旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年3月9日日曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、野鳥撮影をしない人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてくだい。
●野鳥の巣を探さないでください!
野鳥は、春の繁殖シーズンには非常にデリケートになります。
巣を作っているようすを見られたり、巣をのぞかれたりすると、巣を放棄したり、巣を他の鳥などに壊されて、繁殖しなくなってしまう可能性が高くなります。
人間も自分の家をのぞかれると嫌ですよね・・・
野鳥のために、次のことをお願いします!
①巣を探さない
②巣に気づいたら目をそらしてすぐに、しかし動きはゆっくりとその場を離れる
③巣を見ない/巣がある場所が分かったら近づかない
④巣の場所を人に話したり、ネットに情報を上げたりしない
●3月23日(日)の定例野鳥観察会は、募集定員に達しましたため、受付終了とさせていただきました。
あしからずご了承ください。
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のトピックス
ウソ
このところ朝に「西側エリア」で鳴き声が聞かれる日が何日かありましたが、本日3月9日10時過ぎ、「栗の木デッキ」付近から声が聞こえてきたので探したところ、亜種アカウソの雄1羽が桜の木にとまっているのを見つけました。
枝かぶりで撮影には失敗しましたが、双眼鏡で目視確認、15秒ほどで西側に飛去しました。
この時はその雄1羽のみ確認、このところ朝に鳴き声が聞こえるものが亜種アカウソかどうかは不明ですが、久しぶりに園内ではっきりと姿を確認しました。
ウソは例年5月上旬まで見られますが、今年はどうなるのか要注目です。
アトリ
今週もアトリは園内で見られています。
昨日3月8日土曜日午後に「作業員詰所」付近で見られたとの情報があり、午前には「ポートランドの森」でも確認されました。
アトリの「キュッ キュッ」という鳴き声は小さくて聞き逃しがちである上にそれほど鳴かない鳥なので、カラ類よりちょっと大きい鳥がいたので見たらアトリだったという感じで見られることが意外と多いです。
「噴水広場」周辺からの観察情報が多いです。
アトリはこれまで、旭山で真冬に見られる年はだいたい5月まで継続的に見られており、この先さらに注目です。
キクイタダキ
今週は一転して「作業員詰所」横のトドマツ林および散策路脇の低いトドマツでほぼ毎日観察情報がありました。
昨日は朝の野鳥観察会の際にそこにいましたが、すぐに飛んで行ってしまいじっくりと見ることはできませんでした。
午後にも同じ場所で見られたとの情報があり、そこにしばしば来ているようです。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も園内でほぼ毎日観察されています。
本日午前には「遊具広場の森」で2羽が見られましたが、うち1羽がつる植物がからまった木で羽づくろいしており、珍しく2分ほど同じ場所にいて、もう1羽もその木の周りで動きながらもじっくりと観察することができました。
他、11時に「ポートランドの森」、11時半に「記念樹の森」で短時間「ヒャホホホー」あるいは「ジュルッ」という鳴き声が聞こえましたが、その時はいずれもすぐに分からなくなりました。
なお、そろそろ巣作り作業が始まる頃であり、シマエナガを執拗に追いかけないようお願いいたします。
夏鳥情報
イカル
3月8日の朝にに園内で観察されたほか、3月7日にも観察情報がありました。
どうやらこのまま春を迎えそうです。
旅鳥情報
マミチャジナイ
今週も園内での確かな観察情報はなかったですが、この先確かな観察情報がなければ、いったんここで取り上げるのをやめ、4月以降に観察された際にまた取り上げます。
シロハラ
今日も園内で確認、「遊具広場と噴水広場の間の道」にあるヌルデの実を食べていましたが、昨日までもほぼ毎日観察情報がありました。
今後いつまで見られるのか要注目です。
カシラダカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったですが、マミチャジナイ同様、この先確かな観察情報がなければ、いったんここで取り上げるのをやめ、4月以降に観察された際にまた取り上げます。
冬の鳥情報
ツグミ
今週も先週から数が減ったとは感じられず、「キキーッ」という鳴き声を聞く機会も少なくはありません。
先週はヌルデの実を食べる写真を上げましたが、その後ヌルデを食べる姿はあまり見られておらず、まだ実はたくさんあります。
また本日は「オオムラサキの谷」の谷底に10羽前後が降りて採餌している姿が見られ、そこから「噴水広場」そして「遊具広場」にかけてでよく見られました。
旭山記念公園から2kmほど離れた「旭山地区センター」に先週は30羽前後が来ていましたが、そこのナナカマドの実も食べ尽くされて来なくなったとの情報もありました。
今後、市内のナナカマドがたくさんなっている場所を転々としながらいろいろな場所で一時的に多数見られるかもしれず、近くにナナカマドの実がたくさんある方は注目しているといいかもしれません。
ハチジョウツグミ
今週は確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
ウソ
先週藻岩山に登った方の情報では、藻岩山でウソを見たとのことです。
シメ
しばしば見られており、今週も「ミュンヘンの森」付近で朝に見られることが多く、他「作業員詰所」から「遊具広場」にかけての辺りでしばしば見られているのも同じです。
タイミングが合えば近くで見られる機会もありそうです。
マヒワ
3月7日金曜日に100羽前後の大きな群れが見られましたが、新たに入って来て増えたのか、元々それくらいいたのかは分かりません。
昨日、今日とせいぜい30羽くらいで見られていましたが、相変わらず低い位置には降りて来ず、写真はほとんど見上げになります。
ただ、「中央トイレ」横から「吊り橋」の方を見た時に見える「吊り橋斜面」のシラカンバに来ている時は、目線はそれほど見上げにならずに観察撮影できることもあります。
アトリ
(前述)
キクイタダキ
(前述)
キバシリ(亜種キタキバシリ)
観察情報はほとんどなかったですが、この先まだ見られる可能性はあります。
ミソサザイ
3月7日に「吊り橋」付近と「遊具広場の森の散策路」付近そして「ちびっこ広場」で観察され、3月8日の野鳥観察会の際にも「ちびっこ広場」と「吊り橋」で声が聞かれており、ひところよりは観察機会は増えているように感じられます。
コガラ
今週も確かな観察情報はなかったですが、見落としているだけの可能性は低からずありそうです。
ヒレンジャク
藻岩山登山した方によれば、藻岩山にヒレンジャクがいたとのことですが、園内では今週も確かな観察情報はありませんでした。
キレンジャク
今冬は今のところ園内での確かな観察情報はありません。
留鳥情報
クマゲラ
今週も毎日のように園内に飛んで来ており、雄と雌両方の観察情報がありました。
3月7日は「遊具広場と噴水広場の間の道」で雄、昨日は雌、そして今日も「ミュンヘンの森」で雌が観察されましたが、今日は「キョッキョッキョッキョッ」と大きな声で鳴き、それに呼応するかのように藻岩山からドラミングが聞こえててきました。
15時過ぎになると「プルプルプル」と鳴きながら飛ぶ姿も見られることがよくあり、昨日はその際に森の家の近くの木にとまって「キョーン」と鳴いていました。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
園内でときどき見られています。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
園内一円で「キョッ」という声が聞かれることが多く、観察機会は多いです。
「キキョキョキョ」と激しく鳴いて雄同士もしくは雄が雌を追いかける光景はまだ見られていませんが、そろそろです。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多く、「ギー」という声が同じ辺りで複数聞こえることもよくあります。
にゴジュウカラがいると近くにいることがよくあります。
ヤマゲラ
今週も園内での観察情報がありましたが、クマゲラよりは見られる機会は少ないくらいです。
これから観察機会が増える可能性があります。
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
昨日園内での観察情報があり、マヒワの群れがいる木の上空を飛んでいたとのことで、マヒワを狙っていた可能性があります。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
カケス(亜種ミヤマカケス)
今週も園内での確かな観察情報はありませんでしたが、数年前に3月の短期間だけ来たことがあるので、まだ様子をみてゆきます。
カワラヒワ
園内でしばしば見られ、「キリコロキリー」という鳴き声を聞くことも少なくありません。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、「テュッテュッ」という声はよく聞かれ、近くで見られる機会もあります。
「フィー」「フィッフィッフィッ」という囀りもよく聞かれ、昨日は少し離れた場所で2羽が競うように囀りしていました。
シジュウカラ
園内一円でよく見られており、「ツーピーツーピー」という囀りを聞く機会が増えてきました。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
「ピィピィピィ」という囀りを聞く機会がこちらも増えてきました。
ヤマガラ
園内一円でよく見られています。
「チーリーツー」という3拍子の囀りを聞く機会もますます増えてきました。
ヒガラ
今週も「ツピツーツピツー」という囀りがよく聞かれており、園内一円の針葉樹で観察機会が多いです。
ハクセキレイ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
今週もほぼいつでもどこかから複数の鳴き声が聞こえてくるような感じで、見る機会は多いです。
今日の午前中、「展望台北西木立」に11羽が次々と飛んでたほか、園内一円どこにいてもヒヨドリの声が聞こえるくらいでした。
ハシボソガラス
園内で時々見られており、首を大きく上下に揺らしながら「ガアー ガアー」と鳴く姿も観察されています。
ハシブトガラス
園内でよく見られています。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
樹木の冬芽4選
ミズナラ
低木から高木、細い木から太い木まで園内一円でよく見られる木です。
イタヤカエデ
樹液にシマエナガをはじめ野鳥が集まって来ますが、今年はまだ旭山ではそのような場面には遭遇していません。
樹液が出る木を探す際には、この冬芽を手掛かりに(冬芽が黄色みがかっているものもあります)。
エゾヤマザクラ
今年はいつ開花するでしょうか、たくさん咲くのかな?
オニグルミ
冬芽界のアイドル(!?)オニグルミ。
葉が落ちた跡=葉痕(ようこん)が、羊の顔のようにも見え、猿の顔のようにも見え。
これらの冬芽から葉が出て来るまでまだふた月前後あります。
春は近づいてきているようで、まだもう少しですね。
それまでは樹木の冬芽の観察も楽しんでみてください。
次回は、2025年3月16日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。