旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年7月27日日曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてください。
■8月の野鳥観察会、自然観察会のうち、以下の日程は募集定員に達したため受付終了とさせていただきました。
8月24日(日) 野鳥観察会
あしからずご了承ください。
8月9日(土)の野鳥観察会と、8月17日(日)の自然観察会はまだご参加受付中です。
なお、毎年8月9月は野鳥があまり出ないため、植物や昆虫の話が多くなります。
植物や昆虫がお好きで野鳥「も」興味がある、という方もぜひご参加ください。
野鳥観察会2025年8月
①8月9日(土曜日)
②8月24日(日曜日)
8時から10時頃まで
自然観察会
8月17日(日曜日)
9時から11時頃まで
内容:公園内や旭山都市環境林を散策しながら植物や昆虫などを観察します。
野鳥が出たら野鳥観察も行います。
参加費:各200円
集合:旭山記念公園森の家
定員:各回15名程度 先着順
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のトピックス
コサメビタキ
7月の旭山記念公園の風物詩ともいえるコサメビタキの幼鳥、この1週間で見られる機会が増えてきました。
例年7月15日頃から「ごま塩」模様の幼鳥と成鳥が多く見られるようになるのですが、今年はその頃になってもほとんど見られず、今年はどうなのだろうと心配していたところ、例年より1週間遅れて見られるようになりました。
本日の野鳥観察会では、「学びの森」「新桜並木」の付近の低い木に成鳥や幼鳥が何度も飛んで来て、10mほどの距離の比較的低い木にとまる姿をじっくりと観察できました。
コサメビタキは木にとまると同じ場所で1、2分じっとしていることが多いので、一度見つければじっくりと観察できます。
観察会の後も「学びの森」で頻繁に見られ、ホバリングで餌を取ったり、木と木の間を移動したりする姿が観察できました。
ほか、「巨木の谷」の「柳のテント」付近でも見られることが多く、「遊具広場」でも見られることがあります。
コサメビタキの幼鳥は、次の写真の1枚目、全体的に「ごま塩」模様で、白い斑点が頭と翼の上部に入り、胸には黒い斑点があるのが特徴です。
写真2枚目は親子で、(小さいですが)、左が幼鳥、右が成鳥です。
暑い中の観察・撮影は大変ですが、熱中症には気をつけつつ、この時期しか見られない「ごま塩」コサメビタキを探してみてはいかがでしょうか。
クマゲラ
7月26日土曜日、親子と思われるクマゲラ3羽が園内で観察されました。
成鳥は雌つまり母で、幼鳥は雌雄1羽ずついました。
10時頃「旭山都市環境林」の方向から「プルプルプル」と飛翔時の鳴き声が聞こえ、それが近づいてきて「巨木の谷」付近を通過するのが見え、その後に2羽が続いて飛んでいるのが見えました。
3羽は「風の丘」西側の沢に降り、少しずつ場所を変えながら30分以上その辺りに滞在し、北西側に3羽連れ立って飛んで行って見えなくなりました。
移動する際に母は「プルプルプル」と鳴き、幼鳥2羽が頼りない「キョッキョッ」という声で後に続いて飛んでいました。
途中、母が雄の幼鳥に餌を与えているところも見られました。
次の写真、左上が母、右上が雄幼鳥、下が雌幼鳥です。
クマゲラは7月に入ってから園内でしばしば見られるようになっています。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も散発的に見られてはいますが、見られる頻度は低いです。
見られる場合はたいていカラ類混群に混じっています。
夏鳥情報
イカル
今週は確かな観察情報はなかったですが、今後もしばしば観察されるものと思われます。
クロツグミ
本日11時半頃、「カラマツ林」から囀りともぐぜりともとれる弱い鳴き声が数分間聞こえてきました。
藻岩山方面から囀りが聞こえてくることがありますが、それもそろそろ終わりそうです。
「キュロキュロ」という地鳴きが聞かれることはあります。
幼鳥は今年はまだ確認されていません。
アカハラ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
トラツグミ
昨日7月26日土曜日9時前に園内「西側エリア」から「ヒー ヒョー」と囀りが数分間聞こえてきました。
昨日は雨がちな天気ではあり、トラツグミは雨や曇りの日には昼間に囀ることもありますが、前回の野鳥観察会(7/12)もそうでした、毎年7月になると昼間に鳴き声を聞くことがあります。
コルリ
今週も園内および「旭山都市環境林」での確かな観察情報はなかったですが、毎年来ていた年でも7月下旬になるとほとんど囀りも聞かれなくなっていたので、どうやら今年は通過時にいただけということになりそうです。
オオルリ
今週は「学びの森」で幼鳥の観察情報がありましたが、それ以外の観察情報はなかったです。
キビタキ
本日の野鳥観察会の際に「新桜並木」で幼鳥が観察されましたが、他にも今週は園内での幼鳥の観察情報がありました。
囀りはほとんど聞かれなくなり、いるのかいないのか分からない状況になっていますが、キビタキはたまたま目に留まって見られることがあります。
コサメビタキ
(前述)
ウグイス
7月25日金曜日と26日土曜日だけなぜか囀りが聞かれましたが、ほかの日に囀りが聞かれることはなく、姿も近くで見たとの観察情報もなかったです。
ヤブサメ
「シリシリシリ」という囀りはほとんど聞かれなくなり、笹薮から「シュッ」という地鳴きが聞こえるだけになってきましたが、それでもその声を頼りに探すと姿が見られることがあります。
センダイムシクイ
カラ類混群の中にときどき入っており、幼鳥がいることもあります。
本日の野鳥観察会では、「遊具広場の森」と「学びの森」で姿を見ることができましたが、どちらもカラ類混群に入っており、鳴き声も「フィーッ」という地鳴きがときどき聞かれるだけでした。
ただ、「チヨチヨビー」という囀りは、今週に入ってときどき聞かれるようになってきています。
ホオジロ
「展望台」周辺での囀りもほとんど聞かれなくなっており、姿もときどき見るくらいです。
アオジ
今週も園内での確かな観察情報はなく、囀りも聞かれなかったですが、この先現れる可能性があるので様子をみてゆきます。
メジロ
「チュルチュルチリ」という囀りと「チューイ」「キュルキュル」という地鳴きはよく聞かれており、観察機会も多いです。
キセキレイ
園内でときどき見られており、「西側エリア」での観察情報もあり、近隣住宅街ではしばしば見られています。
モズ
今週も確かな観察情報はなかったですが、まだ様子をみてゆきます。
ハリオアマツバメ
今週は確かな観察情報はなかったです。
ヤマシギ
今週も園内での確かな観察情報はなかったです。
ツツドリ
今週は確かな観察情報はなく、「ボボッ」という鳴き声も聞かれなかったですが、ツツドリは8月後半になると林の低い位置で不意に見られることがあります。
キジバト
今週も飛ぶ姿が見られる機会は比較的多く、「デデーポーポー」という鳴き声も聞かれています。
アオバト
今週は声も姿も確かな観察情報はなかったです。
チゴハヤブサ
今週も園内での確かな観察情報はなかったです。
留鳥情報
クマゲラ
(前述)
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
今週も園内で見られています。
写真は7月21日月曜日に旭山都市環境林で撮影した幼鳥です。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
観察機会は多く、幼鳥も見られており(写真)、「キョッ」という鳴き声が聞かれることもよくあります。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多く、幼鳥も成鳥も近くで見られる機会があります(写真は成鳥です)。
本日の野鳥観察会では、「学びの森」付近で数mの至近でじっくりと観察できました。
ヤマゲラ
今週は声姿ともに確かな観察情報はなかったです。
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハイタカ
今週も園内での確かな観察情報がありました。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
オオセグロカモメ
7月21日、オオセグロカモメ4羽が園内上空に飛んで来ましたが、だいぶ低い位置にも降りて10分ぐらい飛び回って南東に抜けて見えなくなりました。
6月29日の野鳥観察会でも出ていましたが、ときどき山まで飛んで来ているのかもしれません。
カワラヒワ
「噴水広場」周辺で見られていますが飛んでいたり遠目にとまっていたりで、近くでじっくり見られることはほとんどありません。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、本日の野鳥観察会でも何度か10mくらいの近くで見られました。
シジュウカラ
園内一円でよく見られています。
幼鳥の「胸のネクタイ」は今週もまだ下までつながっておらず、頬の下の黒い線もまだつながっておらず、背中もまだオリーブ色ではありません。
本日の野鳥観察会では、「遊具広場の森」でそんな幼鳥に雌の親鳥=母が給餌する姿も見られました。
ハシブトガラ
園内で見られる機会は少なくないです。
ヤマガラ
園内で観察機会は多いです。
本日の野鳥観察会では「学びの森」周辺で地面に降りて採餌する姿が何度か見られました。
次写真上は幼鳥で下が成鳥です。
ヒガラ
「作業員詰所」周辺のトドマツで幼鳥が見られる機会が多いほか、カラ類混群に入っていることもあります。
今回の写真はカラ類混群に入っていた幼鳥を撮影したものですが、カラ類混群にいたため珍しく針葉樹ではなく広葉樹に囲まれた場所にいます。
囀りはまだ聞かれていますが、ほかの野鳥はメジロがたまに囀るだけになっており、ヒガラの囀りはより注意を引くようになっています。
ハクセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
7月25日、「遊具広場の森」で幼鳥2羽が観察されましたが、ヒヨドリの幼鳥を確認したのはこれが今年初めてです。
ハシボソガラス
「展望台芝生斜面」や「テラス状階段」そして第1駐車場でよく見られています。
ハシブトガラス
園内で多く見られています。
この写真は、右が幼鳥、左が成鳥(親)で、幼鳥が親に餌をねだって鳴いているところですが、幼鳥は口の中が赤いのが特徴です。
食べ物を取られないように気をつけてください。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
エゾシカ
7月26日「噴水広場下斜面」で撮影、この日は7頭いたとの観察情報もあり、本日の野鳥観察会でも「ちびっこ広場」斜面に雌2頭と「噴水広場下斜面」に雄1頭がいました。
写真はおそらく2頭とも今年生まれの子鹿「バンビ」です。
エゾリス
「巨木の谷」で撮影されたこの個体は赤みがだいぶ強いです。
ヒラタシデムシ幼虫と成虫
今の時期地面を歩いている次の写真上の、ヒラタシデムシの幼虫です。
成虫は写真下ですが、こちらも園内で目にする機会は多い昆虫です。
エゾニワトコの赤い果実
この写真は「吊り橋」右岸上流側の木のものを撮影しましたが、旭山では少ないです。
アオバトがこの実を好物としていますが、この場所では食べに来ないかな・・・
ダイコンソウ
7月に入り園内散策路沿いでよく見られているバラ科の多年草ダイコンソウ。
「栗の木デッキ」付近に2坪くらいの小群落もあります。
ゲンノショウコ
フウロソウ科の多年草ゲンノショウコ。
住宅地の庭先などにも出ます。
まれにピンク色の花が見られ、旭山でも見られたことがあります。
ヤマハギ
マメ科の落葉低木。
ヤマハギはかつてはお盆の頃に咲くものでしたが、ここ数年で花が咲く時期が早くなっており、7月下旬にしてもう咲き始めました。
次回は、2025年8月3日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。