旭山記念公園野鳥情報、2025(令和7)年4月20日日曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方から直接ご提供を受けたものも含まれています。
●旭山記念公園および旭山都市環境林で野鳥などの観察や撮影をされるみなさまへお願い。
観察や撮影の際には、道を塞ぐなどにより、野鳥撮影をしない人の通行の妨げにならないようご留意ください。
また、人が通ることにより野鳥が逃げてしまった場合は、仕方ないものと受け止めてください。
●野鳥の巣を探さないでください!
野鳥は、春の繁殖シーズンには非常にデリケートになります。
巣を作っているようすを見られたり、巣をのぞかれたりすると、巣を放棄したり、巣を他の鳥などに壊されて、繁殖しなくなってしまう可能性が高くなります。
人間も自分の家をのぞかれると嫌ですよね・・・
野鳥のために、次のことをお願いします!
①巣を探さない
②巣に気づいたら目をそらしてすぐに、しかし動きはゆっくりとその場を離れる
③巣を見ない/巣がある場所が分かったら近づかない
④巣の場所を人に話したり、ネットに情報を上げたりしない
●4月の野鳥観察会は、3回とも募集定員に達したため、受付終了とさせていただきました。
あしからずご了承ください。
◎亜種表記について
当方ではこれまで、外見で容易に識別できるエナガ、カケス、ゴジュウカラの3種についてのみ、
エナガ(亜種シマエナガ)
カケス(亜種ミヤマカケス)
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
と記してきましたが、別の亜種名がついている種については、外見での識別が困難なものでも同様に表記してゆきます。
なお、ウソ、カワラヒワについては別亜種が出現した際には本文中に明記します。
夏鳥新着情報
今年も夏鳥がやって来る季節になりました。
ここでも確認され次第取り上げてゆきます。
ただし、冬の間継続的に見られていたイカルと、2月以降見られているトラツグミは、居ついていたものか南から渡って来たものか判断ができないので、今年はここでは取り上げないことにします。
09 ノビタキ
2025年4月17日、ノビタキ今年初認です。
2024年は4月17日初認、今年と同じ日でした。
ノビタキは旭山周辺では繁殖していませんが、春はほぼ毎年通過個体が観察されているので、ここでも取り上げています。
今年も「噴水広場」から「テラス状階段」そして「ちびっこ広場」で観察されたとの情報がありましたが(撮影者様の写真を確認)、毎年その辺りに出ています。
この先夏にかけて、市内近郊では、茨戸川緑地公園、石狩市はまなすの丘公園で普通に見られます。
10 ウグイス
2025年4月19日、ウグイス今年初認です。
2024年は4月7日初認、今年は昨年より12日遅い初認となりました。
森の家の周りで初鳴き、例のごとく見えそうで見えず、鳴きながら移動していて近くだと思ったら遠かったりと。
ウグイスは渡来後数日間はきれいに「ホーホケキョ」と囀りできないことは知られていますが、今回も「ホーホケ」だったり「ホケキョ」だったり、でも後半は割ときれいに「ホーホケキョ」と鳴いていました。
また、旭山記念公園を出て最初の信号の辺りに砂防ダムがあり、その周辺の電線にとまって鳴いていることもあります。
11 ヤブサメ
2025年4月19日、ヤブサメ今年初認です。
2024年は4月14日、今年は昨年より4日遅い初認となりました。
「森の家西の沢」で「シリシリシリー」と囀りが聞こえてきましたが、昨日は数回聞いただけでした。
声を聞く機会は比較的多い夏鳥ですが、木のてっぺん付近で囀ることが多く、近くで見られる機会にはなかなか巡り合えないです。
夏鳥到着済みリスト(カッコ内は昨年比)
01 ヤマシギ 2025年3月23日(7日早)
02 ホオジロ 2025年3月24日(7日早)
03 キジバト 2025年4月1日(1日遅)
04 ベニマシコ 2025年4月7日(4日早)
05 キセキレイ 2025年4月9日(4日早)
06 クロツグミ 2025年4月11日(同じ)
07 アカハラ 2025年4月11日(昨年は記録なし)
08 モズ 2025年4月11日(11日遅)
09 ノビタキ 2025年4月17日(同じ)
10 ウグイス 2025年4月19日(12日遅)
11 ヤブサメ 2025年4月19日(4日遅)
アオジをまだ確認していないですが、4月14日に富良野市鳥沼公園で確認しました。
道内には来ていることが分かりましたが、旭山記念公園ではこの先どうでしょうか。
ルリビタキもまだ確実な情報は入っていません。
過去には来なかった年もありますが、今年はどうなるでしょうか。
この先1週間は、メジロ、センダイムシクイ、コルリ、オオルリなどが初認となる可能性があります。
今週のトピックス
ツバメ
4月20日午前9時45分頃、ツバメ1羽が「テラス状階段」上空を南東から北西に飛び抜けるのが観察されました。
ツバメは確かな記録としては過去に1度出ただけですが、札幌周辺でも増えてきているようで、この先観察情報が増える可能性があります。
道内では渡島、桧山、後志地方では普通に見られます。
ヒレンジャク
4月17日木曜日、18日金曜日、園内で観察情報がありました。
「ヒー」と鳴きながら高い木にとまっていましたが、数は数羽とのことでした。
この先まだ見られるのか、要注目です。
オオタカ
本日8時半頃、コゲラ入りカラ類混群の緊迫感がある警戒音が聞こえてきて、見ると上空にオオタカ雌1羽が現れ、しばらく辺りを旋回しながら偵察していました。
その間混群は警戒音を出し続けていましたが、オオタカが西側に飛び去ると混群の警戒音はやみ、通常の声に戻りました。
もしかして近くで営巣する可能性があり、今後注意してみてゆきたいと思います。
マガモ
4月18日金曜日、園内上空を飛ぶマガモ2羽が観察されました。
マガモは毎年春に飛んでいる姿がときどき見られ、界川の砂防ダムで繁殖したこともあります。
またかつて、水がたまり池のようになる噴水だった頃には、園内で繁殖したこともあります。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週も散発的に見られていますが、見られる頻度は落ちていますが、本日20日は昼過ぎに「吊り橋」周辺で10分以上近くで見られたとの情報がありました。
鳴き声を出さずにいることが多く、たまたま探すといたという感じであるのは変わりません。
巣作りをしている可能性があるため、シマエナガを執拗に追いかけるのはお控えくださるようお願いします。
夏鳥情報
イカル
昨日4月19日土曜日、森の家から聞こえる範囲で2か所からほぼ同時に囀りが聞こえ、上空を囀りしながら飛んで行く姿も見られました。
低い位置で見たとの情報は今週もなかったですが、見られる機会は増えています。
ベニマシコ
今週は散発的に見られただけですが、そろそろ旭山からは移動して見られなくなるかもしれません。
クロツグミ
まだ囀りが盛んに聞こえてくるようにはなっておらず、一日観察情報がない日もありますが、都市環境林での観察情報がちらほらとあります。
アカハラ
先週の初認以降確かな観察情報はないですが、まだこの先少し見られる可能性があります。
トラツグミ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでしたが、夜の囀りを確認していないのでいるかもしれません。
4月21日月曜未明、円山から「ヒー ヒョー」と囀りが聞こえてきました。
ウグイス
(前述)
ヤブサメ
(前述)
ホオジロ
展望台周辺で見られており、「展望台の松」で囀りする姿もしばしば見られます。
「テラス状階段」も雪が解け、そこに来ることもあります。
キセキレイ
本日4月20日、10時過ぎに「吊り橋」周辺で観察され、その後10分以上その辺りから鳴き声が聞こえてきていました。
旭山記念公園を出て南9条通りを進んだ最初の信号の辺り(砂防ダムがある)では鳴き声がよく聞かれています。
モズ
「ちびっこ広場」方面で観察情報が増えてきました。
ヤマシギ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでしたが、もうそろそろ見られなくなる可能性があります。
夜の「ディスプレイフライト」もそろそろ見られるようになると思われます。
キジバト
ときどき「デデーポーポー」という声が聞こえ、飛ぶ姿も見られていますが、近くで見る機会は今週もほとんどなかったです。
旅鳥情報
シロハラ
今週は園内での確かな観察情報がなく、それまでいた個体は移動していなくなった可能性があります。
この先、本来の旅鳥として見られるかどうか、要注目です。
カシラダカ
今週は園内での確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
冬の鳥情報
ツグミ
4月19日土曜日には少数がいましたが、今日は確認しておらず、まだいなくなったとは言い切れませんが数が減ったのは間違いなく、そろそろ移動の時期になったようです。
今日は強風のせいか少なかったですが、この先まだもう少し見られそうです。
ハチジョウツグミ
今週は園内での観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
ウソ
声を聞く機会も少なくなってきており、近くで見たとの情報もなかったです。
シメ
「チッ」という鳴き声を聞く機会は少なくないです。
マヒワ
4月18日に確認できず、19日20日も確認できずで、移動していなくなった可能性があります。
ただ、マヒワは5月下旬に見られた年もあったので、もう少し様子をみます。
アトリ
4月18日には園内で確認しましたが、19日20日は確かな観察情報はなく、こちらも移動していなくなった可能性があります。
アトリも5月上旬まで見られた年もあったので、もう少し様子をみます。
キクイタダキ
今週は観察情報が少なく、柳の花(花粉)を食べに来ていたとの情報もなかったですが、観察情報は週によってばらつきがあります。
キクイタダキも5月上旬まで見られる年があるので、もう少し様子をみます。
キバシリ(亜種キタキバシリ)
今週も確かな観察情報はなかったですが、この先観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)。
ミソサザイ
今週も確かな観察情報はなかったですが、まだもう少し様子をみます。
コガラ
今週も確かな観察情報はなかったですが、もう少し様子をみます。
ヒレンジャク
(前述)
キレンジャク
昨年から今年にかけては今のところ園内での確かな観察情報はありません。
留鳥情報
クマゲラ
今週も園内で観察情報はありますが、近くで見られる機会は少ないです。
オオアカゲラ(亜種エゾオオアカゲラ)
園内でときどき見られています。
アカゲラ(亜種エゾアカゲラ)
園内一円で「キョッ」という声が聞かれることが多く、観察機会は多いです。
雌同士で「キャッキャッキャッキャッ」と鳴きながら争いしているのを見たとの情報もありましたが、まだ決着していないのかもしれません。
コゲラ(亜種エゾコゲラ)
園内一円で観察機会は多いです。
ヤマゲラ
本日9時前に「吊り橋斜面」で雄1羽が地面に降りて採餌していましたが、11時前にもまだほぼ同じ辺りにいました。
その他、近くで見て撮影できたとの情報が多くなってきており、こちらは例年通りの動きで、雪が解けて観察機会が増えてきています。
オオタカ
(前述)
ハイタカ
本日11時頃「風の丘」上空を飛ぶ1羽が観察されましたが、ちょくちょく来ているようです。
ノスリ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
トビ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでした。
カケス(亜種ミヤマカケス)
今週は園内での確かな観察情報はありませんでしたが、この先観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)
カワラヒワ
「作業員詰所」付近で「キリコロキリー」「ギュイーン」という鳴き声を聞き、目視観察できる機会も多いです。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、「テュッテュッ」という声はよく聞かれますが、この声は結構遠くまで聞こえてきます。
「フィー」「フィッフィッフィッ」という囀りもよく聞かれています。
ところで、この写真の個体は頭から肩にかけての辺りに薄い茶色のベールがかかっているように見えますが、なぜかは分かりません。
シジュウカラ
園内一円でよく見られており、「ツーピーツーピー」という囀りを聞く機会も多いです。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られており、「ピィピィピィ」という囀りもよく聞かれています。
ヤマガラ
園内一円でよく見られており、「チーリーツー」という3拍子の囀りも聞かれています。
ヒガラ
今週も「ツピツーツピツー」という囀りがよく聞かれています。
ハクセキレイ
今週は「ちびっこ広場」周辺での観察情報がありましたが、例年4月5月は観察機会が増える傾向にあります。
スズメ
道路沿いで見る機会があります。
ヒヨドリ
今週もほぼいつでもどこかから複数の鳴き声が聞こえてくるような感じです。
ハシボソガラス
園内で時々見られており、首を大きく上下に揺らしながら「ガアー ガアー」と鳴く姿もまだ観察されています。
写真は森の家の前の水たまりで水を飲んでいるところのものです。
ハシブトガラス
園内でよく見られていますが、巣材を集めてくわえる姿もよく見られるようになり、今後巣に対して注意が必要です。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
エゾマイマイ
春を感じる生き物のひとつ、エゾマイマイ(かたつむり)が見られるようになってきました。
エゾマイマイは殻に縞があるもの、黒っぽいもの、黄色っぽいものなど変異が多く、同じ種とは思えないこともあります。
エゾニワトコの「ブロッコリー」
エゾニワトコが芽吹いてきましたが、花が咲く芽は今の時期紫色のブロッコリーのような形をしています。
これ、実際に食べられるのですが、多く食べると肝臓に影響が出てしまうそうです。
エンレイソウ
そして旭山に本格的な春の訪れを告げる花、エンレイソウも咲き始めました。
漢字で「延齢草」、縁起がいい名前です。
写真は「森の家西の沢」で撮影、「藻岩山登山口」周辺でも咲いています。
次回は、2025年4月27日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。