旭山記念公園野鳥情報、2024(令和6)年5月19日日曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
●5月の野鳥観察会は、以下のものがまだ定員に達しておらず、現在ご参加受付中です。
5月26日(日) 定例野鳥観察会 8時~10時
皆様のご参加をお待ちしております。
■旭山記念公園では、シマエナガの巣の情報についてのご質問にはお答えしておりません。
スタッフ等が巣を探すこともしていません。
巣を探さないよう、そしてもし偶然シマエナガの巣を見つけてしまった場合、すぐにその場を立ち去り、以降そこには近寄らないようお願いします。
他の野鳥も巣の情報は公開していません(人に影響をおよぼす可能性のあるハシブトガラスは除く)
夏鳥到来情報2024年5月19日
26. アオバト
2024年5月16日、アオバトが今年初めて園内で確認されました。
昨年の旭山での初認日は5月19日、昨年より3日早く確認されました。
この日は早朝に5羽で「四季の散歩道」のシラカンバに飛んで来て「オー アーオー」と鳴き、少しして飛び立ちました。
アオバトはときおりその声が聞こえてきますが、6月中旬以降にエゾヤマザクラの実が熟すとそれを食べに来て観察しやすくなります。
2024年夏鳥到来情報まとめ(カッコ内は2023年との比較)
1.ヤマシギ 3月30日(7日遅)
2.ホオジロ 3月31日(4日遅)
3.キジバト 3月31日(同日)
4.モズ 3月31日(同日)
5.ウグイス 4月7日(4日早)
6.アオジ 4月10日(4日早)
7.ルリビタキ 4月10日(3日早)
8.ベニマシコ 4月11日(19日遅)
9.ビンズイ 4月11日(16日早)
10.クロツグミ 4月11日(3日早)
11.クロジ 4月12日
12.キセキレイ 4月13日(1日早)
13.メジロ 4月13日(8日早)
14.ヤブサメ 4月14日(10日早)
15.ノビタキ 4月17日(3日早)
16.アカハラ 4月17日(2日早)
17.オオルリ 4月25日(4日早)
18.センダイムシクイ 4月26日(1日早)
19.キビタキ 4月27日(3日早)
20.コマドリ 5月1日(3日遅)
21.エゾムシクイ 5月2日(6日遅)
22.コルリ 5月2日(4日遅)
23.ツツドリ 5月4日(1日早)
24.イカル 5月5日(31日遅)
25.コサメビタキ 5月9日(7日遅)
26.アオバト 5月16日(3日早)
毎年必ず見られるものでまだ確認されていないのは、ハリオアマツバメとオオムシクイだけになりました。
チゴハヤブサはまだ確認していませんが、平年の初認日からもうだいぶ過ぎており、今年は近くで繁殖しないのかもしれません。
今週のトピックス
ムギマキ
2024年5月13日月曜日、ムギマキが園内で観察され、今年初認日となりました。
昨年、一昨年と確かな観察情報がなかったのですが、ムギマキは来る年には5月10日過ぎに来て1~3日滞在します。
翌5月14日には森の家の裏で雄が盛んに囀りしていて、朝から昼過ぎくらいまでちょくちょく見られていましたが、その翌日15日にはいなくなっていたようで、声や姿の確かな観察情報はありませんでした。
写真は5月14日に森の家裏のハルニレにとまって囀りしている雄です。
マミチャジナイ
先週は5月5日の初認の後観察情報がなかったと書きましたが、5月14日に園内で観察され、まだ通過していたようです。
もう少しようすをみます。
カケス(亜種ミヤマカケス)
5月14日火曜日、平日野鳥観察会が始まる前に6羽が藻岩山方面に向かって飛んで行くのが見えましたが、旭山記念公園で春に見られた日の遅い記録をさらに更新しました。
翌15日以降は確かな観察情報はなかったですが、もう少しようすをみます。
写真は5月14日に見たうちの1羽です。
キビタキ
旭山都市環境林「お寺跡地」辺りに、クマゲラの鳴きまねをするキビタキがいます。
「ピィーポピッ ヒリリーヒリリー」と普通の囀りをする間に、クマゲラの「キョーン」という声と「プルプル」という飛翔時の声が混じることがあり、聞いていて面白いです。
特に「キョーン」という声はそっくり、距離感が分からないと騙されるくらいのもので、今日の観察会でもみなさんで聞いて楽しんでいました。
旭山では各所でキビタキが囀りをしていますが、今のところクマゲラの鳴きまねをすることを確認しているのはここの1個体だけです。
いつまで聞けるか分からないですが、ちょっとした楽しみです。
旭山初記録の野鳥
チュウヒ
2024年5月15日、チュウヒが旭山で初めて観察されました。
これで旭山で確認された野鳥は120種となりました(上空通過で種が同定できたものを含む)。
写真がその時のもので、雌幼鳥と思われる個体です。
チュウヒは湿原や河川敷の草原などで生活する野鳥で、通常旭山では見られないですが、この時は移動の途中か何かで旭山の上空を飛び抜けたものと考えられます。
今後も旭山に現れるかどうかは、このような出方なら可能性はあるけれどきわめて稀、といったところでしょう。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週はときどき見られる程度でした。
前述の通り、シマエナガに限らず野鳥の巣についての情報は発信しておりません。
夏鳥情報
ホオジロ
展望台から「学びの森」、「噴水広場」にかけてのあたりでちょくちょく見られていますが、早朝に多く、時間が進んで人が増えるとあまり見られなくなる傾向にあります。
アオジ
囀りはあまり聞かれず、「チッ」という地鳴きも先週ほどには聞かれなくなってきました。
ウグイス
森の家の裏でいつも囀りしている個体は今週も姿を見られる機会が比較的多いです。
「ホーホケキョ」もしくは「ケキョケキョケキョケキョ」と近くで聞こえてきたら、粘っていると動く姿が見え、それを追ってゆくとしばらく観察できます。
ただし、囀りが聞かれる頻度は落ちてきていて、特に11時を過ぎるとあまり囀りしなくなってきました。
ヤブサメ
囀りを聞く機会はまだ少なくはないですが、頻度は落ちてきており、姿を見られる機会も少なくなってきました。
例年、このような動きです。
センダイムシクイ
森の家の周りから「藻岩山登山口」にかけてのあたりで囀りを聞くことが多いですが、広葉樹の葉の陰で姿を見つけるのは少々難し、また木の高い位置にいるのでずっと見上げて探していると首が疲れてきます。
エゾムシクイ
5月15日の野鳥観察会の際にはまだ「ヒーツーチー」という甲高い囀が聞かれましたが、17日以降は確かな観察情報は入っていません。
もう少しようすをみます。
オオルリ
先週末くらいからほとんど囀りしなくなっており、声を頼りに姿を探すことは難しくなってきました。
ただ、時々動くのが見えたり、見えやすいところに飛んで来たりして見られることはあります。
キビタキ
園内各所で囀りが聞かれ、囀りが聞かれない時間はほとんどないくらい、ピークです。
雄どうし「バチバチ」と羽の音を響かせながらのけんかもときおり見られます。
キビタキは「フィーピピ」と勢いよくひと声鳴いてから一瞬の間があって「ピッポピー」と次のフレーズが始まるのが囀りの特徴で、鳴き声が聞こえたらその辺りを見ていると動くので、そこでどこにいるか把握して動きを追うとその後少しの間じっくりと観察できます。
コサメビタキ
観察情報は少ないですが、コサメビタキはほとんど鳴き声を出さないので、動いているのがたまたま目に入ってそこから追って見られることがある、くらいの観察頻度です。
7月中旬に幼鳥が巣立つと観察機会が一気に増えます。
コルリ
今週は囀りがほとんど聞かれず、そうなるとコルリはほとんど地鳴きもしないので、いるのだかいないのだか分からなくなっています。
5月2日の早朝には盛んに囀りしていましたが、2週後の5月16日は早朝からほとんど囀らず、3時間で1か所1回しか聞かれませんでした。
コマドリ
今週も確かな観察情報はなかったですが、今年は情報が少なく、このまま過ぎそうです。
来週までに確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません。
クロツグミ
囀りを聞くことはほとんどなく、やはり5月2日には早朝から数か所で盛んに囀りしていましたが、5月16日には3時間の間に1回囀りが聞こえただけ、さらに今日は1回も聞いていません。
クロツグミは例年、渡来後ひと月ほどは盛んに囀りその後少し落ち着くのですが、その時期になったようです。
例年だと6月下旬頃からもう一度囀りを聞く機会が多くなるのですが、今年はどうでしょうか。
オオルリ、コルリ、クロツグミの囀り、今年はだいたい同じ動きをしています。
アカハラ
5月5日以降ちらほらと観察情報がありましたが、今日の野鳥観察会の際に少し遠いおそらく旭山都市環境林の方から囀りが聞こえてきました。
アカハラは旭山では4月の渡来後ひと月ほどしばしば見られ、その後ほとんど見られたり囀りが聞かれたりといったことがなくなるのですが、もう少しようすをみます。
トラツグミ
16日の早朝も鳴き声は聞かれず、しかしトラツグミも昼の目視観察情報がないので、いるのかいないのか分からない状態です。
メジロ
囀りは盛んで、カラ類以上に接する機会が多い野鳥です。
基本は木の上の方=樹冠にいますが、低い位置にもしばしば降りてきて、笹薮の中で採餌することもあります。
イカル
5月15日頃から1羽か2羽でときどき見られるようになり、それまでのように6羽や10羽の群れでは見られなくなりました。
「月日星」と聞こえる「ホヒリホヒー」という囀りと、アカゲラに似た「キョッキョッ」という地鳴きはしばしば聞かれていますが、高い位置もしくは上空にいることが多く、近くで見られる機会は多くはないです。
キセキレイ
第2駐車場付近でしばしば見られていますが、観察頻度は落ちてきました。
ビンズイ
今週は確かな観察情報がなく、この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋にでも)。
モズ
「ちびっこ広場」から「学びの森」そして「噴水広場」の辺りでときどき見られていますが、ほんとうにときどきといった感じの出方です。
ヤマシギ
今週も確かな観察情報は入っていませんが、日没後には「ディスプレイフライト」が見られる可能性があります。
ツツドリ
今日も「ボボッ」という鳴き声が藻岩山方面から聞こえてきました。
キジバト
森の家の周りでときどき鳴き声が聞かれ、飛んでいる姿も見られています。
冬の鳥情報
ツグミ
今週は確かな観察情報がなく、この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋にでも)。
ウソ
今週は確かな情報はなく、この先観察情報がなければ来週からここでは取り上げません(また秋に)。
シメ
今日の観察会では数羽が「巨木の谷」で見られましたが、もうそろそろ旭山では見られなくなる頃です。

マヒワ
5月19日今日現在まだ園内にで観察されていますが、来週にはもういなくなっている可能性が高そうです。
主にハルニレの種子を食べに来ていますが、見られる頻度は低くなっており、20羽前後の群れを時々見るくらいです。
アトリ
5月4日を最後に園内での確かな観察情報は入ってきていません。
この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)。
カケス(亜種ミヤマカケス)
(前述)
留鳥情報
クマゲラ
今週も園内でしばしば観察されていますが、やはりいつ現れるか、どこに来るかは分かりません。
オオアカゲラ
しばしば見られています。
アカゲラ
園内各所で観察機会は少なくないですが、鳴き声が聞こえないと探しにくくて見られないこともあります。
コゲラ
今日の野鳥観察会では確認できませんでしたが、コゲラは例年5月中旬から6月中旬頃までは、あんなにいたのにどうしちゃったのというくらいに観察頻度が落ち、1日見られないこともあります。
ヤマゲラ
「ピョッピョッピョッピョッ」という大きな声を聞く機会は少なくなってきており、そろそろ聞かれなくなる頃で、そうなると姿を見る機会も少なくなります。
フクロウ
今週も鳴き声が聞こえてくることはなく、観察情報もありませんでした。
オオタカ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
ノスリ
今週は確かな観察情報がありました。
トビ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
カワラヒワ
「ギュイーンチリチリ」という囀りを聞く機会も、「コロコロコロ」と飛びながら鳴く声を聞く機会も少なくなってきました。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
ここ数日は観察情報が少なく、今日の野鳥観察会でも確認できませんでした。
ゴジュウカラは例年、コゲラと同じく5月下旬から6月下旬頃まで観察頻度が落ち、1日見られないこともあって、そろそろその頃になります。
シジュウカラ
園内でよく見られており、早いもので、そろそろ1回目の幼鳥が出て来る頃になりました。
ハシブトガラ
園内でよく見られていますが、囀りはさらに聞かれる機会が少なくなりました。
ヤマガラ
園内一円でよく見られており、「チーリーツー」という三拍子の囀りもまだ聞かれていますが、そろそろ囀りを聞く機会も少なくなります。
ヒガラ
キビタキ、センダイムシクイの次に囀りを聞く機会が多いくらいですが、この時期は広葉樹に寄ってきて花や種子や虫を食べることが多く、低い位置で見られる機会もあります。
ハクセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いや第2駐車場付近で見られることがあります。
ヒヨドリ
今週も園内各所で見られています。
ハシボソガラス
「噴水広場」から「テラス状階段」の辺りでよく見られていますが、このところ「西側エリア」でもよく見られています。
ハシブトガラス
園内でよく見られています。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
エゾハルゼミ
2024年5月14日、エゾハルゼミ「初鳴き」、今年初めて鳴き声を聞きました。
毎年5月中旬に鳴き始め、7月に入った頃に鳴き声が聞かれなくなります。
このエゾハルゼミ、ピークの6月上旬に鳴き声がピークとなり、多い年だと隣にいる人とまともに会話ができないくらいの大音量で、野鳥の声が聞こえにくく(聞こえなく)なって観察に影響が出ます。
エゾハルゼミは16度を超えると鳴き始めると言われており、まだ気温が低くて鳴き始める前の早朝に観察をすると、エゾハルゼミはまだ鳴いていないか、影響がほとんどない程度の数と音量になります。
ズミ
「アーチ橋」のたもとにあるクズに撒けそうなくらい低いズミの木にも花が咲きました。
ズミは今のところ園内で確認しているのはこことあと1か所だけですが、なんとかクズに負けずに毎年花を見せてほしいです。
トチノキ
「学びの森」の植栽木ですが、トチノキの花も開花してきました。
ここでは低い位置で見られるので、迫力ある花をじっくりと観察してみてください。
草の花2題
クゲヌマラン
ラン科のクゲヌマランの開花を確認しました。
クゲヌマランは、毎年同じ場所には出ないけれど園内どこか複数個所に必ず出るという不思議な花です。
この写真は「遊具広場裏の坂」の「五差路」付近で撮影したものです。
マイヅルソウ
マイヅルソウは園内数か所に小群落があり、それぞれ開花し、そろそろ盛りになる頃です。
この写真の小群落は「双子沢坂」=つり橋右岸下流側の道沿いにあります。
その他生き物
オオモンシロチョウ
今年も出てきました。
外来種で、モンシロチョウより一回り大きく、翅の縁の黒い部分が羽根の角度に沿ってL字型に曲がっていることが、モンシロチョウと区別するポイントです。
次回は、2024年5月25日土曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。