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さっぽろ花と緑のまちづくりフォーラム報告【2】~シンポジウム

11月23日(水・祝)の「さっぽろ花と緑のまちづくりフォーラム」では、シンポジウム「ガーデニングからはじまる北国のまちづくり」を行いました。



定員521名のかでる2・7のホールは、たくさんの人でいっぱいになりました。



まずは3名のパネリストの方々から、それぞれ15~20分程お話をお聞きしました。

トップバッターは、梅木あゆみさん(有限会社コテージガーデン代表)。1980年代ころまで男性中心に行われてきた観賞する「園芸」が、1990年代に女 性たちを中心に「ガーデンニング」として新たな広がりをみせ、最近では食にも関心を寄せる団塊世代カップルや若い世代を巻き込んだ男女がともに担う「作っ て・使って楽しむ庭づくり」へと変わって来ているというお話や、「作って・楽しむ庭づくり」の実例を写真をたっぷり使ってご紹介いただきました。ガーデニ ングで日々の暮らしが豊かになることを実感!



2人目の狩野亜砂乃さん(グリーンエプロンズ代表)には、自宅の庭から一歩外に出て、「まち」で行うガーデニング活動について、狩野さんが植栽アドバイス などをされている札幌市南区でのまちづくり活動の事例をたくさん紹介いただきました。印象深かった事例の一つが藻岩下での取り組みです。コミュニティガー デンが憩いの場となるように「ベンチを設置しよう」と狩野さんが提案したら、町内会のみなさんが丸太などを持ち寄ってひと休み出来る場所が出来たそうで す。その場所では、学校帰りの子どもたちが寄り道して宿題をし、そばにいる大人が教えてあげたりする光景などが見られるようになったそうです。きれいな風 景づくりが、人のつながりもつくる! ということが伝わってくるお話でした。



3人目は鈴木敏司さん(株式会社アトリエアク代表)の「イコロの森」についてのお話です。ゴルフ場の予定地だった100haが、「循環のしくみ」づくりの 場となるという話にスゴイ!と思いました。この土地には50年ほど前は炭生産の場だった森が、人の手が入らずに荒れた状態で放置されていたそうです。間伐 されずひょろひょろと伸びた木を再び「炭として利用しよう」と炭がまづくりにも取り組み、その際には昔そこで炭焼きに従事されていた方から「イコロの森」 の地下にある粘土層が炭がまに利用されていたと聞き、古くからの材料・技術を活かして炭がまを作ったそうです。その粘土層は縄文土器にも活用されていたも のだということです。そして焼き上がった炭や木酢液は、もちろん「イコロの森」ガーデンで活躍しています。



それぞれのパネリストの方々のお話のあとは、宮内泰介さん(北海道大学大学院文学研究科教授)の進行でディスカションをしました。「被災者支援とガーデニ ング」「8割のちから」「いろんな人に関わってもらう工夫」「建築と庭づくり」のことなど、よいお話をたくさん聞きました。最新号の会報(第13号)で内 容をご紹介しますので、お楽しみに。

ところで、シンポジウム会場を美しく飾ったお花は、「さっぽろタウンガーデナー」の渋谷邦子さんの作品です。黒い背景にとってもよく映えるデザインで、お花の周囲は、来場者のみなさんの記念撮影スポットにもなっていたようです。



登壇者のみなさま、渋谷さん、来場者のみなさんなどなど、たくさんの方々のご協力で無事に終えることが出来ました。ありがとうございます!