芸術の森フラワーロードの「腰水つけ」
今年で活動11年目を迎えた「芸術の森フラワーロードに花を咲かせる会」の、花植え前日に行われた「腰水つけ」の様子を見学してきました。
(事務局:都築)
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6月4日(土)14:00、国道453号線沿いの「芸術の森地区まちづくりセンター」の駐車場をのぞくと、会のみなさん10名ほどがすでに忙しそうに動きまわっています。

駐車場に大きく広げられたブルーシートの上に、トラックで運び込まれた苗が、トレイごとどんどん並べられます。


シロタエギク、マリーゴールド、ブルーサルビア、アリッサム…。
デザイン担当の方によると、春から秋まで目を楽しませてくれて、虫にも、暑さにも強い植物を選んでいるそうです。
今年は、花がら摘みがたいへんなペチュニアにかえて、コリウスを植えることにしたとのことです。




ブルーシートの上に苗をズラリと並べた後は、シートの端・四辺を空きトレイを支えにして少し高く持ち上げます。そうすると持ちあげた部分が壁となり、内側がくぼんだ形になります。くぼみに水をはれば、即席プールの出来上がりです。
夕方まで、プール内で苗にたっぷりと水を吸わせた後は、プールの壁を支えていた空きトレイを外せば、残った水は簡単に外に流れ出ます。




この方法で水をたっぷり吸った苗は、翌日、約100人ほどの地域のボランティアのみなさんの手で花壇に植えられますが、しっかり根付くうえ、その後水やりをしなくても丈夫に育ち、道行く人の目を秋まで楽しませてくれるそうです。まちなかで花壇づくりをする人たちにとって、水やりはたいへんな重労働ですが、この方法によって、花壇の管理がうんと楽になったそうです。
とは言っても、総延長3kmの道沿いに植える花苗は数も多く、ブルーシートに並べるだけでもなかなかの労働です。ブルーシートに開いた穴から水が漏れ出したり、地面の高低差で、すべての苗にうまく水が行き渡っていないことを発見したりという場面もあり、会のみなさんが花苗ポットの吸水状態や、プールの水の張りぐあいを丁寧に点検しながら、進めているようすが印象的でした。
また、腰水つけ以外にも土おこしや肥料やりを通じて、土の保水性や養分を高めるなど、植物が元気に育つための環境づくりに努めています。花がらや草取りなどの手入れも丁寧に行っています。
このようなきめ細かさがあってこそ、フラワーロードの美しさが実現できるのでしょう。
腰水づけ翌日の花植えは、朝6時から下準備をはじめ、9時からの花植えが終了した後には、昼食に手作りの豚汁とおにぎりを味わいながら、みんなで交流するそうです。こういった丹念な準備と心遣いが、数多くの地域住民に支えられ、活動が長く続けられる秘訣なのかもしれません。「花と緑が美しい景色」と、「地域コミュニティのつながり」とは、切っても切れない関係なのだと感じました。
2010年のフラワーロードの様子

◆芸術の森フラワーロードに花を咲かせる会