旭山記念公園野鳥情報、2020(令和2)年12月12日土曜日
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
◎本日の旭山野鳥観察会
本日8時より「旭山野鳥観察会」を行いました。
観察会の間に確認できた野鳥は以下の15種でした(五十音順)
アカゲラ、イスカ、コゲラ、ゴジュウカラ、シジュウカラ、
ツグミ、ハシブトガラ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、ヒガラ、
ヒヨドリ、ヒレンジャク、マヒワ、ミソサザイ、ヤマガラ
今日は残念ながら観察会の間にシマエナガは見られませんでした。
それ以外も今日は全体的に低調で、後半にカラ類混群が出たりマヒワが来たりといったところでした。
ミソサザイは森の家西側の沢で鳴き声が聞こえましたが、姿は見られませんでした。
亜種ハチジョウツグミは観察会の時には見られなかったですが、ちびっこ広場で今日見たとの情報がありました。
ヒレンジャク50羽くらいの群れと20羽くらいの群れが飛んでいましたが、その中にキレンジャクがいた可能性は高そうです。
ヒレンジャクは最後森の家の前に6羽いてじっくりと見られました。
本日、観察会の時間以外に観察情報があった野鳥
カケス、クマゲラ、シマエナガ、シメ、ツグミ亜種ハチジョウツグミ、
ハイタカ、ヤマゲラ
◎今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
12月7日月曜日、翌8日火曜日に森の家周辺でエナガが見られ、30分以上近くで見られるようになりました。
特に7日は栗の木デッキ付近から森の家にかけての辺りで低い位置でも見られ撮影にはいい条件でした。
しかし、いつも観察しておられる方によれば、9日水曜日、10日木曜日は出たことは出たけれど高いか遠いかだったとのことです。
11日金曜日は森の家西側にやはり30分以上滞在しじっくりと見られました。
写真は3枚ともその時に撮影したものですが、2枚目、ハリギリの実を食べていたのは比較的珍しい行動です。
今日は観察会が終わって11時過ぎに森の家から階段を降りて第1駐車場方向に行く道に出て、それからしばらく辺りで見られていたとの情報がありました。
シマエナガはこのようにその日によって出方が違います。
見られるかどうかはほんとうに来てみないと何ともいえない、といったところです。
◎今週のトピックス
ヒレンジャク、キレンジャク
今週に入ってヒレンジャクが多い時で100羽前後見られました。
100羽全体で飛ぶこともあれば、20~50羽の群れに分かれて飛んだり、数羽でいたり。
展望台アーチ橋近くの高いポプラに集まってとまり、時々低いナナカマドの実を食べに降り、人が近づくと飛び上がってポプラに戻るという行動が見られ、低い位置に来たときは撮影にはいい条件でした。
今日も50羽以上の群れが見られましたが、土曜日で人が多いせいか、アーチ橋のポプラにはなかなか来ません。
それでも数羽の群れや20~50羽の群れが飛んでいるのはよく見られます。
ポプラに集まっている時によく探すとキレンジャクが数羽入っていて、12月7日には10羽が確認できました。
下の写真2枚、上がそのポプラに集まっているところ(全部ではないですが)、下の写真は左側の上の1羽だけキレンジャクです。
ヒレンジャクがこれだけ集まっているのは過去10年でもなかったことで、今年は観察のチャンスです。
キレンジャクは10羽まで確認できましたが、それ以上の大きな群れでは来ていないようです。
ただし、キレンジャクも群れで越冬した年があるので、この先どうなるか動向に注目です。
亜種ハチジョウツグミ
観察会のところでも触れましたが、今週に入って亜種ハチジョウツグミが見られており、4羽いたとの情報がありました。
見られるのはだいたい噴水広場からちびっこ広場にかけての辺りで、森の家周辺では見たという情報は今のところありません。
◎冬の鳥情報
マヒワ
30~40羽の大きな群れが引き続き園内でよく見られています。
「ジュリー チリチリ」といった鳴き声を出しながら飛びまわり、時々高いシラカンバやカラマツにとまります。
カラマツかシラカンバでは上の方ににとまって餌をとりますが、とまっている時は鳴き声をあまり発しないか出しても小さくて聞きとりにくく、気が付いたらいたということが結構あります。
マヒワは数はこの先減るかもしれないですが、冬を通して園内で比較的よく見られます。
ベニヒワ
10~20羽ほどの群れが飛んでいますが、やはり木にとまることはあまりなく、観察頻度は低いです。
ただ、滞在している限りは木にとまったところを観察するチャンスはまだまだありそうです。
イスカ
今日も声を聞きましたが、低い位置では見られたという情報はないです。
ギンザンマシコ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
ウソ
ときどき「フィッ」という声が聞こえますが目視できる近さで見ることは少ないです。
森の家より西側の藻岩山方面から声が聞こえて来ることが多いです。
シメ
今週はあまり見られておらず、今日は観察会でも見られませんでした。
例年だとこの先春までは、見られても5羽以下くらいにはなります。
ミヤマホオジロ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
この先も見られなければ、春までここで情報を扱わないことにします。
キバシリ
カラマツ林周辺で見られていますが今週は少なかった印象です。
キクイタダキ
園内でときどき見られていますがまだ見られる頻度は低いです。
ツグミ
亜種ハチジョウツグミ以外のツグミはもうまとまって飛んでいることはなくなり、1羽から数羽で見られるくらいになりました。
例年真冬は数が減りますが、今年もそうなってきました。
ミソサザイ
森の家西側の沢で今日は出ましたが、時々沢の斜面で見られます。
コガラ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
カケス(亜種ミヤマカケス)
見られることは見られていますが、今日観察会で出なかったように、いる場所が以前ほど決まっておらず、見られない日も出てくるようになりました。
写真は昨日撮影したもので、ピクニックテラス周辺に4羽いました。
◎留鳥その他情報
(今週より夏鳥や旅鳥として現れる鳥も留鳥と一括して扱います)。
イカル
この1週間は確かな観察情報はありませんでした。
まだもう少し様子を見ます。
カワラヒワ
今日は確かな観察情報はありませんでしたが、カワラヒワももう少し様子を見てゆきます。
モズ
今週も確かな観察情報はありませんでしたが、モズは昨冬(今年1月)に観察されていたので、まだもう少し様子を見てゆきます。
クマゲラ
今週も園内での観察情報があり、間近で撮影した方もおられます。
しかし、この冬は今のところすぐに逃げることが多く、じっくりと観察できる機会はまだ少ないようです。
昨日も今朝も森の家から近い旭山都市環境林から「プルプル」という声が聞こえてきており、近くに来ていることは来ています。
また、藻岩山の遠くでも声を聞くことが多く、複数個体がいるようです。
いつもいいますが、クマゲラはいつ行動パターンが変わるかまったく読めず、明日からまた園内に頻繁に来るようになるかもしれず、要注意です。
オオアカゲラ
今週も観察情報がありました。
アカゲラ
今週もよく見られています。
写真は本日森の家の裏で撮影した雄の個体、羽づくろいしていました。
コゲラ
観察機会は多いです。
ヤマゲラ
昨日、展望台北西側のキタコブシの木にとまっていて、こちらが近づくと学びの森の方向に飛んで逃げましたが、その辺りで見られる機会が多いとの情報がありました。
フクロウ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週も観察情報がありました。
ハイタカ
今週も観察情報があり、今日は遊具広場方面で見られたとの情報がありました。
ノスリ
今週は観察情報はありませんでした。
トビ
今週は観察情報はありませんでした。
オジロワシ、オオワシ
今週は観察情報はありませんでした。
ゴジュウカラ
園内でよく見られています。
シジュウカラ
園内でよく見られています。
ハシブトガラ
園内でよく見られています。
写真は12月2日に撮影したもので、笹薮に入って餌を探していました。
ヤマガラ
園内でよく見られており、森の家周辺でよく見られます。
ヒガラ
園内でよく見られており、針葉樹にいます。
ハクセキレイ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
ヒヨドリ
園内でよく見られています。
ハシブトガラス、ハシボソガラス
園内でよく見られています。
スズメ
道路沿いや第2駐車場付近で時々見られますが、それ以外の場所ではめったに見ることはありません。
◎三省堂「新明解国語辞典」第8版
三省堂「新明解国語辞典」第八版がこの秋に刊行されました。
第七班から9年ぶりの改訂です。
「新明解」は言葉の解説に用いられる例文が面白いと評判で、昔からマニア的な人気があります。
たとえば、「さえずる」をひくと、「小鳥が続けて鳴く」とあり、それに続いて(女性や子供がたわいもないことをしゃべりたてることをことをからかい気味にいうこともある)とあります。
また、「新明解」にはその言葉の標準語におけるアクセントも記されており、巻末に表と数字が記され、それぞれの言葉にその数字が付されていて「正しい」アクセントが分かるようになっています。
鳥でひくと、まず「めじろ(メジロ)」は、「スミレ」と同じアクセントが正しいとされていますが、でもこれは「ツバキ」と同じに発音する方も結構いらっしゃるように思います(東京の山手線に駅がある「目白」は「ツバキ」と同じでその影響かもしれません)。
「いかる(イカル)」も「スミレ」と同じですが、これは「クサキ」と同じに発音すると「怒る」になってしまいます。
しかし、「いすか(イスカ)」、これまた「スミレ」と同じですが、実は当方、観察会などで「ツバキ」と同じに発音していたので、これから気をつけたいと思います。
アクセントはその人が育った地域によっても違うでしょうけれど、あくまでも標準語では、ということで話しました。
ちなみに、「めじろ」の項目に「めじろおし(押し)」があり、その例文が「公共料金の値上げが「めじろおし」に控えている」、いささか皮肉交じりで面白い。
「新明解国語辞典」、図書館で借りるなり購入するなりして、鳥に関する言葉をひいて読むのも楽しいかもしれません。
写真は「青版」ですが、「赤版」もあり、内容は同じです。
次回は12月20日日曜日に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多く見られることを願っております。