旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年6月29日日曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてください。
●野鳥の巣を探さないでください!
野鳥は、春の繁殖シーズンには非常にデリケートになります。
巣を作っているようすを見られたり、巣をのぞかれたりすると、巣を放棄したり、巣を他の鳥などに壊されて、繁殖しなくなってしまう可能性が高くなります。
人間も自分の家をのぞかれると嫌ですよね・・・
野鳥のために、次のことをお願いします!
①巣を探さない
②巣に気づいたら目をそらしてすぐに、しかし動きはゆっくりとその場を離れる
③巣を見ない/巣がある場所が分かったら近づかない
④巣の場所を人に話したり、ネットに情報を上げたりしない
■7月の野鳥観察会・自然観察会のご案内
それぞれ以下の日程で行います。
現在、いずれも募集受付中です。
みなさまのご参加をお待ちしております。
野鳥観察会
①7月12日(土曜日)
②7月27日(日曜日)
各回8時から10時頃まで
自然観察会
7月20日(日曜日)
9時から11時頃まで
内容:公園内や旭山都市環境林を散策しながら植物や昆虫などを観察します。
野鳥が出たら野鳥観察も行います。
参加費:各200円
集合:旭山記念公園森の家
定員:各回15名程度 先着順
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のトピックス
センダイムシクイ
6月中旬以降鳴りを潜めていたセンダイムシクイ、その幼鳥が6月28日土曜日に今年初めて確認されました。
外見は成鳥とほとんど同じですが、嘴の端が黄色くなっており、幼鳥であると判断しました。
センダイムシクイは7月中旬になるとまた盛んに「チヨチヨビー」と囀りが聞かれるようになりますが、例年、この先もう少しの間は今回のようにたまたま見られるだけです。
ヤブサメ
6月27日金曜日、「ポートランドの森」で巣立ち幼鳥4羽が観察され、横にいた雄の親=父がさかんに「シリシリシリ」と囀りをして気を引きながら幼鳥を守ろうとしていました。
写真はその時の1羽で、完全なピンボケですが、雰囲気は伝わるかと敢えてここで取り上げました。
幼鳥はまだ「チー」という力ない声で鳴くだけですが、成鳥の囀りはよく聞かれており、また幼鳥が巣立った7月前半は観察機会が比較的多く、粘っていると幼鳥も見られる可能性があります。
コゲラ
コゲラの幼鳥も観察されています。
コゲラも外見では幼鳥と成鳥との識別が難しいですが、嘴が広い範囲黄色くなっており、写真は撮れなかったですがこの個体が成鳥に餌をねだっている様子も確認できたので、幼鳥と判断しました。
コゲラ今年はこの時期でも観察機会が多く、成鳥と幼鳥で3、4羽で見られることもしばしばあります。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も散発的に見られてはいますが、見られる頻度は低いです。
6月26日13時頃、カラ類混群の中に成鳥と思われる数羽、同じ日の15時半頃に成鳥と思われる数羽がどちらも「巨木の谷」周辺で観察されました。
夏鳥情報
イカル
6月27日に「カラマツ林」の辺りから囀りが聞こえてきました。
先週も確かな観察情報は1度だけで、ときどき園内にも来ているようですが、やはり低い位置にはほとんど来ず、数年前のように桜の実を食べに来ている様子もなく、たまたま見られるくらいになっています。
クロツグミ
本日11時半頃「旭山都市環境林」から囀りが聞こえ、園内で地鳴きを聞いたとの情報もありましたが、観察情報は少ないです。
アカハラ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
トラツグミ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
コルリ
今週も園内での確かな観察情報はなかったですが、引き続き様子をみてゆきます。
オオルリ
それまで囀りをほとんど聞いていなかったのですが、6月28日土曜日10時頃から、「登山口下周回路」付近と「吊り橋」周辺で相次いで囀りが聞かれ、本日6月29日にも10時半頃に「吊り橋」周辺で囀りが聞かれました。
例年幼鳥が巣立つ前後の頃になると、それまで一時やめていた囀りがしばしば聞かれるようになりますが、今年もその頃になったのだと考えられます。
園内で撮影できたとの情報もありましたが、例年7月中は見られることがしばしばあり、今年はどうでしょうか。
キビタキ
園内「藻岩山登山口」付近、「吊り橋」下流、「巨木の谷」付近、「遊具広場の森」で囀りが聞かれており、囀りが近くなった際には姿が見られることもあります。
「ヒッ ヒッ ヒッ ヒッ キュピキュピ」という地鳴きも聞かれており、その声を頼りに姿を探すこともできます。
幼鳥はまだ出ていないと思われます。
コサメビタキ
観察情報は今週もほぼないですが、例年7月中旬に幼鳥が現れて観察機会が多くなり、そろそろその頃になります。
ウグイス
今週も園内数か所で「ホーホケキョ」「ケッキョケキョケキョ」と聞かれていましたが、本日の野鳥観察会の際に囀りは聞かれず、しかし10時半を過ぎると囀りが聞かれるようになっており、朝の早めの時間には囀りをしないのかもしれません。
ヤブサメ
(前述)
センダイムシクイ
(前述)
オオムシクイ
今週は園内での確かな観察情報はなく、この先観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また来年)。
ホオジロ
この1週間は、毎日展望台周辺から「作業員詰所」周辺そして「ちびっこ広場」周辺で囀りが聞かれています。
本日の野鳥観察会では「作業員詰所」付近の「トドマツ林」の木のてっぺんで20分以上囀りしている姿が観察されました。
写真は「展望台北西斜面」のキタコブシで囀る雄です。
アオジ
今週も園内での確かな観察情報はなく、囀りも聞かれなかったですが、この先注意深く様子をみてゆきます。
メジロ
「チュルチュルチリ」という囀りと「チューイ」「キュルキュル」という地鳴きはよく聞かれており、目視観察機会も増え、本日の野鳥観察会では「巨木の谷」で比較的低くて近い場所で観察できました。
ヤマグワの果実も黒熟したものが増えてきており、この先はヤマグワの果実を食べる姿も見られそうです。
キセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はなかったですが、近隣住宅街ではしばしば見られています。
モズ
6月28日土曜日「ちびっこ広場北の森」で雌が「キチッ キチッ」と鳴いているのが観察されましたが(写真)、それまでの間にほとんど観察情報がなかったため、園内で繁殖していたかどうかは不明です。
ヤマシギ
今週も園内での確かな観察情報はなかったです。
ツツドリ
今週は遠くからの鳴き声もほとんど聞かれることはなく、姿を見たという観察情報もなかったです。
キジバト
飛ぶ姿が見られる機会は比較的多く、ときどき園内でも近くで見られています。
アオバト
今週も鳴き声も遠目でときどき聞こえるだけで、「ミュンヘンの森」を含む園内の桜の実を食べには来ていないようです(残念)。
チゴハヤブサ
今週は園内での観察情報はなかったですが、昨年も一時期ほとんど見られなくなった後に近くで営巣していることが分かったので、今年も様子を見てゆきます。
オオセグロカモメ
本日の野鳥観察会の際に上空高く飛ぶ姿が観察されました。
留鳥情報
クマゲラ
今週も雄、雌ともに園内で見られたとの情報がありました。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
今週も園内でちょくちょく見られています。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
幼鳥が見られる機会が増えてきており、また「キョッ」「キャキャキャッ」という鳴き声も聞く機会が増え、半月前よりは観察機会が増えています。
写真は2枚とも幼鳥です。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
(前述)
ヤマゲラ
今週は声姿ともに確かな観察情報はなかったです。
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハイタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
トビ
今週は園内での観察情報がありました。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
カワラヒワ
「噴水広場」周辺で観察情報が増えてきており、「西側エリア」でもたまに飛んでいる姿が見られています。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内で見られる機会は少なくないです。
シジュウカラ
園内一円でよく見られていますが、「ツーピーツーピー」という囀りはほとんど聞かれなくなりました。
幼鳥の「胸のネクタイ」はまだ下までつながっておらず、頬の下の黒い線もまだつながっていません。
ハシブトガラ
園内で見られていますが、「ピィピィピィ」という囀りは聞かれなくなりました。
ヤマガラ
園内で観察機会は多いです。
幼鳥はだいぶ橙色が出てきました。
ヒガラ
「ツピツーツピツー」という囀りはまだ聞かれており、近くで見られる機会もあります。
ハクセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
観察機会は多いですが、ヒヨドリはまだ幼鳥は出ていません。
ハシボソガラス
「展望台芝生斜面」や「テラス状階段」そして第1駐車場でよく見られています。
ハシブトガラス
足環をつけた2個体が園内で観察されました
いまだに数が多いため、食べ物を取られないように気をつけてください。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
コムラサキ
7月に多い蝶コムラサキ、6月28日土曜日に今年初めて確認しました。
その名の通り翅の一部が青光りする紫色に見えますが、光の当たる角度により紫だったり茶色だったりで、これは光の当たり方で色が違って見える「構造色」であることによります。
本日撮影した同一個体の2枚の写真を並べますが、翅の真ん中辺りが、1枚目は紫色、2枚目は茶色に見えるのが分かるかと思います。
コムラサキは7月いっぱい比較的よく見られますが、飛ぶのが速く、あまり長い間とまっていないので、じっくりと観察する機会は意外と少ないです。
エゾコマルハナバチ雄
6月から7月に見られるエゾコマルハナバチ雄は、全体的にレモンイエローでお尻の先だけがオレンジ色のカラフルな模様です。
マルハナバチはめったなことでは人を刺しません。
イボタノキ
前の写真でエゾコマルハナバチ雄がとまっているのがイボタノキの花です。
これらの写真は「森の家階段」横の植栽木のものですが、自生しているものも園内で見られます。
クリ
クリの花も咲き始めました。
なんというかこう、とても強烈なにおいがします。
マタタビ
マタタビの花が咲き始めましたが、これは実がならない雄花です。
マタタビは葉の一部が白くなるのが特徴で、「吊り橋」下流左岸側の見えやすい場所にあります。
ウマノミツバ
種子が「ひっつき」になる植物のひとつ、ウマノミツバ、かつて園内にちらほらとありましたが、ここ数年は何か所かにあるだけで減っています。
ナワシロイチゴ
「木苺」がなるナワシロイチゴの花が咲いています。
ピンク色の花弁は基本は開かず、これが咲いている状態です。
8月には「木苺」がなります。
ヘビイチゴの「苺」
自生種ヘビイチゴも赤い果実=苺がなっており、この写真の「森の階段」脇の小群落は今、赤い実で埋め尽くされています。
5月には黄色い花が咲いていたと思ったらもう苺が、早いですね。
次回は、2025年7月6日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。