旭山記念公園野鳥情報、2021(令和3)年4月9日金曜日
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
◎夏鳥渡来情報
ルリビタキ
2021年4月8日(木曜日)、ルリビタキの観察情報がありました。
今日は今のところ観察情報はありません。
平年であれば4月中旬にやって来てゴールデンウイーク中にいなくなります。
昨年、一昨年と4月下旬に園内で容易に観察できましたが、今年はどうでしょうか。
※これまでの旭山夏鳥渡来情報まとめ
キジバト 3月25日
ベニマシコ 3月27日
ホオジロ 3月29日
ヤマシギ 4月1日
モズ 4月1日
ルリビタキ 4月8日
先週予想したキセキレイは今日時点でまだ確実な観察情報はありません。
来週中には来るものと思われます。
ここ数日は気温が低いせいか、夏鳥の新たな渡来が止まっています。
◎今週のトピックス
キクイタダキ
今週は20羽ほどが集まるなど園内で観察情報が多くあり、囀りが聞かれることも多くなってきました。
そろそろ求愛が本格化する頃で、雄は頭の黄色い部分をとさかのように広げて雌に迫りますが、その様子が観察できるかもしれません。
昨年は4月下旬まで多く見られましたが、今年はどうでしょうか。
写真は今週園内で撮影したものです。
ヤマゲラ
学びの森周辺で見られる機会が多く、昨日はつがいで地面に降りて採餌しており、雄の個体は10mくらいに近寄るまでこちらを気にせず餌を探していました。
写真がその個体です。
ただ、それよりも近づくとあたかも急にこちらの存在に気付いたかのようにすぐに飛んで逃げましたが、遠くには飛んでゆかず、しばらくその辺りで観察できました。
遊具広場方面でも見られる機会がありますが、一方で森の家の周りは今週は観察情報は少なかったです。
今月中はまだ見られる機会は少なくないものと思われます。
ベニヒワ
本日4月9日現在まだ園内で観察されています。
4月7日には40羽程度が見られました。
ベニヒワは今まで旭山で4月に観察された確かな記録はなかったのですが、今年は最遅記録を大幅に更新中です。
◎今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
今週は巣作りがひと段落したのか、巣材を運ぶ姿は先週までほどの頻度では見られなくなってきました。
下写真上は、蛾の眉を採取に来た個体です。
また、先週までは6時台に園内で何度か観察されていましたが、今週はそれほどでもなくなりました。
ただし、午前中に遭遇する機会はまだ少なからずあります。
下写真下はたまたま10mくらいの場所に来た個体です。
シマエナガ、今月中はまだ見られる機会はありますが、いつもいうように一瞬で飛び抜けることが多く、撮影は冬場よりは難しいです。
◎夏の鳥情報
ホオジロ
展望台周辺から学びの森で見られ、展望台のてっぺんの松か北西側の木で囀りしている姿もよく見られるようになってきました。
また、採餌のために地面や低木に降りることもあり、近くで観察・撮影する機会もあります。
写真は今朝、珍しく森の家の前に来た雄の個体で、ススキの穂(種子)を食べていました。
キジバト
園内で「デデーホーホー」という声がよく聞かれており、展望台集権から学びの森周辺でよく見られます。
ベニマシコ
今週はつり橋左岸付近で雄3羽が同時に観察されたり、ちびっこ広場から噴水広場周辺、遊具広場から第1駐車場下辺りでも声がよく聞こえてきたりしています。
ベニマシコは旭山では4月いっぱいくらい、5月上旬まで見られる年もあります。
イカル
今週も1羽だけの観察情報はありましたが、まだ複数を同時に見たとの情報は入ってきていません。
モズ
ちびっこ広場で見られる機会が増え、噴水広場から遊具広場周辺でも見る機会があります。
昨年現れた「高原モズ」、今年は今のところ観察情報はありません。
ヤマシギ
園内で2羽同時に見たとの観察情報もあり、しばしば見られていますが、見よう(撮ろう)と思うとなかなかうまく遭遇できません。
◎冬の鳥情報
ウソ
今週は声は聞こえるものの近くで観察・撮影できたという情報はありませんでした。
ゆえに亜種アカウソがまだいるのかどうかも確認できていません。
ウソは例年5月上旬まで見られますが、今年はどうでしょうか。
マヒワ
今週も50羽かそれ以上が園内で見られています。
今朝は100羽いたかもしれない、それくらいの数がいっせいに笹薮に降りて採餌し、あるタイミングでいっせいに飛び上がっていましたが、あの小さな体がたくさん集まり、羽ばたきが振動となって伝わるほど大きな羽音が聞こえるほどでした。
また、鳴きながら採餌するため、シマエナガの声がかき消されるほど賑やかな鳴き声が聞こえてきました。
マヒワは1月にも200羽ほどがいましたが、この時期にこれほどの数が見られたことは今までにはありませんでした。
写真は今朝撮影した雄ですが、この写真ではどれだけたくさんいるかがまったく伝わらないのが残念です。
イスカ
今週もほぼ毎日上空を飛ぶ姿や声を確認しており、やはり数羽の群れの時と1羽か2羽のときがありますが、やはり園内では低い位置にはなかなか降りて来ないです。
しかし少ないながらも園内で撮影したとの情報もあり、今後も要注目です。
アトリ
今週は今朝も含め森の家の周りでほぼ毎日観察されていましたが、いつも1羽か2羽です。
アトリは例年ゴールデンウイーク頃まで見られますが、数は最後までせいぜい数羽くらいまでしか増えないです(今年はどうでしょうか)。
ツグミ
今週は学びの森方面で数羽が観察されていますが、数は増えていないです。
この先増えるのか、そのまま北に渡っていなくなるのか要注目です。
ハチジョウツグミ
今週も観察情報がありましたが、いつまで見られるでしょうか、まったく読めません。
キレンジャク
今週は観察情報はありませんでした。
ちなみに、根室から来た人の話では、根室ではまだキレンジャクが普通にいるとのことです。
旭山でも過去に何度か4月下旬に10羽以上が数日滞在したことがあり、まだ分かりません。
ヒレンジャク
今週は観察情報はありませんでしたが、例年ゴールデンウイーク直前くらいに1日か2日だけ見られており、今年はどうでしょうか。
キバシリ
今週も都市環境林で囀りを聞いたという観察情報があり、まだ近くにはいるようです。
ミソサザイ
今週も園内でときどき見られてはいますが、見られる場所はだいたい数か所ほぼ決まってはいるものの、そのどこに出るかは日によって違い、まったく読めません。
森の家の周りに出ることもあります。
コガラ
今週もそうと思われる個体が観察されています。
写真がそれですが、嘴の会合部が白くなく、鳴き声も違ったのでコガラと判断しました。
なお、この時は周りにシジュウカラ、ハシブトガラ、ヤマガラ、ヒガラもいて、北海道で普通に見られるシジュウカラ科5種が勢ぞろいしていました。
カケス(亜種ミヤマカケス)
今週も学びの森周辺での観察情報が多くありましたが、先週少なくなったと書いた森の家周辺でも今週は毎日のように見られていました。
今朝は、ハシボソガラスのような声、ヒヨドリのような声、猛禽のような声、さらには苦しそうに聞こえる声などいろいろな声で鳴いていました。
猛禽の声は一瞬間違うほどですが、どの声でも最後に、まるで「ばれたか」とでもいうようにカケス本来の「ジェーイ」という声を出すので分かります。
カケスは早いとそろそろ見られなくなりますが、今年はどうでしょうか。
◎留鳥その他情報
クマゲラ
今週も園内でしばしば見られており、藻岩山など園外からの声もよく聞こえてきます。
ただし、いつもいいますが、クマゲラは昨日来たからといって今日もそこに来るとは限らず、むしろその方が少ないくらいで、どの辺で見られるかはその日にならないと分かりません(その日でも分からないですが)。
オオアカゲラ
今週は確かな観察情報がなく、もしかすると早めに山に移動した可能性がありますが、5月に園内で見られる年もあるので、まだ注意して見てゆきます。
アカゲラ
今週も森の家周辺などでよく見られています。
コゲラ
観察機会は多いです。
フクロウ
今週は声も姿も観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週も観察されていますが、昼過ぎの観察情報が幾つかありました。
ハイタカ
今朝、先ほどマヒワ大群の話をしましたが、それをめがけて雌のハイタカ1羽が飛んで来て狩りを行う模様が観察できました。
上空のタカの姿に気づいたマヒワがいっせいに飛び立ち、ハイタカは笹まで急降下しましたが何も捕れず、一度木の高さまで上がってまた笹まで降りたがやはり取れず。
それから近くの木にとまり、獲物がいないか地面を見手から休憩し、3分ほどで飛び去りました。
写真はその休んでいるときのものです。
ノスリ
今週も観察情報がありました。
トビ
今週はほぼ毎日観察されており、つがいと思われる2羽で来たこともあり、地面に降りて何かを捕る様子も観察されました。
もしかすると割と近くに営巣するかもしれず、今後要注目です。
ハヤブサ
今週は観察情報はありませんでした。
シメ
今週も園内で見られていますが、4羽以上で見られる機会はごく少なくなりました。
ただし昨年は5月下旬まで見られており、この先は数の増減もあるかもしれず、引き続き要注目です。
カワラヒワ
園内で観察機会が増え、囀りを聞くことが多くなってきました。
ゴジュウカラ
囀りはさらに聞く機会が少なくなってきましたが、観察機会は多いです。
シジュウカラ
今週も地面に降りている姿が多く観察されていますが、木にいる時よりは近くに寄れます。
下の写真は今朝撮影したもので、つがいと思われます。
ハシブトガラ
園内でよく見られていますが、昨日は少し離れた場所で2羽の雄が「ピィピィピィ」という囀り合戦をしており、まだ相手が決まっていない個体もいるようです。
ヤマガラ
「チーリーツー」という三拍子の囀り、こちらは逆に聞く機会が増えてきました。
ヤマガラも地面に降りていることがよくあります。
ヒガラ
囀りを聞くことが多く、また常緑松以外のシラカンバなど広葉樹で採餌する姿もよく見られています。
ハクセキレイ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
ヒヨドリ
園内でよく見られています。
スズメ
道路沿いや第2駐車場付近で時々見られますが、それ以外の場所ではめったに見ることはありません。
ハシボソガラス
今週も園内で数羽が主に駐車場周辺でよく見られています。
ハシボソガラスといえば「クルミ割り」、上空からクルミ(オニグルミの実)を落として割って食べることが知られていますが、今年も雪の下からまたクルミがたくさん出てきたのか、その様子が主に第1駐車場で見られています。
下の写真は、上:落としたものの割れていないことが分かり、下:もう一度くわえて飛び上がって上空で嘴から離した瞬間、です(下の写真はよく見ると落ちてゆくクルミが写っています)。

ハシブトガラス
園内でよく見られていますが、今週も巣材を集めたりくわえて飛んだりする姿が見られており、どこに営巣するか注意が必要です。
◎夏鳥渡来予想
先週はキセキレイの予想が外れましたが、今週は来るはずです。
ルリビタキは情報はありましたが、来週は本格的に観察できるかもしれません。
トラツグミ、アオジ、ウグイスが平年であればこの先1週間以内にやって来ます。
他、ツグミ類:クロツグミ、アカハラ、そして旅鳥のシロハラ、マミチャジナイも来るかもしれません。
◎エゾシカ
昨日4月8日早朝、園内に雄のエゾシカが2頭しました。
うち1頭は角が落ちたばかりと思われ、下写真、角があった部分がまだ赤くなっていました。
もう1頭はまだ角がありましたが、角の分枝が少なくまだ若い個体のようでした。
角が落ちた個体は堂々としていて15mくらいに人が寄っても逃げませんでした。
一報角がまだある個体は若いせいかおどおどしていて、人が近寄るとすぐに笹薮に逃げ込み、なかなか見られなくなりました。
エゾシカにつきましては、道路に出て来てしまった場合は車と衝突する可能性も考えられるため、お車の運転時には徐行の上じゅうぶんご注意ください。
〇旭山の桜 2021年4月9日
旭山記念公園の桜のようすも、今回からお伝えしてゆくことにしました。
野鳥の記事に写真を添えるほか、単独の記事で桜情報を上げることもあります。
写真は展望台「一本桜」、エゾヤマザクラのものを主に使います。
今日の様子、下の写真ですが、つぼみが膨らんできているのは分かりますが、まだ固いです。
次回は2021年は4月16日(金曜日)に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多く見られることを願っております。