旭山記念公園野鳥情報、2023(令和5)年6月16日金曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
7月の野鳥観察会は、8日(土曜日)、23日(日曜日)に行います。
参加受付は、6月24日(土曜日)10時より、電話もしくは窓口直接にて承ります。
みなさまのご参加をお待ちしております。
今週のトピックス
アオバト
ミュンヘンの森の丘のエゾヤマザクラの実を食べに日に何度か来ています。
1羽のこともあれば5羽くらいのこともあり、複数で来た場合は雌雄どちらもいますが、単独だとたいてい雄だけです。
しかし警戒心がとても強く、30mくらい離れた場所でこちらが動くとすぐに飛んで逃げてしまいます。
写真は雄、たまたまミュンヘンの森の丘にこちらがいて木の陰になっている時に飛んで来て運よく撮影できたものです。
以前ここで、かつてアオバトが頻繁に来ていたものの、一昨年くらいからハシブトガラスが大挙してやって来るようになりアオバトはあまり来なくなったと書きましたが、今年は、数や頻度はかつてほどではないですが、来てはいます。
毎年、エゾヤマザクラの実が少なくなると来なくなり、ここ数日から1週間くらいが観察・撮影のチャンスです。
キクイタダキ
本日、園内で久しぶりにキクイタダキが噴水広場近くのトドマツ林で観察されました。
キクイタダキは旭山では5月中旬には見られなくなり、10月に入ってまた見られるようになりますが、稀に夏の間にも見られることがあります。
かつて2019年6月25日に幼鳥連れ数羽の群れが1日だけ現れましたが、今日は2羽確認できたものの幼鳥がいたかどうかは不明です。
この先また見られる可能性もあり、今後要注目です。
キクイタダキは今週から「留鳥情報」の中で取り上げてゆくことにします。
メジロ
先週は囀り聞く機会が少なくなったと書きましたが、今日は一転して囀りをよく聞き、数羽の群れの観察情報もありました。
幼鳥が巣立ったのかもしれないですが、幼鳥は未確認です。
2023年夏鳥到来情報(カッコ内は2022年との比較)
1.ベニマシコ 3月23日(13日早)
2.ヤマシギ 3月23日(6日早)
3.ホオジロ 3月27日(8日早)
4.モズ 3月31日(同日)
5.キジバト 3月31日(13日遅)
6.イカル 4月4日(12日遅)※参考記録
7.ウグイス 4月11日(1日遅)
8.キセキレイ 4月14日(9日遅)
9.クロツグミ 4月14日(4日早)
10.ルリビタキ 4月14日(7日遅)
11.アオジ 4月15日(3日遅)
12.トラツグミ 4月18日(12日遅)
13.アカハラ 4月19日(同日)
14.ノビタキ 4月20日(7日遅)
15.メジロ 4月21日(3日遅)
16.ヤブサメ 4月24日(9日遅)
17.センダイムシクイ 4月26日(2日遅)
18.エゾムシクイ 4月26日(1日遅)
19.ビンズイ 4月27日(2日早)
20.コマドリ 4月28日(4日遅)
21.コルリ 4月28日(同日)
22.オオルリ 4月29日(4日遅)
23.キビタキ 4月30日(3日早)
24.コサメビタキ 5月2日(3日早)
25.チゴハヤブサ 5月2日(4日遅)
26.ツツドリ 5月5日(2日遅)
27.アオバト 5月19日(1日遅)
28.ハリオアマツバメ 5月26日(-)
29.オオムシクイ 6月3日(7日遅)
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
先週は観察情報がなかったですが、本日6月16日15時前、森の家西側「西の沢」を南から北に通り抜ける5、6羽の群れが観察されました。
見上げで顔などははっきりとは確認できず、幼鳥がいたかどうかは不明ですが、森の家の周りで観察されたのは久しぶりでした。
今後はどれくらいの頻度で見られるのか、見られないのか、年によっても違うのでまったく分かりません。
夏鳥情報
キビタキ
森の家の周りをはじめ園内数か所で囀りしているのは変わりません。
鳴き声の発信源辺りを根気よく探していれば姿が見られることもあります。
コサメビタキ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、幼鳥が巣立つまでは辛抱の時期です。
オオルリ
今週は旭山都市環境林での観察情報はありましたが、園内では遠まきに囀りが聞こえた程度で、近くで見られたとの情報はありませんでした。
コルリ
森の家の裏から旭山都市環境林にかけての辺りで週に何度か囀りを聞く程度になっています。
クロツグミ
たまに藻岩山方面や旭山都市環境林から囀りが聞こえてくるだけで、例年であればこの後少し囀りを聞く機会がまた増えますが、今年はどうでしょうか。
アカハラ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
トラツグミ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
イカル
今週は確かな観察情報はありませんでしたが、1日外で見ていれば1回は上空を飛ぶ姿が見られるものと思われます。
アオジ
ほんとうにどうしたのでしょう、今週も園内での観察情報はありませんでしたが、ほんとうに心配です。
ホオジロ
展望台周辺及び噴水広場周辺で時々見られており、今日は友愛の小径付近で最低3羽の鳴き声が聞こえ、雌雄の成鳥が見られましたが、幼鳥が巣立って辺りにいるのかもしれません。
ウグイス
囀りが聞かれる頻度が落ち、かつ聞かれる場所も噴水広場から遊具広場にかけての辺りに限られてきており、森の家の周りではほとんど存在を確認できなくなりました。
ヤブサメ
囀りを聞く機会が先週よりは増えたと感じられます。
そろそろ幼鳥が巣立つ頃と思われますが、そうなると笹薮の外に出て見られる機会が増え、幼鳥が見られることもあります。
センダイムシクイ
「チヨチヨビー」という囀りを聞く機会はまだ多いですが、先週よりは機会は減りました。
オオムシクイ
一昨日6月14日に園内で囀りを聞きましたが、今日は聞いていません。
もう抜けた可能性もありますが、もう少し様子をみます。
それにしても今年は個体数が少なかったです。
メジロ
(上述)
キセキレイ
本日つり橋付近で観察されましたが、キセキレイは例年幼鳥が巣立つと園内西側エリアで広く見られる傾向にあり、今年も幼鳥が巣立ったのかもしれません。
コムクドリ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでしたが、今年はこれまで何度か情報があっただけです。
モズ
ちびっこ広場で時々見られていますが、観察頻度はあまり高くはないです。
ヤマシギ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
アオバト
(上述)
キジバト
アオバトを撮影している時に近くの木に1羽が来て、「デデーホーホー」と鳴きつつ羽づくろいをしていました。
このように時々近くで見られることがあり、鳴き声を聞くことや飛ぶ姿を見ることは比較的多いです。
ツツドリ
今週は藻岩山方面の遠くから鳴き声が聞こえてきたくらいです。
チゴハヤブサ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでしたが、今年は近くで繁殖していないのかもしれません。
留鳥情報
クマゲラ
今週は藻岩山方面から声が聞こえてくるだけで、園内で近くで見られたとの観察情報はありませんでした。
オオアカゲラ
園内及び旭山都市環境林で時々見られています。
アカゲラ
森の家の周りをはじめ園内で見られていますが、鳴き声を出すことが少なくなり、気づきにくくなっています。
しかし気づくとじっくりと観察でき、近めで撮影できることもあります。
コゲラ
今週に入って観察機会が多くなってきており、今日は午前中1時間くらい森の家の周りで常に鳴き声が聞こえていました。
ヤマゲラ
本日、午前と午後の2回森の家の周りに現れ、撮影はできませんでしたが、低い位置で見ることができました。
ひょっこりと現れることも少なからずある、今日はまさにそんな感じで、これからも見られる機会はあると思われます。
キクイタダキ
(上述)
フクロウ
今週も園内での観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
ハイタカ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
ノスリ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
トビ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週も園内での観察情報はありませんでした。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
本日、ポートランドの森付近で数羽が「テュッテュッテュッ」と鳴いており、ゴジュウカラのその声を久しぶりに聞きました。
こちらも幼鳥が巣立ったのかもしれず、そうなるとまた出会う機会が増えてきます。
シジュウカラ
本日、森の家の周りに幼鳥がいましたが、園内での観察情報が増えてきています。
囀りはあまり聞かれなくなりました。
ハシブトガラ
写真、四季の散歩道で撮影したものですが、親が雛に餌を与えようとしていました。
ハシブトガラは単独では成鳥と幼鳥の区別がつきにくいのですが、この写真は奥の個体の嘴が黄色っぽく、幼鳥と思われます。
囀りはほぼ聞かれなくなりましたが、見られる機会は少なくありません。
ヤマガラ
幼鳥が確認され、観察情報もちらほらと出て来ています。
写真、ヤマガラの幼鳥は成鳥のような橙色の部分がないか薄いのですぐに分かります。
ヒガラ
こちらも囀りを聞くことが少なくなってきており、木の低い位置で見ることも少なくなってきました。
カワラヒワ
鳴き声を聞くことが急に少なくなり、今日と7日水曜日は観察会の間は確認できないくらいに少なくなりました。
ハクセキレイ
今週は噴水広場付近で何度か見られました。
スズメ
遊具広場やちびっこ広場など道路沿いで見られています。
ヒヨドリ
今週もよく見られており、桜の木によく来ています。
ハシボソガラス
翼に白い羽がある個体はまだ見られていますが、やはり飛ぶ姿を撮るのは難しいです。
今回の写真もそれとは別個体ですが、森の家から記念樹の森付近で今年はハシボソガラスを見ることが多いです。
ハシブトガラス
園内でよく見られていますが、レストハウス周辺や展望台では人が持っている食べ物を奪おうとする個体がいるので、くれぐれもご注意ください。
また、今年は園内散策路沿いで巣は確認してはいませんが、巣立ち幼鳥がいると親が攻撃的になるのでくれぐれもお気をつけください。
今週の野鳥以外の生き物情報
花
エゾアカバナ
エゾアカバナが咲き始めました。
散策路脇の時々日差しがある場所によく出ていて、カラマツ街道と遊具の森の散策路沿いでよく見ます。
よく似たアカバナは旭山ではごく少なく、もう少し後に花が咲きます。
昆虫
エゾシロチョウ
今週になって目にする機会が増えてきた蝶です。
旭山で多く見られる白い蝶は他にエゾスジグロシロチョウがありますが、エゾシロチョウはそれより少し大きいです。
モンシロチョウは旭山では少なく、オオモンシロチョウは出てくるのがもう少し後です。
写真はチシマアザミの花にとまっているエゾシロチョウです。
コミスジとミスジチョウ
タテハチョウ科のよく似た仲間、コミスジとミスジチョウも今の時期見られます。
コミスジはその名の通り黒地に白い筋が3本入ったように見え、翅は前後に短くて幅広に見えるのが特徴。
旭山では比較的多く見られる蝶です。
ミスジチョウはコミスジより一回り大きく(写真では分かりにくいのが申し訳ないですが)、旭山では毎年見るけれど短期間で場所が限定的で、レアとまではいかないけれど少ない蝶です。
大きさ以外では、3本の筋の一番上の端、矢印のように見える部分の形が違います。
この仲間で旭山では他に、オオミスジとフタスジチョウが見られますが、どちらも旭山ではだいぶレアです。
脊椎動物
ニホンカナヘビ
旭山の「隠れアイドル」、見られる機会が多くなってきました。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事で使用しており、今回の記事では「ミュンヘンの森」「西の沢」「西側エリア」「友愛の小径」「四季の散歩道」「遊具広場の森の散策路」などの名前を挙げました。
次回は2023年6月23日金曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。