旭山記念公園野鳥情報、2023(令和5)年5月5日金曜日、こどもの日。
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
5月の野鳥観察会ですが、すべて定員となり受付を終了いたしました。
あしからずご了承ください。
6月の野鳥観察会については、後日ご案内させていただきます。
今週のトピックス
ビンズイ
4月30日日曜日と5月2日火曜日、1羽のビンズイが森の家の裏に来て地面を歩きながら採餌する姿が見られ、どちらも30分以上じっくりと観察できました。
なぜか1羽だけで、人慣れしているのか6、7mに近寄っても逃げず、20人くらいの人に見られている中で餌を探し続けていました。
下の写真2枚がその時のものですが、5月3日にはもうこの場所には来なくなっていました。
ルリビタキ
先週は出会う機会が多くなっていますと書きましたが、まさにその翌日から見られる機会が減りました。
今日もまだ園内にいることはいますが、雌もしくは若雄で、たまに出てくる程度です。
例年通りであればもう明日明後日にでも見られなくなると思われますが、今年の旭山でのルリビタキ観察ベストシーズンは思いのほか早く終わってしまいました。
キレンジャク
本日5月5日、キレンジャクが園内にまだいました。
この時期にまだ残っているのは珍しく、こちらで記録を取っている2009年以降では2015年に5月6日に見られたことがあるくらいです。
数も10羽以上はいないくらいですが、今日聞こえたのはすべてキレンジャクの鳴き声で、ヒレンジャクがいたかどうかは確認できませんでした。
オシドリ
2023年4月29日、オシドリのペアが旭山都市環境林「ふしぎ池」に来ていました。
オシドリは3年ほど前から「ふしぎ池」に7月までの間に時々来るようになりましたが、ペアで来る時と雌だけで来る時があり、今後も見られるかもしれません。
夏鳥到来情報
20.コマドリ
2023年4月28日金曜日、コマドリが今年初めて園内で確認されました。
昨年の旭山での初認日は4月24日、昨年より4日遅い記録となりました。
コマドリは翌29日にはまだ声が聞こえてきましたが、30日にはもういなくなったと思われ、声も聞こえてきませんでした。
また、その後新たに入って来たという情報も今のところありません。
21. コルリ
同じく2023年4月28日金曜日、コルリが今年初めて園内で確認されました。
昨年の旭山での初認日は4月28日、昨年と同じ日でした。
コルリは最初森の家の裏で鳴いていましたが、今は主に早朝に登山口付近と旭山都市環境林で鳴いています。
コルリは5月いっぱいくらいは不意に見られることがあり、観察・撮影の際には注意深く探すと見つかる確率が高くなります。
また、早朝と雨や曇りの日には高い木で囀りしていることもあります。
22. オオルリ
2023年4月29日土曜日、オオルリが今年初めて園内で確認されました。
昨年の旭山での初認日は4月25日、昨年より4日遅い記録となりました。
オオルリは南から渡って来た直後は見られる機会が比較的多いのですが、今年は見たという情報は少なく、また囀りもまだほとんど聞かれていません。
このままであればちょっと心配ですが、この先どうなるでしょうか。
なお、旭山でオオルリが比較的よく見られるのは第2駐車場入口から藻岩山登山口そして森の家西の沢の辺りです。
23.キビタキ
2023年4月30日日曜日、キビタキが今年初めて園内で確認されました。
昨年の旭山での初認日は5月3日、昨年より3日早い記録となりました。
キビタキも渡来直後は見られる機会が多いですが、今年はまだ観察情報が少なく、囀りも5月4日になってようやく聞かれるようになったくらいです。
オオルリ同様この先の動きが気になりますが、キビタキは旭山で観察機会が多い夏鳥でもあるので、囀りが本格化すれば見られるようになると思われます。
24.コサメビタキ
2023年5月2日火曜日、コサメビタキが今年初めて園内で確認されました。
昨年の旭山での初認日は5月5日、昨年より3日早い記録となりました。
コサメビタキは春先はあまり地鳴きもせず、囀りを聞くこともあまりないので目立たないのですが、その日はたまたまシラカンバのてっぺん付近にいる小さな鳥が目に入り、双眼鏡でコサメビタキであると確認したもので、それがなければまだ初認とはなっていなかった可能性もあります。
なお、その時は珍しく囀りしていましたが、メジロをおとなしくしたような鳴き方でした。
コサメビタキは幼鳥が巣立った7月中旬以降に見られる機会が多くなり、春先から夏には時々目に留まる、くらいです。
25.チゴハヤブサ
同じく2023年5月2日火曜日、チゴハヤブサがが今年初めて園内で確認されました。
昨年の旭山での初認日は4月24日、昨年より4日遅い記録となりました。
チゴハヤブサは噴水広場付近からちびっこ広場方面で比較的見られる機会が多いですが、昨日の野鳥観察会の際には森の家付近で鳴き声が聞こえたので、森の家方面に飛んで来ることもあるようです。
26.ツツドリ
2023年5月5日金曜日、本日、ツツドリが今年初めて園内で確認されました。
昨年の旭山での初認日は5月3日、昨年より2日遅い記録となりました。
園内といっても藻岩山から声が聞こえてきたものですが、園内でも見られることはあるかと思います。
ただし警戒心が強く、30mくらい先にいるのに気づいてもすぐに逃げてしまいます。
2023年夏鳥到来情報(カッコ内は2022年との比較)
1.ベニマシコ 3月23日(13日早)
2.ヤマシギ 3月23日(6日早)
3.ホオジロ 3月27日(8日早)
4.モズ 3月31日(同日)
5.キジバト 3月31日(13日遅)
6.イカル 4月4日(12日遅)※参考記録
7.ウグイス 4月11日(1日遅)
8.キセキレイ 4月14日(9日遅)
9.クロツグミ 4月14日(4日早)
10.ルリビタキ 4月14日(7日遅)
11.アオジ 4月15日(3日遅)
12.トラツグミ 4月18日(12日遅)
13.アカハラ 4月19日(同日)
14.ノビタキ 4月20日(7日遅)
15.メジロ 4月21日(3日遅)
16.ヤブサメ 4月24日(9日遅)
17.センダイムシクイ 4月26日(2日遅)
18.エゾムシクイ 4月26日(1日遅)
19.ビンズイ 4月27日(2日早)
20.コマドリ 4月28日(4日遅)
21.コルリ 4月28日(同日)
22.オオルリ 4月29日(4日遅)
23.キビタキ 4月30日(3日早)
24.コサメビタキ 5月2日(3日早)
25.チゴハヤブサ 5月2日(4日遅)
26.ツツドリ 5月5日(2日遅)
なお、先週までこのリストにジョウビタキを入れていましたが、ジョウビタキは旅鳥であるためリストから外し、それ以降のメジロからビンズイの番号を1つずつ繰り上げました。
訂正の上お詫びいたします、ご了承ください。
夏鳥の「両横綱」キビタキとオオルリが渡来し、夏鳥到来ももう残すところあと数種となりました。
野鳥好きとして、この時期は大きな楽しみが終わって若干寂しくもなります。
今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週もたびたび見られており、森の家の周りにも1日に1度は来ていて、見られる回数は意外と多いというのが現状です。
ただし、あの「ジュルッ」という声を出さずに「チャッ」という小さな声だったり鳴かなかったりということもあって、気づきにくいかもしれません。
巣で抱卵していて尾羽が曲がっている個体を目にすることも多いです。
今年も無事雛がかえって巣立つといいのですが。
冬鳥、旅鳥、春と秋に旭山で見られる夏鳥情報
ルリビタキ
(上述)
ミヤマホオジロ
先週は追加情報を上げましたが、今週は園内での確かな観察情報はなく、来週までに観察情報がなければ来週からここでは取り上げません(また秋に)。
ベニマシコ
4月30日には園内で鳴き声を聞きましたが、その後の確かな観察情報はありません。
ベニマシコはそろそろ旭山では見られなくなる頃です。
イスカ
今週は確かな観察情報はありませんでしたが、今年は春の通過の情報が無いまま過ぎようとしています。
来週までに観察情報がなければ、来週からここでは取り上げません(また秋に)。
マヒワ
4月29日に数羽の観察情報がありましたが、その後は確かな観察情報はありませんでした。
もう少し様子をみます。
シメ
今日もまだ園内で見られましたが、そろそろ旭山では見られなくなる頃です。
アトリ
今週は園内での確かな観察情報はありませんでしたが、来週までに観察情報がなければ来週からここでは取り上げません(また秋に)。
ウソ
亜種ベニバラウソはもう抜けたようで情報はなく、他の亜種もほとんど情報はありませんでしたが、こちらもそろそろ見られなくなる頃です。
エゾムシクイ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
エゾムシクイは鳴き声が独特で気づきやすく、例年声を聞く機会は少なくないのですが、これだけ情報がないということはほとんど観察情報がないままもう抜けた可能性があり、ちょっとばかり心配ではあります。
もう1週間様子をみます。
キクイタダキ
先週4月28日に今朝もいたと書きましたが、5月に入ってから声を聞いたり姿を見たりということがなくなり、もう山に移動していなくなった可能性があります。
もう1週間様子をみます。
ツグミ
先週4月28日には30羽前後の群れで飛んでいたと書きましたが、翌29日から1羽から数羽だけで見られるようになり、今週に入ってから1羽だけという情報ばかりになりました。
今日も園内での観察情報がありましたが、そろそろ見られなくなる頃で、いるのは何かの理由で残っているものだけといったところです。
マミチャジナイ
今週も園内での確かな観察情報はありませんでしたが、この春は園内での観察情報がまだなく、そのような年は今までなかったので心配にはなります。
シロハラ
今日も5月2日に園内での観察情報がありましたが、そろそろ見られなくなる頃です。
ヒレンジャク
キレンジャクとの混群は4月30日には見られていましたが、5月に入ってからの確かな観察情報はありませんでした。
ただ、ヒレンジャクは昨年は5月11日まで残っていたので、もう少し様子をみます。
キレンジャク
上述の通りですが、もう少し様子をみます。
ミソサザイ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、来週までに観察情報がなければ来週からここでは取り上げません(また秋に)。
コガラ
昨日、コガラと思われる2羽のおそらくペアが森の家の裏で見られました。
写真がそれですが、求愛行動らしき行動をとっていて、もしかして近くで営巣するかもしれません。
夏鳥情報
イカル
園内で時々観察されていますが、やはり空を飛んでいるのをたまたま見つけるばかりで、なかなか近くでは観察できません。
アオジ
園内で観察機会が増えてきており、囀りも聞く機会が増えてきました。
カラマツ林と登山口付近での観察情報が多いです。
ホオジロ
展望台周辺及び噴水広場周辺で時々囀りしています。
写真は雌ですが、近くに雄もいました。
クロツグミ
藻岩山方面からは毎朝囀りが聞こえてくるようになりましたが、相変わらず巨木の谷付近ではまだ囀りを聞いていません。
今年はそこには来ないのか、まだこれからか、注目してゆきます。
アカハラ
時々藻岩山方面から囀りが聞こえてはきますが、園内で近くで見られたという情報は今週もありませんでした。
ただ、例年5月中旬までは園内でも見られることがあります。
トラツグミ
4月30日、昼間に登山口付近の斜面から「ヒョー」という声が聞こえてきました。
ウグイス
園内何か所かで「ホーホケキョ」と鳴いており、森の家裏からポートランドの森そして巨木の谷で囀りしていることが多いです。
他園内数か所で囀りを聞くことができます。
ヤブサメ
森の家の周りで2羽が囀り合戦をしていることがあり、またこの時期は笹から出て低木にとまって囀りしたり、地面で採餌する姿を見る機会が意外と多いです。
ヤブサメは人によっては「めったに見られない」という方もおられますが、この時期は鳴き声などでそこにいることが分かった場合粘っていれば比較的よく見られます。
センダイムシクイ
「チヨチヨビー」と囀りを聞くことが多くなり、近くで2羽が鳴いていることもあります。
メジロ
今の時期野鳥観察会でいちばんよく見られるのがメジロで、今日も近くで見られました。
写真は遅ればせながら「サクジロー」、森の家横の桜に来たメジロです。
キセキレイ
第2駐車場から道路沿いで時々見られ、つり橋周辺にも来ることはありますが観察頻度は高くはないです。
モズ
ちびっこ広場から遊具広場にかけての辺りで「キチッ」と時々見られていますが今年は観察頻度が低いです。
ヤマシギ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、夜の「チキッ ブッブー」と鳴きながら旋回飛行する「ディスプレイフライト」以外で見ることはもう難しいと思われます。
キジバト
やはり学びの森周辺にはほとんど来ないです。
森の家から聞こえる範囲内で時々鳴いています。
ツツドリ
(上述)
チゴハヤブサ
(上述)
留鳥情報
クマゲラ
今週も園内での観察情報は少なく、藻岩山方面から聞こえてくるばかりです。
4月に数日園内でよく見られたことがありましたが、それだけでこの春は終わるかもしれません。
オオアカゲラ
園内及び旭山都市環境林で時々見られる程度になりました。
アカゲラ
「キャッキャッ」と鳴いたり、追いかけっこしたり、ドラミングの雌雄コール&レスポンスもあまり聞かれなくなり、静かになりました。
観察機会は少なくはないです。
コゲラ
今週もよく見られていて、時々間近で見られます。
ヤマゲラ
「ピョッピョッピョッピョッピョッ」という声はまだ聞かれており、今日は午後2時過ぎに森の家周辺で離れた場所で2羽が鳴き合っており、うち近くにいて目視できた個体は雄でした。
ヤマゲラはまだもう少しこのような状態が続くと思われます。
フクロウ
今週も園内での観察情報はありませんでした。
オオタカ、ハイタカ
今週はどちらも園内での観察情報はありませんでした。
ノスリ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
トビ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
ハヤブサ
今週も園内での観察情報はありませんでした。
ゴジュウカラ(亜種シロハラゴジュウカラ)
まだ時々見られていますが、そろそろ観察機会が少なくなる頃で、囀りもあまり聞かれなくなってきました。
シジュウカラ
観察機会は多く、囀りも盛んで、今はヒガラやメジロよりも囀りを聞く機会が多いかな、くらいになっています。
近い距離で2羽の雄が囀りしあっていることもあります。
森の家の周りにもよく来ます。
ハシブトガラ
観察機会は多く、まだ時々囀りも聞かれています
ヤマガラ
観察機会は多いですが、囀りを聞く機会は減ってきました。
ヒガラ
観察機会は多く、囀りもよく聞きます。
カワラヒワ
観察機会は多く、「キリコロキリー」という鳴き声を聞くことも多いです。
ハクセキレイ
今朝も第1駐車場に1羽が来ていましたが、春になり園内での観察機会が増えています。
スズメ
遊具広場やちびっこ広場など道路沿いで見られています。
ヒヨドリ
今週もよく見られており、桜の花の蜜を吸いにも来ています。
写真はカスミザクラに来たヒヨドリで、カスミザクラの白い花は今園内何か所かで見られています。
ハシボソガラス
第1駐車場周辺とテラス状階段から噴水広場の間で見られることが多いです。
ハシブトガラス
園内でよく見られていますが、レストハウス周辺や展望台では人が持っている食べ物を奪おうとする個体がいるので、くれぐれもご注意ください。
ワスレナグサ人気上昇中!
森の家の南側、階段の横にいまたくさん咲いている青い花、それがワスレナグサです。
今週になって開花し、今はたくさん花が見られますが、ここ数日で何人かのかたに「あの青い花は何ですか?」と聞かれました。
ワスレナグサはシソ目ムラサキ科、ヨーロッパ原産の外来種です。
青い花の中によく見るとピンクから赤紫がかった花もあり、また森の家階段の横には白い花が咲く株もあります。
漢字では「勿忘草」「忘れな草」とも書き、春の季語でもあります。
ここのワスレナグサは6月になる頃まで花が見られます。
青い花のアップ
青い花の株
白い花のアップ
森の家階段横の小群落。
次回は2023年5月12日金曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多くの野鳥を見られることを願っております。