旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年7月15日火曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてください。
■7月27日(日曜日)の野鳥観察会は募集定員に達したため、受付終了とさせていただきました。
あしからずご了承ください。
なお、7月20日(日曜日)9時開始の自然観察会はまだ受付しております。
みなさまのご参加をお待ちしております。
自然観察会
7月20日(日曜日)
9時から11時頃まで
内容:公園内や旭山都市環境林を散策しながら植物や昆虫などを観察します。
野鳥が出たら野鳥観察も行います。
参加費:200円
集合:旭山記念公園森の家
定員:各回15名程度 先着順
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のトピックス
ヒガラ
ヒガラの幼鳥が見られました。
6月から見られていますが、近くでじっくりと見られる機会は思いのほか少なく、7月15日に「作業員詰所」横のトドマツに親子で来ていたところを観察できました。
幼鳥が2羽いて、親に餌をねだっており、親もときどきあげていましたが、幼鳥同士で場所の取り合いをしたり追いかけっこしたりもしていました。
ヒガラは「ツーチチッ」という甲高い声が針葉樹の中からよく聞こえてきますが、その声を頼りに探すと見られることがあり、特に「作業員詰所」のデッキになっている辺りはトドマツの上の方が見えるので観察しやすいです。
囀りもときどき聞かれていますが少なくなり、この写真の時も20分くらい観察している間に囀りは一度も聞かれませんでした。
写真3枚目は親鳥=成鳥です。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も散発的に見られてはいますが、見られる頻度は低いです。
7月12日土曜日、「栗の木坂」周辺でカラ類混群が見られ、「とりのようちえん」状態になっていましたが、その中にシマエナガが4~6羽ほどいたものと思われ、そのうち1羽成鳥の写真が撮れました。
このようにカラ類混群に混じっていることもあります。
夏鳥情報
イカル
今週もときどき園内で囀りや地鳴きが聞かれていましたが、やはり低い位置にはほとんど来ず、見られても遠いです。
クロツグミ
ときどき園内および「旭山都市環境林」から囀りが聞こえ、地鳴きも聞かれていますが、近くで見られたとの情報はなく、観察情報は少ないです。
アカハラ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
トラツグミ
7月12日土曜日の野鳥観察会の際に、「吊り橋斜面」から「ヒー」「ヒョー」と2声だけ囀りが聞こえてきましたが、姿は目視できませんでした。
晴れた昼間でしたが、こんなこともあるんだという参考事例として紹介します。
コルリ
今週も園内および「旭山都市環境林」での確かな観察情報はなかったですが、今年はほんとにいないかなぁ。
オオルリ
7月8日までは囀りが聞かれていましたが、それ以降また囀りが聞かれず、姿を近くで見たとの情報もなく、幼鳥の観察情報も今のところ入っていません。
キビタキ
森の家周辺と「巨木の谷」付近では囀りを聞く機会がまだ少なくないですが、それ以外の「遊具広場の森」などでは囀りがあまり聞かれなくなり、姿を見つけることも難しくなってきました。
幼鳥の観察情報もまだありません。
「ヒッ ヒッ ヒッ キュピキュピ」という地鳴きが聞こえたら近くにいる可能性が高く、探して目視できることもあります。
コサメビタキ
幼鳥の観察情報はありましたが、「学びの森」や「遊具広場」で頻繁に見られるという状況にはまだなっていません。
ウグイス
ウグイスも7月8日以降囀りがほとんど聞かれなくなり、地鳴きも今はまだほとんどしていないので、今の時期はまた見つけにくい野鳥になっています。
ヤブサメ
「シリシリシリ」という囀りを聞く機会は少なくなくなり、一方で「キュッ」という地鳴きを聞く機会は比較的多く、声の動きを追って粘っていると姿が見られることもあります。
センダイムシクイ
シマエナガのところで書いた7月12日のカラ類混群の中にセンダイムシクイ幼鳥もいました(写真撮れず)。
「チヨチヨビー」という囀りは聞かれておらず、カラ類混群の中にいるとカラ類の地鳴きと同じような「フィーッ」というやや強い声で鳴きますが、姿は見つけにくいです。
ホオジロ
ホオジロも7月8日から囀りを聞く機会ががくっと減りましたが、今日も「展望台北西斜面」付近で囀りが聞かれており、姿もときどき見られています。
アオジ
今週も園内での確かな観察情報はなく、囀りも聞かれなかったですが、昨年一昨年と幼鳥が巣立ってから散発的に見られるようになったので、この先注意深く様子をみてゆきます。
メジロ
「チュルチュルチリ」という囀りと「チューイ」「キュルキュル」という地鳴きはよく聞かれており、観察機会も多いですが、近くでじっくりと見られる機会は意外と少ないです。
キセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はなかったですが、近隣住宅街ではしばしば見られています。
モズ
今週は確かな観察情報はなかったですが、モズは例年、7月以降夏から秋にかけてはほとんど見られず、10月以降にまた見られるようになります。
ハリオアマツバメ
今週は確かな観察情報はなかったですが、例年8月くらいまではときどき上空に飛んで来て見られます。
ヤマシギ
今週も園内での確かな観察情報はなかったです。
ツツドリ
今週も遠くからの鳴き声もほとんど聞かれることはなく、姿を見たという観察情報もなかったです。
キジバト
飛ぶ姿が見られる機会は比較的多く、園内でも近くで見られており、「デデーポーポー」という鳴き声も聞かれています。
アオバト
今週も鳴き声がときどき聞かれるだけでした。
チゴハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
留鳥情報
クマゲラ
今週も雄、雌ともに園内で見られたとの情報がありました。
写真は雌の幼鳥で、羽づくろいをしていましたが、この少し前に近くにいた親から餌をもらっていたとのことです。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
今週も園内でちょくちょく見られています。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
観察機会は多く、「キョッ」という鳴き声が聞かれることもよくあります。
今週も幼鳥の写真が撮れました。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多く、近くで見られる機会もあります。
ヤマゲラ
今週は声姿ともに確かな観察情報はなかったです。
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハイタカ
今週も園内での確かな観察情報がありました。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
カワラヒワ
「噴水広場」周辺で見られており、「西側エリア」でもたまに飛んでいます。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内で見られる機会は少なくなく、近くで見られる機会もあります。
シジュウカラ
園内一円でよく見られています。
幼鳥の「胸のネクタイ」は今週もまだ下までつながっておらず、頬の下の黒い線もまだつながっておらず、背中もまだオリーブ色ではありません。
ハシブトガラ
園内で見られる機会は少なくないです。
ヤマガラ
園内で観察機会は多いです。
幼鳥はだいぶ橙色が出てきており、写真は幼鳥で、ピンボケですが体の色は分かるかと思います。
ヒガラ
(前述)。
ハクセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
観察機会は多いです(今回の写真は露出アンダー過ぎました・・・)
ハシボソガラス
「展望台芝生斜面」や「テラス状階段」そして第1駐車場でよく見られています。
ハシブトガラス
園内で多く見られています。
食べ物を取られないように気をつけてください。

旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
アカゲラ通信2025年7月号
今月の特集は、「旭山で短期間/ときどき見られる野鳥:夏鳥編」と題して、レギュラーメンバーではないけど珍しいというほどでもなくときどき/たまに見られる夏鳥をまとめてみました。
裏面の「旭山野鳥メモ70」は、この時期旭岳に観察・撮影に行かれる方が多いギンザンマシコで、旭山でも冬にたまに見られる野鳥です。
森の家に配架しておりますので(無料です)、お手に取ってお読みください。
エゾシカ
今週もときどき園内で見られており、7月12日土曜日の野鳥観察会の際には「オオムラサキロード」と「遊具広場の森の散策路」で、いずれも雌にばったり出くわしました。
ノシメトンボ
毎年7月中旬に初めて見られるノシメトンボ、2025年今年の初認日は7月11日でした。
8月にアキアカネが増えるまでは、旭山でいちばん見られる機会が多いトンボです。
4枚の翅の先が黒っぽい紋になっているのが最大の特徴です(同じ特徴を持つコノシメトンボは旭山では稀です)。

シオカラトンボ雌
シオカラトンボも時々見られますが、写真は雌で、雄は体が一部白っぽいのが特徴です。
スジクワガタ雌
クワガタの季節が今年もやって来ました。
ビロードモウズイカ
空き地、駐車場の脇や道路沿いでよく見られるゴマノハグサ科の外来種、ビロードモウズイカが園内でも「巨木の谷柳のテント」付近で見られています。
高いと2mほどにもなる大型の草本で、その名の通り葉がビロードのような手触りです。
写真は上から花のアップ、花穂、葉を含めた植物体です。
街中でもよく見られ、近場ではDCMの入口やラルズの駐車場などにも出ていて、目にしたことがある方は結構多いのではないかと。


次回は、2025年7月20日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。