旭山記念公園野鳥情報、2024(令和6)年8月11日日曜日、山の日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
●8月25日(日曜日)の「定例野鳥観察会」および18日(日曜日)の「自然観察会」は、いずれも募集定員に達しましたため、受付終了とさせていただきます。
あしからずご了承ください。
なお、旭山野鳥観察会では、野鳥の他に植物も見てゆきますので、野鳥に少しでもご興味がある方は、野鳥が主目的ではなくても、これから野鳥も見たいという方でも、お気軽にご参加ください。
今週のトピックス
ツツドリ
本日朝9時頃、「噴水広場と遊具広場の間の道」沿いの林内にツツドリがいました。
写真がそれで(あまり鮮明ではないですが)、木の枝にとまって芋虫を食していたところですが、暗くて最初何の鳥か分からず、写真を拡大して見てツツドリと分かりました。
食べている間観察することができ、食べ終わってすぐに飛んで逃げました。
ツツドリは9月上旬くらいまで、このように予期せぬかたちで林内や林縁で見られることがあります。
センダイムシクイ
センダイムシクイは南へ渡っていなくなる時期が早く、8月下旬には見られなくなり、そろそろその時期です。
6月下旬からあまり囀りをしなくなりますが、例年8月に入ると観察機会が増え、囀りもまた時々聞かれるようになります。
下の写真2枚目では、センダイムシクイの特徴である「頭央腺」=頭部中心に通る白っぽい線がよく分かります。
今週も観察情報がありましたが、いつまで見られて聞くことができるでしょうか。
オオセグロカモメ
この1週間も何度か園内上空を飛ぶ姿が観察されており、昨日の野鳥観察会でも出ました。
いつまで見られるのか、一時的かもしかしてそうではないのか、今後も注意して見てゆきます。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も毎日ではないですが、見られる日の方が多いくらいに出ています。
8月10日の野鳥観察会の際には、9時10分過ぎに「新桜並木」に数羽が現れ、15分ほどじっくりと観察できました。
その時は目視で顔が分かるほど低くて近い位置にも来ましたが、「学びの森」から「新桜並木」そして「友愛の小径」付近に出るとこうして長く観察できることがあります。
園内他の場所では森の家の周りにたまに来るくらいです。
今年も暑くなってきましたが、この先旭山記念公園でもまだ見られるか要注目です。
夏鳥情報
オオルリ
「遊具広場」で幼鳥の観察情報がありましたが、全体的に観察情報は少なく、時々出る程度になっています。
囀りを聞いたり雄成鳥を見たりといった情報はなかったです。
キビタキ
囀りはまったく聞かれなくなり、「ヒッヒッヒッ ピリピリ」という地鳴きも聞く頻度もさらに落ち、昨日の観察会でも確認できず、観察機会がめっきり少なくなっています。
ただし、例年9月いっぱいくらいまでは時々見られる状態が続きます。
その少ない中でも幼鳥の観察情報はありますが、鳴かなくなったので、よく見るとキビタキだった、写真を後から見るとキビタキ幼鳥だった、という話が多くなりました。
コサメビタキ
観察機会は少なくなってきており、見られるのは「学びの森」「遊具広場の森」および森の家の周りくらいです。
コサメビタキも鳴かないので不意に出会うことばかりですが、割と目につく飛び方をする上に、カラ類のようにちょこまかと動き回らないので気が付きやすいといえばそうです。
写真は上が幼鳥、下が成鳥です。
クロツグミ
8月4日17時過ぎ、なぜか「遊具広場の森」第1駐車場近くから囀りが聞こえてきて、2分ほどで聞こえなくなりました。
その他の確かな観察情報はないですが、クロツグミは例年10月上旬に南に渡り、その頃に見られる機会が多くなることがあります。
アカハラ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
トラツグミ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
蛇足ですが、前述のツツドリ、最初は何の鳥か分からなかったと書きましたが、大きさ、シルエット(細さ)からもしかしてトラツグミかも? と思いました。
ホオジロ
「展望台北西斜面」から「学びの森」にかけての辺りで時々見られ、木の上から囀りが聞こえてくることもありますが、観察機会はやはり少ないです。
アオジ
8月4日に「ポートランドの森」に1羽が来て盛んに「チッ チッ」と鳴いていましたが、時々見られることがある、といったところです。
ウグイス
囀りも聞かれなくなり、「ジッ ジッ」という地鳴きも聞かれず、確かな観察情報もなかったです。
ヤブサメ
囀りは聞かれなくなり、地鳴きもたまに聞かれる程度で、観察情報はごく少ないです。
センダイムシクイ
(前述)
メジロ
囀りはほとんど聞かれなくなりましたが、「キュキュキュロ」という地鳴きはよく聞かれています。
群れで行動しており、カラ類並みかそれ以上にこの時期見られる機会が多い野鳥です。
イカル
今週も確かな観察情報がなかったですが、この先まだ現れる可能性はあります。
キセキレイ
旭山記念公園の南側の住宅街を流れる界川(川の名前)の周りで引き続きよく見られており、家族と思われる5羽がいたとの情報もあります。
園内でもときどき見られていますが、園内ではだいたい1羽です。
モズ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハリオアマツバメ
今週は確かな観察情報はなかったです。
ヤマシギ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
ツツドリ
(前述)
キジバト
今週も鳴き声はよく聞かれ、姿もしばしば見られています。
キジバトはこの時期、例えば「桂沢湖」の道路など、山間部を走る道路沿いでよく見られ、車が近づくと道路から飛んで逃げることもよくあります。
また森林に続く農耕地や里山的環境でもきわめて多く見られます。
アオバト
今週は鳴き声を聞いたり姿を見たりといった情報はなかったです。
アオバトは旭山では例年9月下旬には見られなくなりますが、それまでの間もたまに見られる程度です。
なお、海岸の岩場に集団で海水を飲みに来るのは道内各地で観察されており、海岸なら今の時期よく見られるようです。
チゴハヤブサ
今週も園内や近隣での観察情報はありませんでしたが、近くの住宅街での観察情報があり、それほど遠くない場所で繁殖したのかもしれません。
オシドリ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
留鳥情報
クマゲラ
8月6日に「遊具広場」で近くで見られたとの情報があり、時々来ているようですが、今週はそれ以外の日には観察情報はなく、やはりいつ現れるか、はたまた来ないのか、まるで読めません。
オオアカゲラ
園内でときどき見られています
アカゲラ
園内で見られていますが、鳴き声を発することが少なく、いても気づかないこともままあるかと思われます。
コゲラ
観察機会は多く、近くで見られる機会も多くなってきましたが、1羽だけいることは少なく、「ギー」という声が聞こえたら探せば周りに2、3羽見られることもあります
ヤマゲラ
今週も確かな観察情報はなかったですが、ヤマゲラは11月くらいまで例の「ピョッピョッピョッピョッ」という鳴き方をほとんどしなくなり、見つけるのが難しくなります。
ただ、年によっては森の家の周りなどによく出てくることもあり、注意してゆきたいと思います。
フクロウ
今週も鳴き声が聞こえてくることはなく、観察情報もありませんでした。
オオタカ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
ノスリ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
トビ
8月4日に園内で見られましたが、週1回ということではなく時々来ている可能性が高そうです。
ハヤブサ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
オオセグロカモメ
(前述)
カケス(亜種ミヤマカケス)
今週は園内や旭山都市環境林での観察情報はありませんでした。
カワラヒワ
「学びの森」周辺で見られることが多く、「遊具広場」や「西側エリア」でもときどき見られています。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内で見られる機会は少なくなく、カラ類混群でいることもあれば、コゲラと一緒のこともあり、もちろんゴジュウカラだけということもあります。
昨日の野鳥観察会では、「新桜並木」でシマエナガが出ている間ずっと近くの木に幼鳥と思われる1羽がいて、4mくらいに近寄っても逃げずに採餌を続けていて、ゴジュウカラもじっくりと観察することができました(写真はいずれもその時のものではありません)。
シジュウカラ
囀りは聞かれなくなりましたが、幼鳥も含め園内でよく見られています。
2回目の幼鳥もそろそろ見られる頃です。
ハシブトガラ
園内で観察機会は多く、近くで見られる機会も増えてきました
下の写真1枚目は、クズの花に寄って来て何かをついばんでいるところです。
ヤマガラ
園内一円でよく見られており、幼鳥もほとんど成鳥と同じ色になってきました。
ヒガラ
囀りあまり聞かれなくなりましたが、針葉樹にいるときに声を聞いたり姿を見たりで気づくことが多いです。
ハクセキレイ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
今週も園内各所で見られていますが、幼鳥は相変わらずまだ見られていません(そろそろのはずですが)。
ハシボソガラス
「噴水広場」から「テラス状階段」の辺りと第1駐車場だいたいいつも見られ、全部で数羽から10羽くらいいます。
ハシブトガラス
園内でよく見られています。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
ツノハシバミ
パリ五輪陸上女子やり投げで、旭川市出身の北口榛花(はるか)選手が見事金メダルに輝きました。
おめでとうございます!
その話題のどこが旭山記念公園につながるかというと・・・
北口選手の名前「はるか」に使われている漢字、「榛」は、「はしばみ」と読み、カバノキ科の落葉低木の名前です。
「ハシバミ」と聞いても? かもしれないですが、ハシバミの園芸品種から採取した種子が「ヘーゼルナッツ」として売られている、実は身近な樹木なのです。
北口選手はお父様が菓子職人で、「はる」と読める漢字としてヘーゼルナッツの「榛」を名前に使うことにしたそうです。
「ハシバミ」は、同じ仲間の「ツノハシバミ」が旭山記念公園にもあります。
下の写真が今日撮影したそれ、緑色でガラス質の毛が生えたさやの中にナッツが入っていますが、今はまだ熟成過程で、もう少しで食べられるようになります。
「野生のヘーゼルナッツ」、別の場所で食べたことがありますが、おいしかったです。
野鳥が食べるのは見たことがないですが、エゾリスが食べるのは見たことがあります。
林内の散策路沿いや林縁、旭山記念公園の場合道路際にぽつぽつと出ています。
ついでに、「榛花」とのことで、ツノハシバミの花の写真も。
これ、黄色っぽい部分が小指の先よりも小さく、花と言われても「はぁ?」という感じですが、これが咲くことで「野生のヘーゼルナッツ」がなります。
花が咲くのは4月中旬、かなり早くに咲きます。
北口選手同様、身近にある樹木ツノハシバミにも注目してみてはいかがですか。
今週の旭山その他自然情報
ミンミンゼミ(写真なし)
先週のツクツクボウシに続いて、昨日から園内でミンミンゼミの声が聞こえるようになってきました。
ミンミンゼミ、北海道では屈斜路湖の和琴半島の個体群が天然記念物に指定されていますが、それ以外では元々少なかったようです。
札幌では定山渓方面と手稲方面で割と普通にいる場所があるとのことですが、旭山記念公園では年に数回声を聞くだけです。
余市から積丹半島方面には多く、道南でも普通にいますが、美瑛でも声を聞いたことがあり、生息地が広がっている印象があります。
それが昨日今日と鳴いており、今日は同時に最低3匹が鳴いているのを確認、朝から午後まで森の家の周りでずっと何匹かが鳴いています。
ツクツクボウシ同様、もしかして旭山記念公園にも定着するかもしれず、要注目です。
ツクツクボウシ(写真なし)
8月4日と6日に園内で声を聞きましたが、数日間継続的に声が聞かれるのは今年が初めてです。
こちらも旭山に定着するかもしれません。
アブラゼミ
セミの写真はなかなか撮れないですね。
今日はミンミンゼミ、数日前にはツクツクボウシ、すぐ近くで鳴いているので撮れないか粘ってみましたが、撮れませんでした。
しかしアブラゼミは撮れました。
アブラゼミも今年は多く、昨年は夕方頃に数匹鳴き始める程度でしたが、今年は朝からずっとエゾゼミとともに鳴いています。
なお、旭山で通常見られるセミの仲間で(上記2種も含む)、翅が透明ではないのはこのアブラゼミだけです。
オニヤンマ
オニヤンマはひと月ほど前から出ていますが、高速で飛んでなかなかとまってくれず、今日ようやくクズにとまってくれたところを撮ることができました。
余談ですが、今年は虫よけにオニヤンマの模型(?)をリュックなどにつけて歩いている人をよく見かけます。
ヨツスジハナカミキリ
ハナカミキリの仲間で最もよく見るヨツスジハナ、こちらもようやく撮れました。
スズメバチに似た色合いですが、もちろん刺しません、かまれることはあるかもしれないですが。
森の家の周りで時々見られます。
コチャバネセセリ
セセリチョウ科の蝶ですが、蝶の仲間でも茶色や褐色系の単色の種類はよく「蛾」と呼ばれています。
花
キンミズヒキ
園内散策路沿いやや暗くやや湿ったところで穂の先に咲く黄色い花、バラ科。
花が終わると円錐形の実がなり、それがひっつきになって、衣服や犬の毛によくくっついています。
人呼んで「キング・オブ・ひっつき」。
ヌスビトハギ
こちらも穂の先に花が咲くマメ科の草本。
そしてこちらもひっつきになり、花が終わるとサングラス型の種子ができ、それが服などにひっつきます。
次回は、2024年8月17日土曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。