豊平公園
TOYOHIRA PARK緑の情報発信地

「おもと秋季展」はじまります

2019.09.20

急激に気温が下がり、急いで秋の装いとした方も多かったのではないでしょうか。

ずいぶん前から空は高くなり、雨の日も増えてきてはいたのですが、やはり日中暖かいとまだ秋まで時間があるような気がしてしまいますね。

でも、暦は9月の後半に入り、緑のセンターでの展示会も「秋」がつく季節となりました。

 

「おもと秋季展」

明日、9月21日土曜日から1階アトリウムにて「おもと秋季展」が始まります。

(公社)日本おもと協会北海道支部の会員の皆さんが丹精込めて育てたオモト105鉢が展示されています。

秋季展では夏の間育てたオモトを鮮やかな錦鉢に植え込んだ作品の中から今年の賞を決める、コンテストの場でもあります。

ですので、美しく葉が展開したオモトが勢揃い。

しかも、一鉢づつ黒に赤い縁取りの敷板にのせ、模様が美しい錦鉢に植込み並べられています。

ただ、準備日の今日はまだ入賞作品は決まっていません。

入賞作品を置く場所はもう用意されていますので、後は結果を待つのみ。

明日の初日に決まるそうですので、今日はオモトのお話を。

 

オモトは一年中、緑の葉を保ち、鑑賞用としてだけでなく、吉祥のシンボルとして神事やお祝い事に使われている植物でもあります。

漢字で書くと「万年青」。

東北地方を北限に日本に自生する植物ですのでそれなりに寒さに強いのですが、斑が入っているものもしばれない程度の寒さまでなら耐えられるそうです。

ただ、残念なことに北海道のお庭では越冬は無理。

会員の方たちに聞くとこちらでの冬越しは鉢のまましばれない程度の場所にしまったり、そのまま家の中の涼しい場所で育てるのだそうです。

オモトは一応、お花も咲き、真っ赤な実もつくのだそうですが、お花自体はあまり鑑賞には向きません。

他の鉢花のような美しい花弁というわけではなく・・・厚みのある花がトウキビの実のようにぎゅーっとまとまってついている・・・のは個人的見解ですが、面白いとは思うものの、確かにあまり美しい、という花ではないような。

オモトは園芸の世界としては珍しく、花ではなく葉の形や色に鑑賞価値を持つ植物、なのです。

 

古典園芸の代表格であるオモトは、江戸時代から品種改良が進められ、様々な葉の形や色をもつたくさんの品種があり、今回のような展示会では緑の葉に白い模様を描く斑の美しいもの、葉が波をうっていたり、クルクルと葉がまいていたりと、その葉の変化に富んだ葉の特徴を表す”芸”に秀でた作品が出品されます。

葉の”芸”と言われる表現は他の植物にも流用され、葉や花の縁が異なる色でかたどられる覆輪(ふくりん)、サンセベリアの緑の葉に薄黄色の縞模様が入る虎斑(とらふ)や、そもそもの葉に異なる色の模様が入る斑(ふ)という表現もここから来ていると言われています。

この斑自体も色々ありますが、オモトは大きく葉の形で3つに大別され、長くシュッとした葉の「大葉系」、中型のサイズで葉がウェーブしたりする形状が特徴の「薄葉系」、ちょっと厚めの葉でカチッとした小型の「羅紗系」があります。これらが組み合わさって作られる品種の数は、登録されているだけでも1000種以上あるそうです。

さて、明日決まる入賞作品。今年はどんな”芸”をしているオモトが選ばれるのでしょう。

 

「おもと秋季展」は9月21日土曜日から9月23日月曜祝日まで(最終日は15時まで)の開催です。

日本の古典園芸の一つである美しいオモトの世界、ぜひご覧ください。

期間中、オモトの専門業者による苗や錦鉢、手入れ小物などの販売もあります。

育て方などの説明もしてくれますので、この機会にぜひどうぞ。

 

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電話:011-811-6568

 

 

 

 

 

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