【さっぽろまちづくりガーデニング講座】第11回目 病害虫対策の考え方
2025年7月19日土曜日、2025年さっぽろまちづくりガーデニング講座の第11回目「病害虫対策の考え方」の講義を百合が原公園で行いました。講師は当協会職員で百合が原公園勤務の細樅聡子が担当しました。
講義では、病害・虫害が発生する原因、病害虫の種類や被害の特徴について学びました。特に、日頃のこまめな観察により早期発見・早期対処することの重要性が強調されました。
百合が原公園では、日々の管理の中で札幌の気候に適した植物や病害虫に強い品種を導入し、植物が好む環境づくりを進めています。また、化学農薬の使用を抑えることで、病害虫の偏った発生を減らし、「人や生物など環境にやさしい公園管理」をテーマに総合的な防除を実践しているそうです。
講義のあとは、園内植物の病害虫被害の様子を観察し、その防除対策を見学していきます。
まずは、バラの散策路「ローズウォーク」でバラの様子を観ていきます。
数あるバラの中には、黒星病を発症している株もありました。黒星病は梅雨や長雨の時期に発生しやすく、土に常在するカビ菌が雨の跳ね返りで葉につくと発症します。その予防として、百合が原公園では地面にウッドチップを敷き詰めていました。
また、バラの害虫として知られるコガネムシに対して、雄成虫を誘引・捕獲する「フェロモントラップ」を導入し対策していました。
続いて、シラカバの木を観察していきます。
こちらのシラカバの木の根元には空洞ができています。これはカミキリムシの幼虫が木の内部を食い進んだ跡です。幼虫は幹や芯となる木材をかじり、徐々に穴を広げていきます。更に木の腐朽が進むと弱って枯れてしまうこともあるそうです。講座では、ちょうど木の表面にいたカミキリムシを間近に観察することができました。
また、樹木医でもある講師が専用の道具を使用して、シラカバの樹木診断を実演してくださいました。
ほかにも園内では、モザイク症状が出ているセイヨウブナの様子やうどんこ病が発生しているかぼちゃの様子なども観察しました。
受講者の方から「資料を元に実際に園内を歩いて照らし合わせる事ができ、とてもわかりやすかったです。」という感想がありました。学んだ知識と実地での観察が結びついたことで、より理解が深まったようです。
そして、緑のセンター前の一年草花壇ですが、記録的な猛暑が続く中でも負けずにきれいな花を咲かせていました!
ペチュニアやインパチェンス、サルビアが色とりどりに咲き、背の高くなったバーベナボナリエンシスやオルラヤが風に揺れ、コキアもモリモリと大きく生長していました。
次回のメンテナンス活動は8月6日水曜日に行う予定です。お時間ある方は是非ご参加ください。












