旭山記念公園野鳥情報、2024(令和6)年12月22日日曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
●1月の定例野鳥観察会は、11日(土)、26日(日)開催予定です。
どちらもまだ参加お申込み受付中です!
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のトピックス
ハチジョウツグミ
12月20日金曜日、ハチジョウツグミが今冬初めて園内で観察されました。
「噴水広場下斜面」のナナカマドの周りにこのところツグミが集まっていて多いときには10羽以上が見られていますが、その中に1羽だけいました。
ハチジョウツグミはほぼ毎年1羽か2羽が観察されていますが、昨冬は確かな観察情報がなく、旭山では2年振りということになります。
来た年には1月中旬くらいまで見られますが、今冬はどうなるのか要注目です。
シロハラ
先週、シロハラ3羽が園内で観察されたとの情報がありましたが、今週も12月19日木曜日、21日土曜日と本日22日日曜日に園内で観察されました。
19日は「栗の木デッキ」付近でツグミの群れの中に1羽を確認、さらに「ミュンヘンの森」からも鳴き声が聞こえ、2羽以上いたと思われます。
21日は「記念樹の森」の笹薮から複数の鳴き声が聞こえてきましたが、姿は一瞬しか見られませんでした。
その日の午後には「遊具広場と噴水広場の間の道」でも見られ(写真がその時のものです)、さらに15時半頃には「ミュンヘンの森」でも観察されました。
さらに本日12月22日にも複数の観察情報があり、辺りにとどまっている可能性があります。
シロハラは例年、秋は10月下旬から11月中旬までの間に数日ほど見られますが、今年はその時期には見られず、今月に入って初めて確認されました。
ツグミも今年は渡来時期が遅く、12月に入って数が増えましたが、何か関係あるのかもしれません。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
本日12月22日、ゴジュウカラの初鳴き=囀りが今冬初めて聞かれました。
昨冬は2024年1月10日が初鳴きでしたが、それは例外的に遅かったもので、12月22日は平年並みくらいです。
最初「テュッテュッテュッ」と地鳴きをしていましたが、そのうち「フィフィフィ」とテンポの速い囀りに変わりました。
この先囀りがよく聞かれるようになると思われます。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も園内でほぼ毎日観察されています。
本日12月22日は9時半過ぎに「第1駐車場」から「遊具広場の森」にかけての辺りでの観察情報があり、さらに11時過ぎに「森の家南斜面」で見られました。
本日12月15日は朝9時過ぎに「風の丘西の沢」分頃には旭山都市環境林「お寺跡地」付近で数羽から10羽の群れが見られたとの情報もありました。
12月19日木曜日には9時過ぎに「ポートラドの森」でカラ類混群と一緒に数羽、12月18日水曜日にはやはり「ポートランドの森」から「カラマツ林」にかけての辺りでカラ類混群に2、3羽だけ混じった状態で見られました。
12月21日土曜日のように近くで見られたという情報がなかった日もありますが、概ね日に1度は園内どこかで観察されたという情報があります。
夏鳥情報
イカル
12月20日金曜日、界川住宅街の方から「ホヒリホヒ」と囀りが聞こえてきましたが、近くで姿を見ることはできませんでした。
さらに本日12月22日にも7時半過ぎに第2駐車場から住宅街にかけての辺りから地鳴きと囀りが聞こえてきました。
今週もまだ残っているようで、もう少し様子をみます。
モズ
本日12月22日に園内での観察情報があり、まだもう少し様子をみます。
旅鳥情報
ミヤマホオジロ
今週は確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
カシラダカ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、もう少し様子をみます。
シロハラ
(前述)
※今年の秋から初冬にかけて、旭山ではマミチャジナイの確かな観察情報は今のところありません。
冬の鳥情報
ツグミ
「噴水広場下斜面」と「遊具広場と噴水広場の間の道」辺りに集まっていて、近くで見られる機会が多くなっています。
昨日12月21日には15時過ぎに上空を通過する20羽以上の群れも観察され、今はツグミが盛んに移動している時期であると思われます。
本日の定例野鳥観察会でも、園内行く先々で鳴き声が聞かれたり姿が見られたりで、今日いちばん多く見られた野鳥はツグミだったと思われます。
ツグミは例年1月中旬くらいまでは多く見られ、その後大半が南に渡って少数が残るだけになりますが、今冬はどうなるでしょうか。
ウソ
今週は園内で声を聞いたという情報はごく少なく、近くで見られたという情報は今週もなかったです。
先週より声が聞かれる頻度も落ちていますが、この先どうなるのか要注目です。
シメ
「噴水広場」周辺で観察機会が比較的多く、「作業員詰所」横のトドマツ林の木に入っていることもよくあります。
「記念樹の森」周辺でもときおり見かけます。
本日の定例野鳥観察会では、「展望台西側木立」のアズキナシに2羽が来て採餌しているようすを観察できましたが、シメの割には近くに寄れた瞬間もありました。
マヒワ
本日の定例野鳥観察会では、「遊具広場」でカワラヒワの群れに混じってシラカンバの種子をついばんでいる様子が観察されました。
4羽までは確認できましたが、何羽いたかは分からず、カワラヒワと合わせて20羽以上の群れではありました。
それまでも園内で時々見られていましたが、マヒワはこの先観察頻度が上がる可能性があり、動向に要注目です。
キクイタダキ
「作業員詰所」付近の低いトドマツや「トドマツ林」での観察機会が今週は(なぜか)減っており、一方で「ミュンヘンの森」「ポートラドの森」「風の丘U字坂」など他の場所での観察情報が増えてきました。
声が小さくて気づきにくいので、常緑針葉樹の前を通る際には立ち止まって耳を澄まして鳴き声が聞こえないか注意し、聞こえたら場所の見当をつけて動きを追えば撮影可能な状態で見られることもあるかと思います。
キバシリ(亜種キタキバシリ)
本日「旭山都市環境林」での観察情報がありましたが観察機会は多くはなく、「カラマツ林」の周りでときどき観察されているくらいです。
ミソサザイ
定例野鳥観察会では、「噴水広場下斜面」で姿も見られた他、「吊り橋」付近でもときどき見られています。
ただし、先週までよりは若干接する機会が減っているようにも感じられます。
ヒレンジャク
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、一度来ただけでこの先もう来ないのか、また来るのか、要注目です。
キレンジャク
今冬は今のところ園内での確かな観察情報はありません。
留鳥情報
クマゲラ
今週も毎日ではないですが園内に飛んで来ています。
ただ、先週よりは園内での観察情報は少なく、しかし先々週は情報が多かったので、ほんとうにクマゲラは園内に来るかどうかはその日その時しだいです。
ただし、一度見られると比較的長い時間姿を見たり目で追ったりできます。
クマゲラは藻岩山のどこかに塒の巣があると思われ、14時過ぎに巣に帰る際に園内に立ち寄ることがしばしばあります。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
園内でときどき見られており、12月20日には「吊り橋木段」付近で雄の個体が観察されました。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
園内一円で「キョッ」という声が聞かれることが多く、観察機会も多いです。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多く、カラ類混群と一緒に2、3羽でいることがよくあります。
ヤマゲラ
12月20日金曜日、「ピクニックテラス」周辺で「ピョッピョッピョッピョッ」という鳴き声が聞かれ、姿も見られ、その後「遊具広場」の方向に飛んで行ったとの観察情報がありましたが、その個体は雌でした。
さらに12月21日には展望台の木にいる雄の観察情報もあり、これで最低2個体が旭山周辺にいることが分かりましたが、そろそろ見られる機会が多くなるかもしれません。
フクロウ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
12月19日木曜日9時半頃、「ポートランドの森」でカラ類混群とシマエナガを観察している時、南の方からハイタカ雌が飛んで来て一度シラカンバの木にとまり、すぐに北西方向に飛び去るのが観察されました。
その時は狩りに失敗したようでしたが、そこにいたカラ類やシマエナガが甲高い警戒音を出していました。
ハイタカは今後もときどき見られるものと思われます。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
先週も書きました、ノスリは10年ほど前まで旭山では基本夏鳥で、冬の間は見られていなかったのですが(春先と秋口に観察機会が比較的多かった)、数年前から冬でもときどき見られるようになっていました。
元々夏鳥だったことから、冬の間に見られないのは特に不思議だったりおかしいというわけでもないと考えられますが、この先も様子はみてゆきます。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
オオセグロカモメ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでしたが、元々旭山ではたまに見られるだけなので、この先は見られたときに取り上げることにします。
カケス(亜種ミヤマカケス)
今週も確かな観察情報はなかったですが、この先来るのかどうか・・・
カワラヒワ
マヒワのところで書きましたが、本日の定例野鳥観察会では「遊具広場」でマヒワと合わせて20羽前後の群れが見られ、カワラヒワの方が多かったように見えたので12~15羽程いたと思われます。
旭山秋から冬にかけてこれだけの数のカワラヒワが滞在していたことは今までなかったですが、渡りで来たオオカワラヒワがいついている可能性もありそうです。
カワラヒワは「噴水広場」周辺でもときどき見られますが、この先いつまで見られるか要注目です。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、「テュッテュッ」という声はよく聞かれ、近くで見られる機会もあります。
シジュウカラ
園内一円でよく見られています。
本日の観察会では「寺田京子句碑」近くのヨーロッパトウヒの小さな林で地面に降りて採餌する姿を比較的近くで見ることができました。
ところで、針葉樹でキクイタダキを探していると「ツーツー」というそれらしい弱い鳴き声が聞こえるので見るとシジュウカラだったということが最近よくあり、シジュウカラも弱い声で鳴くことが分かりました。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
ヤマガラ
園内一円でよく見られています。
本日の観察会では、「学びの森」のブナ(植栽)の実を食べているところが観察されました。
一方で「作業員詰所」前のイチイ(オンコ)の木にはもうほとんど来なくなりました。
ヤマガラも例年12月中に囀りが聞かれていますが、今年はまだです。
(写真は道内別の場所で先週撮影したものです)。
ヒガラ
今週も囀りが聞かれていたので、今冬は「初鳴き」は記録しないことにしました。
ただし、先週よりは囀りを聞く機会が増えていると感じており、本格化はしてきているのでしょう。
園内一円の針葉樹で観察機会が多いです。
ハクセキレイ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
今週もほぼいつでもどこかから複数の鳴き声が聞こえてくるような感じでした。
ハシボソガラス
「噴水広場」から「テラス状階段」の辺りと第1駐車場で見られますが、雪が積もって数が少なくなった印象です。
ハシブトガラス
園内でよく見られています。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
◎本日の定例野鳥観察会
観察されたのは以下の16種です(五十音順)
アカゲラ、カワラヒワ、キクイタダキ、コゲラ、ゴジュウカラ、
シジュウカラ、シメ、ツグミ、ハシブトガラ、ハシブトガラス、
ハシボソガラス、ヒガラ、ヒヨドリ、マヒワ、ミソサザイ、
ヤマガラ
(エゾリス)
本日、観察会の時間以外に旭山で確認されたのは以下の5種です(同)
イカル、キバシリ、シマエナガ、シロハラ、モズ
◎アカゲラ通信2024年12月号
アカゲラ通信2024年11月号が出来ました。
今月の特集は「ハードウォッチングを始めるなら冬がいい!」と題し、冬の野鳥観察のポイントを紹介、初心者以外の方にもお役に立てる話題も取り上げています。
「野鳥ノート」はこのままでは絶滅危惧種になってしまうかもしれないスズメ、そして元旦初日の出についてのまとめです。
森の家にて無料配布中、お手に取ってご覧ください。
◎「トリテン」 国立科学博物館 特別展「鳥」のご案内
東京上野にある国立科学博物館にて「特別展 鳥」通称「トリテン」開催中です。
2025年2月24日まで開催、東京に行かれる方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
詳しくは以下のリンクよりホームページをご覧ください。
次回は、2024年12月28日土曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。