豊平公園
TOYOHIRA PARK緑の情報発信地

おもと春季展と臭いあいつ

2019.04.18

4月半ばを過ぎ、急激に気温が上がったと思ったら、明日の19日からは気温が下がる予報とのこと。

豊平公園 野草園のカタクリとエゾエンゴサクも一気に開花しましたが、

できればそこそこの気温が続いて欲しいところです。

そんな忙しい雰囲気の今週末ですが、4月19日金曜日から緑のセンター2階ミーティングルームにて「おもと春季展」が始まります。

 

「おもと春季展」

おもと(オモト 万年青)は江戸時代から大名や富裕層を中心に人気を博した古典園芸植物で、他の植物のように観賞価値を花や実ではなく、葉の形・色、器の美しさに重きをおく珍しい園芸植物です。

今年も公益社団法人日本おもと協会北海道支部の会員の方々が丹精こめた作品99鉢を展示いたします。

葉の色や形が美しいおもとが並ぶおもと春季展の様子

小さめで厚い葉の羅紗(らしゃ)系を中心に、葉がクルクルうねる葉芸の獅子系や、薄めの大きな葉が特徴の大葉系が並びます。

今年の展示の中心は、昨年おもとの全国大会で羅紗系部門の特別最優等の一席(一位)となった“美恵錦(みえにしき)”。

おもと”美恵錦”昨年日本全国の大会でとても優秀な賞に輝いた一鉢。葉の覆輪と線上に入る斑が美しい

やや厚めの短い葉の縁に薄黄色の覆輪と葉に線上に入る斑の他、左右のバランスなどたくさん基準はあるようですが、確かに、他の鉢とちょっと違う感じがします。

今回の展示会ではこの羅紗系と言われる系統が多く出品され、比較的小さなおもとが多いようです。

おもとの羅紗系など小さめの株が並ぶ。

品種の差や個体の差、育て方の妙で同じ品種でも雰囲気は変わるようです。

一つ一つの善し悪しよりもその差の妙を楽しんではいかがでしょうか。

北海道ではあまり見ることができない大葉系で黄色の斑が入る曙斑(あけぼのふ)も展示。

このおもとの斑は暖かさに当たらないと美しい斑がでないのだそうです。

北海道でよく見る花の多くは寒さに当たらないと咲かないという条件を持つ植物が多いので、そういったお話も面白いかもしれませんね。

おもとの中でも大きめの葉の鉢が並んでいる

おもとについて

葉の美しさや形をたのしむおもとの品種数はとても多く、現在登録されている品種で1000種を超えるなど、歴史の長さが伺えます。

一般の植物は花の色や形が違うことでも別な品種となりますが、おもとは変化のある葉の色や形だけで品種があるので、いかに変化に富んでいるか、がうかがえます。

異なる品種のおもとがたくさん並ぶと、葉の色や形、全体の姿など、一つとして同じ物がありません。

おもとが並ぶ展示会場

その変化に富んだ葉の特徴を表す‘葉芸’と言われる表現は、他の植物にも流用され、模様を表す覆輪(ふくりん)、斑(ふ)、虎斑(とらふ)などの表現は古くから使われています。

「葉に斑が入る」といわれる植物はたくさんありますよね。

サンセベリアの虎斑やアイビー、ゼラニウムなどでも斑が入る葉がありますし、花の色の出方でもクリスマスローズやヴィオラの花の中心が濃い色で花弁の縁がぐるっと色が異なる場合も覆輪が入る、という表現を使います。

これらも日本独特の表現なのでしょうけれど、おもとの世界からきているのだそうです。

 

おもとの世界のもう一つの特徴は、植え込まれている美しい錦鉢です。

金巻だけでなく、非常に細やかな柄が描かれ、この足の高い錦鉢そのものも芸術品です。

明治時代や江戸時代から続く鉢も現存するそうですが、展示で使われる鉢の多くは現代のもののようです。

それでも錦鉢の美しさは植物に興味がない方でも楽しめるのではないでしょうか。

 

おもとは北海道では越冬できないので、こういった鉢での展示会でしかほとんど見ることはありませんが、

本州では昔から、家の建て替えや新築と言った慶事におもとを送る風習があるのだそうです。

なので、本州からの方はお庭に植えられていたのを思い出す植物の一つなのでしょうね。

 

展示会場ではおもとの専門業者さんによる苗の販売もあります。

古典園芸の一つとして、そこまで行かないにしても葉の美しい観葉植物としても手に取ってみてくださいね。

 

日本の古典園芸のわび・さびを感じることのできる

「おもと春季展」は4月19日金曜日から4月21日日曜日まで(最終日21日は15時まで)です。

ぜひお越しください。

 

臭いあいつ・・・コンニャクの花

春先に豊平公園でお目見えするようになった「臭いあいつ」。

コンニャクの花がつく肉穂花序の先端が少し見えてくるようになりました。

まだほうは開いていないが肉穂花序の先端が見える

上の写真の赤茶色の隙間からまだ白い肉穂花序の先端が見えています。

コンニャクというとすでにイモの部分を調理して食べるばかりになった蒟蒻だけではないでしょうか。

北海道では越冬できないので花はなかなか見ることができません。

そして、咲いたときのニオイも体感することはあまりないでしょう・・・。

肉穂花序の下の方に花が咲くのですが、開花とほぼ同時になかなかきついにおいを発します。

豊平公園ではビニールの中に入れていますが、それでもあたりに漂うニオイ・・・

今はまだ全くニオイはしていませんが、今年はいつ頃になるのでしょうか。

こちらもぜひ体験してみてくださいね。

肉穂花序の周囲の仏縁苞が開いていく様もおもしろいですよ。

 

今日のカタクリ

最後に今日の野草園のカタクリの様子。

ピンクのカタクリの花とうす青紫色のエゾエンゴサクが咲いている

ちょっと暑そうにぐいーっと花弁をそらせているカタクリ。

少し気温が下がってくれると長く楽しめるのですが、冷たい雨は花弁が傷むので、ちょっと困ります。

長く楽しめるような天気になって欲しいですね。

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・バス 「豊平3条12丁目」下車 徒歩約7分
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札幌市豊平区豊平5条13丁目
開館時間:8:45~17:15
休館日:月曜日(月曜祝日の場合は翌平日)及び12/29~1/3
電話:011-811-6568

 

 

 

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