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旭山記念公園野鳥情報2025年2月2日(日曜日)

 

旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年2月2日日曜日。

ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。

この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。

 

●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどによりほかの人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、ほかの人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてくだい。

 

 

●2月の定例野鳥観察会は、8日(土)、23日(日)ともに募集定員に達しましたため、受付終了とさせていただきました。

あしからずご了承ください。

 

 

 

◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。

 

 

 

今週のトピックス
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
今週は目立った鳥の動きはなかったので、鳥の行動に注目して見ました。
ゴジュウカラが頭を掻く一連の動きが撮れました。
ゴジュウカラは頭を下向きにして木の幹を下に歩くという他の鳥にはない特技がありますが、それを可能にしているのが大きくて力強い足です。
その足も、頭を掻いている時に見ると、やっぱり大きく力強く見えました。
ゴジュウカラを近くで見る機会があれば、その大きくて力強い足にも注目してみてください。

ゴジュウカラ2025年2月1日1足で頭を掻く

ゴジュウカラ2025年2月2日2足で頭を掻く

ゴジュウカラ2025年2月2日3足で頭を掻いた後

 

ツグミ
今週もよく見られており、「ポートランドの森」などに数羽から10羽で来てナナカマドの実を食べています。
園内のナナカマドはだいぶ食べられ、少なくなった残りを求めて行動していますが、ツグミはまだ数が減ったという感じはしていません。
今冬は東京など本州方面ではツグミは見ていないと聞きましたが、ツグミはこのまま残るのか、この後南に移動してほとんどいなくなるのか、その動きに引き続き注目しています。

ツグミ2025年2月2日ナナカマドの実を食べる

 

シロハラ
今週もほぼ毎日見られていますが、「記念樹の森」「ポートランドの森」「木の橋」付近、「作業員詰所」付近など、見られる場所が散らばってきています。
「ポートランドの森」で観察機会が比較的多いことは多いです。
地面で「キュロキュロ」と鳴いている場合は見つけにくいですが、木の上では「シーッ」と鳴き、その場合は見つかることがあります。
シロハラは通常春と秋それぞれ数日から半月滞在する旅鳥ですが、今年は出現が遅く、もうひと月近く留まっており、この先いつまで見られるのか要注目です。

 

 

 

 

今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も園内でほぼ毎日観察されています。
ただし午前中にはあまり出なくなっており、「遊具広場」方面での観察情報も少なくなっています。
午後は「巨木の谷」から「カラマツ林」そして森の家裏辺りで見られる日がありますが、見られない日もあります。
やはりここまで10羽以上の群れでの観察情報がほとんど、というかほぼないですが、この先どういう動きをするのか要注目です。

シマエナガ2025年2月2日

 

 

 

夏鳥情報
イカル
園内でもまだときどき見られており、円山で見たとの観察情報もあり、まだ残っているようで、いつまで見られるか要注目です。

 

旅鳥情報
マミチャジナイ
今週も確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。

 

シロハラ
(前述)

 

 

 

冬の鳥情報
ツグミ
(前述)

 

ハチジョウツグミ
今週は確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。

 

ウソ
今週は声を聞いたという情報もなく、やはり今冬は遠い存在のままです。

 

シメ
本日は第2駐車場(現在閉鎖中)と「記念樹の森」で、昨日は「学びの森」で見られており、観察機会はそこそこありますが、数は1羽か2羽で落ち着いています。
シメはこの先もしばしば見られ、近くで見られる機会もあるものと思われます

シメ2025年2月2日

 

マヒワ
20~30羽で園内を飛び回り、シラカンバかカラマツの種子を食べており、観察機会は多いです。
マヒワも数が減ったようには感じられず、シラカンバとカラマツの種子はまだまだたくさんあるので、この先もしばらくは見られる可能性があります。
写真はマヒワがシラカンバの種子を食べた食べかすで、今の時期雪面に散らばっていますが、この写真の時は多数来ていたようで、一面に広がっていました。

マヒワがシラカンバの種子を食べた食べかす2025年2月2日

その中から種子と種子を包んでいた殻を大きく撮ったのが次の写真です。

マヒワがシラカンバの種子を食べた食べかす2025年2月2日2鳥の形

左が種子で、マヒワとカワラヒワはこれを食べています。

右は種子を包んでいた殻ですが、鳥が翼を広げて飛んでいるように見えませんか!?

 

 

アトリ
今週は確かな観察情報はなかったですが、アトリは旭山で冬は1羽から数羽が見られたり見られなかったりで、今年はそうなのか、要注目です。

 

キクイタダキ
今週は先週よりも観察情報が少なく、見られない日もあります。
今週はたまたまなのか、この先落ち着くのか、要注目です。

 

キバシリ(亜種キタキバシリ)
「カラマツ林」付近でときどき見られていますが、やはり「カラマツ林」より東での観察情報ははほとんどなかったです。

 

ミソサザイ
今週は「作業員詰所」付近以外ではほとんど観察情報はなかったです。

 

コガラ
今冬はまだコガラであろうという個体は確認していません。
ゆえに今まで取り上げていませんしたが、この先注意して見てゆきます。

 

ヒレンジャク
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、一度来ただけでこの先もう来ないのか、また来るのか、要注目です。

 

キレンジャク
今冬は今のところ園内での確かな観察情報はありません。

 

 

 

留鳥情報
クマゲラ
今週も毎日ではないですが園内に飛んで来ており、雄と雌両方の観察情報がありました。
藻岩山方面から繁殖行動に関わると思われるドラミングも聞こえてくるようになりました。
写真は飛翔時のものですが、飛びながら「プルプルプル」と鳴き、どこかにとまったところで「キョーン」と鳴き、それが園内であれば鳴き声が聞こえた辺りに行って探すと見られることがあります。
クマゲラはいつもいいますが、今日来なかったからといって明日も来ないとは限らない、その逆もある、ということでこの先もまた毎日のように近くで見られることもあるかと思います。

クマゲラ飛翔2025年2月2日

 

 

オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
園内でときどき見られています。

 

アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
園内一円で「キョッ」という声が聞かれることが多く、「森の家」周辺、「吊り橋周辺」、「学びの森」周辺と「遊具広場の森」での観察機会が多いです。
次の写真上が雄、下が雌です。

アカゲラ2025年2月1日雄

アカゲラ雌2025年2月2日

 

コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多く、「ギー」という声が同じ辺りで複数聞こえることもよくあります。
先週の野鳥観察会の際に、コゲラを見たかったというお声を聞きました(残念ながらその日は鳴き声は聞こえたけれど近くでは見られませんでした)。
ここで上げられるような写真も今週は撮れなかったのですが、過去に同じ頃に撮影したストック映像から雄の写真を今日は使います。
拡大して見ると、頭部に赤い羽根があるのが分かるかと思いますが、コゲラを撮影できた場合はぜひ拡大して頭部をよく見てください。

コゲラ雄2025年2月2日

 

ヤマゲラ
昨日2月1日13時過ぎに「藻岩山登山口」方面から「ピョッピョッピョッピョッ」という鳴き声が聞こえてきましたが、観察情報は少なく、近くで見られたという情報も今週はなかったです。

 

フクロウ
今週は確かな観察情報はありませんでした。

 

オオタカ
今週は確かな観察情報はありませんでしたが、この先どうなるのか要注目です。

 

ハイタカ
今週は確かな観察情報はなかったですが、例年11月から1月前半は比較的よく見られ、その後落ち着きます。

 

ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。

 

トビ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。

 

ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。

 

カケス(亜種ミヤマカケス)
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。

 

カワラヒワ
見られる数がせいぜい3羽は同じくらいで、それとは別の動きをしていた10羽前後の群れは今週も確認できず、いなくなったとみていいかと思われます。
「作業員詰所」付近で見られる機会が多いですが、「西側エリア」でもときどき声が聞かれ姿も見られています。
今日の午後はマヒワの群れに混じって「ポートランドの森」のシラカンバで種子を食べていましたが、マヒワと一緒にいると一回り大きく見えます。

 

ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、「テュッテュッ」という声はよく聞かれ、近くで見られる機会もあります。
囀りも聞かれていますがまだ少ないです。

 

シジュウカラ
園内一円でよく見られています。
森の家裏のカラマツによく来て採餌しているほか、「作業員詰所」周りのトドマツにヒガラと一緒にいることもよくあります。

シジュウカラ2025年2月2日

 

ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
囀りを聞く機会が増えてきました。

ハシブトガラ2025年2月2日

 

ヤマガラ
園内一円でよく見られており、とりわけ森の家周辺、「遊具広場の森」と「学びの森」周辺でよく見られます。

ヤマガラ2025年2月2日

 

ヒガラ
今週も囀りがよく聞かれており、園内一円の針葉樹で観察機会が多いです。

 

ハクセキレイ
今週は確かな観察情報はありませんでした。

 

スズメ
道路沿いで見る機会があります。

 

ヒヨドリ
今週もほぼいつでもどこかから複数の鳴き声が聞こえてくるような感じで、見る機会は多いです。

 

ハシボソガラス
今週は第一駐車場周辺でときどき見られるくらいでした。

 

ハシブトガラス
園内でよく見られています。

 

 

 

旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。

旭山記念公園各所名称マップ

 

 

 

◎上野恩賜公園と上野不忍池の野鳥その1:水鳥編
「トリテン」に行ってきました。
今週と来週の2週にわたって、その際に上野恩賜公園と上野不忍池で撮影した野鳥の写真を特集します。
今週は「その1:水鳥編」で、すべて上野不忍池で撮影したものです。

 

オナガガモ
上野不忍池で最も多いカモ類。
写真の全体的に灰色っぽいのが雄、それ以外は雌で、雄はその名の通り尾羽が長く、雌はカモ類によくある色彩です。

オナガガモ2025年2月2日上野不忍池

 

カルガモ
こちらはおなじみ、嘴の先が黄色いのが特徴です。
この日は数羽が見られました。

カルガモ2025年2月2日

 

キンクロハジロ
潜水カモ類、写真は雄で、羽づくろいをしていました。
雌も近くにいましたが(撮り忘れました)、雌は雄の黒い部分が茶色で、腹部も真っ白ではありません。
この写真で見える冠羽は雌雄ともにあります。

キンクロハジロ雄2025年2月2日

 

ホシハジロ
頭が茶色、胸部と尾羽の周りが黒色、体が灰色時に細かい波状模様がある潜水カモ類。
雌の写真は撮っていないですが(1羽しか見当たらなかった)、雄の茶色と黒の部分がぼやけたような茶色の渋い色合いです。
ホシハジロは近年個体数が減っており、国際自然保護連合が定める「絶滅危惧種II類(VU)」に指定されています。

ホシハジロ雄2025年2月2日

今回カモ類はこの4種しか見つけることができず、マガモもいませんでした。
これが真冬という時期的なものなのか、他に要因があるのかは分かりません。

 

オオバン
今やおなじみ、水鳥がいる場所ならどこにでもいる鳥。
水中の構造物にとまっていた時の写真ですが、足の指の水かきの形が面白いです。

オオバン2025年2月2日上野不忍池

今回バンとカイツブリは見つけられませんでした。

 

コサギ
上野不忍池にいつもいてどこかで必ず見られます。
たいてい1羽でいます。
足指が黄色いのが他のシラサギ類との違いですが、この写真では水の中でほとんど分からないですね・・・

コサギ2025年2月2日

 

アオサギ
こちらでは警戒心が強くて20mくらいに寄ると逃げてしまうアオサギですが、上野不忍池では総じて警戒心が薄く、この写真はなんと8mの至近で撮りました。
上野恩賜公園や上野不忍池では、警戒心が薄い個体が居着いているようですが、東京のすべてでこうなのかは分かりません。

アオサギ2025年2月2日

今回サギ類はこの2種で、上野不忍池で見る機会が少なくないゴイサギとダイサギは見つけることができませんでした。

 

ユリカモメ
東京都の鳥。
上野不忍池には朝になるとやって来て、夜は海上で寝ているのだそうで。
(よくないことですが)餌をあげる人が何人かいて、その人が来るとユリカモメが2、30羽ほど集まって来ます。
カモ類でもその人を覚えている個体は寄って来ます。
ユリカモメは錐もみ状態で飛んでいることもあって、見ていると意外と楽しい鳥です。

ユリカモメ2025年2月2日

今回カモメ類もこの1種しか見つけられませんでした。

 

カワウ
上野不忍池は3つに分かれていて、そのうち北寄りの1つは上野動物園の敷地内になっており、動物園に入園しないと行けません(柵越しに見えることは見えます)。
カワウはその池にコロニーがあり、毎年繁殖しています。
かつてカワウのコロニーは国内に数か所しかない貴重なものでしたが、今ではカワウは個体数が増えて一部農業などの被害が出るほどになっています。
なお、今回不覚にもまともな写真が撮れず、しかしカワウを紹介しないわけにはいかないので、これのみ過去に上野不忍池で撮影したファイル写真を使っています。

カワウ2025年2月2日

 

来週は「その2:陸鳥編」です。

特別展「鳥」ご鑑賞の際には、上野恩賜公園や上野不忍池でバードウォッチングもいかがですか!

 

 

◎「トリテン」 国立科学博物館 特別展「鳥」のご案内
東京上野にある国立科学博物館にて「特別展 鳥」通称「トリテン」開催中です。
2025年2月24日まで開催、東京に行かれる方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
詳しくは以下のリンクよりホームページをご覧ください。

特別展「鳥 ~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統~」

 

 

次回は、2025年2月9日日曜日に上げる予定です。

 

旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。