本日はシラカバ林の中の枯れた木を伐採しています。
愛着ある樹木は長生きして欲しいものですが、生き物ですので色々な事情で枯れていくものもあります。
例えば、根元あたりにこんな穴があいているのをよく見かけますが、これはカミキリムシの仕業ですね。
(シラカバナガタマムシという虫も、同じように穴をあけるそうです)
1つや2つならスグ枯れることはないと思いますが、だんだん穴が増えてきますので、強度がなくなってきます。
雨水や菌なども入り込みやすくなってくるかも知れませんね。
梢の方にも1~2mm程度の小さな穴が見られます。
これも穿孔虫の痕ですが、その虫を目ざとく見つけて食べにくる鳥もいるようで、下の写真は鳥がつついた痕だと思われます。

この穴の主人は確認していませんが、シラカバにこのようにもぐる虫に、ミノドヒラタモグリガやカバノモグリバエというヤツラがいるそうです。
虫が入って弱ったのか、別の事情で弱ったから虫が入りやすくなったのか、はっきりわかりませんが、こうなるととてももろくなっていて、倒した衝撃で砕けます。
ひどくなると、木を揺すっただけで梢が折れて落ちてきます。
その断面を見ますと・・・
材の部分はカステラのようにスカスカで、虫が通った縦穴がたくさん見えます。クリックして拡大して見てください。
そして虫以外にもうひとつ。
タコウキン科のきのこのようです。
キノコが原因で枯れたわけではなく、弱って枯れた組織に菌が寄生したのではないかと思います。
どこにでもありふれたシラカバですが、寿命はそんなに長くなく、当公園でも年に何本か枯れたり倒れたりしています。
上の写真のような兆候を観察し、倒れてくる恐れのあるものなど、危険が想定されるものはできるだけ早めに処理しています。
ですが、梢の方の症状はそう簡単に見られませんので、見落とすこともあります。
強風の際はできるだけ木に近づかないよう、お願いいたします。
また、たまにスラックラインをシラカバにかけておられるお客様をお見かけしますが、ご説明いたしましたように、シラカバはどちらかと言えばもろい木ですので、危険ですので絶対にラインをかけないでください。
そして、樹皮はシラカバの身を守る大切な防護服ですので、傷をつけないようご配慮ください。
お見かけした際には取り外していただくようお願いしておりますが、決して意地悪で言っているわけではないことをご理解いただければ幸いです。
シラカバのチェックをしていた際に見つけたクモ。
キバナオニグモというクモだそうです。
今日のポプラ並木。
背後にはあやしい雲。
(西宗)












