旭山記念公園野鳥情報、2024(令和6)年12月15日日曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
●12月22日(日曜日)の定例野鳥観察会は、募集定員に達したため、受付終了とさせていただきました。
あしからずご了承ください。
2025年1月の定例野鳥観察会は、11日(土)、26日(日)開催予定です。
募集開始は12月21日(土)10時から、電話及び窓口直接にて受け付けいたします。
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のトピックス
ツグミ
先週から園内の割と低い位置で見られる機会が増えてきましたが、今週はさらに増え、「キーッ」という声もよく聞かれるようになりました。
12月13日金曜には、「記念樹の森」や「四季の散歩道」周辺で2、3羽が同時に見られました。
12月14日土曜日の定例野鳥観察会では、「遊具広場と噴水広場の間の道」沿いに10羽前後で集まっていて、比較的近い距離で観察することができました。
写真のようにナナカマドの実にも寄って来るようになり、近くで見られる機会も多くなってきています。
今日もその辺りに10羽前後が集まっていました。
ツグミは旭山では例年、2月に入ると園内に何羽か残る程度に数が減り、4月中旬以降に北に帰る前に数が多くなりますが、今冬はどうなるか要注目です。
マヒワ
今冬はこれまでときどき見られ、一度20羽前後の群れの観察情報もありましたが、本日12月15日日曜日、「カラマツ林」に20羽前後の群れが現れました。
カワラヒワ数羽の群れと一緒にカラマツの種子を食べており、下の雪面にはカラマツの種子の食べかすがたくさん落ちていました。
写真が今朝のマヒワで、鮮明ではないですが、少なくとも3羽のマヒワが写っています。
マヒワは通常冬の間に数羽から20羽前後が見られ、多い年もありますが、昨冬は数羽がたまに見られるだけでごく少なかったです。
今冬はどうなるか要注目です。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も園内でほぼ毎日観察されています。
観察情報があった場所は、「風の丘」周辺、「吊り橋」周辺、「噴水広場下斜面」そして森の家の周りですが、今週はこの場所によく出ているという場所は特になかったです。
本日12月15日は朝9時過ぎに「風の丘西の沢」分頃には旭山都市環境林「お寺跡地」付近で数羽から10羽の群れが見られたとの情報もありました。
そして本日14時過ぎに「巨木の谷」方面から「カラマツ林」に抜けて行く20羽以上の大きな群れが見られました。
昨日も13時半頃「噴水広場下斜面」に出ており、今月は午後に出ていることが多いですが、情報が少なかっただけで、そういうものなのかもしれません。
夏鳥情報
イカル
12月11日水曜日、園内上空にイカル1羽が「キコ キコ」と鳴きながら飛んで来るのが観察されました。
さらに本日12月15日、住宅街の方から囀りも聞かれており、まだ残っているようで、もう少し様子をみます。
モズ
今週も確かな観察情報はなかったですが、1月に見られた年もあったので、まだもう少し様子をみます。
アオバト
今週も確かな観察情報はなかったですが、この先確かな観察情報がなければ、来週からは出た場合のみその都度取り上げます。
旅鳥情報
ミヤマホオジロ
12月9日月曜に園内での観察情報がありましたが、それ以降は確かな観察情報は入っていません。
もう少し様子をみます。
カシラダカ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、もう少し様子をみます。
シロハラ
12月12日木曜に園内で3羽の観察情報がありました。
※今年の秋から初冬にかけて、旭山ではマミチャジナイの確かな観察情報は今のところありません。
冬の鳥情報
ツグミ
(前述)
ウソ
日に何度か園内で声を聞くことがありますが、近くで見られたという情報は今週もなかったです。
ただ声は聞かれるようになっているので、そのうち、ときどき近くで見られる機会に恵まれるものと思われます。
シメ
「噴水広場」周辺で観察機会が比較的多く、「シーッ」という声もちょくちょく聞かれ、10羽以上いたとの情報もありました。
マヒワ
(前述)
キクイタダキ
「作業員詰所」付近の低いトドマツや「トドマツ林」で観察機会が多く、「ミュンヘンの森」や「吊り橋」周辺の松でも見られる機会が増えてきました。
昨日は森の家近くの掲示板の横に生えているプンゲンストウヒと「ミュンヘンの森」にどちらも短時間ですが来ていて、近くで見られました。
キバシリ(亜種キタキバシリ)
「吊り橋」周辺や「カラマツ林」でときどき観察されています。
ミソサザイ
「吊り橋」周辺、「遊具広場」、「噴水広場下斜面」から「作業員詰所周辺」で今週も日に何度か声が聞かれ、ときどき姿も見られています。
ヒレンジャク
今週は確かな観察情報はありませんでしたが、一度来ただけでこの先もう来ないのか、また来るのか、要注目です。
キレンジャク
今冬は今のところ園内での確かな観察情報はありません。
留鳥情報
クマゲラ
今週も毎日ではないですが園内に飛んで来ています。
先週は園内に来る頻度が落ちていると書きましたが、この1週間はその前よりは園内での観察情報が多かったです。
写真は12月12日14時過ぎに「森の家階段」横の桜に来ていた雌で、10分ほどその木にいた後辺りの木を転々としてときどき「キョーン」と鳴いていました。
クマゲラは藻岩山のどこかに塒の巣があると思われ、14時過ぎに巣に帰る際に園内に立ち寄ることがしばしばあります。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
園内でときどき見られています。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
園内一円で「キョッ」という声が聞かれることが多く、観察機会も多いです。
12月14日の定例野鳥観察会では、「遊具広場の森の散策路」沿いで雄の個体をゆっくりと観察することができました。
また「遊具広場と噴水広場の間の道」沿いでも比較的よく見られます。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多く、カラ類混群と一緒に2、3羽でいることがよくあります。
ヤマゲラ
今週も園内での確かな観察情報はなく、「ピョッピョッピョッピョッ」という鳴き声も聞かれていませんが、鳴き声が本格化した際には見られる機会も増えるかもしれません。
フクロウ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
今週は確かな観察情報はなかったですが、園内に来ていた可能性は高そうです。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ノスリは10年ほど前まで旭山では基本夏鳥で、冬の間は見られていなかったのですが(春先と秋口に観察機会が比較的多かった)、数年前から冬でもときどき見られるようになっていました。
元々夏鳥だったことから、冬の間に見られないのは特に不思議だったりおかしいというわけでもないと考えられますが、この先も様子はみてゆきます。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでしたが、中島公園周辺ではときどき見られているようです。
オオセグロカモメ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
カケス(亜種ミヤマカケス)
今週も確かな観察情報はなかったですが、今冬はもう来ないのかどうか・・・
カワラヒワ
今週はふたたび「カラマツ林」で10羽前後の群れがよく見られており、一方で「学びの森」付近では3、4羽で見られています。
前者は亜種オオカワラヒワの可能性もあると考えられますが、確認はできていません。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、「テュッテュッ」という声はよく聞かれ、近くで見られる機会もあります。
ゴジュウカラは例年12月中に初鳴きが聞かれますが、今年はまだ確認していません。
シジュウカラ
園内一円でよく見られています。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
昨日、2羽が150mほど離れた場所で競うように囀りしていました。
ヤマガラ
園内一円でよく見られています。
「作業員詰所」付近のイチイはまだ実がかろうじて残っていて、まだときどき採餌に来ることもあります。
ヤマガラも例年12月中に囀りが聞かれていますが、今年はまだです。
ヒガラ
今週も囀りが聞かれていたので、今冬は「初鳴き」が明確にいつかは分からなかったということになりそうです。
園内一円の針葉樹で観察機会が多いです。
ハクセキレイ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
今週もほぼいつでもどこかから鳴き声が聞こえてくるような感じでした。
1羽だけでいることはほぼなく、3~5羽でいることが多いです。
ハシボソガラス
「噴水広場」から「テラス状階段」の辺りと第1駐車場で見られますが、雪が積もって数が少なくなった印象です。
ハシブトガラス
園内でよく見られています。
写真は雪を食べているところです。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
ヤドリギ~黄色い実がなるヤドリギ
札幌近郊で見られるヤドリギの多くは(ほとんどが)アカミヤドリギと呼ばれる赤い実がなるものです。
旭山でも今までアカミヤドリギしか見られていなかったのですが、実が黄色くなるヤドリギが旭山でも見つかりました!
12月14日の定例野鳥観察会の際にアカミヤドリギの話をしていたところ、参加された方が黄色い実がなっている株を見つけてくれました。
しかもそれがなんと「灯台下暗し」、森の家の前のシラカンバについていたものでした。
次の写真の上がその黄色い実がなるヤドリギで、下が通常の赤い実がなるアカミヤドリギ、先週のヒレンジャクの話題で使った写真です。
どちらもツグミやレンジャク類などの野鳥が実を食べます。
黄色い実がなるヤドリギの種がどこから来たのか謎ですが、またひとつ興味深くて楽しいことを発見しました。
◎アカゲラ通信2024年12月号
アカゲラ通信2024年11月号が出来ました。
今月の特集は「ハードウォッチングを始めるなら冬がいい!」と題し、冬の野鳥観察のポイントを紹介、初心者以外の方にもお役に立てる話題も取り上げています。
「野鳥ノート」はこのままでは絶滅危惧種になってしまうかもしれないスズメ、そして元旦初日の出についてのまとめです。
森の家にて無料配布中、お手に取ってご覧ください。
◎「トリテン」 国立科学博物館 特別展「鳥」のご案内
東京上野にある国立科学博物館にて「特別展 鳥」通称「トリテン」開催中です。
2025年2月24日まで開催、東京に行かれる方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
詳しくは以下のリンクよりホームページをご覧ください。
次回は、2024年12月22日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。