旭山記念公園野鳥情報、2021(令和3)年6月11日金曜日
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
◎今週のトピックス
アオバト
森の家の近くで見られる機会が増えてきました。
毎年桜の実が熟し始めるとそれを食べに来ており、そろそろその時期ですが、まだ黒く熟すまでには至っていないので、頻繁に来るようになるのは来週以降になると思われます。
写真は今週別々の機会に撮影した雄と雌の個体です。
ヤマシギ
昨日、19時以降に森の家周辺で様子を見ていたところ、ヤマシギのディスプレイフライトを観察することができました。
「チュッ」という甲高くて鋭い鳴き声の後に「ブブー ブブー」とカエルのような低い声が続いて聞こえ、シルエットでしたが高度30mくらいを旋回飛行する姿も見えました。
この日は1時間の間に4、5回と結構な頻度で飛んで来ました。
ヤマシギは4月に割合よく見られ、その後ほぼまったく見られなくなりますが、ディスプレイフライトの観察によりヤマシギがまだ辺りにいることが確認できました。
ディスプレイフライトの観察は日没後2時間くらいの間がいいかと思いますが、蚊が多いので観察の際にはお気をつけください。
オオムシクイ
今日はまだ園内で鳴き声を確認しましたが、そろそろ移動していなくなる頃です。
今年も相変わらず撮影は難しいです。
◎今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
幼鳥が巣立ったようで観察情報が幾つかありました。
巣立ち後しばらくは観察機会が多いですが、例年7月に入るとめっきり観察機会が減り、昨年は7月8月は園内での観察情報がほぼゼロでした。
ただし、ほぼゼロまで減った昨年の方が例外的で、夏の間も時々観察されてはいます。
いずれにせよ、シマエナガはあと少しで観察機会が少なくなります。
写真は今週撮影したもの、後ろ姿で顔が葉の陰ですが。
◎夏の鳥情報
オオルリ
今週もつり橋周辺などで散発的に見られていますが、観察頻度は落ちてきました。
キビタキ
今週も園内数か所で囀りがよく聞かれており、粘っていると木の葉の薄い場所や近い場所で観察・撮影する機会に恵まれます。
また今週は餌運びをする雄の個体も観察されました。
コサメビタキ
今週も観察情報は少なく、繁殖行動が本格化したと考えられます。
コルリ
囀りを聞く機会が少なくなりましたが、昨日のヤマシギ調査時には辺りで2個体が囀りしていました。
クロツグミ
つり橋周辺でときどき囀りを聞きますが、先週お伝えしたようにもう少しするとまた囀りを聞く機会が多くなってきます。
幼鳥が見られるのは例年7月中旬以降です。
アカハラ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでした。
トラツグミ
今週は確かな観察情報はなく、昨日のヤマシギ調査時にも囀りは聞かれませんでした。
イカル
今週は時々声を聞いたり姿を見たりといった程度で、先週よりは観察頻度は低かったです。
ただ、桜の実が熟すと食べに来ることがあり、この先また観察機会が増えるかもしれません。
ホオジロ
展望台周辺で今週も囀りを聞きました。
ホオジロは早ければ6月中旬までに雛が巣立ちますが、今年はどうでしょうか。
写真は今週撮影した囀りする雄の個体です。
アオジ
今週は囀りをほとんど聞いておらず、「チッ」という地鳴きもあまり聞かれなくなりました。
幼鳥が出てくるのは例年もう少し先の7月に入ってからです。
ウグイス
遊具広場付近から第1駐車場辺りそして西側エリアで囀りを聞く機会は多いですが、今日は珍しく展望台北西側の茂みで囀りしていました。
ウグイスはまだまだ囀りを聞けそうです。
ヤブサメ
囀りを聞く機会が少なくなりましたが、もうそろそろ幼鳥が出て来るものと思われます。
センダイムシクイ
声はまだよく聞かれていて、昼間の他の鳥がほとんど鳴いていない時にも鳴いています。
メジロ
囀りは今週もあまり聞く機会はないですが、「キュロキュロ」という地鳴きとともに近くの木に現れることがよくあります。
キセキレイ
第2駐車場周辺でときどき見られて、旭山から行って最初の信号のところにある砂防ダム周辺でよく観察されています。
モズ
今週も声を聞いたり姿を見たりといった観察情報がありました。
キジバト
今年も観察機会は多く、飛ぶ姿を見ることも結構あります。
アオバト
森の家の周りで声を聞く機会が多くなってきました。
桜の実はまだ熟しておらず、実を食べに来るのはもう1週間から2週間先のことになると思われます。
ツツドリ
藻岩山から遠い鳴き声が聞こえて来ています。
カッコウ
今週も園内で声を聞く機会がありましたがいつもいるわけではありません。
◎留鳥その他情報
クマゲラ
この1週間も園内での観察情報がありました。
オオアカゲラ
今週も雄の個体が園内で観察されました。
アカゲラ
巣が近くにある場合、幼鳥が孵化し育ってくると「キーキーキーキー」といった声が聞こえてきますが、そろそろそんな時期です。
写真は今週撮影した雄の個体で、森の家の周りでよく見られます。
コゲラ
観察機会が少しずつ増えてきましたがまだ冬ほどよく見られてはいません。
ヤマゲラ
観察情報は少ないです。
フクロウ
今週は声も姿も観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週も観察情報がありました。
ハイタカ
今週も観察情報がありました。
ノスリ
今週も観察情報がありました。
写真は6月5日に森の家上空に飛んで来た個体ですが、羽がだいぶ抜けてぼろぼろになっています。
ノスリは4、5年ほど前までは春と秋以外に見ることは少なかったのですが、ここ3年ほどは夏の間も、そして冬も見られるようになってきました。
トビ
今週も観察情報がありました。
ハヤブサ
今週も観察情報はありませんでした。
チゴハヤブサ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
カワラヒワ
園内で「キリコロキリー」という声はよく聞かれ、観察機会は少なくはありません。
ゴジュウカラ
今の時期は観察機会が少ないとこのところ書いていますが、それでも見られており、大きな声で鳴かなくなったので気づきにくいというのはあるかと思います。
写真は遊具広場の森で撮影したもので、枯れ木で餌を探しており、近くに巣があるのかもしれません。
シジュウカラ
幼鳥の観察情報が入って来ていますが、本日撮影することができました。
シジュウカラの幼鳥は巣立ち直後はもっと白い部分の黄色みが強いので、これは巣立ちから1週間かそれ以上経っている個体で、家族と思われる数羽で行動していました。
ハシブトガラ
園内で比較的よく見られていますがやはり冬ほどの頻度ではありません。
ヤマガラ
こちらも幼鳥を見たとの観察情報がありましたが、ヤマガラの幼鳥は成鳥のように赤茶色ではなく白っぽくて、一見何の鳥か分からないくらい成鳥と色合いが違います。
ヒガラ
観察機会は多いですが、囀りはあまり聞かれなくなってきています。
ハクセキレイ
噴水広場周辺でときどき観察されています。
ヒヨドリ
園内で多く見られています。
スズメ
道路沿いや第2駐車場付近で時々見られますが、それ以外の場所ではめったに見ることはありません。
ハシボソガラス
数は少ないですが園内で見られており、巨木の谷と学びの森周辺でよく見られます。
ハシブトガラス
6月に入りそろそろ雛が巣立つ頃ですが、園内では今のところ巣は見つかっていません。
それでもこの時期、ハシブトガラスが近くにいたらくれぐれもご注意ください。
写真は2羽で遊んで(?)いたハシブトガラスで、繁殖活動はしていない個体のようでした。

次回は2021年は6月18日(金曜日)に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多く見られることを願っております。