旭山記念公園野鳥情報、2024(令和6)年10月5日土曜日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
●10月の野鳥観察会について、10月12日(土曜日)、10月27日(日曜日)、いずれも募集定員に達したため、受付終了とさせていただきました。
あしからずご了承ください。
今週のトピックス
ヤマゲラ
9月30日に「ヒャッ」と弱い鳴き声が聞こえた後「森の家坂」から「記念樹の森」周辺に2羽が飛んで来て、片方がもう片方に採餌していたとの観察情報がありました。
翌10月1日には「遊具広場の森」の大きなオオバボダイジュの木に2羽が飛んで来てしばらくその木にいましたが、「ピャッピャッピャッ」と激しく鳴きながら片方がもう片方を追いかけていました。
その状況は、親が子に対して親離れを促しているようにも取れました。
翌10月2日に「遊具広場の森」と「藻岩山登山口」周辺から「ピョッピョッピョッピョッ」と鳴き声が聞こえてきましたが、その日は近くでは見られませんでした。
ヤマゲラはこの先しばしば見られるものと思われますが、「ピョッピョッピョッピョッ」と本格的に鳴き始めるのは雪が積もった後、少し先のことになります。
アカゲラ
アカゲラは一年中見られますが、6月から8月の間はなぜかあまり「キョッ」と鳴かなくなり、気づかないまま通り過ぎていることが多いと思われます。
観察会でもだいたいその期間は、たまたま見つけた、たまたま近くにいた、といった感じで見られることが多く、誰も気づかずに観察会としては記録なしということもままあります。
しかし9月に入って見られる機会が増えてきており、「キョッ」という鳴き声も園内を歩いているとところどころから聞こえてきています。
次の写真の上はきのこが生えたナナカマドの枯れ木で採餌しているところですが、「キョッ」と声が近くで聞こえたら探せば見つかることがあります。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
この1週間もほぼ毎日園内での観察情報がありました。
園内でも出る場所はまちまちで、森の家南側、つり橋周辺、遊具広場から学びの森にかけてなどの情報があります。
数も数羽から20羽前後までの情報があります。
今後もこのような出方をするのか要注目です。
夏鳥情報
キビタキ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、この先情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また来年)。
コサメビタキ
こちらも今週も確かな観察情報はありませんでしたが、この先情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また来年)。
クロツグミ
「吊り橋周辺」など園内で観察情報がいくつかありました。
クロツグミは例年10月上旬から中旬まで旭山に滞在していますが、まだもう少し見られる可能性があります。
アカハラ
今週は確かな観察情報はなかったですが、クロツグミ同様もう少し見られる可能性があります。
トラツグミ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、10月頃まで見られることがあります。
ホオジロ
9月30日月曜日、「展望台北西木立」に3羽で現れ、数分間その辺りに滞在し、3羽揃って南の方に飛んで行きました。
数日前にも見られたのですが、例年であればそろそろ見られなくなる頃です。
アオジ
今週も「四季の散歩道」辺りと「ポートランドの森」で「チッ チッ」という地鳴きがしばしば聞かれています。
ただし、笹の葉より高い位置に出て来ることは稀で、観察・撮影の機会もごく少ないです。
ウグイス
「森の家南側斜面」や「遊具広場の森」の笹薮から「ヂッ ヂッ」という地鳴きが聞こえ、笹の間に動く姿が見られることもあります。
この時期はその鳴き声が聞こえたら、粘っていれば姿が見られることがあります。
ヤブサメ
今週は確かな観察情報はありませんでしたが、この先観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また来年)。
メジロ
ミズキやタラノキなど樹木の果実を食べに来てはいますが、今度はアズキナシの木にも来るようになりました。
下の写真がアズキナシの果実です(メジロは写っていません)。
メジロは「チュイーッ」とよく聞こえる声で鳴き、今の時期は聞こえない瞬間の方が少ないのではというくらいによく声を聞いており、今の時期出会う機会がもっとも多い野鳥です。
イカル
今週は園内での観察情報はなかったですが、11月くらいまではしばしば園内で見られる可能性があります。
キセキレイ
園内でまだときどき見られており、10月2日にも「遊具広場」に飛んで来ていました。
キセキレイは例年10月中旬から下旬に南に渡って見られなくなります。
モズ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、ここ5年ほどは秋から冬にも鳴き声が聞かれることがあり、この先また見られる可能性があります。
ヤマシギ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、そろそろ南に渡る頃で、その際には昼間でも飛んでいるのが見られることがあります。
キジバト
今日は何度か上空を飛ぶ姿が見られ、鳴き声も毎日のように聞かれています。
アオバト
今週は声も姿も確かな観察情報はなかったです。
チゴハヤブサ
今週も確かな観察情報はなく、この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また来年)。
オシドリ
今週は確かな観察情報はありませんでしたが、旭山では冬には基本的には見られず見られる環境にもないので、この先確かな観察情報がなければ、来週からここでは取り上げないことにします。
旅鳥情報
エゾビタキ
9月30日に園内で同時に3羽の観察情報がありましたが、もうそろそろ通過が終わって見られなくなるものと思われます。
サメビタキ
こちらは確かな観察情報はありませんでしたが、エゾビタキ同様です。
ビンズイ
今週は10月1日火曜日と本日10月5日に園内での観察情報がありましたが、この秋は飛び飛びで何回か見られていて、この先もまだ来る可能性があります。
冬の鳥情報
シメ
主に「友愛の小径」から「噴水広場」にかけての辺りで観察情報があり、だいたい5~8羽で見られています。
留鳥情報
クマゲラ
今週も何度か園内で観察されており、近くで見られることもあります。
10月4日金曜日には「ピクニックテラス」周辺で近くで見られたとの情報もありました。
また、円山方面から声が聞こえたり、藻岩山だったり、旭山都市環境林だったりと、広い範囲からほぼ毎日声が聞こえてきています。
オオアカゲラ
園内でときどき見られています。
アカゲラ
(前述)
コゲラ
観察機会は多く、木の幹や枝を移動しながら採餌し、警戒心もあまり強くないので、一度見つけるとじっくりと観察することができます(急に動いて近づかないように)。
ヤマゲラ
(前述)
フクロウ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
ハイタカ
10月1日8時過ぎ、展望台上空に南から飛んで来て北へ抜ける個体が1羽、その数分後に「吊り橋」付近で1羽が見られましたが、それらが同一個体かどうかは不明です。
ハイタカはここ10日ほどの間に何度か朝8時台に園内で見られていますが、旭山では12月上旬までの間は他の時期よりは観察機会多めになります。
ノスリ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
トビ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週も園内での観察情報はありませんでした。
オオセグロカモメ
今週も園内での観察情報はありませんでした。
カケス(亜種ミヤマカケス)
例年9月中に山から降りて来ていますが、今年は10月5日現在まだ声や姿を確認していません。
やはり、山の食糧が豊作で降りて来るのが遅いか来ない、という可能性もあり、カケスには要注目です。
カワラヒワ
今日も園内で鳴き声が聞かれ、1羽から3羽でときどき現れていますが、高い木にとまることが多く姿を見る機会は意外と少ないです。
渡りの途中と思われるカワラヒワは今週は観察情報がなかったです。
なお、今の時期石狩市はまなすの丘公園に行くと、数羽から多くて50羽ほどの群れが見られます。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
園内一円でよく見られており、近くで見られる機会もあります。
「テュッ テュッテュッ」という声を聞くことも多いです。
今日は第1駐車場入口の横断歩道近くにあるイチイの木にイチイの実を食べに来ていました(写真は別の機会のものです)。
シジュウカラ
園内一円でよく見られています。
ハシブトガラ
園内一円でよく見られています。
ヤマガラ
園内一円でよく見られていますが、この時期地面に降りて採餌することも多く、その場合は近くで見られることもあります。
ヒガラ
今週もまだ「ツピツーツピツー」という囀りを聞くことがありますが、頻度は落ちてきました。
姿もしばしば見られており、針葉樹の中で「ツーツツ」と強い声が聞こえてきたら、その辺りで見ていると枝を降りて近くに来ることもあります。
ハクセキレイ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
スズメ
道路沿いで見る機会がありますが、10月1日珍しく展望台に1羽が来ていました。
ヒヨドリ
今週も園内各所で見られており、写真のように幼鳥も見られています。
ハシボソガラス
「噴水広場」から「テラス状階段」の辺りと第1駐車場でだいたいいつも見られます。
ハシブトガラス
園内でよく見られていますが、次の写真の上は今年生まれの幼鳥(亜成鳥)と思われる個体で、頭の羽がまだ薄くてきれいに整っていないように見えます。
また、下の写真では、別の日に同じ「遊具広場」で撮影したもので、同一個体かどうか分からないですが、向かって左の子どもが右の親に餌をねだって親があげたところです。
旭山記念公園各所名称マップ
野鳥等が観察された詳細な地点をご案内するにあたり、園内各所に名称をつけました。
主に野鳥情報の記事でそれら名称を使用しており、「」(かぎかっこ)でくくったものがその名前で、こちらの地図で場所を確認することができます。
文字が小さいので拡大してご覧ください。
旭山その他の自然情報
ニホンカナヘビ
昨日の雨の後、今日は晴れて気温が上がり、ニホンカナヘビが園内あちこちで活動しているのを見ることができました。
こちらは全長20cmあるかないかの幼体(子ども)ですが、この後冬眠して、来年は大きくなることでしょう。
オオスズメバチ
この時期に飛んでいるスズメバチは越冬する女王バチで、捕まえでもしない限り刺すことはほぼありません。
ただやはり、親指ほどもあるオオスズメバチが「ブーン」という低音とともに飛んでいて近寄って来ようものなら、怖いことは怖いですよね。
慌てず、冷静に、手で払ったりせずやり過ごすようにすれば大丈夫です。
ヌルデの果実
だいぶ茶色くなってきていますが、野鳥が寄り付くのは冬になってからと思われます。
次回は、2024年10月13日日曜日か14日月曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。