事業目的
「創成川通親水緑地整備事業」は、創成川通アンダーパス連続化事業に伴い生み出される地上部に、水と緑を生かした創成川公園を整備するもので、都心における貴重な水辺でもある創成川公園の歴史的価値を重んじつつ、緑豊かでシンボリックな湖畔並木の形成と四季を通じた潤いのある都心の緑の景観軸の創出を目指します。
親水緑地空間のデザインテーマ
①歴史性・地域性の表現
創成川の有する歴史性を踏まえ、かつての姿を継承するように河道のデザインを行う。
札幌の地域資源や自然素材を活用する。
②回遊性の強化
特に狸小路と二条市場の間や大通公園と交差するブロック、創成橋周辺などでは、多くの人を集める特徴的なデザインとするなど、歩きたくなる空間作りを行う。
③水と緑の軸
南北方向の水と緑の都市軸を形成する。南北軸として一貫したデザイン要素を導入する。生物との共生に配慮した生態学的にも価値のある空間作りを行う。
事業のスケジュール
| 緑を感じる都心の街並み形成計画 | ~平成17年度 |
| アンダーパス工事 | 平成17年度~ 平成20年度 |
| デザイン検討委員会 街並み形成計画から引き続き | ~平成22年度 |
| 親水空間整備(河川復旧)実施設計 | 平成19年度 |
| 親水空間整備(河川復旧)工事 | 平成20年度 ~ 平成22年度 |
| 公園整備事業 基本設計 | 平成19年度 ~ 平成20年度 |
| 公園整備事業 実施設計 | 平成20年度 |
| 公園整備事業 工事 | 平成21年度 ~ 平成22年度 (平成23年春供用開始) |
| アートワーク事業 | 平成19年度 ~ 平成22年度 |
公園デザインコンセプト
標準デザイン
舗装 : レンガ色とグレー系で統一
(園路 : 脱色アスファルト舗装)
鋼製品 (ベンチ・照明灯・車止め・フェンス等) : 札幌市景観色・墨烏(艶消し黒色)
シンプルな意匠
護岸 : 札幌硬石
護岸高が1.8m以上の部分にはフェンスを設置。
1.8m未満の所は、高さに応じて1~2段護岸とする
公園内には流水をコントロールする導水管を整備
植栽デザイン
コンセプト
地下構造物上の特殊な植栽環境を考慮しながらも、可能な限り緑のボリュームアップを図ることを基本とし、河道沿いの緑地空間、園路沿い、車道沿いといったといった軸線ごとに統一感を持たせた植栽デザインを取り入れ、「デザイン検討委員会」での論議を踏まえながら進めています。
河道沿いの緑地空間
河道沿いの骨格樹種として、札幌のかつてのメム(湧水)があった頃の原風景を感じさせるハルニレを採用している。
また、四季を通じて季節感を彩る多様な添景中高木として、キタコブシ・エゾヤマザクラ・チシマザクラ・イタヤカエデ・ヤマモミジ・コンコロールモミなどの植栽も行う。
なお、土厚や基盤の広がりといった緑地の環境条件を考慮しつつ、散策園路から水辺への視線が抜ける開放的な空間となるように樹木を配置する。
園路沿い
園路に沿って多彩な品種のライラックを連続的に植栽し、リラの花香る街さっぽろを印象づける新たな花の名所として「ライラックウォーク」を創出する。
車道沿い
少ない土厚でも生育可能であるハシドイを採用し、連続植栽により緑のボリュームアップを図る。
広場デザイン
まんなか広場 (大通ブロック)
円形アートワーク「スノーリング」と階段広場が特徴。
横断歩道を隔てて大通公園と接する場所に位置し、創成川公園の総合案内板が設置される。
開拓の広場 (南1条・創成橋周辺)
創成橋を復元するなど、札幌開拓の基点となった歴史性を表現。
かつて存在した交番をモチーフとした休養施設を整備し、ガラス製の壁面には昔の写真等が掲示される。
狸二条広場 (狸二条ブロック)
狸小路と二条市場に挟まれたブロックの河上に、延長50mの蓋(床面)を設置し、イベント広場として整備。
多様なイベントへの対応として、色々な設備が用意される。


