旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年1月5日日曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●1月の定例野鳥観察会は、11日(土)、26日(日)ともに募集定員に達しましたため、受付終了とさせていただきました。
あしからずご了承ください。
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も園内でほぼ毎日観察されています。
昨日1月4日土曜日、8時半頃森の家の周り7、8羽の群れ(そこで2つに分裂か?)、9時半頃「遊具広場」でカラ類混群に混じって2羽、10時半頃「巨木の谷」で10羽±の群れが見られ、他に9時頃に森の家周辺でも観察情報もありました。
このところ「遊具広場」で朝に見られることが多いですが、数は2、3羽でカラ類混群とよく一緒にいます。
「巨木の谷」では赤い実がたくさんなっているアズキナシの木にとまることがあります。
10羽以上の群れで見られることはまだ少ないですが、園内で散らばっているので出会う確率は高いかもしれません。
また、午後にも観察されることがしばしばありますが、今の時期だと15時には光の条件が写真撮影にはあまり良くない状態になります。
なお、この写真は「遊具広場と噴水広場の間の道」で撮ったもので、朝でしたが、単に露出アンダーなだけです。
今週のトピックス
ワキアカツグミ
園内でワキアカツグミが見られました。
1月3日、ツグミの群れに混じって1羽、「記念樹の森」周辺で見られました。
ワキアカツグミは、ツグミにはある翼のオレンジ色の部分がなく、背中側から見ると上面が全体的に灰色っぽく見えます。
ワキアカツグミは過去に園内での観察例があり、120種に含まれています。
今後まだ見られるのか要注目です。
マミチャジナイ
先週の一報の後、園内でほぼ毎日見られています。
「記念樹の森」付近に朝にツグミ類がたくさん集まって来ており、そこで探すと見つかることがあります
たくさんいる中から探すと、一瞬シロハラかと迷いますが、白い眉線が明瞭なのと(シロハラで不明瞭ながら白い眉線がある個体がいる)、胸から翼の下の脇にかけてが濃い橙色であることからマミチャジナイだと分かります。
数は今のところ1羽だけのようですが、今後増えるかどうか、いつまで見られるのか要注目です。
シロハラ
今週も毎日観察情報があります。
「記念樹の森」にお気に入りのナナカマドの木が1本あり、そこにほぼ毎日採餌に来ており、ツグミが来ると追い払ったりもしています。
シロハラは数は少ないですが、その辺りに行けば探すのはそれほど大変ではありません。
ただし、朝早いうちは笹薮の中で「キュロキュロ」「ジッ」(ミソサザイを強くしたような声)と鳴いており、笹薮にいるときは見つけるのが難しいです。
当初は通過ですぐにいなくなるものと考えていましたが、全国の情報を見ると今年は南下が遅いようで、まだしばらく滞在するのか、要注目です。
アトリ
園内で時々見られていますが、1羽しかいないようで、1月3日のようにカワラヒワやマヒワの群れに混じっていたり、ツグミと一緒にいたりで、見つけるのはなかなか大変です。
アトリは見られる年は冬を通してときどき少ない数が見られますが、ここ数年は秋と春先の両方もしくはどちらかのみしか情報がなく、今冬どうなるのか要注目です。
アオバト
今週も1月2日まではほぼ毎日観察情報がありましたが、1月3日以降は確かな観察情報が入っていません。
ただ、前回も2週間ほど見られずもういなくなったかと思ったら現れたので、まだ様子をみます。
傾向として、朝早いうちには現れず、8時を過ぎてどこかから飛んで来て「記念樹の森」付近のナナカマドに陣取り、ときどき実をついばみ、長いと数時間その辺りにいた後飛んでいなくなります。
ヤマガラ
2024年12月31日、今冬初めてヤマガラの囀りが聞かれた=初鳴きを記録しました。
昨冬は2024年1月22日と例年よりひと月ほど遅かったのですが、今年はやや遅い程度です。
夏鳥情報
イカル
今週も確かな観察情報はなく、12月22日が今のところ最後の情報ですが、もう少し様子をみます。
モズ
今週は確かな観察情報はなかったですが、まだもう少し様子をみます。
旅鳥情報
ミヤマホオジロ
今週は確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
カシラダカ
今週も確かな観察情報はなかったですが、市内近郊で今週観察情報があったため、もう少し様子をみます。
マミチャジナイ
(前述)
シロハラ
(前述)
冬の鳥情報
ツグミ
今週も「噴水広場下斜面」、「遊具広場と噴水広場の間の道」周辺と「記念樹の森」周辺に集まっていて、近くで見られる機会が多くなっています。
ただし、午後になると数が少なくなり、「記念樹の森」では11時以降はほとんど見られなくなります。
ナナカマドの実をよく食べており、ツグミとナナカマドの写真は撮り放題といった感じです。
また20羽30羽で上空を飛ぶ姿もときどき見られます。
ツグミは例年1月中旬くらいまでは多く見られ、その後大半が南に渡って少数が残るだけになり、そろそろ数が減ることが予想されますが、今冬はどうなるでしょうか。
ハチジョウツグミ
12月30日月曜に観察情報がありましたが、それ以降確かな観察情報は入っていません。
いなくなったかどうかは分からないのですが、いる年は1月中旬まで見られるので、もう少し様子をみます。
ウソ
今週も園内で声を聞いたという情報はごく少なく、近くで見られたという情報は今週もなかったです。
声が聞かれる頻度も落ちたままでが、この先どうなるのか(このままのはずはないと思いつつ)、要注目です。
シメ
「噴水広場」周辺で観察機会が比較的多く、「記念樹の森」周辺でも見られており、近くで撮影したという話も聞きます。
数は1羽からせいぜい7羽くらいで少ないですが、この先もしばしば見られるものと思われます。
マヒワ
「カラマツ林」から森の家周辺で採餌している姿が日に何度か見られ、カワラヒワと混群状態になって行動していることもあります。
「遊具広場」でも見られることがありますが、そこではシラカンバの種子を食べています。
元日8時頃には40羽くらいの群れで行動しており、日中はいくつかの群れに分散して各所に採餌に来ているのかもしれません。
キクイタダキ
「作業員詰所」付近の低いトドマツや「トドマツ林」での観察機会はさらに減って来ており、今日は「吊り橋」近くのトドマツに2羽がいましたが、園内ところどころでときどき見られるくらいになっています。
声が小さくて気づきにくいので、常緑針葉樹の前を通る際には立ち止まって耳を澄まして鳴き声が聞こえないか注意し、聞こえたら場所の見当をつけて動きを追えば撮影可能な状態で見られることもあるかと思います。
キバシリ(亜種キタキバシリ)
「カラマツ林」の周りでときどき観察されており、今日もいましたが、他の場所ではまだあまり見られていません。
ミソサザイ
「噴水広場下斜面」「ちびっこ広場」「遊具広場の森」「吊り橋周辺」付近等でときどき見られており、森の家の周りでもときどき見られます。
ヒレンジャク
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、一度来ただけでこの先もう来ないのか、また来るのか、要注目です。
キレンジャク
今冬は今のところ園内での確かな観察情報はありません。
留鳥情報
クマゲラ
今週も毎日ではないですが園内に飛んで来ています。
昨日は9時前に藻岩山の方から「プルプル」という声が聞こえ、「遊具広場の森」で鳴き声がやみ、その辺りに降りたと思われますが、姿を探すことはできませんでした。
今日も朝9時頃「ヘアピンカーブ」付近に鳴きながら飛んで来ましたが、やはり姿が見えたという情報はなかったです。
クマゲラはいつもいいますが、今日来なかったからといって明日も来ないとは限らない、その逆もある、ということでこの先もまた毎日のように近くで見られることもあるかと思います。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
園内でときどき見られていますが、今週は「ミュンヘンの森」から「ポートランドの森」にかけての辺りに雌雄ともに何度か来ていました(写真は雌です)。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
園内一円で「キョッ」という声が聞かれることが多く、観察機会も多いです。
次の写真、上が雄、下が雌で、この2枚は違いますが、雌雄が近くにいて同時に見られたこともありました。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
観察機会は多く、カラ類混群と一緒に2、3羽でいることがよくあり、「ギー」という声が同じ辺りで複数聞こえることもよくあります。
ヤマゲラ
今週は確かな観察情報はなかったです。
見られる機会が多くなるのはもう少し先になりそうです。
フクロウ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでしたが、この冬は周辺にいついてはいないようです。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
カケス(亜種ミヤマカケス)
今週も確かな観察情報はなかったですが、この冬はもう来ないかもしれない・・・
カワラヒワ
群れで見られていますが、数は10羽以下に減っています。
カワラヒワは「噴水広場」周辺と「カラマツ林」そして「遊具広場」で見られる機会が多いですが、この先いつまで見られるか要注目です。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、「テュッテュッ」という声はよく聞かれ、近くで見られる機会もあります。
ゴジュウカラは初めて近くで見た人の多くがかわいいと言っていますが、警戒心が比較的薄く、近くでも観察できるのがいい点です。
囀りはまだたまに聞かれるくらいです。
シジュウカラ
園内一円でよく見られています。
写真は「噴水広場下斜面」のヌルデの実を食べているところですが、ここにシジュウカラがよく来ています。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
囀りが聞かれる機会も増えてきましたが、午後に囀りを聞くことが多いです。
ヤマガラ
園内一円でよく見られており、「遊具広場の森」に行くといつでもいると感じるくらいによく見ます。
ヒガラ
今週も囀りがよく聞かれており、園内一円の針葉樹で観察機会が多いです。
ときどき針葉樹ではない広葉樹のシラカンバの種子を食べてにも来ています。
ハクセキレイ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
今週もほぼいつでもどこかから複数の鳴き声が聞こえてくるような感じでした。
ハシボソガラス
今はほとんど見ないというほどにまで少なくなっています。
ハシブトガラス
園内でよく見られています。
写真は雪を食べているところです。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
◎旭山のヘビ
令和7年は巳年、ヘビの年です。
そこで新年最初の号である今回は、旭山で見られるヘビを特集します。
旭山で見られるヘビは以下の3種類です。
アオダイショウ
全長最大200cm、旭山で最も大きくなるヘビですが、よく見るのは150cm前後のものです。
毒はありません。
その名の通り全体的に青みがかっていて、旭山では時折散策路で見られ、レストハウスの周りにも出てきます。
人を襲うことはあまりないですが、用心はした方が良いでしょう。
森の家の外壁の隙間に入り込む様子を昨年観察しており、森の家の周りで暮らしているものもいるようです。
旭山では、このアオダイショウと次のシマヘビが同じくらいの頻度で見られています。
シマヘビ
全長最大200cmですが、アオダイショウより小ぶりな個体を見ることが多いような気がします。
毒はありません。
こちらもその名の通り、体に黒い縦の長い縞が入っており、虹彩=目の黒目ではない部分が赤いのが特徴です。
全身が黒い「黒化型」の個体は「カラスヘビ」と呼ばれていおり、別種ではなく変異個体ですが、園内でも何年かに一度見られます(下の写真)
アオダイショウよりは獰猛で、近寄るとガラタラヘビの音量を小さくしたような「シャーシャー」という音を出し、牙をむけてくることもあります。
森の家の薪置き場にいることもよくあり、やはり森の家の周りで暮らしているものもいるようです。
ジムグリ
全長最大100cm、小型のヘビです。
毒はありません。
写真の個体は一様に茶褐色ですが、黒いまだら模様が出る個体もいます。
光線の当たる角度によって鱗が虹色に光って見えることがあります。
性格はおとなしく、人に向かってくることはほぼありません。
地面に「潜る」ように穴を掘って隠れることがジムグリの名前の由来といわれています。
上の2種よりは見られる頻度は高くないですが、ときどき見られると嬉しくなります。
旭山記念公園では他に毒のあるマムシの不確かな観察情報があり、いるかもしれなと常に心がけておいた方がいいでしょう。
なお、ニホンカナヘビはヘビと名が付きますが、トカゲの仲間で四肢があり、今回は除外しました。
旭山でヘビに出会えるのはまだあと4か月以上先のことになりますが、観察したい人はまだもうしばらくの辛抱です。
◎「トリテン」 国立科学博物館 特別展「鳥」のご案内
東京上野にある国立科学博物館にて「特別展 鳥」通称「トリテン」開催中です。
2025年2月24日まで開催、東京に行かれる方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
詳しくは以下のリンクよりホームページをご覧ください。
本年もよろしくお願いします。
次回は年明け、2025年1月11日土曜日か12日日曜日、もしくは13日月曜祝日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。