9月16日「おさんぽガイド」開催しました

9月16日「おさんぽガイド」を開催しました。

コオロギやカンタン、キリギリスなどが鳴き、少しずつ秋の気配を感じます。そんな西岡公園では「おさんぽガイド」が開催されました。

ツリバナの赤い果実を観察する参加者の皆さん

園内にはいろいろな草木の実が実りそれぞれの植物が独自の方法で種子散布をする様子が観察できる季節になりました。ツリバナも赤い果実をたくさん付けていました。果実が5つに裂けてそれぞれの先端から赤い仮種皮をかぶった種子がぶら下がっているのを観察しましたよ。ツリバナには野鳥が果実を好んで食べに訪れます。赤くプラプラぶら下がっているのは鳥の目に付きやすくする仕組みなのでしょうか?ツリバナは野鳥に食べてもらって遠くに運んでもらうタイプの種子散布(種子が母体から離れて移動すること)をする植物なんですね。赤い仮種皮がプラプラぶら下がるのはホオノキの実も同様の仕組みです。

濃い桃色のマユミの果実

マユミの果実はまだ果皮が裂けていませんでしたよ。

ミヤマニガウリ

湿原ではミヤマニガウリが果実を付けています。1cm程の緑色の三角すいの形の果実が葉のかげにいくつもぶら下がっていましたよ。ミヤマニガウリはツル性の植物で、ツルによって這って伸びて拡がっていった先に種を落としていくタイプの種子散布をします。

ゴマナの白い花

ゴマナも咲いていました。

ゴマナの冠毛

ゴマナの花が終わると果実にはフワフワの毛が密生した冠毛がつきます。

これは風による種子散布をする植物ですね。

キンミズヒキの果実

キンミズヒキの果実もありましたよ。フックのような構造がたくさんついていて通りかかった動物の毛や、人の衣類にくっついて運ばれます。「ひっつきむし」と呼ばれる「動物付着型散布」をする植物です。ズボンにもくっつきましたよ。西岡公園で見られる「ひっつきむし」は他にもヤブハギ、ウマノミツバ、コヤブタバコなどたくさんありますよ。

サラシナショウマの白い花

サラシナショウマがあちこちで咲いているのが見られるようになりました。

近づいてみるとクチナガガガンボという昆虫がたくさん集まって花の蜜を飲んでいました。

昆虫に受粉を手伝ってもらうタイプの植物のようですね。

アキノキリンソウの黄色い花

アキノキリンソウの黄色い花にも集まっています。

アキノキリンソウも花が少なくなったこの季節には虫たちの大切な食糧源になっているようですね。

虫たちに蜜や花粉を提供する花たちは、見返りに花粉を運んでもらって受粉を手伝ってもらいます。

センボンヤリの閉じたままの花

センボンヤリの「閉鎖花」がありました。

閉鎖花は花を開くことなく自家受粉する花です。

虫や風などに頼らないので確実に受粉できるという利点がありますよ。自家受粉なので、子孫は母体と同じ遺伝子です。

センボンヤリは春には花を咲かせていました。

春の花は、虫などに頼って花粉を運んでもらうので、確実に花粉を運んでもらえる保証はありません。でも、掛け合わせにって子孫の遺伝子に多様性が生まれる利点があります。

西岡公園で見られる植物の中には、センボンヤリの他にもスミレやフタリシズカなど、春に花を咲かせて秋には閉鎖花を付ける植物がほかにもありますよ。両方の良い部分を季節を変えて取り入れているんですね。

お散歩しながらそれぞれの植物によっていろんな受粉の仕組みや種子散布の工夫の違いを見ることが出来ました。

ほかにもいろいろな生き物出会えましたよ。

オオアワダチソウ、ツルニンジン、エゾトリカブト、ミヤマニガウリ、エゾリンドウ、ユウゼンギク、ミゾソバ、オオヨモギ、オオバセンキュウの花や、マムシグサ、ホウチャクソウ、ミズナラ、アズキナシ、マイヅルソウ、ヤマハギ、ヤブハギ、ヌスビトハギ、アクシバ、ルイヨウショウマ、ヤマブドウ、ツルウメモドキ、ノブドウなどの果実の観察も出来ました。

キイロスズメバチ、オオスズメバチ、エゾマイマイ、アキアカネ、ナツアカネ、マユタテアカネ、ノシメトンボ、スズメガの幼虫などの虫たちや、アカゲラ、ヒヨドリ、ダイサギ、アオサギ、マガモ、オシドリ、カイツブリなどの野鳥たちも観察出来ましたよ。この季節はマガモなどの水鳥のオスの羽が綺麗な色の繫殖羽にかわり始める季節であることをボランティアガイドさんにお話ししてもらいました。

参加された皆さま、ボランティアガイドの皆さまありがとうございました。

次回のおさんぽガイドは、9月30日金曜日です。

木の実がさらに色付きトンボたちがたくさん見られる季節です。紅葉も少しずつ始まってきますよ。旅鳥たちの姿にもお目にかかれるかもしれませんね。

■時 間:13時から15時

■参加費:100円(保険料込)(定員15名)

■参加方法:電話(011-582-0050)

または管理事務所窓口にてお申し込みください。

「植物の受粉と種子散布」の展示が始まりました。

おさんぽガイドでも観察できた「植物の受粉と種子散布の仕組み」を管理事務所でも展示にしているので楽しめますよ。西岡公園で見られる植物を紹介して、いろいろな方法があることを見ていただますよ。10月の中旬頃まで展示予定です。

植物の受粉と種子散布の仕組みの展示パネル

ガガイモのタネ

ひっつきむしやドングリなどを使った展示物

お越しの際にはご覧になってください。散策が一層楽しくなりますよ。

 

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、公園をご利用される際には、以下の対策についてご協力をお願いします。

他の人と距離をあけて利用しましょう。

すいた時間、場所を選び、混んでいるときは利用を控えましょう。

管理事務所への出入りの際には手指消毒にご協力下さい。

短時間のご利用にご協力ください。

大人数の飲食・飲酒を伴う集まりは控えましょう。

皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解・ご協力くださいますようお願いいたします。
ご不明な点がございましたらスタッフへお申し出ください。

 

ウルシやダニ、ハチ等の対策のため肌を出さない装いと、歩きなれた靴で散策をお楽しみください。皆様のお越しをお待ちしております。