旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年9月21日日曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてください。
■9月28日の野鳥観察会は、募集定員に達しましたため、受付終了となりました。
あしからずご了承ください。
■10月の野鳥観察会は、以下の日程で行います。
①10月11日(土曜日)
②10月26日(日曜日)
各回8時から10時頃まで
参加費:200円
集合:旭山記念公園森の家
定員:各回15名程度 先着順
受付:9月27日(土曜日)10時から開始
電話および窓口直接にて受付しております。
定員になり次第受付を終了いたします。
みなさまのご参加をお待ちしております。
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、基亜種とは別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のトピックス
イカル
この1週間もイカルは毎日見られています。
ただし、近くで見られる機会が少なくなってきています。
ここ2、3日は、先週お伝えした「展望台北西斜面」のヌルデにはあまり来なくなっており、来ても数羽で、園内各所のヌルデに散っています。
本日9月21日は雨と強風のため、数羽が上空を飛ぶ姿が見られただけ、昨日9月20日は「展望台北西斜面」に来ることは来ましたがヌルデを食べに降りては来ず、9月19日は「展望台北西斜面」に何度か来てヌルデ果実を食べていた、といった具合です。
「展望台北西斜面」のヌルデ果実は、「展望台ユニバーサル園路」から見える部分にはまだ多く残っていますが、人の往来があるその場所に食べに来るかどうかにより、今後のその場所での出方が変わると思われます。
引き続き注目してゆきます。
写真3枚目はヌルデ果実で、参考のためもう1週残しておきます。
ノビタキ
9月18日、19日にも園内での観察情報があり、まだ渡りは終わっていなかったようで、もう少し様子をみます。
フクロウ
9月18日未明、園内からフクロウの声が聞こえてきたとの観察情報がありました。
また、近隣にお住いの方によれば、フクロウの声はときどき聞くとのことで、旭山記念公園とその周辺に来ていることはあるようです。
姿を目視したとの観察情報はなかったです。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も日により見られたり、見られなかったりでした。
9月19日は、閉鎖解除後の11時30分過ぎに「森の家南斜面」に10羽以上の群れが現れ、「ミュンヘンの森」を通過して「巨木の谷」方向に飛んで行きました。
9月20日は「友愛の小径」から「吊り橋」方向に進み、「風の丘」にかけての辺りで10分分以上見られたがみな見上げで高かったという情報もあり、10羽以上いたとのことでした。
本日9月21日は、雨がやんでいた10時30分頃、森の家の裏でカラ類混群に数羽が入っているのが観察されました。
今後しばらくはこのような感じで見られたり見られなかったりが続くと思われます。
夏鳥情報
イカル
(前述)
クロツグミ
9月20日、10時過ぎに「オオムラサキの谷」で地鳴きが聞かれ、さらに17時頃に「栗の木坂」でも複数の地鳴きが聞かれ、雄1羽が目視観察できました。
本日9月21日、「旭山都市環境林」で確認できました。
クロツグミは10月上~中旬に南に渡っていなくなり、年により旭山記念公園周辺に集結してから渡ることもあるのですが、今年はその年である可能性もあり、注目しています。
アカハラ
9月20日10時過ぎ、「オオムラサキの谷」でクロツグミと同じ時に2羽が目視観察され、地鳴きも聞かれました。
クロツグミの項で触れた「南に渡る前に集結」、かつて旭山記念公園ではクロツグミとアカハラが一緒に集結していた年もありましたが、今年はそうなるかもしれません。
トラツグミ
今週は声も姿も確かな観察情報はなかったです。
オオルリ
9月20日に「吊り橋」周辺で囀りが聞かれたとの情報があり、その日まではいたことが確認できていますが、オオルリはそろそろ南に渡って見られなくなる頃です。
キビタキ
今週も成鳥雄、雌、幼鳥ともに観察情報がありました。
写真は2枚とも雌雄両方が写っており、上は奥の雄に、下は手前の雌にピントを合わせて撮影したものです。
キビタキは例年9月末から10月初旬に南に渡って行きますが、この先もう少し見られるかと思われます。
コサメビタキ
この1週間は、「学びの森」から「新桜並木」の辺りや森の家周辺で散発的に観察頻度がありました。
コサメビタキもキビタキ同様、例年9月末から10月初旬に南に渡って行きます。
なお、旭山記念公園では、この秋はサメビタキおよびエゾビタキの確かな観察情報は今のところないです。
ウグイス
「ジッ ジッ」と地鳴きがときどき聞かれ、たまに姿が見られています。
ウグイスは10月に入ってから地鳴きを聞いて姿が見られる機会が増える傾向にあります。
ヤブサメ
9月20日、「ポートランドの森」で囀りが聞かれ、その日まではまだいることが確認できましたが、ヤブサメは例年9月下旬には南に渡って行くため、もうそろそろ見られなくなる頃です。
ところで、オオルリにヤブサメと、囀りが聞かれたのは、そろそろ南に渡る頃だという仲間内の合図なのかもしれないですが、確証はありません。
ホオジロ
今週は確かな観察情報はなかったですが、オオルリは例年9月中から10月上旬に南に渡っていくため、そろそろ見られなくなる頃ではあります。
アオジ
9月20日午前「ポートランドの森」、「四季の散歩道」そして「遊具広場」で観察されており、少数が旭山記念公園周辺にいることはいるようですが、数年前までのように普通にお目にかかるということはなくなっています。
アオジは10月下旬に南に渡って行きますが、今年はどうでしょうか。
メジロ
「チュルチュルチリ」という囀りはほとんど聞かれなくなりましたが、観察機会は多く、「学びの森」から「新桜並木」そして「作業員詰所」の辺りで特によく見られています。
高い位置にいることが多いですが、低い位置にも降りて来ることがあるので、囀りもしくは「ツー」「キュピキュピ」という地鳴きが聞こえたら探すと見られることがあります。
キセキレイ
9月20に「ヘアピンカーブ」付近の道路上で親子2羽が見られ、同日別時刻に「テラス状階段」上空を飛ぶ姿も見られました。
ほぼ毎日一度は飛ぶ姿が見られています。
キセキレイは旭山記念公園では例年10月中旬頃まで見られます。
モズ
今週は確かな観察情報はなかったですが、まだこの先も見られるものと思われます。
ヤマシギ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
ヤマシギは道内の別の場所のセンサーカメラでは10月中旬まで写っているので、まだ見られる可能性はありますが、どのみち夜行性なので観察はきわめて難しそうです。
ほぼ見られないと思われますが、情報があった時のためにまだもう少しここに載せてゆきます。
ツツドリ
今週は園内での観察情報がなかったですが、市内別の場所での観察情報があり、もう少し様子をみます。
キジバト
「デデーポーポー」という鳴き声を聞く機会は減りましたが、飛ぶ姿はしばしば見られています。
キジバトは例年11月上旬まで見られます。
アオバト
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
アオバトは例年9月下旬には旭山では見られなくなりますが、もう少し様子をみます。
チゴハヤブサ
今週も園内での確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
秋から春に見られる野鳥
シメ
今秋もほぼ毎日見られましたが、「第1駐車場」上空で見ることが多く、数はまだ1羽から3羽です。
キクイタダキ
今週は確かな観察情報はなかったですが、いつ見られてもおかしくない頃になってきました。
カケス(亜種ミヤマカケス)
どうやら旭山記念公園周辺に居ついたようで、今日も3回見られ、毎日姿が見られるようになってきました。
「作業員詰所」横のトドマツによく来ており、その周辺から「展望台」の辺りで観察機会が多く、「森の家」周辺でもちょくちょく見かけます。
写真1枚目は「展望台北西斜面」でイカルを待っていた時に来たもの、2枚目は「展望台松林」に飛んで来た時のものです。
留鳥情報
クマゲラ
9月19日、「森の家」裏に雄1羽が飛んで来ましたが、それは若鳥と思われる個体で、「キョーン」という鳴き声には張りがなくてまだ完成しておらず頼りなげに聞こえる個体です。
9月20日にも同一個体と思われる雄が観察され、さらに21日には「頼りなげな声」が聞こえたとの情報もあり、この個体は旭山記念公園によく来ているものと思われます。
ただしいつものように、園内に来て近くで見られるかどうかはやはりその日その時次第でしょう。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
今週も園内や旭山都市環境林で見られています。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
観察機会は多いです。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多いです。
ヤマゲラ
今週も散発的な観察情報があり、9月20日には「藻岩山登山口」周辺から「ピョッピョッピョッピョッピョッピョッ」という鳴き声が1回だけ聞こえてきました。
ヤマゲラはこの先もときどき見られる可能性があります。
オオタカ
本日12時頃、「藻岩山登山口」上空を飛ぶ1羽が観察されましたが、その個体は単独で、カラスに追いかけられ(モビングされ)てはいませんでした。
秋のオオタカは渡りの途中のものもいますが、通常の行動からでは渡りかそうではないかの判断は難しいです。
ハイタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったですが、ハイタカは例年秋から12月にかけて観察機会が増える傾向があり、要注目です。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はなかったですが、ノスリも秋に観察機会が増える傾向があります。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
オオセグロカモメ
今週も園内および近隣上空での確かな観察情報はなかったです。
カワラヒワ
9月19日に「噴水広場」上空で1羽が観察されましたが、やはり少なく、心配ではあります。
市街地での観察情報もちらほらとあります。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、「テュッテュッテュッ」という地鳴きもよく聞かれています。
シジュウカラ
園内一円でよく見られています。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
ヤマガラ
園内一円でよく見られています。
「作業員詰所」前のトイレ横にあるイチイの木の実、赤くなっていないのですが、それを食べに来る姿が頻繁に見られるようになってきました。
ヒガラ
園内の針葉樹で観察機会は多く、「学びの森」から「作業員詰所」の付近で特によく見られています。
囀りはほぼ聞かれなくなりましたが、こうなると、2024年はなぜ囀りが途切れなかったのか不思議に思えてきました。
ハクセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
園内一円でよく見られていますが、やはり8月中旬頃から見ると出会う機会が少なくなっているように感じています。
ハシボソガラス
「展望台芝生斜面」や「テラス状階段」そして「第1駐車場」でよく見られています。
ハシブトガラス
園内で多く見られています。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
エゾリス
今週も観察機会は多く、昨日は17時過ぎに「記念樹の森」で見られ、今朝は道路を渡す姿が2回見られました。
写真はいつもの「学びの森」でオニグルミを食べようとしているところです。
ニホンカナヘビ
今週も元気です。
コガタスズメバチ
今年の4月から6月の頃はスズメバチ各種の観察機会が多く、このままではこの夏は園内で巣をたくさん見ることになるかなと思っていましたが、意外というか、今年はそれほどでもなく過ぎています。
ただし、まだこの先活動が続くので、引き続き注意が必要です。
ダイコンソウ種子(果実)
ダイコンソウの種子が多く見られるようになってきました。
円形のものから伸びて先が曲がった部分がフックとなって分離し、それを引っかけるかたちで「ひっつき」となり、種子が運ばれます。
【返り咲きシリーズ】
一度咲いたものが、その場所で草刈りが行われ再び伸びたり、その他の環境条件によりまた本来の花期から遅れて今「返り咲き」している花の特集です。
タニウツギ以外は外来種です。
ブタナ
本来の花期:6~7月。
キク科のブタナは芝生の場所に多く咲き、芝生は草刈りされるため、毎年普通に「返り咲き」しています。
コウリンタンポポ
本来の花期:5~6月。
キク科のコウリンタンポポ、「テラス状階段」の途中で見つけました。
メマツヨイグサ
本来の花期:7~8月。
アカバナ科、こちらは厳密にいえば「返り咲き」というよりは、だらだらと咲き続けている感じです。
ノハラムラサキ
本来の花期:6~7月
ムラサキ科、とても小さな花、「展望台階段」の手すりの下に咲いていました。
タニウツギ
本来の花期:6月
スイカズラ科、「展望台北西斜面」に来るイカルを待つ「リバティベル」下にあるこれは植栽木で、山地の谷あいに割合普通ですが、旭山周辺では自生はしていません。
こちらは剪定をした結果かもしれませんが、数日前からきれいに咲いてきています。
次回は、2025年9月28日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。