東札幌病院のボランティア~白石区ワークショップ報告
11月2日(金)、「花と緑のまちづくり交流ワークショップ・白石編」で、東札幌病院でのボランティア活動についてお話をお伺いしました。
1983年4月に開院した東札幌病院は緩和ケアでよく知られる病院です。緩和ケアとは、「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、苦しみを予防し、和らげることで、クオリティ・オブ・ライフを改善するアプローチ」とのことです。
ボランティアグループ「いずみ」の活動は、東札幌病院の開院と同時に始まったそうです。現在のメンバーは64名、それぞれ週1回の活動を行っています。さまざまな分野の活動がある中で、園芸はその一つです。園芸ボランティアにたずさわるみなさんは、屋上のソルガーデン(ソルはスペイン語で太陽の意)や南郷通り沿いの花壇などの維持管理をされています。
さっぽろタウンガーデナーでもあるMさんは、「さっぽろ緑花園芸学校」でボランティア・コーディネーターの白石さんのお話を伺ったことがきっかけとなって、「いずみ」の園芸活動にかかわるようになりました。水やり、花がらつみ、草取り、タネ蒔き、花植え、虫取り、冬じたくなどをしています。春から秋にかけては南郷通り沿いの花壇で、「お手入れ大変ですね」と道行人に声をかけられることもあるそうです。冬でも花を楽しめるソルガーデンでは、患者さんやそのご家族の方々など訪れる人が年々増えているのを実感しています。

お話を聞くだけではなくて、みんなでソルガーデンに足をのばしてみました。外は冷たい雨と強い風がふく荒れ模様の天気でしたが、温室の中は草花がいきいきとしていました。椅子やテーブルが設置され、手作りのクッションやキルトで飾られた空間はとても心休まる雰囲気でした。ちなみに夏場は、温室の外(屋上)にもコンテナが設置され、レイズドベッドでは様々な植物が楽しめるそうです。

すごいなあと思ったことのひとつが、病院にとってのボランティアの位置づけです。病院の維持管理やケアの「お手伝い」というのではなく、患者さんやご家族のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)をともに支える一員として、敬意をもって、なくてはならない存在として、受け止められていることを感じました。とてもやりがいのある活動のようです。