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旭山記念公園野鳥情報2025年6月14日(土曜日)

 

旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年6月14日土曜日。

ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。

この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。

 

●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてください。

 

●野鳥の巣を探さないでください!
野鳥は、春の繁殖シーズンには非常にデリケートになります。
巣を作っているようすを見られたり、巣をのぞかれたりすると、巣を放棄したり、巣を他の鳥などに壊されて、繁殖しなくなってしまう可能性が高くなります。
人間も自分の家をのぞかれると嫌ですよね・・・
野鳥のために、次のことをお願いします!
①巣を探さない
②巣に気づいたら目をそらしてすぐに、しかし動きはゆっくりとその場を離れる
③巣を見ない/巣がある場所が分かったら近づかない
④巣の場所を人に話したり、ネットに情報を上げたりしない

 

●6月29日日曜日(8時開始)は、募集定員に達しましたため、受付終了とさせていただきました。

あしからずご了承ください。

 

 

◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。

 

 

今週のトピックス
ヤマガラ
ヤマガラの幼鳥が近くで撮れました。
橙色の部分の色がまだ薄く一見するとシジュウカラの幼鳥にも見えますが、この時は親が給餌していてヤマガラだとはっきり分かりました。
橙色の部分は少しずつ色が濃くなってゆき、ひと月ほどで成鳥とほぼ同じ色になりますが、その過程が見られるのも楽しみのひとつです。

ヤマガラ幼鳥2025年6月14日

 

コゲラ
コゲラの幼鳥を6月13日金曜日、今年初めて確認しました。
「第2駐車場」付近にコゲラが2羽いて、1羽がもう1羽に給餌していました。
写真は餌をもらっていた方の個体で、コゲラは巣立つと外見では成鳥と幼鳥の区別がつきにくいですが、この写真を見ると全体的に白い部分がまだぼさぼさで、顔が幼いように見えます。

コゲラ2025年6月14日幼鳥と思われる

 

ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
同じ6月13日、ゴジュウカラも幼鳥を今年初めて確認しました。
「ヘアピンカーブ」辺りの森にゴジュウカラが3羽いて、うち1羽がもう1羽に給餌していました。
本日の野鳥観察会でも「遊具広場」で4羽が見られ、2羽は幼鳥と考えられますが、ゴジュウカラも外見では成鳥と幼鳥の識別が難しい鳥です。

ゴジュウカラ2025年6月14日亜種シロハラゴジュウカラ

 

カッコウ
6月13日金曜日8時半頃、カッコウの鳴き声が「ミュンヘンの森」周辺から聞こえてきて、1分くらいで鳴き声は聞こえなくなりました。
カッコウは40年以上前、かつてはげ山だった場所に植樹した木がまだあまり育ってない頃までは夏の間に旭山記念公園で普通に見られましたが、樹木が育って森が形成されからは年に数回鳴き声が短時間聞かれるだけになっており、今回がそれでした。
この先もたまに鳴き声が聞こえてくることがあるかと思います。

 

エゾセンニュウ
6月11日夕方、エゾセンニュウが「森の家南斜面」で確認されました。
「ジョッピンカケタカ」と2、3声だけ聞こえて姿は見えなかったとの情報でした。
エゾセンニュウはヨシが生い茂った河川敷や湿地にいる鳥で、年により6月頃に1日か2日だけ旭山記念公園に現れて鳴き声が聞かれることがありますが、ここ数年確かな観察情報がなく、久しぶりの記録となりました。

 

 

 

今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も散発的に見られてはいますが、見られる頻度は低いです。

 

 

 

夏鳥情報
イカル
この1週間も観察情報は少なく、近くで見られたという情報もなかったですが、例年6月から7月に観察情報が増える傾向にあり、今年はどうなるでしょうか。

 

クロツグミ
囀りがたまにやや遠くから聞こえるくらいで、観察情報は少ないですが、この先囀りを聞く機会が少し増えるものと予想されています。

 

アカハラ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

トラツグミ
今週は確かな観察情報はなかったですが、夜に「ヒー ヒョー」という囀りが聞こえてくる可能性はあります。

 

コルリ
今週も確かな観察情報はなかったですが、引き続き様子をみてゆきます。

 

オオルリ
今週は近くで見たという観察情報はなく、囀りもほとんど聞かれていません。
6月下旬から7月の幼鳥が巣立つ頃になると観察頻度が少し高くなる可能性があります。

 

キビタキ
囀りはときどき聞かれるくらいにですが、姿を探すのは木々の葉の陰で難しく、それでも囀り声を頼りに粘っていると見られることもあります。
「ヒッ ヒッ ヒッ ヒッ キュピキュピ」という地鳴きも聞かれることがあります。

キビタキ雄2025年6月14日

 

コサメビタキ
観察情報は今週もほぼないですが、毎年巣立ち幼鳥が現れる7月中旬までは、このような感じであまり見られなくなります。

 

ウグイス
園内数か所で聞かれていた囀りは今週もほとんど聞かれておらず、姿が見られる機会も少なくなりました。

 

ヤブサメ
「シリシリシリ」という囀りと「キュッ」という地鳴きは聞かれている一方、姿を見る機会は少ないですが、今週はたまたま「旧桜並木」付近の斜面にいたところを撮影できました。
その個体は斜面の笹薮の中を少しずつ移動しながら、ときどき写真のように囀りし、3分ほど見られていました。
ヤブサメは例年7月中旬に幼鳥が巣立つと目視できる機会が増える傾向がありますが、今年はどうでしょうか。

ヤブサメ2025年6月14日

 

センダイムシクイ
囀りがときどき聞かれるくらいで、それも「チヨチヨビー」ではなく「チヨチヨチヨ」と大声で繰り返す鳴き声を出すこともあり、姿を探すのも木々の葉が茂っていて難しいです。

 

オオムシクイ
本日6月14日にはまだ「チャキッ ジジロジジロ」という鳴き声は聞かれていましたが、囀りが聞かれる機会も少なくなっており、そろそろいなくなる頃です。
6月9日月曜日には「遊具広場の森」で姿が見られ、写真も撮影できました。

オオムシクイ2025年6月14日

 

ホオジロ
6月11日水曜日と13日金曜日に展望台周辺で囀りが聞かれており、先週までのようにまったく気配もないという感じでもなくなってきました。

 

アオジ
今週も園内での確かな観察情報はなく、囀りも聞かれなかったですが、この先注意深く様子をみてゆきます。

 

メジロ
メジロも「チュリチュリチュピ」という囀りや「キュイー」という地鳴きはあまり聞かれていないですが、ときどき見られたり鳴き声が聞かれたりしています。

 

キセキレイ
園内では「第2駐車場」から「藻岩山登山口」にかけての辺りでときどき観察されるくらいですが、近くの住宅街を流れる界川沿いでの観察情報がありました。

 

モズ
今週は「ちびっこ広場」で声を聞いたとの情報がありましたが、観察情報は少ないです。

 

ヤマシギ
今週も園内での確かな観察情報はなく、時期的に夜の「ディスプレイフライト」もそろそろ見られなくなる頃です。

 

ツツドリ
遠くから鳴き声が聞こえてくることはありますが、声を聞く機会も少なくなっており、姿はなかなか見られません。

 

キジバト
ときどき「デデーポーポー」という声が聞こえ、飛ぶ姿も見られており、ときどき近くで見られる機会もあります。
本日の野鳥観察会では「遊具広場の森」で2回観察されました。

 

アオバト
「舗装道路」沿いの桜や「新桜並木」での観察情報があり、桜の実を食べに寄って来ており、複数羽でいますが5羽の群れを見たとの情報もありました。
森の家の周りや「巨木の谷」そして「山紅葉坂」からも「オー アーオー」と鳴き声が聞こえて来ることがありますが、警戒心が強く、30mくらいに近寄るとすぐに飛んで逃げてしまい、今日の観察会でも飛ぶ姿が2回見られただけでした。

アオバト2025年6月14日

 

チゴハヤブサ
今週は園内での観察情報はなかったですが、近隣住宅街で鳴き声を聞いたとの情報はいくつかありました。

 

 

 

留鳥情報
クマゲラ
今週も雄、雌ともに園内で見られたとの情報があり、本日の野鳥観察会でも「巨木の谷」で雄の個体が近くで見られました。

 

オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
今週も園内でちょくちょく見られています。

 

アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
鳴き声をあまり出さなくなっており、本日の野鳥観察会でも出ておらず、園内での観察情報も先週よりは少なくなっています。
札幌近郊の公園で営巣しているところにたまたま出くわしましたが、巣の方から「ツーツーツー」と雛が親を呼ぶ声が聞こえ、その周りにいる親が雌雄ともに「キョキョキョキョ」と大きな声でさかんに鳴いて警戒し、こちらが50m以上離れるまでずっと鳴き続けていました。
今の時期、野山に行くとこのような場面に出くわすことがありますが、巣からある程度以上離れないと親の警戒が解けないのでご注意ください。

 

コゲラ(亜種エゾコゲラ)
幼鳥が巣立ってからは、「ギーッ」という鳴き声を聞く機会と姿が見られる機会が増えてきました。
写真は親子と思われる2羽です。

コゲラ2025年6月14日親子

 

ヤマゲラ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

ハイタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

トビ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

カワラヒワ
「キリコロキリー」という鳴き声はほとんど聞かれず、観察機会は少なくなっています。
市内の別の場所では幼鳥がいたとの情報があり、旭山記念公園でもそろそろ見られるかもしれません。

 

ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
(前述)

 

シジュウカラ
園内一円でよく見られており、「ツーピーツーピー」という囀りもまだ聞かれています。
幼鳥は今週も見られています(写真は成鳥雄です)。

シジュウカラ雄2025年6月14日

 

ハシブトガラ
園内で幼鳥の観察情報がありましたが、成鳥ともども、他のシジュウカラ科3種よりこの時期観察機会が少なめです。
「ピィピィピィ」という囀りは聞かれなくなりました。

 

ヤマガラ
園内で観察機会は多いですが、「チーリーツー」という囀りは本日の観察会で久しぶりに1度だけ聞かれました。

 

ヒガラ
「ツピツーツピツー」という囀りはまだ聞かれており、近くで見られる機会もあります。

 

ハクセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

スズメ
道路沿いで見る機会があります。

 

ヒヨドリ
観察機会は多いです。

 

ハシボソガラス
「展望台芝生斜面」や「テラス状階段」そして第1駐車場でよく見られています。

 

ハシブトガラス
園内でよく見られています。
エゾヤマザクラの実を食べ始めていますが、ハシブトガラスが桜の実を食べているところにはアオバトはあまり寄り付いて来ません。
次の写真の上は、地面に降り両翼を広げて日光浴をしているところです。

ハシブトガラス2025年6月14日1日光浴

ハシブトガラス2025年6月14日標識の上

 

 

 

旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。

旭山記念公園各所名称マップ

 

アカゲラ通信2025年6月号
アカゲラ通信2025年6月号が出来ました。
表の特集は「野鳥が見られる環境」、どんな野鳥がどのような環境で見られるかを短くまとめたものです。
裏の「旭山野鳥メモ」は番外編③「コヨシキリ」、この時期草原環境に野鳥観察撮影に行く方も多いかと思いますが、旭山ではまだ移動個体も記録されておらず、番外編として取り上げました。
森の家にて配布中、お手に取ってお読みください。

アカゲラ通信2025年6月号表

アカゲラ通信2025年6月号裏

 

 

ニホンカワトンボ雌
初夏に見られるニホンカワトンボが今年も現れました。
一部の雄の個体は翅がオレンジ色で、本日の野鳥観察会の際にも「遊具広場の森の散策路」で見られましたが、この写真は雌です。

ニホンカワトンボ2025年6月14日

 

モイワサナエ雄
先週写真をお届けできなかったモイワサナエ、この個体は雄で、雌は体の黄色い斑点が大きめです。
沢の近くでふわふわと飛ぶやや小型のトンボで、こちらも初夏に見られます。

モイワサナエ雄2025年6月14日

 

アオハナムグリ
花に多く集まるコガネムシの仲間ですが、今年はミズキやナナカマドの花があまり咲いておらず、観察機会も少ないように感じています。
よく似たハナムグリは前肢の付け根の部分が硬そうな毛に覆われていますが、こちらは毛はあまり多くは見られません。

アオハナムグリ2025年6月14日

 

エゾアカバナ
初夏の花、林縁部のやや暗い散策路沿いにぽつぽつと見られます。
「赤花」とはいいますが花は赤くはなく、秋に葉が赤くなるのが名前の由来です。

エゾアカバナ2025年6月14日

 

オニタビラコ
園内のやや明るい林縁に散在する花で、長く立った茎の先に、キク型の(キク科です)小さな黄色い花をつけるのが特徴です。
茎は長いと40cmくらい伸びますが、葉は地面近くに出るので、全体を撮影するのはなかなか難しく、次の写真の上は花のアップ、下が全体です。
あまり多くはなく花も小さくて目立たないですが、よく見ると面白い植物です。

オニタビラコ2025年6月14日1花アップ

オニタビラコ2025年6月14日2全体

 

 

次回は、2025年6月23日月曜日に上げる予定です。

 

旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。