旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年2月9日日曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどによりほかの人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、ほかの人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてくだい。
●2月23日(日)の定例野鳥観察会は、募集定員に達しましたため、受付終了とさせていただきました。
あしからずご了承ください。
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のトピックス
イカル
2月5日水曜日、園内の低い位置でイカルが観察されました。
展望台南側、「四季の散歩道」のハウチワカエデの種子を食べているのを見つけ、近くにもう1羽いました。
10分ほどでその木から離れて近くの高い木に移動し、数分後に囀りが聞こえてきました。
イカルは12月以降も度々観察されていましたが、低い位置で見られる機会は少なく、今回ようやく写真をここで使うことができました。
イカルは通常は夏鳥ですが今年は冬も残っていて、このまま越冬するのか、いなくなるのか、動きに要注目です。
アトリ
同じく2月5日、アトリの観察情報がありました。
「記念樹の森」の駐車場側のナナカマドにツグミに混じって数羽いたとのことで、写真も確認させてもらいました。
アトリはぽつぽつと観察情報があり、数羽が旭山周辺にいるようで、この先も要注目です。
ツグミ
2月7日金曜日あたりから数が減ってきており、今日は数羽を何か所かで何度か見ただけで、いつでもどこかからツグミの声が聞こえるという状況ではなかったです。
園内のナナカマドが食べられてほとんどないくらいに減っていますが、市内近郊の別の場所に移動したのか、日本国内の南に移動したのかは情報がないため現時点では分かっていません。
明日以降、ツグミの動きに要注目です。
シジュウカラ
2025年2月8日、シジュウカラの初鳴きを記録しました。
昨年は3月22日、一昨年は3月3日で遅かったですが、3年前は2月8日で今年と同じ頃でした。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も園内でほぼ毎日観察されています。
午前中はやはり2、3羽でカラ類混群と一緒に見られることが多いですが、本日2月9日15時前に10羽以上の群れが「風の丘」周辺で見られました。
今週も午後に「巨木の谷」から「カラマツ林」そして森の家裏辺りで見られる日が多かったです。
この先どういう動きをするのか要注目です。
夏鳥情報
イカル
(前述)
旅鳥情報
マミチャジナイ
今週も確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
シロハラ
今日はまだ園内で確認できましたが、ツグミの数が減り、シロハラはどうなるのか注目しています。
カシラダカ
2月5日水曜日、カシラダカが園内で観察されました。
4羽いたとの情報ですが、今回の観察情報はそれっきりで、今後も現れるかどうかは不明です。
カシラダカは例年春と秋に通過で見られますが、旭山ではほとんどの場合1回だけの通過で、数日間見られたということはあまりなかったです。
そして2月に確認されたのは、こちらに記録がある限り初めてのことです。
冬の鳥情報
ツグミ
(前述)
ハチジョウツグミ
今週は確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
ウソ
今週も声を聞いたという情報もなく、やはり今冬は遠い存在のままです。
シメ
観察機会はそこそこあり、「作業員詰所」から「新桜並木」にかけての辺りと、「記念樹の森」から「ミュンヘンの森」にかけての辺りで見られる機会があります。
数は1羽か2羽というのは変わっていません。
シメはこの先もしばしば見られ、近くで見られる機会もあるものと思われます。
マヒワ
20~30羽で園内を飛び回り、シラカンバかカラマツの種子を食べており、観察機会は多いです。
マヒワは数が減ったようには感じられず、「ジュイー」「ピチー」といった賑やかな鳴き声が聞こえてくることが多いです。
ただし低い位置にはほとんど降りて来ず、写真はほとんど見上げになります。
アトリ
(前述)
キクイタダキ
今週も観察情報は少なく、見られる日もある、くらいになっています。
キバシリ(亜種キタキバシリ)
昨日、今日と「風の丘」周辺で見られ、その他「カラマツ林」付近で観察機会が増えてきています。
ただし、それら以外の場所ではまだ確かな観察情報はありません。
ミソサザイ
今週は「ピクニックテラス」周辺で何度か見られましたが、それ以外の場所ではほとんど観察情報はなかったです。
コガラ
今週も確かな観察情報はなかったです。
ヒレンジャク
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、一度来ただけでこの先もう来ないのか、また来るのか、要注目です。
キレンジャク
今冬は今のところ園内での確かな観察情報はありません。
留鳥情報
クマゲラ
今週も毎日ではないですが園内に飛んで来ており、雄と雌両方の観察情報がありました。
藻岩山方面から繁殖行動に関わると思われるドラミングも聞こえてくるようになりました。
写真は「遊具広場の森」で撮影した雄の個体ですが、「プルプルプル」と鳴きながら飛んで来て近くに降りたら探せば見つかることがあります。
クマゲラ、今冬は見られる機会が多いです。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
園内でときどき見られています。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
園内一円で「キョッ」という声が聞かれることが多く、観察機会は多いです。
「キキョキョキョ」と激しく鳴いて雄同士もしくは雄が雌を追いかける光景はまだ見られていないですが、そろそろです。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多く、「ギー」という声が同じ辺りで複数聞こえることもよくあります。
ヤマゲラ
今週は何度か「ピョッピョッピョッピョッ」という鳴き声が園内から聞こえてきましたが、近くで見られたという情報は今週はなかったです。
フクロウ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
カケス(亜種ミヤマカケス)
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
カワラヒワ
「作業員詰所」付近でよく見られており、このまま春を迎えるのか要注目です。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、「テュッテュッ」という声はよく聞かれ、近くで見られる機会もあります。
囀りを聞く機会も増えてきました。
シジュウカラ
園内一円でよく見られています。
常緑の松で採餌する際には「ツー」とキクイタダキよりも弱い声で鳴いており、一瞬何の鳥か分からないことがあります。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
「ピィピィピィ」という囀りもよく聞かれています。
ヤマガラ
園内一円でよく見られています。
「チーリーツー」という3拍子の囀りもときどき聞かれるようになってきました。
ヒガラ
今週も「ツピツーツピツー」という囀りがよく聞かれており、園内一円の針葉樹で観察機会が多いです。
ハクセキレイ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
今週もほぼいつでもどこかから複数の鳴き声が聞こえてくるような感じで、見る機会は多いです。
ハシボソガラス
2月5日にハシブトガラスとハシボソガラスが混じって10羽前後で鳴き合いながら飛んでいました。
ハシブトガラス
園内でよく見られています。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
◎上野恩賜公園と上野不忍池の野鳥その2:陸鳥編
「トリテン」に行ってきました。
先週に引き続き、その際に上野恩賜公園と上野不忍池で撮影した野鳥の写真を特集します。
今週は「その2:陸鳥編」で、上野恩賜公園および上野不忍池で撮影したものです。
アオジ
北海道では夏鳥ですが、東京では冬鳥、上野恩賜公園でも比較的よく見られます。
公園内にある清水観音堂のすぐ下に小さな水路があり、そこに野鳥がやって来ます。
このアオジもそこにやって来たものですが、撮影していて逃げる様子もなく、なんと1.5mにまで寄って来た瞬間もありました。
アオジにこれだけ寄れることは少なくとも旭山記念公園ではめったになく、逃げないというのも貴重な経験でした。
シロハラ
東京では冬鳥ですが少ないらしく、西日本のように当たり前にいるわけではないようです。
上野恩賜公園ではまあまあ見られますが、こちらも水路で撮ったもので、6年前の2月に来た時にもここにいました。
2日間で水路に来たのはこの2種にヒヨドリとキジバト(どちらも撮影できず)だけでしたが、待っているともっと来るかもしれません。
シロハラは北海道にはないハゼノキと思われる種子を採餌している姿も撮影できました。
シロハラも旭山記念公園よりは警戒心が薄かったです。
キジバト
北海道では夏鳥ですが東京では留鳥で、上野でも普通に見られます。
札幌ではあまり近くに寄れない印象ですが、上野では3m以内に寄れることも珍しくないです。
ムクドリ
上野ではよく見る野鳥、「ギューイッ」と鳴き、この時は落ちていたカキの実を食べていました。
スズメ
上野不忍池の周りを歩いているとよく見られますが、旭山記念公園ではあまり見ないので、鳴き声を聞いて最初は「何の鳥だろう?」と思いました。
ヒヨドリ
ヒヨドリは当たり前にいますが、ヒヨドリだけは鳥との距離感が旭山記念公園とあまり変わらないように感じました。
ゆえにあまり近くでは撮れず、有刺鉄線のそばにいるこれがまあ近い方でした。
メジロ
北海道では夏鳥、東京では留鳥で上野でもよく見られる、というか当たり前にいます。
旭山記念公園よりは低い木にもよく来て、近くで見る機会も多いです。
東京ではツバキの花が咲いていて、北海道の人間からすると1月に花が咲いているのに驚きましたが、そのツバキにもメジロが来ていました。
しかし残念、ツバキとメジロは撮影できず、10分粘ったのですが。
ウグイス
池や公園内数か所で見ましたが、これは「トリテン」入場直前の8時55分頃に科学博物館の目の前で撮ったものです。
鶯谷(科学博物館から近い駅)にもウグイスはいました。
オナガ
今回嬉しかったのは、オナガが撮れたこと。
カラス科らしく濁った賑やかな声で「ンゲー」と鳴き、カケスのようにふわふわ飛んで、カササギのように尾が長い(それが名前の由来)鳥です。
オナガは関東地方に多く生息し、市街地に飛んで来ることもあり、上野のお山で比較的よく見られます。
しかし、6年前に行った際には一度見られただけで撮れず。
今回、カキの実を食べに数羽でやって来て、見上げで空抜けですが撮ることができました。
東京近郊に行った際にはぜひ探してみてください!
樹木も1枚、アキニレ
上野不忍池のほとりにアキニレの木がありました。
名札が掲げられていた木があったので分かりました。
ハルニレは北海道でおなじみですが、アキニレは北海道には自生しておらず、見たことがなかった。
ハルニレは4月に花が咲いて5月に種子がなりますが、アキニレは名前の通り秋に花が咲くとのことで、1月下旬にも種子が木に残っていました。
今回、ハクセキレイとハシブトガラスは確認できましたが撮影できませんでした。
6年前の2月にはエナガ、シメ、モズ、コゲラ、カワセミがいましたが、今回は残念ながら見られませんでした。
ツグミも見られなかったですが、北海道で多く見られており、南には移動していない可能性があります。
チョウゲンボウが見られることもありますが、それも今回はいませんでした。
特別展「鳥」ご鑑賞の際には、上野恩賜公園や上野不忍池でバードウォッチングもいかがですか!
◎「トリテン」 国立科学博物館 特別展「鳥」のご案内
東京上野にある国立科学博物館にて「特別展 鳥」通称「トリテン」開催中です。
2025年2月24日まで開催、東京に行かれる方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
詳しくは以下のリンクよりホームページをご覧ください。
次回は、2025年2月16日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。