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【団体紹介】NPO法人 ゴールデン福祉会

NPO法人ゴールデン福祉会の「ちょうちょガーデン」のベンチに腰掛けていると、さまざまなちょうちょが、あちらこちらからひらひらと舞い飛んできます。代表の髙橋正典さんによると、このガーデンでは、スジグロシロチョウやクジャクチョウ、アカタテハなど約10種類もの蝶が見られるそうです。

幼いころから自然や花が好きだったという髙橋さんは、近所の児童会館に自分で採集した蝶の標本を寄贈したり、沖縄まで蝶の採集にでかけるほどのちょうちょ好きで、「ちょうちょガーデン」を蝶が来るような庭としてつくり上げてきました。たとえば、蝶の大好物のアザミなどを植栽したり、卵を産みつけるのに適当なサンショウを植えて育ててきました。



訪問した6月19日(土)は、今季初のオープンガーデンの日。「ちょうちょガーデン」に植栽されている8種類のクレマティスや、18種類のバラ、20種類の樹木、100種類もの宿根草などを目当てに、何人もの人たちが、ちょうちょのようにあちらこちらからやって来て、お互いに挨拶を交わし合っていました。



春先に寒い日々が続いた今季は、バラの開花はちょっと遅れがちでしたが、可愛いつぼみをたくさんつけていました。クレマティスは美しい花を鮮やかに咲かせていました(きっと今頃はバラが見事に咲いています)。





ゴールデン福祉会の主な活動は、「介護や家事援助などの助け合い活動」「各種福祉相談」「茶話会や食事会などの交流活動」そして「オープンガーデン」と多岐に渡っていますが、1994年に会が発足した当時は、一人暮らしのお年寄りなど介護や手助けが必要な人たちを支える活動としてスタートしました。2000年に介護保険が導入されるようになり、介護保険事業者としての参入をしないことに決めたゴールデン福祉会は、2004年に事務所を琴似駅そばから、高橋さんの自宅のある八軒へと移し、交流活動やオープンガーデンにも力を入れてきました。

訪れた日は、交流活動の一環として行なわれている月1回の「ちょうちょガーデンサロン」が開かれる日でもあり、庭をひと通り見終えた40代くらいから90代までの女性たち10名ほどが室内に集っていました。アロマオイルを使ったハンドマッサージを体験した後は、ガーデンのビデオをみながらランチタイム。ワンコインで、手の込んだおいしい手作りの食事が楽しめます。さまざまな食材を使っていてバランスがよく、食卓を囲むとはじめて会う人同士でも話が弾みます。

食事の後は、タンポポの綿毛を使ったモビールづくりを体験する時間も設けられていました。毎回、サロンではミニ針刺しづくりや、おひなさまづくりなどのプログラムが準備されていて、参加者が楽しんだり、お互いに得意なことを教え合ったりしながら、交流を深められるように工夫されています。

会の活動のうち「助け合い活動」は、登録者向けのものだそうですが、「交流活動」などは、どなたでも参加できるそうです。絵手紙を書くグループの方々などが、オープンガーデンを題材にして絵を描くために利用したりすることもあるそうで、地域に開かれた場所になっています。

園芸を福祉に活かす活動が、病院や施設などさまざまな場所で行なわれていますが、ゴールデン福祉会の行なっている「助け合い」、「交流」、「オープンガーデン」が結びついた活動は、ガーデンを地域の福祉=幸せに活かす取り組みといえるのではないでしょうか。

関心のある方はぜひ「オープンガーデン」や「ちょうちょガーデンサロン」に遊びにいってみてください。敷居の低いあたたかい場所です。

※特定非営利活動法人 ゴールデン福祉会は2013年に「ちょうちょガーデンの会」となりました。