旭山記念公園野鳥情報、2023(令和5)年6月3日土曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
6月の野鳥観察会、以下の日程はまだ参加受付しております。
6月7日(水曜日) 平日野鳥観察会 9時開始
6月10日(土曜日) 定例野鳥観察会 8時開始
6月25日(日曜日) 定例野鳥観察会 8時開始
なお、明日6月4日(日曜日)の早朝野鳥観察会は募集定員に達しましたため受付終了となっております。
また6月18日(日曜日)自然観察会、9時開始、こちらはまだ参加受付しております。
みなさまのご参加をお待ちしております。
夏鳥到来情報
28.ハリオアマツバメ
先週記事を上げた後、5月26日金曜日にハリオアマツバメを見たとの確かな情報をいただき、それを旭山での初認日とすることにしました。
ハリオアマツバメはこちらのミスにより昨年は初認記録を残していなかったのですが、2021年は5月19日、2020年は5月23日が初認日となっており、今年はそれより少し遅めでした。
ハリオアマツバメは8月まで散発的に見られますが、ジェット機のようなすさまじい風切り音が聞こえるほど低空を飛ぶこともしばしばあります。
29.オオムシクイ
本日2023年6月3日土曜日、オオムシクイが今年初めて園内で確認されました。
昨年の旭山での初認日は5月27日、昨年より7日遅い記録となりました。
オオムシクイは「チャキッ ジジロジジロ」と低い声で広葉樹の中で囀りますが、姿はなかなか見つけられないです。
例年半月ほど、6月中旬まで旭山で見られ、期間中は大きな木がある街中の公園や空き地、民家などでも声を聞くことがあります。
2023年夏鳥到来情報(カッコ内は2022年との比較)
1.ベニマシコ 3月23日(13日早)
2.ヤマシギ 3月23日(6日早)
3.ホオジロ 3月27日(8日早)
4.モズ 3月31日(同日)
5.キジバト 3月31日(13日遅)
6.イカル 4月4日(12日遅)※参考記録
7.ウグイス 4月11日(1日遅)
8.キセキレイ 4月14日(9日遅)
9.クロツグミ 4月14日(4日早)
10.ルリビタキ 4月14日(7日遅)
11.アオジ 4月15日(3日遅)
12.トラツグミ 4月18日(12日遅)
13.アカハラ 4月19日(同日)
14.ノビタキ 4月20日(7日遅)
15.メジロ 4月21日(3日遅)
16.ヤブサメ 4月24日(9日遅)
17.センダイムシクイ 4月26日(2日遅)
18.エゾムシクイ 4月26日(1日遅)
19.ビンズイ 4月27日(2日早)
20.コマドリ 4月28日(4日遅)
21.コルリ 4月28日(同日)
22.オオルリ 4月29日(4日遅)
23.キビタキ 4月30日(3日早)
24.コサメビタキ 5月2日(3日早)
25.チゴハヤブサ 5月2日(4日遅)
26.ツツドリ 5月5日(2日遅)
27.アオバト 5月19日(1日遅)
28.ハリオアマツバメ 5月26日(-)
29.オオムシクイ 6月3日(7日遅)
オオムシクイもやって来て、ついに今年の夏鳥到来シーズンも幕を下ろしました。
この時期は毎年、一抹の寂しさを覚えます。
このコーナーは今週で終わりとしますが、渡来日一覧表はあと何度か書き添えます。
今週のトピックス
ヤマゲラ
本日、森の家の周りでヤマゲラ雌が観察されました。
近くにアカゲラがいて、「キョッ」と鳴き声が聞こえた後、静かに木の間から飛び出した鳥がいたのですが、よく見るとそれはヤマゲラでした。
アカゲラの鳴き声の発信源とほぼ同じ辺りから飛び出してきたので、アカゲラに追われたのかもしれません。
そのヤマゲラは森の家の周りのミズナラやエゾヤマザクラの低い位置にとまって餌を探し、やがて地面にも降りて採餌していました。
その間、藻岩山登山口方面から「ピョッピョッピョッピョッピョッ」というヤマゲラの声が聞こえてきましたが、そちらは声だけで雌雄など確認できず、この2羽のヤマゲラに関係性があるのかどうかは分かりません。
また、その雌のヤマゲラは見ている間声を発することはありませんでしたが、ヤマゲラはこのように夏の間はたまたま見られることばかりで、声を発しないので探してもなかなか見つかりません。
しかし、ひと夏に何度か近くで見られる機会はあります。
キビタキ
園内数か所で盛んに囀りしています。
雄同士の争いもまだ収まっていないようですが、こちらはそろそろ終わるものと思われます。
キビタキは広葉樹の中で囀りしていて見つけにくいですが、動いた時に見えたら、その後動きを追えば探すことができます。
また、散策路脇の木にひょっこりと現れることもあり、その場合かなり近くで見られることもあります。
ハシボソガラス
翼に白い羽がある個体が1羽いて、時々見られています。
写真がそれで、両方の翼に白い羽があるのがなんとか見えるかと思いますが、とまっている時にはこのようにしか見えず、飛ぶ姿を撮らないと白い羽がはっきりとは見えないのが難しいところです。
なんとか飛んでいるところを撮りたいものです。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
このところ成鳥のみ5羽以上の群れを見たとの情報がいくつか寄せられています。
一方でエナガ団子を含め幼鳥の観察情報はなく、どうやら今年は旭山では繁殖がうまくいかなかったようです。
この先まだ見られるか、夏の間ほぼ見られなくなるかはまだ分かりませんが、今はしばしば見られています。
冬鳥、旅鳥、春と秋に旭山で見られる夏鳥情報
シメ
この1週間は確かな観察情報はありませんでした。
来週までに観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)。
エゾムシクイ
この1週間は確かな観察情報はありませんでした。
来週までに観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません。
なお、エゾムシクイは今まで旭山では秋の確かな観察情報はなく、秋は通過していない可能性もあり、そうであれば次に見られるのは来年の4月から5月ということになります。
コガラ
今週は確かな観察情報はありませんでしたが、もう少し様子をみます。
夏鳥情報
キビタキ
(上述)
オオルリ
藻岩山登山口付近で時々見られ、本日もその奥の方から声が聞こえてきたという情報もありましたが、園内他の場所も含め観察頻度はやはりあまり高くないです。
ただ、過去に、幼鳥が巣立つ前後の頃に観察頻度が高くなったことがあり、今年もそうなれば観察機会が増えることはあるかもしれません。
コサメビタキ
園内で時々見られていますが、木の高い位置にいて見つけにくいです。
イカル
園内で時々見られ、「ホヒリホヒー」という囀りや「キョッキョッ」という声も聞くことがありますが、例年6月は他の時期よりは見られる機会が多くなります。
アオジ
今週もやはり園内で見る機会は少なく、いても笹薮の中だったり、囀りも聞けるときがあったりなかったりです。
ホオジロ
展望台周辺及び噴水広場周辺で見られ、囀りもしています。
クロツグミ
結局今年は巨木の谷付近と遊具広場の森では囀りを聞くことがないままでしたが、ちょっと気になります。
藻岩山方面や旭山都市環境林からは囀りが聞こえてくることがあります。
なお、クロツグミは6月に入ると一時的に囀りをほとんど聞かなくなり、6月下旬から7月にまた少し囀りを聞く機会が増えるのですが、そろそろその一時的に聞かれない時期になってきました。
写真は旭山都市環境林で撮影したものです。
アカハラ
今週も園内での確かな観察情報はなく、旭山ではほとんど見られなくなる時期になりました。
トラツグミ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
ウグイス
園内数か所で囀りが聞かれていますが、昨年よりは聞く機会や場所が多いように感じています。
ヤブサメ
囀りを聞く機会が減ってきており、姿を見ることも少なくなってきました。
センダイムシクイ
「チヨチヨビー」という囀りの他、この時期は「フィフィ」という割と大きな鳴き声(地鳴き)を聞くことは多くなり、慣れないとそれが何の鳥の声が分からないこともあります。
メジロ
観察機会は多いですが、囀りを聞く頻度はやはり落ちています。
キセキレイ
第2駐車場から道路沿いで時々見られますが見る機会は少ないです。
コムクドリ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでしたが、これから夏までの間時々、主にちびっこ広場方面で見られることが予想されます。
モズ
ちびっこ広場から遊具広場にかけての辺りで時々見られていますが、今週はつり橋付近(今朝)や森の家の周辺でも見られました。
ヤマシギ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
アオバト
今朝も風の丘西の沢から「オー アーオー」という声が聞こえてきましたが、声を聞く機会は多くなりました。
アオバトは3年前まで、6月中旬になると森の家近くのミュンヘンの森の丘にあるエゾヤマザクラの黒く熟した実を食べに来ていましたが、一昨年からほとんど来なくなっており、今年はどうか、注目しています。
キジバト
鳴き声を聞いたり飛ぶ姿を見たりと観察機会は少なくないですが、近くで見られる機会はあまり多くないです。
ツツドリ
藻岩山方面から鳴き声は聞こえてきますが、園内で見たとの情報はありませんでした。
チゴハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでしたが、もう少し様子をみます。
留鳥情報
クマゲラ
今週も園内での観察情報があり、園内や旭山都市環境林に時々来ているようですが、まさに神出鬼没でいつどこで見られるかは分かりません。
オオアカゲラ
本日、雌雄とも森の家の周りで観察されましたが、幼鳥がいたかどうかは分かりませんでした。
オオアカゲラは以前5月下旬から8月までは旭山記念公園内では見られなくなっていましたが、3、4年前からほぼ通年見られるようになりました。
アカゲラ
今週は森の家の周りで比較的観察機会が多かったです。
幼鳥はまだ確認していません。
コゲラ
「ギーキーキッキッキ」という声をはよく聞かれていますが、遠めから聞こえることが多く、近くで見られる機会は少なくなってきました。
ヤマゲラ
(上述)
フクロウ
今週も園内での観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ノスリ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
トビ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週も園内での観察情報はありませんでした。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
観察頻度は少ないですが、それは「テュッテュッ」という声をほとんど発せず気づきにくいからで、ときどきひょっこりと出会うことがあります。
シジュウカラ
幼鳥が見られるようになり、つり橋周辺での観察情報がいくつかありました。
囀りはほとんど聞かれなくなりました。
ハシブトガラ
囀りはほぼ聞かれなくなり、姿を見る機会も少なくなってきました。
ヤマガラ
観察機会は多いですが、やはり囀りはほとんど聞かれなくなりました。
ヒガラ
こちらも囀りを聞くことが少なくなってきましたが、観察機会は少なくないです。
カワラヒワ
いつもの噴水広場から学びの森周辺のみならず、今週は森の家の周りでも見られることが多かったです。
ハクセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
遊具広場やちびっこ広場など道路沿いで見られています。
ヒヨドリ
今週もよく見られています。
なお、エゾハルゼミの季節になりましたが、ヒヨドリはエゾハルゼミを捕まえて食べることがあり、他にアカゲラとハシブトガラスもエゾハルゼミを捕食します。
ハシボソガラス
翼に白い羽がある個体の他、第1駐車場と噴水広場周辺にいつもいますが、森の家の周りでも見られる機会が多いです。
ハシブトガラス
園内でよく見られていますが、レストハウス周辺や展望台では人が持っている食べ物を奪おうとする個体がいるので、くれぐれもご注意ください。
また、営巣していればそろそろ雛が巣立ち、親が攻撃的になる頃ですが、今年は園内散策路沿いで巣は確認しておらず、しかし警戒はするに越したことはない、そんな時期になりました。
今週の野鳥以外の生き物情報
花
ミヤマガマズミ
展望台北西側手すり沿いに咲いている写真の白い花はミヤマガマズミです。
その場所のものは植栽ですが、道内で比較的よく見られる落葉低木で、今の時期に花が咲いています。
オニグルミ雌花
巨木の谷石垣に立つと間近に見えるオニグルミ、雌花が咲いています。
順調に育てがこれば胡桃になりますが、ここからではまだ想像がつきにくいですね。
昆虫
ジョウカイボン
カミキリムシに近い甲虫の仲間ジョウカイボン。
旭山ではよく見られ、植物の葉の上にとまっていることが多いです。
アオハナムグリ
やはり甲虫の仲間で、ミズキの花(もう終わりましたが)など、この時期に咲く樹木の白い花によく集まってきます。
ジョウカイボンともども、旭山では多く見られる昆虫のひとつです。
なお、写真の花は学びの森のトチノキで、2匹写っています。
エゾシカ
今週園内で見られたエゾシカの若い個体、2枚目、頭のアップを見ると角が生えかかっていて、昨年生まれた雄だと思われます。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、便宜上各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事で使用しております。
次回は2023年6月10日土曜日に上げる予定です(来週も金曜日ではありません)。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。