毎週お送りしている旭山記念公園野鳥情報です。
2017年11月4日(土)、この1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
なお、この野鳥情報は、旭山で野鳥観察を続けておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
◎今週のトピックス
・ハイタカ
2017年11月3日(金)9時頃、ハイタカが旭山記念公園内に現れました。
記念樹の森で最初に見た時はアカゲラを襲っていましたが捕獲に失敗。
それからポプラの木にとまり、時々羽づくろいをしながら休んで体力回復を待っている様子でした。
10分ほど経過、木から谷に向けて飛んでつり橋の辺りで姿が見えなくなりました。
つり橋まで歩いて探すと、西側の森から「キュロキュロ」というマミチャジナイの声が聞こえ、マミチャジナイが頭上間近で見えたところですぐ後ろから飛んでくるハイタカを再発見。
2羽は展望台の方に飛んで行きましたが、狩りに成功したかどうかは不明です。
この日はハイタカを最初に発見する直前にすぐ近くにいたレンジャクの群れ(ヒかキか両方かは確認できず)が一斉に飛んで逃げましたが、それはハイタカの動きを察知したものである可能性が高そうです。
ハイタカは例年11月から1月の間は園内で目撃情報が増えますが、これからしばらくの間は見られる機会が多くなると予想されます。
写真はその休憩中のハイタカです。
ハイタカとしてはかなり大きく雌の個体と思われます。
・キレンジャクとヒレンジャク
11月2日(木)、キレンジャクとヒレンジャクがヤマブドウの実を食べていました。
両方合わせて20羽ほどの群れが、記念植樹の森の近く、高さ8mほどに実ったヤマブドウの実を数羽ずつ交互に食べていました。
キレンジャクとヒレンジャクはほぼ1:1くらいいたと思われます。
ヒレンジャクはこの秋旭山で確認したのは初めてでしたが、キレンジャクは先週号でお知らせした10月2日以来です。
翌日も15羽ほどの群れが滞在していましたが(ハイタカの項で触れたもの)、すぐに逃げたためキレンジャクかヒレンジャクかその両方かは確認できませんでした。
ヤマブドウの実を食べるキレンジャクとヒレンジャクの写真です。
この写真のヒレンジャクは真ん中下の翼を広げている個体、それ以外はキレンジャクです。
◎冬期間見られる鳥情報
・ツグミ
11月2日からだんだん増えてきて、昨日今日は歩いているとさかんに「キュルーッ」という声が空から聞こえてきます。
園内では噴水広場南側の遊具広場方向に続く道で群れがよく見られます。
また今日は数羽の群れがナナカマドの実を食べていましたが、秋のうちからナナカマドを食べるのは比較的珍しく、今年は餌が少ないのかもしれません。
・アトリ
10月31日(火)、数十羽の群れが園内で観察され、11月3日(金)にも数羽の群れが確認されました。
アトリは例年秋に大量に入って来た後、数羽が越冬し、5月上旬まで見られます。
・ベニヒワ
11月2日に数羽の群れの声を聞きましたが、まだ少なく、これから増えるかどうかもまだ分かりません。
・マヒワ
園内で時より上の方から「ジュイーン」という声が聞こえてきますが、こちらもまだ少ないです。
・ウソ
園内で声を聞くことが増えました。
・キクイタダキ
今週も時々園内で確認できました。
・キバシリ
声が比較的よく聞かれ姿も見られるようになってきました。
・シメ
数羽が比較的よく見られます。
・カケス(亜種ミヤマカケス)
今年は旭山に2羽かが定着しているようです。
写真は11月2日に撮影、どんぐりを割って中を食べていました。
・ミソサザイ
先週から園内での目撃情報が増えてきました。
「ジッ ジジジジッ」と笹薮をはじめとした地面近くの低い場所で鳴いています。
◎秋の旅鳥情報
・マミチャジナイ
11月4日(土)現在まだ確認されていますがもう数が少なくなりました。
※シロハラの情報は今年はまだ入っていません。
・ミヤマホオジロ
先週号の追補で10月28日にこの秋初めて現れたとお伝えしましたが、それ以降の確認情報はありません。
※カシラダカも今週は情報がありません。
◎夏鳥情報
・ルリビタキ
今週は何度か声が聞かれたましたが少ないです。
・ベニマシコ
10月31日には園内で声を確認しましたが、ここ3日は聞いていません。
そろそろ南に行ったと思われます。
・クロツグミ、アカハラ
10月25日(水)以降の情報はありません。
・ホオジロ
11月2日にミュンヘンの森で確認されましたが、いつまで見られるでしょうか。
・アオジ
10月30日(月)を最後に旭山では確認できなくなりました。
・ウグイス
11月2日に確認されましたが、ここ2日は確認情報がありません。
そろそろ南に渡った頃でしょうか。
・メジロ
10月28日の記録が今のところ今年最後ですが、終見日の確定はもう少し様子を見てからにします。
・キセキレイ
さらにこの1週間は情報がなく、もう南に渡った可能性があります。
・キジバト
10日ほど確認情報がありません。
◎留鳥情報
・エナガ(亜種シマエナガ)
11月1日(水)に10羽以上の群れの確認情報がありました。
昨日、今日と森の家の周りに数羽の群れが現れており、見られる機会は確実に増えてきています。
・カワラヒワ
今日現在まだ園内で確認されていますが、越冬するのか、冬にはいなくなるのか、まだ分かりません。
・クマゲラ
11月1日に森の家裏で、11月3日に界川住宅街方向から声が聞こえてきましたが、園内での目撃情報は今週もありませんでした。
しかし近くにいることは確かなようです。
・ヤマゲラ
今週も噴水広場下、ピクニックテラスから学びの森辺りにかけてこのところでの目撃情報が多く上がっています。
・アカゲラ
記念植樹の森から森の家の辺りでよく見られるようになってきました。
雄と雌両方の個体が確認されており、最低2羽はいることになります。
・シジュウカラ、ハシブトガラ、ヤマガラ、ヒガラ、ゴジュウカラ、コゲラ、ヒヨドリ、ハシブトガラス
よく見られます。
ヒガラは噴水広場下のトドマツ林によく来ます。
・ハクセキレイ
噴水広場付近から住宅街にかけての辺りで午前中に比較的よく声が聞かれます。
・ハシボソガラス
噴水広場付近の芝生で2羽から4羽がよく餌を探して歩いています。
落葉広葉樹の葉もほとんど落ち、鳥の姿が見つけやすくなりました。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多く見られるよう願っております。