旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年8月25日月曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
※今回の情報は8月24日までのものです。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてください。
■9月開催の各観察会、日程は以下の通りです。
野鳥観察会
9月13日(土曜日)
9月28日(日曜日)
8時開始、10時頃まで
参加費200円
自然観察会
9月21日(日曜日)
9時開始、11時頃まで
参加費200円
バードウォッチャーのための樹木観察会
9月6日(土曜日)
9月23日(火曜日祝日)
9時開始、11時頃まで
参加費300円(資料つき)
お申し込みは、8月30日(土曜日)10時より、電話および窓口直接にて受付開始となります。
みなさまのご参加をお待ちしております。
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、基亜種とは別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のトピックス
ヤマゲラ
この1週間もほぼ毎日観察情報がありました。
8月24日の野鳥観察会でも2回見られ、1回目は「遊具広場の森」でやや遠くからでしたが、2回目は「巨木の谷柳のテント」のオノエヤナギにとまっているのに気づき、その木から5mまで近寄ってもすぐには逃げずに間近でじっくりと観察できました。
先週、2羽同時に目視したと書きましたが、今日の2羽が同一個体かどうかは分かりません。
また、この1週間も雄の観察情報はなくすべて雌のものでした。
8月23日は「遊具広場と噴水広場の間の道」脇の笹薮の中を歩いていましたが、笹薮の中を歩くのを見るのも珍しいことです。
鳴き声を聞いてはいないですが、やや大き目な鳥であるためちょっとした動きに気づきやすく、またすぐに遠くには逃げないので、一度動いたところが見えればそこから探してじっくりと観察することもできます。
ヤマゲラのこの動きがいつまで続くのか要注目です。
シメ
8月22日、シメが園内上空を飛ぶ姿が観察されました。
シメは旭山記念公園では5月後半から見られなくなり、秋を迎える頃にまた見られるようになりますが、これは例年通りの動きといえます。
その後10月に入るまではたまに見られる程度ですが、シメの動きも要注目です。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
24日の野鳥観察会では9時前頃に「遊具広場の森」「五差路」付近でおそらく7~8羽の群れが、道路側から「第1駐車場」方向に向かってゆっくりと移動しているのを確認できました。
観察を始めると、頭の真上5mの枝など双眼鏡なしでもよく見えるところに来たり、シマエナガには珍しく10秒近く同じ枝にとまっていたり、10分以上に渡って近くでじっくりと観察できました。
最初は「ツーツーツーツー」「タッ」という小さい声だけでしたが、こちらが観察していて数分ほど過ぎた頃からあの「ジュルッ」という声が聞かれるようになり、最初はさほど警戒していなかったようです。
10分以上観察してその場を去りましたが、最後は「ちびっこ広場」方面に飛んで行ったようでした。
夏に10分以上シマエナガをじっくりと近くで観察できる機会はあまりなく、冬でもよくあることではないので、見られて良かったです。
今週は他にもいくつか観察情報があり、ときどき見られています。
夏鳥情報
イカル
8月22日に園内で声が聞かれましたが、今後もしばしば観察されるものと思われます。
クロツグミ
8月23日9時過ぎに「ちびっこ広場坂」で「キュロキュロ」と鳴き声が聞こえましたが、目視できなかったため性齢不明です。
クロツグミは年により幼鳥を見る機会が多いことがありますが、今年はどうでしょうか。
アカハラ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
トラツグミ
今週は声も姿も確かな観察情報はなかったです。
コルリ
今週も確かな観察情報はなかったですが、この先1週間に確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また来年)。
オオルリ
園内で幼鳥の観察情報がありましたが、成鳥の観察情報はなかったです。
オオルリは例年通りであれば9月上旬から中旬まで見られることがありますが、今年はどうでしょうか。
キビタキ
「巨木の谷」「学びの森」などでときどき幼鳥が見られています。
成鳥雄の観察情報もありましたが、鳴き声は出していなくても不意に出会うことがあります。
コサメビタキ
この1週間は、「学びの森」から「新桜並木」の辺りで15分待っていれば見られるくらいの頻度で出ていました。
木の低い位置、地面すれすれに飛ぶこともありますが、ふわふわした飛び方をするので、カラ類と何か違うなと感じて気づくこともあります。
幼鳥はまだ「ごま塩」模様です。
ウグイス
囀りは聞かれなくなりましたが、「ジッ ジッ」と地鳴きがときどき聞かれています。
ヤブサメ
笹薮から「シュッ」という地鳴きが聞かれることがあり、その声を頼りに笹薮の中を見ていると姿が見られることもあります。
センダイムシクイ
8月24日の野鳥観察会では「遊具広場」で見られましたが、そろそろ南に渡って見られなくなる頃です。
ホオジロ
この1週間も園内での確かな観察情報はなかったですが、この先もまだ見られることがあるかと思われます。
アオジ
8月23日に「四季の散歩道」から「展望台松林」の辺りで10分以上見られ、24日観察会では「新桜並木」周辺で観察されており、このところ観察情報が増えてきています。
写真は8月23日に撮影した幼鳥です。
メジロ
「チュルチュルチリ」という囀りが秋が近づくにつれ聞かれる機会が増えてきています。
高い位置にいることが多いですが、低い位置にも降りて来ることがあるので、囀りもしくは「ツー」「キュピキュピ」という地鳴きが聞こえたら探すと見られることがあります。
キセキレイ
園内でときどき見られており、「第2駐車場」から森の家の間での情報がいくつかありました。
近隣住宅街での観察情報もありました。
モズ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハリオアマツバメ
今週は確かな観察情報はなかったですが、そろそろ南に渡っていなくなる頃です。
ヤマシギ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
ツツドリ
8月後半になると林の低い位置で不意に見られることがあり、密かに注目していますが、今年はいまのところ確かな観察情報はありません。
キジバト
「デデーポーポー」という鳴き声は今週も毎日園内でも聞かれていますが、やはり低い位置にはなかなか降りて来ません。
アオバト
8月23日に藻岩山方面のやや遠くから「オーアーオー」という鳴き声が聞かれましたが、近くで見られたとの観察情報はなかったです。
チゴハヤブサ
今週も園内での確かな観察情報はなく、どうやら今年は近くで繁殖しなかったようです。
来年以降どうなるのか、早くも気になってきました。
秋から春に見られる野鳥
シメ
(前述)
留鳥情報
クマゲラ
8月19日に久しぶりに園内で雄亜成鳥が見られましたが、「記念樹の森」散策路すぐ脇の地面にいて横を歩いても逃げずに10分以上その辺りで採餌していました。
今週はそれ以外は藻岩山や旭山都市環境林のやや遠くから鳴き声が何度か聞こえてくらいでしたが、この先も見られるかどうかはその時次第でしょう。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
今週も園内や旭山都市環境林で見られています。
写真は「山紅葉坂」に現れた今年生まれの雄と思われる個体です。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
観察機会は多く、幼鳥もまだ見られていますが、そろそろ頭部が成鳥と同じ模様になる頃です。
「キョッ」と鳴いたり鳴かなかったりで、近くにいても気づかないことがあると思われますが、森の中では木をつついたり何かが笹の上に落ちる小さな音に注意してみてください(アカゲラだけに限らずですが)。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多く、幼鳥も成鳥も近くで見られる機会があります。
ヤマゲラ
(前述)
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハイタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
オオセグロカモメ
今週は園内および近隣上空での観察情報があり、この先も注目してゆきます。
カワラヒワ
「噴水広場」周辺でたまに見られるくらいになっていて、今年は少ないです。
数日前に訪れた石狩市はまなすの丘公園にはたくさんいました。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、「テュッテュッテュッ」という地鳴きを聞くこともあります。
シジュウカラ
園内一円でよく見られています。
写真は頭部の羽が不揃いの幼鳥と思われる個体で、「胸のネクタイ」も頬の下の黒い線もつながってきていますが、写真では見えないですが背中はまだオリーブ色ではなかったです。
今週はシジュウカラ、ハシブトガラ、ヤマガラが地面や笹薮の中で見られたという観察情報が多かったです。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
ヤマガラ
園内一円でよく見られています。
ヒガラ
8月24日の野鳥観察会では「作業員詰所」横のトドマツで目線より低い位置の比較的近くでじっくりと観察できました。
その他園内各所の針葉樹で観察機会は少なくないです。
囀りもまだたまに聞かれています。
ハクセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
園内一円でよく見られており、幼鳥も出ています。
幼鳥は頼りなげな声で鳴いていて一瞬何の鳥の声か分からないことがありますが、たいてい近くに成鳥もいるので、成鳥の鳴き声と聞き比べて分かることもあります。
ハシボソガラス
「展望台芝生斜面」や「テラス状階段」そして第1駐車場でよく見られています。
ハシブトガラス
園内で多く見られていますが、7月下旬辺りは数が多かったものの、このところ数が少なくなってきました。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
エゾリス
今週も盛んにオニグルミの実を食べたり、食べようとしたり、土の中に埋めようとしたりしていました。
夕方まで活発に活動しており、「学びの森」「遊具広場の森」「吊り橋」周辺などで見られる機会は多いです。
ニホンカナヘビ
まだ見る機会は多く、写真のような今年生まれの小さい幼体も見る機会が増えてきました。
ミヤマクワガタ雌
この時期雌はよく見かけますが、これも毎年のことで、なぜかコンクリートの上で見つけることがよくあります。
雄は生きている姿はなかなか見られません。
ハサミツノカメムシ
お尻に後ろ向きの大きな赤い角のようなものが出ているカメムシの仲間で(ツノカメムシ科)、旭山記念公園ではときどき見られます。
エンマコオロギ
草むらで「ピッピピピピピリ」と鳴くエンマコオロギ、住宅の周りなど鳴き声をよく聞く割には姿を見る機会が意外と少ないですが、今週はその姿をカメラに捉えることができました。
開けた場所を歩いていましたが、見つけるとすぐに草の陰に歩いて逃げ始め、この場所でようやく止まりました。
ミズナラのどんぐりなりかけで落ちた
昨年豊作だったミズナラのどんぐり、今年は不作、凶作になるだろうと予想していましたが、予想通りになるのか、なりかけで落ちたどんぐり(果実)を見つけました。
今年は他の木の実もオニグルミ以外はあまりなっておらず、秋から冬の生き物たちの食糧が心配です。
ウシタキソウ
アカバナ科のウシタキソウ数株が「巨木の谷柳のテント」付近で花を咲かせています。
ウシタキソウは珍しい植物ではないですが、旭山記念公園ではあまり見られず、直近で最後に見たのも数年前に同じ場所で咲いていたものでした。
笹薮の縁に出ていますが、あまり目立たないので、踏まないようにお願いします。
次回は、2025年9月2日火曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。