旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年5月11日日曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてください。
●野鳥の巣を探さないでください!
野鳥は、春の繁殖シーズンには非常にデリケートになります。
巣を作っているようすを見られたり、巣をのぞかれたりすると、巣を放棄したり、巣を他の鳥などに壊されて、繁殖しなくなってしまう可能性が高くなります。
人間も自分の家をのぞかれると嫌ですよね・・・
野鳥のために、次のことをお願いします!
①巣を探さない
②巣に気づいたら目をそらしてすぐに、しかし動きはゆっくりとその場を離れる
③巣を見ない/巣がある場所が分かったら近づかない
④巣の場所を人に話したり、ネットに情報を上げたりしない
●5月の野鳥観察会は、以下の回のみまだご参加受付中です。
・5月25日(日曜日) 8時開始 旭山野鳥観察会
初心者の方もお気軽にご参加ください。
ご参加お待ちしております。
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
夏鳥新着情報
今年も夏鳥がやって来る季節になりました。
ここでも確認され次第取り上げてゆきます。
ただし、冬の間継続的に見られていたイカルと、2月以降見られているトラツグミは、居ついていたものか南から渡って来たものか判断ができないので、今年はここでは取り上げないことにします。
23 コサメビタキ
2025年5月10日、コサメビタキ今年初認です。
2024年は5月9日初認、今年は昨年より1日遅い初認です。
野鳥観察会の際に「吊り橋」周辺で見られ、比較的近くで観察できました。
数羽が辺りにいて、午後になってもその辺りでちょくちょく出ていました。
さらに本日5月11日も「森の家南斜面」をはじめ園内でちょくちょく出ていました。
コサメビタキは5月に渡来直後10日ほどは見られる機会が比較的多いですが、その後あまり見られなくなり、幼鳥が巣立った7月中旬以降はごま塩模様の幼鳥も含めてよく見られるようになります。
24 コルリ
2025年5月11日、コルリ今年初認です。
2024年は5月2日初認、今年は昨年より9日遅い初認です。
園内の笹薮がある斜面で笹薮の中から「ヒッヒッヒッヒッ ピチュリピチュリ」といった囀りが聞こえてくるようになり、たまに笹薮の間の道や笹薮が近い開けた場所に出て来ることがあります。
本日も園内でいくつかの観察情報がありました。
コルリは囀りをやめるまでは目視する機会もあり、曇りや雨の日は笹薮から上がり木にとまって囀りすることもあります。
夏鳥到着済みリスト(カッコ内は昨年比)
01 ヤマシギ 2025年3月23日(7日早)
02 ホオジロ 2025年3月24日(7日早)
03 キジバト 2025年4月1日(1日遅)
04 ベニマシコ 2025年4月7日(4日早)
05 キセキレイ 2025年4月9日(4日早)
06 クロツグミ 2025年4月11日(同じ)
07 アカハラ 2025年4月11日(昨年は記録なし)
08 モズ 2025年4月11日(11日遅)
09 ノビタキ 2025年4月17日(同じ)
10 ウグイス 2025年4月19日(12日遅)
11 ヤブサメ 2025年4月19日(4日遅)
12 メジロ 2025年4月23日(10日遅)
13 センダイムシクイ 2025年4月24日(2日早)
14 ビンズイ 2025年4月25日(14日遅)
15 コマドリ 2025年4月25日(6日早)
16 アオジ 2025年4月26日(16日遅)
17 ルリビタキ 2025年4月26日(16日遅)
18 オオルリ 2025年4月28日(2日遅)
19 キビタキ 2025年4月30日(3日遅)
20 エゾムシクイ 2025年5月2日(同じ)
21 ツツドリ 2025年5月2日(2日早)
22 ニュウナイスズメ 2025年5月2日(参考記録)
23 コサメビタキ 2025年5月10日(1日遅)
24 コルリ 2025年5月11日(9日遅)
まだ確認されていない夏鳥は、チゴハヤブサ、アオバト、旅鳥でムギマキ、下旬にオオムシクイですが、そろそろ夏鳥渡来シーズンも終わりとなります。
今週のトピックス
オオルリ
5月10日の野鳥観察会では「吊り橋」周辺でじっくりと観察でき、10m以内の近くに寄って来る瞬間もありました。
その前日5月9日から「巨木の谷」周辺で囀りを聞く機会が増えており、また今日はそのほか「森の家南斜面」「遊具広場の森」など園内で囀りがよく聞かれています。
木々の葉も伸びて大きくなってきていますが、今年や昨年に比べると個体数が多いように感じられ、観察機会は少なくないです。
キビタキ
キビタキも囀り始めており、園内で囀りがよく聞かれるようになってきました。
囀りは「ピッポピ フィリリー」と、最初のフレーズと次との間に一瞬短い間があるのが特徴です。
また今週は雌の観察情報もあり、一見似ているコサメビタキも来たので識別には注意が必要ですが、コサメビタキは嘴の付け根の下側が黄色いのが特徴です。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も散発的に見られてはいますが、見られる頻度はさらに落ちています。
営巣中の可能性があるため、シマエナガを執拗に追いかけるのはお控えくださるようお願いします。
夏鳥情報
イカル
「キコキコッ」と鳴きながら飛ぶ姿が日に何度か見られ、「ホヒリホヒー」という囀りもしばしば聞かれています。
囀りは飛びながら鳴くこともありますが、高い木のてっぺん付近にとまって囀っている時は遠くても見つけることができます。
近くで見られたという情報はあまりないですが、都市環境林で見たとの情報もありました。
ベニマシコ
5月6日以降確かな観察情報はなく、もう移動した可能性がありますが、もう少し様子をみます。
クロツグミ
園内および藻岩山など周辺から囀りが聞こえてくることが多くなりましたが、低い位置で見られたという情報はまだあまり入ってきていません。
「キュロキュロ」という地鳴きが笹薮から聞こえてくることもあり、夕方に聞く機会が多いです。
アカハラ
5月9日に園内で「キョロッキョロッツイー」という囀りが聞かれ、観察情報もいくつかありましたが少ないです。
トラツグミ
昼間の観察情報はなかったですが、夜に「ヒー ヒョー」という囀りを聞いたという情報はありました。
コマドリ
5月6日以降の確かな観察情報はなく、もう移動した可能性がありますが、もう少し様子をみます。
ルリビタキ
5月6日以降の確かな観察情報はなく、もう移動した可能性がありますが、もう少し様子をみます。
コルリ
(前述)
オオルリ
(前述)
キビタキ
(前述)
コサメビタキ
(前述)
ウグイス
5月10日の野鳥観察会では、森の家裏で姿が見られ、「遊具広場五差路」付近では近くで鳴いていました。
園内数か所で「ホーホケキョ」と聞くことができ、木にとまっている姿が見られることもあります。
写真は「栗の木デッキ」付近で撮影したものです。
ヤブサメ
園内の笹やぶ数か所で「シリシリシリ」と囀りしており、姿を見たとの情報も少なからずありました。
ヤブサメは例年5月10日頃までは笹薮の縁などで見られる機会が割とありますが、そろそろ目視する機会が減って来る頃で、今のうちにぜひ探してみてください。
センダイムシクイ
5月10日の野鳥観察会では、「ポートランドの森」付近で数羽が採餌しているようすが観察できましたが、その日は「西側エリア」ではどこに行ってもいるという感じでした。
「チヨチヨビー」という囀りもあちこちから聞こえてくるようになってきました。
エゾムシクイ
5月11日現在まだ園内で囀りが聞かれていますが、もうそろそろ移動していなくなる頃です。
ホオジロ
今週は日によって見られたり見られなかったりで、展望台で囀りしている姿もときどき見られるくらいでした。
囀りは落ち着いてきたようで、この先も見られたり見られなかったりといった感じになると思われます。
アオジ
5月10日の野鳥観察会では「カラマツ林」の笹薮で2羽目視と「遊具広場」で声が聞かれ聞かれていますが、囀りはまだ聞かれていません。
他の場所(北広島、千歳、長沼、富良野など)では囀りも普通に聞かれているのですが、旭山記念公園ではどうなるのか要注目です。
メジロ
気が付くとそこで鳴いている、というくらい園内一円で「チュリチュリチュピ」という囀りや「キュイー」という地鳴きがよく聞かれています。
桜に寄って来る「サクジロー」、エゾヤマザクラはもうほとんど花が散りましたが、カスミザクラと八重桜は咲いていて、まだチャンスはあるかもしれません。
キセキレイ
「第2駐車場」から「藻岩山登山口」にかけての辺りでしばしば観察されており、その辺りから「遊具広場」にかけての辺り園内で散発的に見られています。
ビンズイ
5月10日の野鳥観察会では、「吊り橋」周辺で2、3羽が見られ、まだ留まっていることが確認できました。
ビンズイは5月中旬まで滞在していた年もありましたが、今年はどうでしょうか。
モズ
今週は「ピクニックテラス」周辺および「遊具広場の森」で雄が見られ、公園東側でときどき見られています。
ヤマシギ
今週は園内での確かな観察情報がなく、例年通りであればこの先はもう昼間には見られなくなると思われます。
夜の「ディスプレイフライト」は見られるようになっていると思われます。
ツツドリ
今週は赤色型の観察情報がありました。
「ボボッ ボボッ」という声は園内や旭山都市環境林の近くで聞かれることもあります。
キジバト
ときどき「デデーポーポー」という声が聞こえ、飛ぶ姿も見られていますが、道路沿いで見られる機会が多いです。
冬の鳥情報
ツグミ
5月4日以降は園内での確かな観察情報はないのですが、5月7日に千歳市で観察されており、まだもう少し様子をみます。
ウソ
5月4日以降は確かな観察情報がなく、この先観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)。
シメ
5月6日以降確かな観察情報はないですが、シメは5月下旬まで見られた年もあるので、もう少し様子をみます。
マヒワ
今週は確かな観察情報はなかったですが、マヒワは5月下旬まで見られた年もあるので、もう少し様子をみます。
アトリ
今週も確かな観察情報はなかったですが、この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)。
キクイタダキ
今週は確かな観察情報はなく、そろそろ山に移動した可能性がありますが、もう少し様子をみます。
ミソサザイ
今週も確かな観察情報はなかったですが、この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)。
コガラ
今週も確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
留鳥情報
クマゲラ
今週も雄、雌ともに園内で見られたとの情報がありました。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
5月10日の野鳥観察会では、「双子沢坂」(吊り橋下流)に雄が現れ、比較的近くで観察できました(写真がその時のものです)。
森の家裏側でもしばしば見られており、特に雄がよく見られています。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
園内一円で「キョッ」という声が聞かれますが、観察機会は若干少なくなっているように感じられます。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
園内一円で「ギーッ」という鳴き声を聞く機会は多く、目視する機会も少なからずあります。
ヤマゲラ
「ピョッピョッピョッピョッピョッピョッ」という鳴き声を聞く機会がめっきり減っており、近くで見られたとの情報もなく、観察情報も少なくなってきました。
オオタカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハイタカ
今週は園内で近くで見られたとの観察情報がありました。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はなかったです。
カワラヒワ
「作業員詰所」付近で「キリコロキリー」「ギュイーン」という鳴き声を聞き、目視観察できる機会も多いです。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
「テュッテュッ」という地鳴きや「フィー」「フィッフィッフィッ」という囀りを聞く機会が少なくなってきましたが、他の夏鳥が多く鳴き始めているため余計に聞こえにくくなっている印象です。
シジュウカラ
園内一円でよく見られており、「ツーピーツーピー」という囀りを聞く機会も多いです。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られていますが、「ピィピィピィ」という囀りを聞く機会も少なくなってきたように感じられます。
ヤマガラ
園内一円でよく見られており、「チーリーツー」という3拍子の囀りも、やはり聞く機会も少なくなってきていると感じられます。
ヒガラ
今週も「ツピツーツピツー」という囀りが聞かれていますが、こちらも聞く機会が少なくなってきています。
ハクセキレイ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
今週もほぼいつでもどこかから複数の鳴き声が聞こえてくるような感じです。
ハシボソガラス
園内で時々見られており、首を大きく上下に揺らしながら「ガアー ガアー」と鳴く姿もまだ観察されています。
ハシブトガラス
園内でよく見られています。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
エゾリス
長い耳毛はまだありますが、そろそろ夏毛に替わって長い耳毛もなくなる頃です。
サッポロマイマイ
かたつむり=マイマイの仲間で、このところよく見られるようになってきました。
この時は雨上がりで地面を歩いていました。
ホオノキの新葉
花が咲いたみたいで面白い形ですね。
ワスレナグサ
「森の家階段」脇に毎年咲くワスレナグサ、今年もたくさん咲きました、咲いています。
カスミザクラ
エゾヤマザクラが散り、白い花が咲くカスミザクラが園内何か所かでほぼ満開になっています。
次回は、2025年5月18日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。