旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年2月24日月曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、野鳥撮影をしない人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてくだい。
●野鳥の巣を探さないでください!
野鳥は、春の繁殖シーズンには非常にデリケートになります。
巣を作っているようすを見られたり、巣をのぞかれたりすると、巣を放棄したり、巣を他の鳥などに壊されて、繁殖しなくなってしまう可能性が高くなります。
人間も自分の家をのぞかれると嫌ですよね・・・
野鳥のために、次のことをお願いします!
①巣を探さない
②巣に気づいたら目をそらしてすぐに、しかし動きはゆっくりとその場を離れる
③巣を見ない/巣がある場所が分かったら近づかない
④巣の場所を人に話したり、ネットに情報を上げたりしない
●3月の定例野鳥観察会は、3月8日(土)、23日(日)ともに募集定員に達しましたため、受付終了とさせていただきました。
あしからずご了承ください。
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のトピックス
アトリ
今週もアトリの観察情報がありました。
昨日2月23日の定例野鳥観察会の際には「作業員詰所」付近で1羽目視、本日2月24日は「山紅葉坂」で4、5羽を確認しました。
その他にもちらほらと観察情報がありますが、たまたま出会ってすぐに飛んで行ってしまうことが多いようで、じっくりと観察できたという情報は少ないです。
アトリは喉から胸が橙色でお腹が白く、尾羽の先がアトリ科共通の特徴であるM字型に切れ込んでいるので見分けはそれほど難しくありません。
「キュッ キュッ」という気の抜けたような柔らかい鳴き声も特徴的です。
強いていえば、胸から腹が橙色のヤマガラと一瞬見間違うことがあるかも、くらいではないかと思われます。
アトリはこのまま春まで滞在するのか要注目です。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も園内でほぼ毎日観察されています。
今週も「遊具広場の森」で午前の観察情報があり、本日も「第1駐車場」のデッキから見ることができました。
写真はその時のものですが、「第1駐車場」のデッキ部はだいぶ雪がつもってかさが高くなっているので、柵に近寄り過ぎて転落しないようくれぐれもお気をつけください。
午後に「西側エリア」での観察情報も多く、昨日2月23日は15時頃「記念樹の森」に数羽が現れ、森の家南側を通って西に流れた、その後30分に渡って3回ほど西へ流れていく数羽が観察され、合わせると10羽以上はいたようでした。
この先どういう動きをするのか要注目です。
夏鳥情報
イカル
2月17日月曜日に園内で確認、それ以降は確かな観察情報はないですが、まだ様子を見てゆきます。
旅鳥情報
マミチャジナイ
今週も確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
シロハラ
今日もまだ園内で確認できましたが、「ポートランドの森」のナナカマドの木もついに実が食べ尽くされてなくなり、この後どういう動きをするのか。
観察されている場所はその辺り、「記念樹の森」「巨木の谷」「作業員詰所付近」など散り散りです。
カシラダカ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
冬の鳥情報
ツグミ
数は先週から見るとそれほど減っという感じはしておらず、まだ見られる機会は多く、「キキーッ」という鳴き声を聞く機会も少なくはありません。
ただ、園内のナナカマドの実はもうほとんど残っておらず、アズキナシも少ないです。
この先まだ減るのか、このままか、ツグミの動きにも要注目です。
ハチジョウツグミ
今週は確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
ウソ
本日朝8時半頃「学びの森」付近で数羽が鳴いており、さらに昨日2月23日8時過ぎに「風の丘」付近から鳴き声が聞こえてきましたが、飛ぶ姿が一瞬見られただけで、近くでは見られませんでした。
「森の家西の沢」でも今週は何度か声が聞かれていましたが、それまでよりはウソが近づいてきた感があり、今後要注目です。
写真が撮れるほど近くで見られるといいのですが。
シメ
しばしば見られており、「作業員詰所」から「新桜並木」にかけての辺り、「遊具広場」そして「山紅葉坂」から森の家の辺りでもしばしば見られています。
数は1羽か2羽というのは変わっていませんが、タイミングが合えば近くで見られる機会もありそうです。
マヒワ
10~30羽で園内を飛び回り、シラカンバかカラマツの種子を食べており、「チュピー」「ジイー」という声もよく聞かれ、観察機会は多いです。
6、70羽という大きな群れで飛ぶ姿が見られることもあります。
相変わらず低い位置にはほとんど降りて来ず、写真はほとんど見上げになります。

アトリ
(前述)
キクイタダキ
今週も観察情報は少なく情報がない日もありましたが、あとひと月ほどの間は「見られる日もある」くらいの状態の可能性があります。
キバシリ(亜種キタキバシリ)
今週も「西側エリア」で観察情報がありましたが先週よりは情報が少なかったです。
ミソサザイ
今週は「ピクニックテラス」周辺での観察情報があっただけで、散発的に見られるくらいではあります。
コガラ
今週はそうだと確認できる写真は撮れず、確かな観察情報もなかったですが、見落としているだけの可能性は低からずありそうです。
ヒレンジャク
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、一度来ただけでこの先もう来ないのか、また来るのか、要注目です。
キレンジャク
今冬は今のところ園内での確かな観察情報はありません。
留鳥情報
クマゲラ
今週も毎日ではないですが園内に飛んで来ており、雄と雌両方の観察情報がありました。
藻岩山方面から繁殖行動に関わると思われるドラミングもときおり聞こえてきます。
今週も塒に帰る前の14時過ぎに見られることが何度かあり、昨日も14時半頃に円山方向から「プルプルプル」と鳴きながら飛んで来て公園の真上を西に飛んで行くのが見られました。
今日は朝に「遊具広場の森」に木をつついた木のかすがたくさん落ちていましたが、クマゲラそのものを見ることはできませんでした。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
園内でときどき見られており、昨日は「記念樹の森」に雌がいました。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
園内一円で「キョッ」という声が聞かれることが多く、観察機会は多いです。
「噴水広場」周辺でよく見られる雌の個体は警戒心が比較的薄く、10mくらいに近寄って観察撮影できることもしばしばあります。
「キキョキョキョ」と激しく鳴いて雄同士もしくは雄が雌を追いかける光景はまだ見られていないですが、そろそろです。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多く、「ギー」という声が同じ辺りで複数聞こえることもよくあります。
ヤマゲラ
今週は園内で何度か「ピョッピョッピョッピョッ」という鳴き声を聞くことがありましたが、地殻での観察情報はなかったです。
タイミングによっては近くで撮れる機会もあるかと思います。
フクロウ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
カケス(亜種ミヤマカケス)
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
カワラヒワ
「作業員詰所」付近でよく見られており、「ギイーッ」という囀りも盛んに聞かれるようになってきました。
見られる数は1羽から3羽でくらいです。
森の家の近くにも来ることがあります。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、「テュッテュッ」という声はよく聞かれ、近くで見られる機会もあります。
「フィー」「フィッフィッフィッ」という囀りを聞く機会も増えてきました。
シジュウカラ
園内一円でよく見られています。
森の家裏のカラマツによく来ていて近くで撮れることもあります。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
「ピィピィピィ」という囀りもさらによく聞かれるようになっています。
ヤマガラ
園内一円でよく見られています。
「チーリーツー」という3拍子の囀りを聞く機会も増えてきました。
ヒガラ
今週も「ツピツーツピツー」という囀りがよく聞かれており、園内一円の針葉樹で観察機会が多いです。
ハクセキレイ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
今週もほぼいつでもどこかから複数の鳴き声が聞こえてくるような感じで、見る機会は多いです。
ハシボソガラス
園内で時々見られており、首を大きく上下に揺らしながら「ガアー ガアー」と鳴く姿も観察されています。
写真はヌルデの木にとまったところですが、実を食べに来たわけではなく、ただここにたまたまとまっただけのようでした(残念)。
ハシブトガラス
園内でよく見られています。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
◎ヒガシニホンアマガエル
アマガエルは日本人には最も身近で親しまれているカエルでしょう。
正式名称はニホンアマガエルですが、このほど、関西以西に住むものと、関西より東に住むものが別種であるとする研究結果が発表されました。
関西以西のものはそのままニホンアマガエル(学名 Dryophytes japonicus )、関西より東のものは新たにヒガシニホンアマガエルという標準和名となり、新たな学名も Dryophytes leoparus と付けられました。
外見上の違いがあり、ヒガシニホンアマガエルには後肢の腿の裏にヒョウ柄の模様があるのが特徴で、ニホンアマガエルにはそれがありません。
手持ちの写真でそれを調べてみたのですが、いかんせん後ろ足の腿の裏など通常の状態では撮ることもなく、それがはっきり確認できる写真はありませんでした。
後足の腿の横くらいなら見える写真はありましたが、なんとなくそうなのかな、くらいでしょうか・・・
なお、写真は2枚とも、旭山ではなく、道内別の場所で撮影したものです。
◎ありがとう! 「トリテン」 国立科学博物館 特別展「鳥」
東京上野にある国立科学博物館にて開催されていた「特別展 鳥」は、本日をもって終幕となりました。
とても魅力的な企画を開催して頂き、関係者のみなさま、ほんとうにありがとうございました。
リンクは今号までは残しておきます。
なお、この後、特別展「鳥」名古屋展が3月15日~6月15日 名古屋市科学館で開催されます。
東京で行けなかった方、また見たいという方、名古屋なら行けそうという方等々、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
次回は、2025年3月2日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。