– 札幌のまちなみを見渡せる、自然豊かな公園 –

旭山記念公園野鳥情報2020年12月20日(日曜日)

旭山記念公園野鳥情報、2020(令和2)年12月20日日曜日

 

ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。

 

この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。

 

 

◎今週のトピックス
キクイタダキ
旭山でのキクイタダキ観察情報が増えてきています。
今のところよく出るのはミュンヘンの森とつり橋周辺ですが、展望台周辺、風の丘周辺など、常緑の松がある場所に現れます。
「ツーツツー」というか細い声が松から聞こえたらその木を探すと見られますが、木の高い位置にいるとなかなか見えないこともあります。
根気よく待っていると下の方に降りてきたり、幹の側に来てよく観察できることもあります。
2羽でいることが多いです。
キクイタダキは、冬に向けて今後観察情報が増えることが予想されます。

 

ハギマシコ
本日、野鳥観察で来園された方からハギマシコを園内で見たとの情報をお寄せいただきました、ありがとうございます。
ハギマシコは旭山でごくたまに見られる程度で通過がほとんどですが、今後動向に要注目です。

 

イカル
昨日12月19日、イカル1羽が森の上に北から飛んで来てそのまま藻岩山方向に飛んで行きました。
このまま越冬することになるのか、こちらも要注目です。

 

メジロ
この1週間、2人の方から園内でメジロを見たという情報をいただき、写真も見せてもらいました。
札幌では夏鳥であるメジロは過去にも何度か12月から2月の間に観察されたことがあり、残っている個体がいる年もあるようです。

 

ヒレンジャク、キレンジャク
100羽以上の群れが12月16日水曜日まで見られていましたが、それから数が少しずつ減り、今は20羽ほどの群れが見られています。
今日も森の家のそばのシラカンバに20羽ほどが10分ほどとまっていて、双眼鏡があればじっくりと観察できました。
ヒレンジャクは、下の写真1枚目、雄が雌に(あるいは逆)ナナカマドの実をあげているところも観察されましたが、他の個体が近づくとどちらかがそれを追い払ったりもしていました。
2枚目はナナカマドの実を食べる群れで、たくさんいた頃は時々こうして低い位置に降りて来ていましたが、ここ2日ほど低い位置で見られる機会が減ってきています。
3枚目はたくさんいた頃に撮った飛んでいるヒレンジャクの群れで、人が近づいたりするとこうして飛んで一回り、二回りしてまた元のポプラに戻っていました。

ヒレンジャク2020年12月20日1

ヒレンジャク2020年12月20日2

ヒレンジャク2020年12月20日3

 

キレンジャクは100羽以上いた頃に10羽前後が混じっていましたが、今日見られたのはすべてヒレンジャクでした。
キレンジャクについては過去に群れで越冬した年もあって、この先まだ分かりません。

 

 

ゴジュウカラ
12月16日水曜日、今シーズン初めての囀り=「初鳴き」が聞かれました。
「フィーフィー」と長く伸ばすか、「フィッフィッフィ」と小刻みか、囀りには2通りありますが今回聞かれたのは前者の長く伸ばす声でした。
ゴジュウカラは毎シーズン12月に「初鳴き」が聞かれ、ほぼ例年通りです。
写真は囀りしているところではないですが、この1週間に園内で撮影したゴジュウカラです。

ゴジュウカラ2020年12月20日

 

 

 

◎今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
この1週間は10時半~11時台にほぼ毎日森の家周辺で見られています。
朝も日の出の後に栗の木デッキ周辺もしくは風の丘からカラマツ林で出ることがありますが、日によっては数が少なかったり、気配がなかったりです。
それでも7時台と11時台は見られる可能性が高いです。
12月18日にはまだほの明るい日の出時刻前の6時50分にアーチ橋付近のカラマツに現れたりもしましたが、下の写真がその時のものです。
また、カラ類混群に入っている2、3羽もまだ見られており、それらはカラ類の声が近くで聞こえたら探すと見つけられることがあります。
シマエナガについてはいつも写真を撮っている方がいらっしゃいますので、ぜひお声をかけてお話を聞いてみてください。
森の家でもシマエナガの情報を発信していますので、こちらもご遠慮なくお越しください。

シマエナガ2020年12月20日

 

 

 

 

◎冬の鳥情報
マヒワ
30~40羽の大きな群れが引き続き園内でよく見られていますが、数羽の群れだったり、単独だったりということもあり、いずれにせよ園内でまだよく見られています。

 

ベニヒワ
10~20羽ほどの群れがまだ見られていますが、飛んでいるところばかりで木にとまる姿はなかなか見られていません。

 

イスカ
今日も声を聞きましたが、低い位置では見られたという情報はないです。
ちなみに、中島公園では低い位置の松に採餌に降りて来ることがあり、イスカについては旭山より観察条件がよさそうです。

 

ギンザンマシコ
今週は確かな観察情報はありませんでした。

 

ウソ
ときどき「フィッ」という声が聞こえますが目視できる近さで見ることはやはりまだ少ないです。
森の家より西側の藻岩山方面から声が聞こえて来ることが多いです。

 

シメ
今週は先週よりは見る機会が多かったですが、それでも2羽から数羽です。

 

キバシリ
カラマツ林周辺で見られていますが今週も見る機会が少なかったです。

 

ツグミ
先週はもうまとまって飛んでいることはなくなったと書きましたが、今日午前11時頃森の家上空を50羽以上の群れが飛んでいました。
まだ渡りが終わり切っていなかったようです。
1羽から数羽がハリギリなど木の実を食べに降りてきているのが時々見られます。

ハチジョウツグミ
12月18日に園内で撮影した方がおられ、その日まではいたことが分かりましたが、昨日今日は観察情報はありませんでした。
1月まで見られる年もあるので、この先はまだ分かりません。

【2020年12月21日 追加情報】

12月20日日曜日に園内でハチジョウツグミを見たとの情報を、来園された方から本日メールでお寄せいただきました、ありがとうございます。
この先まだ見られる可能性があります。

 

ミソサザイ
今週は観察情報が少なかったです。
出るとすれば森の家西側の沢、つり橋周辺か遊具広場付近です。

 

コガラ
今週は確かな観察情報はありませんでした。

 

カケス(亜種ミヤマカケス)
今週もぼちぼち見られていて、今日は森の家と第2駐車場の間で観察され、そこから森の家西側の沢の辺りとつり橋周辺でよく見られます。

 

 

 

◎留鳥その他情報
カワラヒワ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、中島公園ではまだ多く見られており、どうやら冬は旭山からはいなくなっているようです。
ただ、冬の間旭山にも時々来ている可能性はあり、今後注意してゆきたいと思います。

【2020年12月22日 追加情報】
本日、学びの森付近のシラカンバにカワラヒワ18羽の群れが来て採餌していました。

 

モズ
今週も確かな観察情報はありませんでした。

 

クマゲラ
今週はほぼ毎日園内での観察情報がありました。
雄を同時2羽見た、雌雄不明だが2羽が続けて上空を同じ方向に飛んで行った、園内で「キョーン」と声が聞こえたほぼ同時に藻岩山から「プルプル」と声が聞こえた、といった情報があり、複数いることは間違いないようです。
写真はちょうど1週間前の12月13日に園内学びの森近くで撮影した雄の個体ですが、すぐに西の方に飛んで行きました。
クマゲラはその日にならないと見られるかどうか分からないといつも書いていますが、冬が本番となり、以前よりは園内で見られる可能性が高くなってきてはいます。

クマゲラ2020年12月20日雄

 

オオアカゲラ
今週も観察情報がありました。

 

アカゲラ
今週もよく見られています。
写真は森の家の裏で撮影した雌の個体です。

アカゲラ2020年12月20日雌

 

コゲラ
観察機会は多いです。

 

ヤマゲラ
ときどき観察されています。

 

フクロウ
今週は園内での観察情報はありませんでした。

 

オオタカ
今週も観察情報がありました。

 

ハイタカ
今週も観察情報がありました。

 

ノスリ
今週は観察情報がありました。

 

トビ
今週は観察情報はありませんでした。

 

オジロワシ、オオワシ
今週は観察情報はありませんでした。

 

シジュウカラ
園内でよく見られています。

 

ハシブトガラ
園内でよく見られています。

 

ヤマガラ
観察機会は多いです。
下の写真はハウチワカエデの木に来たヤマガラです。

ヤマガラ2020年12月20日

 

ヒガラ
園内でよく見られており、針葉樹にいます。
囀りもよく聞かれています。

 

ハクセキレイ
今週も確かな観察情報はありませんでした。

 

ヒヨドリ
園内でよく見られています。

 

ハシブトガラス、ハシボソガラス
園内でよく見られています。

 

スズメ
道路沿いや第2駐車場付近で時々見られますが、それ以外の場所ではめったに見ることはありません。

 

 

 

 

◎もしかしてシマエナガ・・・!?・・・ポール・マッカートニーは野鳥が好き
サー・ポール・マッカートニー。
ビートルズのメンバー、御年78にしてこの12月に新しいアルバム McCARTNEY IIIをリリースし、まだまだ元気なところを見せてくれています。
そのアルバムの1曲目が、Long Tailed Winter Birdというもの。
えっ、もしや、ポール・マッカートニーがエナガ=シマエナガのことを歌ったの?
エナガは英語で”Long-Tailed Tit”、”tit”はカラ類のことで、「尾の長いカラ類」という意味。

ポール・マッカートニーの歌は「尾の長い冬の鳥」で、特定の種類ではないのかもしれない。
ただ、シマエナガは留鳥ではあっても冬によく見られるので、「冬の鳥」というイメージがある人にはあるのではないでしょうか。
曲を聴いたところ、これは歌というよりは「サウンド」で、言葉は3行だけしかなく、それが「サウンド」の中に織り込まれています。
曰く
「僕のことが恋しいかい?」
「僕のことを感じるかい?」
「僕に触れてみたかい?」
確かに、シマエナガが大好きでシマエナガに会えなかった日はがっかりという人は多いし、シマエナガの存在を感じるだけでも楽しいし、直接触れられなくても写真というかたちで接している人もたくさんいます。
やっぱり、シマエナガのことを歌っている?
いや、ポール・マッカートニーが日本で起こっていることを知っているはずは・・・
曲は正直、シマエナガ自体を描写したような感じではないかな(もちろん感じ方は人それぞれですが)。
ただ、跳ねるようなリズムにのったギターが賑やかな曲で、冬というのにどこか暖かみがあって、シマエナガっぽいといえなくもない。
むしろ、シマエナガが来るのを楽しみにしている人たちを描いた、と解釈すればそんな感じはしてきます(繰り返し感じ方は人それぞれですが)。
いずれにせよ、このタイミングでこの偶然は面白いです。
曲をここに貼り付けることはできないので、ご興味がある方はネットで探すかCDを聴いてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、ポール・マッカートニーが住んでいる英国(イングランド)にもエナガはいますが、おなじみ北海道の顔が白いシマエナガではなく、本州以南のエナガと同じ顔に黒い帯が入っています。

ポール・マッカートニーはどうやら鳥が好きなようで、ビートルズ時代にはBlackbirdという曲を書いて歌っていて、これはツグミの仲間の「クロウタドリ」のことでイギリスには当たり前にいる鳥です。
その後もBluebirdを書いたり、ハトやガチョウ(ガン)やミソサザイ、サヨナキドリ(ナイチンゲール)がタイトルに出て来る曲を作って自分で歌ったり人に提供したりしています。

 

 

マッカートニー32020年12月20日

 

 

次回は12月27日日曜日に上げる予定です。

 

 

旭山でのバードウォッチング、皆様が多く見られることを願っております。