旭山記念公園野鳥情報、2021(令和3)年2月20日土曜日
ここ1週間の旭山記念公園と札幌市旭山都市環境林の野鳥の動きをまとめました。
この野鳥情報は、旭山で野鳥観察をしておられる方からご提供を受けたものも含まれています。
◎今週のシマエナガ
エナガ(亜種シマエナガ)
2月12日(金曜日)に「小シマエナガ祭り」だったと先週お伝えし、そろそろペアでの行動が主となると書きましたが、どうやらその時が大きな群れで見られるこの冬最後の日だったようで、以降はペアか4羽、せいぜい6羽程度で見られるだけになりました。
昨日は6羽程度で8時過ぎに森の家の前に現れ、藻岩山登山道入口方面に行ったり森の家の前に戻ったりしつつ、カラマツ林で11時頃まで見られていました。
観察しておられた方の話では、その時にイタヤカエデの樹液のつららに来ていたとのことです。
今日は4羽が7時半頃に栗の木デッキ周辺に出た後、ペアが飛んで行くのを見たという散発的な情報があるだけです。
写真は2月19日に森の家の前で撮影したもので、この時はミズナラの木についた虫を食べていました。
2月16日(火曜日)の北海道新聞「さっぽろ10区(トーク)」の一面はシマエナガの特集、大きな写真とともに、シマエナガが見られる場所として旭山記念公園が紹介されていました。
シマエナガが群れでよく見られるのは12月から2月上旬の間で、先述のようにペアでの行動が主となってきた今の時期は大きな群れを見る機会はあまりありません。
それでも、イタヤカエデの樹液やそのつららに10羽以上集まってくることはあり、樹液はもう出始めていて、機会がないわけではありません。
また、一昨年のように、群れが分散することでかえって出会う確率が高くなるということも起こり得ます。
大きなひとつの群れに当たる確率よりも、少ない数が幾つか散らばることで確率が高くなるというわけですが、一度に会う数が2羽から5羽くらいと少なくなります。
一昨年は、シマエナガ撮影に来る人も少なくなった3月にかえってよく見られていました。
ただしその場合、群れで来るとき以上に周りの状況を察知することが重要となります。
声を出さずに行動していたり、その声が「チャッ」という舌打ちに似た小さな音だけで聞き逃したり、他のカラ類がいる中にシマエナガがいてもカラ類だとたかをくくってしまってよく観察しない、などの理由でシマエナガを見逃すことがあります。
これから先、4月上旬くらいまでは、周りをより注意深く観察することがシマエナガと出会うこつです。
シマエナガの写真をもう1枚、昨日、イタヤカエデの樹液のつららにきたときのものです。
なおこの写真は、撮影された方のご厚意によりここで使わせていただいております。
◎今週のトピックス
ハチジョウツグミ
昨日から、第1駐車場アーチ橋横にあるヌルデの木の実を食べに1羽のハチジョウツグミが頻繁に来ています。
警戒心がやや強く、木の下を人が歩いていると近くの木に一度逃げたり、遠くに飛んで行くこともあります。
またこの個体は気が強く、昨日はヒヨドリと闘ったり、自分がヌルデの実を食べている時に他の鳥、ツグミ、ヒヨドリ、アカゲラなどが飛んで来たら近寄って追い払ったりします。
ヌルデの実を食べている時は、木の下からも橋の上からも撮影しやすいですが、橋の上から撮影する際には、橋は狭く人が頻繁に通るので、道をふさがないようお願いします。
木の下でも同様にお願いします。
写真は本日撮影したものですが、この先いつまで見られるか要注目です。
イスカ
昨日2月19日(金曜日)、ベニヒワ数羽の群れに混じり、雄1雌2計3羽のイスカが森の家近くのカラマツに来て20分以上カラマツの種子を食べていました。
イスカは上空通過は頻繁に観察されていますが、撮影できる高さに降りてきたのは久しぶりでした。
下の写真は雄、雌、です。
ウソ
この1週間も近くで見られる機会が多く、まだ実が残っているハリギリによく来ています。
一昨日2月18日には1か所で10羽以上が観察され、ウソと亜種アカウソどちらもいたとの情報がありました。
今日も森の家の周りで鳴き声を聞くことが多く、この先もまだ観察・撮影の機会は少なからずあるでしょう。
◎冬の鳥情報
ツグミ
今週も数は少ないけれど観察機会は多いです。
写真はハチジョウツグミと同じヌルデの木に来たツグミです。
ベニヒワ
数は15羽ほどと少なくなりましたが、まだ見られる機会は多いです。
胸がだいぶ赤くなった雄の個体も見られるようになってきました。
写真は一昨日2月18日、森の家の外に落ちていたシラカンバの種子を食べに来たベニヒワの雌、ガラス越しに撮影したものです。
マヒワ
今週も10羽前後の群れでときどき見られていますが、低い木に降りてきたところを見たという情報もありました。
ハギマシコ
今週も何度か数羽で来ていましたが、いつ来るか、来ないか、分からない状況が続いています。
アトリ
今週は確かな観察情報はありませんでしたが、見られるならむしろこれからです。
ヒレンジャク、キレンジャク
今週は確かな観察情報はありませんでした。
キクイタダキ
今週も風の丘下の松かつり橋周辺での観察情報があり、待っているか何度も訪れていると見られることが多いようです。
キバシリ
この1週間も園内での確かな情報がありませんでした。
ミソサザイ
遊具広場と巨木の谷して森の家周辺でときどき見られています。
コガラ
今週は確かな観察情報はありませんでした。
【2021年2月21日 追加情報】
本日2月21日、風の丘付近にコガラがいました。
カケス(亜種ミヤマカケス)
風の丘からつり橋にかけての辺りと森の家南西側で見られる機会が多く、朝の日の出直後の頃には必ず声を聞き姿を見ます。
◎留鳥その他情報
クマゲラ
この一週間も園内での観察情報はありましたが、先週ほど頻繁に園内に来ている様子はなく、近くで見たとの情報は少なかったです。
オオアカゲラ
今週もほぼ毎日見られていますが、雄の個体の情報もちらほらとありました。
アカゲラ
今週もよく見られており、雌をめぐる雄同士のけんかも頻繁に起きています。
ドラミングもよく聞こえてきますが、アカゲラはほとんど枯れ木や枯れ枝をつつくので、乾いた響きの高い音がします。
コゲラ
観察機会は多いです。
ヤマゲラ
藻岩山登山道入口付近からよく声が聞こえて来るほか、学びの森方面でも観察情報が多いです。
写真は今朝、ハチジョウツグミを待っている時に同じヌルデの木の実を食べに来た雌の個体です。
この時には撮影できなかったですがアカゲラも来ていました。
フクロウ
今週は園内での観察情報はありませんでした。
オオタカ
今週も観察情報がありましたが、昨日11時頃、カラマツ林付近にシマエナガが出ている時に西から飛んで来て、シマエナガがいっせいに甲高い警戒の声を出していました。
ハイタカ
今週も観察情報がありましたが、今週はオオタカの方が情報が多かったです。
ノスリ
今週も観察情報がありました。
トビ
今週も観察情報がありました。
オジロワシ、オオワシ
今週は観察情報はありませんでした。
イカル
今週も1羽が上空を飛ぶ姿が見られました。
シメ
今週も森の家の前に1羽の雌が頻繁に来ていますが、それ以外は5羽以下の群れで数はひところより少なくなっているようです。
カワラヒワ
昨日、森の家上空を1羽が「キリコロキリー」と弱い声で鳴きながら飛んで行くのが見られました。
ゴジュウカラ
「フィーフィー」「フィッ フィッフィッフィッ」という囀りを聞くことが多く、近くで見られる機会も多いです。
写真は今週撮影したものです。
シジュウカラ
園内でよく見られており、囀りを聞く機会も少しずつ増えてきました。
ハシブトガラ
園内でよく見られ、「ピィピィピィ」という囀りも多く聞かれています。
ヤマガラ
「チーリーツー」という三拍子の囀りも聞かれています。
写真は枯れ木のうろを見に来た個体のものです。
ヒガラ
囀りを聞くことが多いですが、先週お伝えした観察会の日は朝から午後まで常にどこかから囀りが聞こえて来るような状態で、それに比べれば今日はときどき聞かれる程度で少なくなっています。
ただ、これらの動きが一時的なものかどうかは分かりません。
ハクセキレイ
今週も確かな観察情報はありませんでした。
ヒヨドリ
園内でよく見られています。
観察された方の情報によれば、昨日のハチジョウツグミとヒヨドリの闘いは、最初ヒヨドリがちょっかいをかけたものが返り討ちに遭って最後はヒヨドリが降参していた、とのことでした。
ハシブトガラス、ハシボソガラス
園内でよく見られています。
スズメ
道路沿いや第2駐車場付近で時々見られますが、それ以外の場所ではめったに見ることはありません。
次回は2021年は2月28日(日曜日)に上げる予定です。
旭山でのバードウォッチング、皆様が多く見られることを願っております。