旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年8月18日月曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてください。
■9月開催の野鳥観察会、自然観察会およびバードウォッチャーのための樹木観察会については、後日あらためてご案内させていただきます。
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、基亜種とは別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のトピックス
オオルリ
8月12日火曜日午前、オオルリ幼鳥が雄雌同時に2羽観察されました。
「ミュンヘンの森裏の道」辺りでまず雄幼鳥を確認(次の写真1枚目)、それが見えなくなったところで雌幼鳥が(同2枚目)ほぼ同じ場所に現れました。
そのとき成鳥の姿は確認できませんでしたが、それ以外でも成鳥の観察情報はなかったです。
オオルリ幼鳥は9月中旬くらいまではときどき見られるものと思われます。
クロツグミ
8月16日、「遊具広場の森」で今年初めてクロツグミ幼鳥が観察されました。
「キュロキュロキュロ」と地鳴き声が聞こえ、しばらく様子を見ていたところ、見える位置にとまったのが写真の個体です。
そのとき少なくとも2羽の地鳴き声が聞こえましたが、目視できたのはこの写真の1羽のみでした。
囀りや雄成鳥の観察情報はなかったです。
クロツグミ幼鳥は年によりしばしば観察されることがありますが、今後どうなるか要注目です。
ヤマゲラ
この1週間はほぼ毎日観察情報がありましたが、8月17日、「ミュンヘンの森」で雌2羽が同時に観察されました。
それまで観察されていた雌がすべて同一個体かどうかは判断できないですが、別個体で2羽いるのだとすれば、見られる頻度が高くなるのはじゅうぶん考えられることです。
17日の2羽のうちどちらかが幼鳥の可能性もありますが、どちらの個体も観察時間が短く不十分で写真も撮れなかったので、なんともいえません。
ただ、これまでここで使ってきた写真の個体は成鳥であるように思われます。
この時も鳴き声は出さず、木をつつく音が聞こえて探すといたのですが、見つけてからも声は一度も聞きませんでした。
ただ、先週も書きましたが、ヤマゲラは大きく、林内の低い場所を飛ぶことが多いので、飛ぶ姿が視界に引っ掛かりやすく、何の鳥だろうと思って探してゆけば見つかり、割と近くで見られることもあります。
8月16日土曜日は「遊具広場の森」で午前中に見られ、その他「ポートランドの森」でも観察情報がありましたが、園内を歩いていればどこかで見られることもあるかと思われます。
雄はこの1週間も観察情報がありませんでした。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
8月16日午前8時過ぎ「記念樹の森」で数羽の声が聞かれたほか、今週は観察情報がいくつかありましたが、この先また観察機会が増えるのかどうか要注目です。
夏鳥情報
イカル
今週も確かな観察情報はなかったですが、今後もしばしば観察されるものと思われます。
クロツグミ
(前述)
アカハラ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
トラツグミ
今週は声も姿も確かな観察情報はなかったです。
コルリ
今週も確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
オオルリ
(前述)
キビタキ
8月16日に「展望台」から「遊具広場の森」にかけての辺りでの観察情報がいくつかあったほか、8月15日には「藻岩山登山口」付近でぐぜりのような囀りのような声が数分間だけ聞こえてきました。
「巨木の谷」での幼鳥の砂浴びはまだ見られています。
写真は「四季の散歩道」で撮影した雄の個体、この時はあまり大きくない声で「ヒッヒッヒッ キュピキュピ」と地鳴きしていたところで探して見つかったものですが、キビタキは9月いっぱいくらいまでときどき見られるものと思われます。
コサメビタキ
「巨木の谷」で砂浴びに来ているほか、今週は森の家周辺、「記念樹の森」「遊具広場の森」「学びの森」など園内広範での観察情報があり、まだ見られる機会は少なくはない状態です。
幼鳥はまだ「ごま塩」模様です(写真は「遊具広場と噴水広場の間の道」で撮影した成鳥です)。
ウグイス
囀りは聞かれなくなりましたが、「ジッ ジッ」と地鳴きや、笹薮でたまたま見つけたといった情報がいくつかありました。
ヤブサメ
「シリシリシリ」という囀りは聞かれなくなりましたが、笹薮から「シュッ」という地鳴きを聞く機会は意外と多く、その声を頼りに笹薮の中を見ていると姿が見られることもあります。
センダイムシクイ
カラ類混群の中にときどき入っており、幼鳥がいることもあります。
「チヨチヨビー」という囀りもまだときどき聞かれていますが、もうそろそろ南に渡っていなくなる頃で、見るなら今のうちに。
ホオジロ
この1週間は園内での確かな観察情報はなかったですが、この先もまだ見られることがあるかと思われます。
アオジ
8月15日に「遊具広場の森」で、16日に「ポートランドの森」で確認しましたが、いつもいるわけではないようです。
メジロ
「チュルチュルチリ」という囀りが聞かれる機会が増えてきていますが、メジロは毎年秋に囀りが聞かれていて、これは例年通りの動きといえます。
低い位置に降りて来る機会は少ないといつも書いていますが、低い位置で見たとの情報は毎週あり、囀りもしくは「ツー」「キュピキュピ」という地鳴きが聞こえたら探すと見られることがあります。
キセキレイ
園内でときどき見られており、近隣住宅街での観察情報もありました。
モズ
この1週間は園内での確かな観察情報はありませんでしたが、この時期の道内ではいる場所には普通にいるので、旭山記念公園ではどうなるか、引き続き様子をみてゆきます。
ハリオアマツバメ
今週は確かな観察情報はなかったですが、そろそろ南に渡っていなくなる頃です。
ヤマシギ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
ツツドリ
今週は確かな観察情報はなく、「ボボッ」という鳴き声も聞かれなかったですが、ツツドリは8月後半になると林の低い位置で不意に見られることがあり、密かに注目しています。
キジバト
「デデーポーポー」という鳴き声は今週も毎日園内でも聞かれていますが、やはり低い位置にはなかなか降りて来ません。
アオバト
8月17日に藻岩山方面のやや遠くから「オーアーオー」という鳴き声が聞かれましたが、近くで見られたとの観察情報はなかったです。
チゴハヤブサ
今週も園内での確かな観察情報はなく、近隣にお住いの方からも鳴き声を聞いたり姿を見たりといった情報はなく、今年は近くで繁殖しなかったのかもしれません。
留鳥情報
クマゲラ
今週は園内で近くで見られたとの観察情報はなく、藻岩山や旭山都市環境林から遠目に声が聞こえて来るくらいでした。
この先も見られるかどうかはその時次第でしょう。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
今週も園内や旭山都市環境林で見られています。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
観察機会は多く、幼鳥もまだ見られていますが、頭部は成鳥と同じ模様にはまだなっていないです。
「キョッ」と鳴いたり鳴かなかったりで、近くにいても気づかないことがあると思われますが、森の中では木をつついたり何かが笹の上に落ちる小さな音に注意してみてください(アカゲラだけに限らずですが)。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多く、幼鳥も成鳥も近くで見られる機会があります。
ヤマゲラ
(前述)
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハイタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
オオセグロカモメ
今週は園内および近隣上空での観察情報はなかったですが、この先も注目してゆきます。
カワラヒワ
「噴水広場」周辺で見られていますが少ないです。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られて、「テュッテュッテュッ」という地鳴きを聞くこともあります。
シジュウカラ
園内一円でよく見られています。
幼鳥の「胸のネクタイ」は今週もまだ下までつながっておらず、頬の下の黒い線も伸びてはきましたがまだつながっておらず、背中もまだオリーブ色ではありません。
写真は幼鳥ですが、2回目の幼鳥と思われる黄色みが強い個体はまだ確認していません。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
他のカラ類よりは植物特に樹木の果実(種子)によく寄って来ます。
ヤマガラ
園内一円でよく見られています。
ヒガラ
「作業員詰所」周辺のトドマツや園内各所の針葉樹で観察機会は少なくないです。
ハクセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
園内一円でよく見られており、幼鳥も出ています。
ハシボソガラス
「展望台芝生斜面」や「テラス状階段」そして第1駐車場でよく見られています。
ハシブトガラス
園内で多く見られています。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
エゾリス
今週も盛んにオニグルミの実を食べたり、食べようとしたり、土の中に埋めようとしたりしていました。
まだ外側が緑色のオニグルミの実をくわえて走る姿も見られることがあります。
ヒナバッタ
草むらで「シャシャシャシャ」と鳴くバッタ科の昆虫です。
声を聞く機会は多いですが、姿が見られる機会は少ないです。
ただ今年は例年より「シャシャシャシャ」という鳴き声を聞くことが少ないように感じています。
ミヤマクワガタ雌
毎年のことですが、雌は見られる機会はままありますが、雄はなかなか見られないです。
アキノノゲシ
高さ1mほどになるキク科の多年草、その名の通り秋に咲くアキノノゲシが開花してきました。
「噴水広場下斜面」に多く見られるほか、「展望台北西斜面」の「舗装道路」側にも出ます。
夕方になると花が閉じ、朝にまた開きます。
ネジバナ
先週もお伝えしましたが、「展望台北西斜面」の「テラス状階段」側に小群落があり、10日ほど前に開花、花の状態がまちまちで、ここ数日で開花したものもあります。
花は意外と長く楽しめ、まだこの先1週間は見られそうですす。
次回は、2025年8月24日日曜日もしくは25日月曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。