– 札幌のまちなみを見渡せる、自然豊かな公園 –

旭山記念公園野鳥情報2025年6月1日(日曜日)

 

旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年6月1日日曜日。

ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。

この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。

 

●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてください。

 

●野鳥の巣を探さないでください!
野鳥は、春の繁殖シーズンには非常にデリケートになります。
巣を作っているようすを見られたり、巣をのぞかれたりすると、巣を放棄したり、巣を他の鳥などに壊されて、繁殖しなくなってしまう可能性が高くなります。
人間も自分の家をのぞかれると嫌ですよね・・・
野鳥のために、次のことをお願いします!
①巣を探さない
②巣に気づいたら目をそらしてすぐに、しかし動きはゆっくりとその場を離れる
③巣を見ない/巣がある場所が分かったら近づかない
④巣の場所を人に話したり、ネットに情報を上げたりしない

 

●6月の野鳥観察会のうち、6月14日土曜日は定員となりましたため、受付終了とさせていただきました。
あしからずご了承ください。

6月29日日曜日(8時開始)はまだ受付しております。

また、6月8日日曜日の自然観察会(9時開始)も受付中です。

初心者の方もお気軽にご参加ください。
ご参加お待ちしております。

 

 

◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。

 

 

夏鳥新着情報
27 オオムシクイ
5月28日、オオムシクイ今年初認です。
2024年は5月25日初認、昨年より3日遅い初認となりました。
園内のよく茂った広葉樹で「チャキッ ジジロジジロ」と囀りしていますが、葉の陰に隠れて姿はなかなか見られません。
それでも本日、何度か目視観察・撮影の機会に恵まれ、写真を上げることができました。
オオムシクイは6月中旬頃まで滞在し、さらに北に移動しますが、滞在中はよく茂った広葉樹があれば街中の公園などでも声を聞くことがあり、毎年意外な出会いがあります。

オオムシクイ2025年6月1日

 

夏鳥到着済みリスト(カッコ内は昨年比)
01 ヤマシギ 2025年3月23日(7日早)
02 ホオジロ 2025年3月24日(7日早)
03 キジバト 2025年4月1日(1日遅)
04 ベニマシコ 2025年4月7日(4日早)
05 キセキレイ 2025年4月9日(4日早)
06 クロツグミ 2025年4月11日(同じ)
07 アカハラ 2025年4月11日(昨年は記録なし)
08 モズ 2025年4月11日(11日遅)
09 ノビタキ 2025年4月17日(同じ)
10 ウグイス 2025年4月19日(12日遅)
11 ヤブサメ 2025年4月19日(4日遅)
12 メジロ 2025年4月23日(10日遅)
13 センダイムシクイ 2025年4月24日(2日早)
14 ビンズイ 2025年4月25日(14日遅)
15 コマドリ 2025年4月25日(6日早)
16 アオジ 2025年4月26日(16日遅)
17 ルリビタキ 2025年4月26日(16日遅)
18 オオルリ 2025年4月28日(2日遅)
19 キビタキ 2025年4月30日(3日遅)
20 エゾムシクイ 2025年5月2日(同じ)
21 ツツドリ 2025年5月2日(2日早)
22 ニュウナイスズメ 2025年5月2日(参考記録)
23 コサメビタキ 2025年5月10日(1日遅)
24 コルリ 2025年5月11日(9日遅)
25 チゴハヤブサ 2025年5月14日(昨年は5月の記録なし)
26 アオバト 2025年5月17日(1日遅)
27 オオムシクイ 2025年5月28日(3日遅)

オオムシクイが渡来したことにより、2025年の夏鳥はすべて記録されたことになります。
毎年、オオムシクイが来ると、夏鳥の季節も終わりかぁとある種の感慨にふけります。

 

 

今週のトピックス
シジュウカラ
本日6月1日、シジュウカラ幼鳥が園内で今年初めて観察されました。
幼鳥が2羽か3羽いる家族がレストハウス付近にいて、幼鳥はつる植物のある木などにじっとしていて、親が盛んに餌を運び、その間親子で鳴き交わしたりもしていました。
シジュウカラの幼鳥は、白い部分が黄色味がかっている、胸のネクタイが下腹部までつながっていない、頬の周りの黒い線が頬の下でつながっていない、背中のオリーブ色がまだ淡い、という特徴があります。
シジュウカラは年に2回繁殖しているようで、8月になるとまた幼鳥が現れますが、それまでは今の幼鳥が育っていく姿も見ることができます。

シジュウカラ幼鳥2025年6月1日

シジュウカラ幼鳥2025年6月1日幼鳥

シジュウカラ幼鳥2025年6月1日親が幼鳥に給餌

 

 

今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も散発的に見られてはいますが、見られる頻度は低いです。

シマエナガ2025年6月1日

 

 

夏鳥情報
イカル
この1週間も観察情報は少なく、近くで見られたという情報もなく、抱卵に入っている可能性があります。

 

クロツグミ
囀りがたまにやや遠くから聞こえるくらいで、観察情報は少ないです。

 

アカハラ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

トラツグミ
今週は確かな観察情報はなかったですが、夜に「ヒー ヒョー」という囀りが聞こえてくる可能性はあります。

 

コルリ
今週も確かな観察情報はなく、もしかして旭山周辺には留まっていない可能性もありますが、引き続き様子をみてゆきます。

 

オオルリ
囀りもあまり(ほとんど)聞かれなくなり、たまたま目に留まるくらいになってきましたが、運良く5月31日に「吊り橋斜面」で比較的近くで見ることができました。
「吊り橋」のかかる「双子沢川」の沢で繁殖している可能性もありそうですが、これからしばらくはこのようにたまたま見られるくらいになると思われます。

オオルリ雄2025年6月1日

 

キビタキ
囀りは5月28日水曜日までは園内数か所でよく聞かれていましたが、5月30日以降はそれほどでもなくなり、散発的に何か所かで聞かれるくらいになっています。
エゾハルゼミの鳴き声が大きくなってきたことと関係があるのかもしれないですが、よくは分かっていません。
ただし、まったく鳴いていないわけではなく、オオルリ同様たまたま目に留まることもあります。
囀りには「嬉しいよ」と聞こえたり「ちょっと来い」と聞こえたりする音が混じることもあります。
また、「ヒッ ヒッ ヒッ ヒッ キュピキュピ」という地鳴きもよく聞かれていますが、その声の場所を特定するのは結構難しいです。

 

コサメビタキ
観察情報はさらに少なくなってきましたが、毎年巣立ち幼鳥が現れる7月中旬までは、このような感じであまり見られなくなります。

 

ウグイス
森の家裏、「巨木の谷」と「遊具広場五差路」付近で今週も囀りが聞かれており、粘っていると姿を見られる機会もあります。

 

ヤブサメ
「シリシリシリ」という囀りも聞く機会が少なくなり、姿を見る機会はますます少なくなってきました。
それでも、鳴き声が近くで聞こえた場合、その辺りの笹の下を見ていると姿が見られることはあります。

 

センダイムシクイ
こちらも囀りが先週ほど盛んに聞かれるわけではなくなってきましたが、やはりエゾハルゼミの鳴き声と関係があるのか、関係はないにしてもエゾハルゼミの鳴き声で聞こえないということはあるでしょうか。
ときどき「ビー」が入らず大きな声で「チチヨチチヨ」などと鳴いていることもあるので要注意です。

 

オオムシクイ
(前述)

 

ホオジロ
今週は確かな観察情報はなかったですが、この先また見られる頻度が高くなることもあるかと思われます。

 

アオジ
今週は園内での確かな観察情報はなく、囀りも聞かれておらず、昨年同様夏の間はいないという状況になってきました。
アオジは農耕地周辺や草原などには普通にいるほか、山地でも囀りを聞かれる場所があるので、旭山ではどうなっているのか引き続き注目してゆきます。

 

メジロ
メジロも「チュリチュリチュピ」という囀りがあまり聞かれなくなり、「キュイー」という地鳴きがもそれほど聞かれていませんが、メジロをはじめ鳥たちの鳴き声があまり聞こえてこないのは、エゾハルゼミの鳴き声の他に繁殖行動と関係している可能性もあります。

 

キセキレイ
「第2駐車場」から「藻岩山登山口」にかけての辺りでときどき観察されるくらいですが、旭山近隣の住宅街では鳴き声が聞かれることがよくあります。

 

モズ
5月後半から園内での観察情報はほぼまったくない状態で、今年は園内で繁殖していない可能性が高そうですが、この先も見られないのか要注目です。

 

ヤマシギ
今週も園内での確かな観察情報はなかったですが、夜の「ディスプレイフライト」は見られていると思われます。

 

ツツドリ
ときおり園内や近くで鳴き声が大きく聞こえてくることがあり、遠くから鳴き声が聞こえてくることはありますが、姿はなかなか見られません。

 

キジバト
ときどき「デデーポーポー」という声が聞こえ、飛ぶ姿も見られていますが、園内では近くで見られる機会は少ないです。
写真は旭山の近くで撮影されたものです。

キジバト2025年6月1日

 

アオバト
「オーアーオー」という鳴き声はまだときどき遠くから聞かれるくらいで、近くで見たとの観察情報はなかったですが、声を聞いたという情報は増えてきました。
アオバトの大好物である桜の実(エゾヤマザクラ)は形はできてきましたがまだ赤く、これが黒く熟した頃になるとアオバトが食べに来ます。

 

チゴハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

 

 

留鳥情報
クマゲラ
今週も雄、雌ともに園内で見られたとの情報がありました。

 

オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
今週も園内でちょくちょく見られています。

 

アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
この時期あまり鳴かなくなっており、気づかないだけのこともあると思われますが、観察情報は少なくはないです。

アカゲラ雄2025年6月1日

 

コゲラ(亜種エゾコゲラ)
「ギーッ」という鳴き声を聞く機会は少なくなり、ときどき見られるくらいになっています。

コゲラ2025年6月1日

 

ヤマゲラ
5月26日月曜日に久しぶりに「ピョッピョッピョッピョッピョッピョッ」という声が園内で聞かれましたが、それ以外の観察情報はなく、例年通りであればこの先秋まではときどき見られる程度になります。

 

オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

ハイタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったですが、情報がなかっただけで来ている可能性は高そうです。

 

ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

トビ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

カワラヒワ
「キリコロキリー」という鳴き声がほとんど聞かれず、観察機会は少なかったです。

 

ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
囀りはほぼ聞かれなくなり、近くで見られる機会も少なくなりましたが、例年通りであればこの状態が6月いっぱい続くものと考えられます。

ゴジュウカラ2025年6月1日

 

シジュウカラ
園内一円でよく見られており、「ツーピーツーピー」という囀りもまだ聞かれています。

シジュウカラ2025年6月1日

 

ハシブトガラ
園内一円で見られていますが、「ピィピィピィ」という囀りはほぼ聞かれなくなりました。

 

ヤマガラ
園内一円でよく見られていますが、囀りはほぼ聞かれなくなりました。

ヤマガラ2025年6月1日

 

ヒガラ
「ツピツーツピツー」という囀りはまだ聞かれていますが、聞く機会は少なく、また低い位置で見られたとの情報もほとんどなかったです。

 

ハクセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。

 

スズメ
道路沿いで見る機会があります。

 

ヒヨドリ
観察機会は少なくはないですが、ほぼいつも周りにいるという状況ではなくなってきました。

ヒヨドリ2025年6月1日

 

ハシボソガラス
「展望台芝生斜面」や「テラス状階段」そして第1駐車場でよく見られています。

ハシボソガラス2025年6月1日

 

ハシブトガラス
園内でよく見られています。

 

 

 

旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。

旭山記念公園各所名称マップ

 

 

 

6月8日(日曜日)9時より、自然観察会を行います。
今回は、園内で見られる野鳥以外の花や昆虫などを多めに紹介します。

 

〇花編

ホオノキ
ホオノキの白い花が咲いています。
10年ほど前は6月中旬に咲く花というイメージでしたが、ここ数年花期がすっかり早くなっています。
写真は「吊り橋」から上流左岸側(吊り橋から見ると右手側)にある木の花です。

ホオノキの花2025年6月1日

 

ニシキギ
植栽木ですが、ニシキギの花も咲いています。
「新桜並木」「作業員詰所」周辺、と「遊具広場と噴水広場の間の道」沿いにあります。

ニシキギ2025年6月1日

 

ミヤマガマズミ
旭山記念公園にあるものは植栽木ですが、山地で今の時期白い花がぽつぽつと見られる樹木です。
この写真は森の家の前に植えられた木で、他に「展望台ユニバーサル園路」沿いにも植えられています。

ミヤマガマズミ2025年6月1日

 

オククルマムグラ
先週紹介したクルマバソウはそろそろ花が終わりますが、代わってよく似たオククルマムグラの開花が始まりました。
オククルマムグラは、葉が基本6枚(クルマバソウは8枚)、葉が楕円形に近い(クルマバソウは少し細長い)、といった特徴があります。

オククルマムグラ2025年6月1日

 

オオハナウド
道端や空き地にたくさん見られる背が高くて白い花、オオハナウドも満開です。
「ちびっこ広場」「噴水広場下斜面」に多く見られ、他園内で散見されます。

オオハナウド2025年6月1日

 

ヘビイチゴ
ヘビイチゴは「吊り橋」近くの「森の階段」脇でちょっとした群落を形成しており、ここ2年ほどでそれが目立つようになり、今年はさらに広がったように感じています。
花が終わると赤い実がなります。

ヘビイチゴ2025年6月1日

 

エゾヘビイチゴ
ここからは外来種(帰化植物)もいくつか。
エゾヘビイチゴはいかにも苺といった白い花が咲き、「カラマツ街道」周辺でよく見られます。
こちらも赤い実がなり、小さいですが一応食べられます。
外来種なのにエゾと名前がついています。

エゾヘビイチゴ20250601

 

ハルジオン
ハルジオンは数年前まではあまり見かけなかったですが、3年ほど前から「噴水広場」から「学びの森」にかけての辺りで目立つようになってきました。

ハルジオン2025年6月1日

 

ヒナギク(デイジー)
ヒナギクは「作業員詰所」から「ピクニックテラス」の辺りで見られます。

ヒナギク2025年6月1日通常タイプ

 

ノハラムラサキ
園内で散見される小さな花。
「森の家階段」の辺りで咲くワスレナグサと同じムラサキ科でよく似ていますが、こちらはそれよりはるかに小さいです。

ノハラムラサキ2025年6月1日

 

ヘラオオバコ
園内の明るい所に多く見られる花で、その名の通り細長い葉がヘラのような形をしています。

ヘラオオバコ2025年6月1日

 

 

〇昆虫編
キアゲハ
園内で多く見られるようになってきましたが、今年は園内に植栽されているツツジが例年より多くきれいに咲いており、ツツジにもよく寄って来ています。

キアゲハ2025年6月1日

 

オオミズアオ
蛾の仲間ですが薄緑色で色彩感があります。
昼間はこのように木の陰でじっとしており、夜に行動し、街路灯や自動販売機の光にも寄って来ます。
キアゲハと同じくらいの大型の蛾です。

オオミズアオ2025年6月1日

 

チャバネアオカメムシ
小型のカメムシの仲間、園内の広葉樹の葉の上とその近くで時々見られます。
臭いかどうかは触っていないので分かりません。

チャバネアオカメムシ2025年6月1日

 

キバラヘリカメムシ
こちらは広い意味でのカメムシの仲間ですが科が違います(ヘリカメムシ科)。
園内では植栽のニシキギによくついていますが、触るとリンゴのような匂いがします(あるいは瞬間接着剤のような匂い)。
うわー臭い、という感じではないですが、でもあまりお勧めはしません。

キバラヘリカメムシ2025年6月1日

 

エゾハルゼミ
そして大きな鳴き声の主、エゾハルゼミの姿も。
こちらももっと広い意味でカメムシの仲間すなわちカメムシ目の昆虫です。

エゾハルゼミ2025年6月1日

 

〇エゾリス
子リスと思われるエゾリスがハルニレの葉を食べていました。
サラダみたいでおいしいのかもしれません。

エゾリス2025年6月1日

 

 

次回は、2025年6月8日日曜日に上げる予定です。

 

旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。