囀りが聞かれたりといったことがなくなるのですが、もう少しようすをみます。
トラツグミ
先週は未明から日の出直後くらいに園内2か所で「ヒー ヒョー」と囀りしていましたが、今週9日には同じ時間帯でも囀りは聞かれませんでした。
今後も未明もしくは夜に旭山に来ることがあればチェックしてゆきます。
メジロ
囀りが盛んで、今日の野鳥観察会では「森の家南側斜面」の木にとまって囀るすがたをやや遠目ながらもじっくりと観察できました。
基本は木の上の方=樹冠にいますが、低い位置にもしばしば降りてきて、笹薮の中で採餌することもあります。
イカル
(前述)
ベニマシコ
今週も確かな観察情報はなく、もう旭山からは移動していなくなった可能性がありますが、この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)
キセキレイ
第2駐車場付近でしばしば見られており、昨日は森の家の上空を南から飛んで来て「巨木の谷」方向に飛んで行く姿が見られました。
ビンズイ
今週も観察情報がありましたが、そろそろ移動して旭山では見られなくなる頃、もう少しようすをみます。
写真は「ミュンヘンの森」付近で撮影されたものですが、他「遊具広場」周辺でも見られることがあります。
モズ
「ちびっこ広場」から「学びの森」そして「噴水広場」の辺りで時々見られています。
ヤマシギ
今週も確かな観察情報は入っていませんが、日没後には「ディスプレイフライト」が見られる可能性があります。
ツツドリ
今日も「ボボッ」という鳴き声が聞かれましたが、一度は旭山都市環境林内の近くから聞こえてきて、姿を探しましたが見つけられませんでした。
ツツドリは警戒心が非常に強く、見つけたとしてもすぐに飛び立ち、30m以内に近寄れるチャンスは非常に少ない野鳥です。
キジバト
森の家の周りでときどき鳴き声が聞かれ、飛んでいる姿も見られていますが、キジバトも日の出から2時間くらいの早めの時間帯の方が鳴き声を聞く機会は多いです。
冬の鳥情報
ツグミ
5月9日に園内で1羽だけ観察されましたが、もうあらかた北へ移動していなくなっているものと思われます。
写真はその時のものですが、もう少しようすをみます。

ハチジョウツグミ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)。
ヒレンジャク
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)。
キレンジャク
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)。
イスカ
5月5日に観察された後、翌日以降の確かな観察情報は入っていません。
もうそろそろ移動して見られなくなる頃ですが、この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)
ウソ
5月5日には園内で声が聞かれましたが、ウソは例年5月中旬には見られなくなり、そろそろです。
シメ
まだ園内で時々見られていますが、もうそろそろ旭山では見られなくなる頃です。
マヒワ
(前述)
アトリ
5月4日を最後に園内での確かな観察情報は入ってきていません。
アトリもそろそろ旭山では見られなくなる頃ですが、もう少しようすをみます。
キクイタダキ
5月1日の観察情報が最後ですが、この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)。
カケス(亜種ミヤマカケス)
(前述)
コガラ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)。
留鳥情報
クマゲラ
今週も園内でしばしば観察されていますが、やはりいつ現れるか、どこに来るかは分かりません。
オオアカゲラ
しばしば見られています。
アカゲラ
園内各所で観察機会は少なくないです。
コゲラ
観察機会が少なくなってきはじめており、今日の野鳥観察会では確認できませんでした。
コゲラは例年5月中旬から6月中旬頃までは、あんなにいたのにどうしちゃったのというくらいに観察頻度が落ち、1日見られないこともあって、そろそろその頃になります。
ヤマゲラ
「ピョッピョッピョッピョッ」という大きな声がときどき聞かれ、近くで見られたとの情報もありますが、この春は観察頻度はあまり高くないです。
フクロウ
今週も鳴き声が聞こえてくることはなく、観察情報もありませんでした。
オオタカ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
今週は確かな観察情報がありました。
ノスリ
今週は確かな観察情報がありました。
トビ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
カワラヒワ
「ギュイーンチリチリ」という囀りはまだ聞かれており、「コロコロコロ」と飛びながら鳴く声もよく聞かれています。
「学びの森」周辺に多いです。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
まだまだ園内各所で観察機会は多く、「キューイー」という大きな音の囀りも聞かれています。
ゴジュウカラは例年、コゲラと同じく5月下旬から6月下旬頃まで観察頻度が落ち、1日見られないこともあって、そろそろその頃になります。
シジュウカラ
園内でよく見られています。
ハシブトガラ
園内でよく見られていますが、囀りはときどき聞かれる程度になってきました。
ヤマガラ
園内一円でよく見られており、今日はとりわけ「チーリーツー」という三拍子の囀りがよく聞かれましたが、そろそろ囀りを聞く機会も少なくなります。
ヒガラ
囀りはまだ聞く機会は多いですが、先々週のように10羽前後で見られることはなくなりました。
ハクセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いや第2駐車場付近で見られることがあります。
ヒヨドリ
今週も園内各所で見られています。
ハシボソガラス
「噴水広場」から「テラス状階段」の辺りでよく見られますが、ここ数日は森の家の周りでも1羽から3羽で見られることがありました。
ハシブトガラス
園内でよく見られています。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
初夏の生き物2題
今年は5月5日に「立夏」を迎えており、暦の上では「夏」に入っています。
シータテハ
成虫越冬するタテハチョウの仲間ですが、同じく成虫越冬するエルタテハがほとんど見られなくなっており、少し遅れての登場です(それまでも観察情報はありましたが)。
名前の由来は、翅の裏側の茶色い部分にアルファベットの”C”の形をした白い紋があることですが、このように翅を開いてとまっているとそれは見えません。
オオカメノキ
旭山では1か所でしか確認していなかったオオカメノキの花が咲いているのを、旭山都市環境林内で見つけました。
落葉低木広葉樹、林内に散在し、春にこのような白い花が咲きます。
名前の由来は、葉の形が亀の甲羅に似ているからとのこと。
オオカメノキは「ムシカリ」の別名で知られていますが、これは、葉が虫に食われやすいため「虫刈」と呼ばれるようになったことが由来だそうです。
また、冬芽がウサギのような形をしていて「カメなのにウサギ」としても樹木好きの間では親しまれている木です。
参考までに、ウサギのように見える冬芽の写真も上げますが、頭の上に手を挙げて合わせている人のようにも見えますかね。
なお、もう葉が出ているので、今の時期冬芽は見ることができません、あしからず。
次回は、2024年5月19日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。